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外伝
キング・シークレット
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少し、過去の話をしよう。これは、照黄がシークレット・レアになるよりも前の話……
「ふぁぁぁ………眠………」
仙田桃歌。大学生。
しかし、留年が決定していて講義には今月1回も出ていない。
ちょっと待て、違うんだ!留年が決まった理由はただやる気がなかっただけでは無いんだ!ちょっと人助けしてたんだよ!
いや、ちょっとじゃないか……
「こい!」
俺の生業(ただし、報酬は一銭もない)としてる人助けだ。
原理はわからないけど、俺の口からスナックが出てくるからそれをかじる。
すると、身体中がモビルスーツに包まれた感じになる。なんか、闇のヒーローみたいでかっこいいから『シークレット・スーツ』と呼んでいる。
なにか困っている人がいたらこれを使って人助けをしている。
今日はペットのインコが逃げ出したらしい。シークレットを着るほどでもないが、かっこいいから着るのだ。
「さぁ…!ピーコ!どこにいるんだ!!」
結果、2分で見つけた。なんか……おもんない……?
そんな日の帰り道。
「このクソガキ!!!」
「はい……,すみません………」
「いっつもそうやって口ばっかで……そろそろお仕置コースかなぁぁぁ……?」
こんな声が聞こえるもんだから見に行かないと気が済まない。
裏路地の方から聞こえたその声は、事件性を帯びた雰囲気があった。
「何があった!?」と飛び込んだ瞬間、そこには、絶句するしかない光景があった。
まだ10も行ってない少年が目隠しされ、全裸にされている。その前にはサラリーマンの死体と、おもちゃや家具もある。
ここを家にしているホームレスなのか?いやそもそもまず、なぜこの子は全裸なんだ?このリーマンはなんだ?
「ひ、人がいるんですか!?」少年がそう言った瞬間、怒号を飛ばしながら、男がやってきた。
「なーに他人の家勝手に入ってきとんじゃ!!ぶっ殺すぞ!!」「す、すみません!」少年が何故か謝る。
そんなことより、その男が持っているのはナイフだ。
こいつ、その少年か、そのリーマンを殺る?
「お前がこんなリーマン野郎も殺せないせいで、俺は通報されかけた。今までのお前への扱いとか、これまでの殺人歴とか、その他もろもろ。これはお仕置。わかる?」
ダメだ。やばいこいつ。このままじゃ少年が……
「こい!!」
俺はシークレットを着た。
そして、男に殴り掛かる。
「な、なな、何してんだてめぇぇえ!!」
男はそうやって俺にナイフを向けて走る。そんな彼に対抗できるほどこのスーツは強くない。
「もういっちょ!こい!」
俺はもう一口スナックを食った。
スーツが強くなるのがわかる。これなら彼に対抗できる。
だが、こんなことをする彼が俺は今許せない。
殺したい。殺さなくては。
俺は歪んでしまった。スナックを1口、もう一口。
そのまんま男を殴り続ける。だんだん理性が壊れていく。
しかし、スナックは止まらない。食べても食べても止まらない。
気づいた時には、彼は血まみれで、息もなかった。
そんな状況なのに、スナックはまだ止まらない。なぜだ?俺も分からない。
ふと、俺が厨二病にかかっていた時、作り上げたキャラクターが脳裏を過ぎった。
「キング大王」
悪逆非道の最強。誰にも彼を抑えることは出来ない。
だめだ、こんなキャラ、現実にいていいはずがない。
でも、俺の体は今、だんだんキングになっている気がする。思考も、感情も。
スナックはまだ止まらない。
ダメだダメだダメだ。
こいつが世に放たれてはならない。せめて、せめて分散させないと……。
咄嗟の起点で、俺の全エネルギーを周囲にあったものへ手当たり次第に注ぎ込んだ。
記憶はついにそこまでだ。だが、最後に俺の話した言葉が、俺の、最後の善行なのかもしれない。
「誰か!聞いてくれ!もし、俺の事を後の人に伝えるなら!俺はこんなクズだ!だから!俺をクズだと伝えてくれ!」
これを聞いていたあるシークレットがいた。いや、全シークレットが聞いていたのだが、人類としての意識が芽生えた奴がいたとでも言おうか。
「ふぁぁぁ………眠………」
仙田桃歌。大学生。
しかし、留年が決定していて講義には今月1回も出ていない。
ちょっと待て、違うんだ!留年が決まった理由はただやる気がなかっただけでは無いんだ!ちょっと人助けしてたんだよ!
