人間兵器

大地ノコ

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本編

第4話 話

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 5徹目眠い。昼寝は少しあったけど、そろそろ夜に寝させてほしい。そんなことを思いながらいつもどおり訓練を行っていた。
 訓練の内容は、補強又は息抜きとして、腕立て・腹筋・バーピーをそれぞれ100回。訓練を続けてたら、これでも楽だと感じるのが、慣れの怖いところだ。
 というか、最初の何やっても大丈夫は何処行ったんだよ。
 本訓練では、とにかく動かず、何時間でも待ち続ける訓練や、逆になるべく長い時間、頭や銃を守りながら走り続ける訓練。銃を奪われた状態でも敵と戦えるように、武術や剣術の訓練など。
 訓練から1ヶ月経ったが、大体は身につけた。身につけると、昼寝の時間が増えるから、本気で覚えた。
 しかし、そんな俺も未だ慣れない訓練がある。

 それは、銃撃訓練だ。
 俺はやばい銃を選んでしまった。一発撃つだけで脳が揺れる。しかも、揺れたタイミングで放たれるからすっげえ慎重に撃たないといけない。
 それに、連射をすると一日寝込むレベルで頭が震える。ついでに吐く。少し昔に戻って、もっといい武器を選びたかった。
 まぁ、そんなわけでこれを全てやって、一旦合格になると、8時間の睡眠が認められる。今日頑張れば、ぐっすり眠れる。頑張るしかない。
 そうやって、俺の5徹目が始まった。

 一方、カチュカン貴族会議では、お偉い方たちが戦争のスケジュールを立てていた。
「この流れで行くと、来週には敵国へ攻める必要があります」
「しかし、そうすると人間兵器は明日から閉鎖管理でよろしいでしょうか?」
「それが1番楽でしょう。相手にも察されにくい。」
 閉鎖管理とは戦争直前に、敵国へ人間兵器の情報を知られないように、そして人間兵器が戦争の前に逃げ出さないように、密室に閉じ込め、脅迫などを用いて、絶対に裏切れないようにすることである。
「それでは、今日の訓練が終わり次第、閉鎖管理を行うこととする。これにて会議を終わる。」
 キトランス皇帝の発言で会議は終わった。遂に、戦争が始まる。

 可愛そうなのは、友樹だ。やっと眠れると思っていたのに、訓練合格が告げられると、すぐに閉鎖管理が始まったのだ。
「今から一週間、閉鎖管理を行う。活動の制限に耐えるんだ。命の危険がないだけ、戦場よりマシだ。」
 ぶっちゃけ、訓練よりきつい気がした。ずっと怒号が飛び続け、裏切ったらこうなるということを延々と聞かされる。
 ときには、暴力が振るわれたり、いきなりナイフが降ってきたりもする。
 体力が低下しないよう、基礎運動は毎日させられる。冗談抜きで、人生で一番の苦痛を味わった。
 後は、ブリエシタンの概要を教えてもらったりもした。ブリエシタンにいる、カチュカンのスパイ、ブリエシタンの首都、ブルスのマップも頭に入れさせられた。頭がパンクするところだった。
 また、敵国に捕らえられたとき、助けを呼ぶ方法なども教えてもらった。「私は牢屋に行きます!」というと、ブリエシタンの取調室で働いているカチュカンのスパイが救出の手助けをしてくれるようだ。

 そんな長い1週間が過ぎた。これから、地獄が始まる。
 皇帝の声が、聴こえた。
「出陣だ」
 ぐっすり寝た後だったため、眠いわけじゃない。なのに、何故かあくびが自然に出てきた。遂に始まる。地獄が始まる。
 俺の人間兵器としての、最初の戦場だった。
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