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第二章 原作開始
第94話 指名依頼の受注
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「パーティー超越者の指名依頼、ですか。少々お待ちください」
冒険者ギルドの受け付けのお姉さんが依頼書の束を取り出し目当ての依頼書を探している間、昨日のことを考える。
建国祭での砲撃事件に関わった大量の教会関係者が捕まった。これから尋問が始まる。夜にも関わらず速報で教国には強く抗議入れたそうだ。
だけど、情報をまとめてからさらに追及していくそうだけど、最悪戦争になる可能性があるって言ってた。
……そのあたりは王様たちに任せるしかないよな。話が大きすぎる。
暗い気持ちになりかけていたけど、ワイバーン騒ぎで迷惑をかけた村のおじさんから頼まれた、牛の魔物の捕獲依頼を請けに来た。
請けると約束したからには、きちんと果たさないとな。
それに魔牛について少し調べてわかったことは、牛乳が絶品だと言うこと。
なので前世で何度か作ったことのあるアイスクリームをみんなにご馳走しようと考えた。
あ、バニラエッセンスって異世界にあるのか? そんなことを考えてると――
「はじめての捕獲依頼ですの。どうやって捕まえますの?」
「リズ、そんなの簡単よ。この前のワイバーン騒ぎのとき、逃げ出した牛たちは飛行スキルで浮かせて集めたのよ? だったら今回もそれで捕まえればいいのよ」
「あっ、そうでしたわ。牛さんを浮かべれば逃げられませんものね」
その通りだ。俺もそのやり方で捕まえようと思っている。
魔物とはいえ、家畜にするんだから無理矢理捕まえて、怪我なんてさせる必要もない。
なので今回は飛行スキルの無いアンジーとキャルはお留守番の予定だったんだけど。
『くっ! お前たちだけずるいぞ! 俺も飛びたい! いや! 絶対飛んでやる!』
『わ、私も牛さん見たかったです。でも邪魔もしたくないので、あの、村で待つのは駄目ですか?』
と、ぴょんぴょん弾みだしたアンジーにはファラのファフニールに乗ってもらい、飛行スキルを覚えられるようにする予定だ。
アンジー……えっと……ぴょんぴょんしても飛行スキルは生えないよ……。
いや、もしかすると、跳躍スキルとかあれば覚えるかもしれない、な……今度俺もやってみるか。
もちろんキャルも飛行スキルは覚えてもらいたいので、しばらく一緒にファフニールに乗って飛び回ってもらう。
もしかするとグリフィン王のスエキチのように、直接乗らなきゃ駄目なのかもしれないので、ファラには借りれるように頼んでもらってる。
グリフィン王のサボりも防げるからなのか、王の側近たちからは――
『ぜひスエキチを連れていって欲しい』
――と言われてるので実現はかなり確率が高いだろう。
「お待たせいたしました。フェリル村の魔牛捕獲依頼ですね」
おお、フェリル村っていうのか。それに魔牛か。
カウンターの上に出された依頼書を見る。
ちゃんと指名パーティーは超越者になってるし、依頼料も金貨三枚、中々の高額だ。
「頭数は最低五匹。子魔牛もいるなら母魔牛と共に連れて来て欲しいとのことです。お請けになりますか?」
いや、牛乳が出るなら子魔牛もいるだろ?
……あ、妊娠中の可能性もあるのか。納得。
「はい。請けます」
「魔牛は通常大人しく、危害を加えれば豹変したように恐ろしい魔物となりますので、お気をつけください」
「わかりました」
「では、パーティー超越者の魔牛捕獲依頼を受注っと、はい依頼の登録完了です。期限は残り一週間ですので、お気をつけください」
「ありがとうございます。よし、みんな、行こうか」
「ちょっと待てガキども!」
依頼書とギルドカードを受け取ったとき、後ろから声がかけられた。
これはまさかあの有名なテンプレ、先輩冒険者が絡んでくるヤツか!
みんなと同じように声がかけられた後ろに振り向く。
内心ワクワクだ。
「フェリル村の依頼を請けたとか聞こえたんだが違うよな!」
「はい。フェリル村の魔牛を捕まえる指名依頼を請けましたよ」
「なんだと! すぐに取り消せ! その魔牛はもう俺たちが捕まえる予定で準備してるんだ!」
ん? どう言うことだ? ガキが冒険者の真似事を~とか絡んでくるパターンじゃないのか?