いや、ちょっとじゃないか……
「こい!」
俺の生業(ただし、報酬は一銭もない)としてる人助けだ。
原理はわからないけど、俺の口からスナックが出てくるからそれをかじる。
すると、身体中がモビルスーツに包まれた感じになる。なんか、闇のヒーローみたいでかっこいいから『シークレット・スーツ』と呼んでいる。
なにか困っている人がいたらこれを使って人助けをしている。
今日はペットのインコが逃げ出したらしい。シークレットを着るほどでもないが、かっこいいから着るのだ。
「さぁ…!ピーコ!どこにいるんだ!!」
結果、2分で見つけた。なんか……おもんない……?
そんな日の帰り道。
「このクソガキ!!!」
「はい……,すみません………」
「いっつもそうやって口ばっかで……そろそろお仕置コースかなぁぁぁ……?」
こんな声が聞こえるもんだから見に行かないと気が済まない。
裏路地の方から聞こえたその声は、事件性を帯びた雰囲気があった。
「何があった!?」と飛び込んだ瞬間、そこには、絶句するしかない光景があった。
まだ10も行ってない少年が目隠しされ、全裸にされている。その前にはサラリーマンの死体と、おもちゃや家具もある。
ここを家にしているホームレスなのか?いやそもそもまず、なぜこの子は全裸なんだ?このリーマンはなんだ?
「ひ、人がいるんですか!?」少年がそう言った瞬間、怒号を飛ばしながら、男がやってきた。
「なーに他人の家勝手に入ってきとんじゃ!!ぶっ殺すぞ!!」「す、すみません!」少年が何故か謝る。
そんなことより、その男が持っているのはナイフだ。
こいつ、その少年か、そのリーマンを殺る?
「お前がこんなリーマン野郎も殺せないせいで、俺は通報されかけた。今までのお前への扱いとか、これまでの殺人歴とか、その他もろもろ。これはお仕置。わかる?」
ダメだ。やばいこいつ。このままじゃ少年が……
「こい!!」
俺はシークレットを着た。
そして、男に殴り掛かる。
「な、なな、何してんだてめぇぇえ!!」
男はそうやって俺にナイフを向けて走る。そんな彼に対抗できるほどこのスーツは強くない。
「もういっちょ!こい!」
俺はもう一口スナックを食った。
スーツが強くなるのがわかる。これなら彼に対抗できる。
だが、こんなことをする彼が俺は今許せない。
殺したい。殺さなくては。
俺は歪んでしまった。スナックを1口、もう一口。
そのまんま男を殴り続ける。だんだん理性が壊れていく。
しかし、スナックは止まらない。食べても食べても止まらない。
気づいた時には、彼は血まみれで、息もなかった。
そんな状況なのに、スナックはまだ止まらない。なぜだ?俺も分からない。
ふと、俺が厨二病にかかっていた時、作り上げたキャラクターが脳裏を過ぎった。
「キング大王」
悪逆非道の最強。誰にも彼を抑えることは出来ない。
だめだ、こんなキャラ、現実にいていいはずがない。
でも、俺の体は今、だんだんキングになっている気がする。思考も、感情も。
スナックはまだ止まらない。
ダメだダメだダメだ。
こいつが世に放たれてはならない。せめて、せめて分散させないと……。
咄嗟の起点で、俺の全エネルギーを周囲にあったものへ手当たり次第に注ぎ込んだ。
記憶はついにそこまでだ。だが、最後に俺の話した言葉が、俺の、最後の善行なのかもしれない。
「誰か!聞いてくれ!もし、俺の事を後の人に伝えるなら!俺はこんなクズだ!だから!俺をクズだと伝えてくれ!」
これを聞いていたあるシークレットがいた。いや、全シークレットが聞いていたのだが、人類としての意識が芽生えた奴がいたとでも言おうか。
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