「毎年余ってたのに、いつまでたっても魔牛捕獲依頼が出ないと思ってたら、なんなんだよ!」
なるほど、この人たちが請けようと準備していたけど、依頼書が張り出されないうちに俺たちが請けちゃったってことか。
「あの、もう請けましたし、今さらやめますなんて言えませんし、村のおじさんに直接頼まれてもいるので」
「だから取り下げればいいだろ! 俺たちはあの村の出身で、毎年祭に帰る口実にだな!」
ん~と、雲行きが怪しくなってきたぞ。
「俺たちが頑張ってる姿を見せる機会だからさっさと辞退しやがれ!」
微妙に言うこと聞きたくなるけど、そんな依頼を請けなくても顔を見せに行けばいいだけなんだよな。
なにか帰りづらいことがあるんだろうか。
「お待ちください。毎年通常依頼として出ていましたが、今年はパーティー超越者への指名依頼です」
「だから辞退すればいいじゃねえか!」
「パーティー超越者が依頼を辞退しても、魔牛捕獲の通常依頼はございませんよ?」
「え?」
驚いているけど、その通りなんだよな。
まあ出身の村に帰るついでに捕獲して、連れていったあと報酬の交渉はできるかもしれないけど……。
「じゃあどうすりゃいいんだよ! 魔牛を運ぶ人員とエサの手配までしたんだぞ!」
こりゃ、また……。完全に見切り発車だよそれ……。
ま、頼んでしまったなら、仕事が無くなったときの違約金もあるだろうけど、諦めるしかないよな。
「そちらは申し訳ないですが、お断りした方がいいでしょうね。では、俺たちは行きますね」
「待ってドライ、一緒に請けてもいいんじゃない? 村でお互い魔牛を連れて合流すれば」
「あ、そうか。俺たちの指名依頼の協力者として村に帰ればいいのか。ファラそれいいね。お兄さんたち、それでいいかな?」
納得してくれればいいんだけど……。
冒険者ギルドの受け付けのお姉さんが依頼書の束を取り出し目当ての依頼書を探している間、昨日のことを考える。
建国祭での砲撃事件に関わった大量の教会関係者が捕まった。これから尋問が始まる。夜にも関わらず速報で教国には強く抗議入れたそうだ。
だけど、情報をまとめてからさらに追及していくそうだけど、最悪戦争になる可能性があるって言ってた。
……そのあたりは王様たちに任せるしかないよな。話が大きすぎる。
暗い気持ちになりかけていたけど、ワイバーン騒ぎで迷惑をかけた村のおじさんから頼まれた、牛の魔物の捕獲依頼を請けに来た。
請けると約束したからには、きちんと果たさないとな。
それに魔牛について少し調べてわかったことは、牛乳が絶品だと言うこと。
なので前世で何度か作ったことのあるアイスクリームをみんなにご馳走しようと考えた。
あ、バニラエッセンスって異世界にあるのか? そんなことを考えてると――
「はじめての捕獲依頼ですの。どうやって捕まえますの?」
「リズ、そんなの簡単よ。この前のワイバーン騒ぎのとき、逃げ出した牛たちは飛行スキルで浮かせて集めたのよ? だったら今回もそれで捕まえればいいのよ」
「あっ、そうでしたわ。牛さんを浮かべれば逃げられませんものね」
その通りだ。俺もそのやり方で捕まえようと思っている。
魔物とはいえ、家畜にするんだから無理矢理捕まえて、怪我なんてさせる必要もない。
なので今回は飛行スキルの無いアンジーとキャルはお留守番の予定だったんだけど。
『くっ! お前たちだけずるいぞ! 俺も飛びたい! いや! 絶対飛んでやる!』
『わ、私も牛さん見たかったです。でも邪魔もしたくないので、あの、村で待つのは駄目ですか?』
と、ぴょんぴょん弾みだしたアンジーにはファラのファフニールに乗ってもらい、飛行スキルを覚えられるようにする予定だ。
アンジー……えっと……ぴょんぴょんしても飛行スキルは生えないよ……。
いや、もしかすると、跳躍スキルとかあれば覚えるかもしれない、な……今度俺もやってみるか。
もちろんキャルも飛行スキルは覚えてもらいたいので、しばらく一緒にファフニールに乗って飛び回ってもらう。
もしかするとグリフィン王のスエキチのように、直接乗らなきゃ駄目なのかもしれないので、ファラには借りれるように頼んでもらってる。
グリフィン王のサボりも防げるからなのか、王の側近たちからは――
『ぜひスエキチを連れていって欲しい』
――と言われてるので実現はかなり確率が高いだろう。
「お待たせいたしました。フェリル村の魔牛捕獲依頼ですね」
おお、フェリル村っていうのか。それに魔牛か。
カウンターの上に出された依頼書を見る。
ちゃんと指名パーティーは超越者になってるし、依頼料も金貨三枚、中々の高額だ。
「頭数は最低五匹。子魔牛もいるなら母魔牛と共に連れて来て欲しいとのことです。お請けになりますか?」
いや、牛乳が出るなら子魔牛もいるだろ?
……あ、妊娠中の可能性もあるのか。納得。
「はい。請けます」
「魔牛は通常大人しく、危害を加えれば豹変したように恐ろしい魔物となりますので、お気をつけください」
「わかりました」
「では、パーティー超越者の魔牛捕獲依頼を受注っと、はい依頼の登録完了です。期限は残り一週間ですので、お気をつけください」
「ありがとうございます。よし、みんな、行こうか」
「ちょっと待てガキども!」
依頼書とギルドカードを受け取ったとき、後ろから声がかけられた。
これはまさかあの有名なテンプレ、先輩冒険者が絡んでくるヤツか!
みんなと同じように声がかけられた後ろに振り向く。
内心ワクワクだ。
「フェリル村の依頼を請けたとか聞こえたんだが違うよな!」
「はい。フェリル村の魔牛を捕まえる指名依頼を請けましたよ」
「なんだと! すぐに取り消せ! その魔牛はもう俺たちが捕まえる予定で準備してるんだ!」
ん? どう言うことだ? ガキが冒険者の真似事を~とか絡んでくるパターンじゃないのか?
「毎年余ってたのに、いつまでたっても魔牛捕獲依頼が出ないと思ってたら、なんなんだよ!」
なるほど、この人たちが請けようと準備していたけど、依頼書が張り出されないうちに俺たちが請けちゃったってことか。
「あの、もう請けましたし、今さらやめますなんて言えませんし、村のおじさんに直接頼まれてもいるので」
「だから取り下げればいいだろ! 俺たちはあの村の出身で、毎年祭に帰る口実にだな!」
ん~と、雲行きが怪しくなってきたぞ。
「俺たちが頑張ってる姿を見せる機会だからさっさと辞退しやがれ!」
微妙に言うこと聞きたくなるけど、そんな依頼を請けなくても顔を見せに行けばいいだけなんだよな。
なにか帰りづらいことがあるんだろうか。
「お待ちください。毎年通常依頼として出ていましたが、今年はパーティー超越者への指名依頼です」
「だから辞退すればいいじゃねえか!」
「パーティー超越者が依頼を辞退しても、魔牛捕獲の通常依頼はございませんよ?」
「え?」
驚いているけど、その通りなんだよな。
まあ出身の村に帰るついでに捕獲して、連れていったあと報酬の交渉はできるかもしれないけど……。
「じゃあどうすりゃいいんだよ! 魔牛を運ぶ人員とエサの手配までしたんだぞ!」
こりゃ、また……。完全に見切り発車だよそれ……。
ま、頼んでしまったなら、仕事が無くなったときの違約金もあるだろうけど、諦めるしかないよな。
「そちらは申し訳ないですが、お断りした方がいいでしょうね。では、俺たちは行きますね」
「待ってドライ、一緒に請けてもいいんじゃない? 村でお互い魔牛を連れて合流すれば」
「あ、そうか。俺たちの指名依頼の協力者として村に帰ればいいのか。ファラそれいいね。お兄さんたち、それでいいかな?」
納得してくれればいいんだけど……。
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