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第1章
第22話 テンプレ待ってました! ②
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「その通りだ。ったくよ、買い取りのジジイも説明してやれってんだ。おら、早く並び直さねえと、どんどん遅くなるぞ」
「おお! ありがとございますの、アカネ、並び直しますの! あっちなのです!」
イルは依頼書を掲げた格好のまま、ペコリと頭を下げながらお礼を言うと、茜ちゃんの手を取り列を離れ、報告用と言われた二列横の列の最後尾に向けて歩きだした。
「はっ! お、おじさんありがとうございます!」
茜ちゃんは引っ張られ、おっちゃんが親切心で絡んできたことに気付き、引っ張られながらもお礼を言って、イルについていく。
俺も、声は出せる状況ではないが、心の中で『ありがとう』と言い、下げたように見えないだろうが頭も下げた。
場所をゆずれだと思っていたのに、実は場所を間違えてるぞだったため、テンプレが不発に終わったんだけど、その後は何もなく、依頼完了の登録も終わった。
ちょっと残念だったのは否めない……。
結局薬草採取七回分の量があったそうで、受け付けのお姉さんに褒められて、ご機嫌のイルを連れて冒険者ギルドを後にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初日、ゴブリンに会ったイレギュラーはあったけれど、その後の数日は、同じ薬草採取を続けているけれど、そんなこともなく、買い取りのおじさんとも仲良くなり、小太りのおっちゃんとも、言葉は交わさないが、軽く手を上げて挨拶するまでになっていた。
そして十日が経ち、今日も薬草採取を請けようと冒険者ギルドに来たんだけど何やら朝から騒がしい。
なんだ? なにが――ヤバっ!
『二人ともギルドから出て! 金谷達がいる!』
『か、金谷君が! ヤ、ヤバいです! イルちゃん早くこちらへ!』
奴らはいつもの三人で、受け付けのところで騒いでいた。
イルの手を引き外に出てもらい、ギルドの建物と隣の雑貨屋との間にある路地に飛び込んでもらう。
「危なかった、イルは大丈夫だけど、茜ちゃんの事はすぐにバレて、何されるか分からない」
「はぁ~、怖かったです。今日は依頼を請けずに薬草だけ採取しておく? お金はまだ余裕あるし」
「どうしましたの? 悪者がいたのです?」
繋いでいる茜ちゃんの手を、凄く楽しそうにプラプラと揺らしながら聞いてきた。
「う~ん悪者と言いきれないけど、俺達ができればまだ会いたくない奴らなんだ。茜ちゃん、茜ちゃんの姿をこの世界の人っぽく変えようか、そうすればバレないはずだし」
「あっ、それならイルちゃんに依頼を請けてもらえるよね」
俺はみにょ~んと伸びて、イルの頭の上から茜ちゃんの肩に乗り移り、早速召喚の部屋から出た時のスキル、幻影を使い、イルと同じ髪の毛を銀髪に目を赤色にして、ヘアスタイルはボサボサ伸び放題だった俺の姿に。
「ほへ~! ユウリが格好良いのです! アカネがユウリになりましたの!」
「へ? わ、私が友里くんに? でも、この銀髪……まさか目は赤か銀、レアなら紫もありだよね!」
「落ち着け、イルに合わせて赤目にしたけど……うん。髪の毛と目の色を変えるだけでほぼ別人だよ。この後は俺が喋るから茜ちゃんは念話でお願いできる?」
「はい。そうだ、このまま友里くんも冒険者ギルドに登録しておけば、良くない? 金谷君達がギルドに来たっていう事は他のクラスメイトも――」
「おいそこのガキ、黒髪の女を見なかったか?」
声をかけてきたのは、ちょっと前に冒険者ギルドで騒いでいた金谷だった。
「おお! ありがとございますの、アカネ、並び直しますの! あっちなのです!」
イルは依頼書を掲げた格好のまま、ペコリと頭を下げながらお礼を言うと、茜ちゃんの手を取り列を離れ、報告用と言われた二列横の列の最後尾に向けて歩きだした。
「はっ! お、おじさんありがとうございます!」
茜ちゃんは引っ張られ、おっちゃんが親切心で絡んできたことに気付き、引っ張られながらもお礼を言って、イルについていく。
俺も、声は出せる状況ではないが、心の中で『ありがとう』と言い、下げたように見えないだろうが頭も下げた。
場所をゆずれだと思っていたのに、実は場所を間違えてるぞだったため、テンプレが不発に終わったんだけど、その後は何もなく、依頼完了の登録も終わった。
ちょっと残念だったのは否めない……。
結局薬草採取七回分の量があったそうで、受け付けのお姉さんに褒められて、ご機嫌のイルを連れて冒険者ギルドを後にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初日、ゴブリンに会ったイレギュラーはあったけれど、その後の数日は、同じ薬草採取を続けているけれど、そんなこともなく、買い取りのおじさんとも仲良くなり、小太りのおっちゃんとも、言葉は交わさないが、軽く手を上げて挨拶するまでになっていた。
そして十日が経ち、今日も薬草採取を請けようと冒険者ギルドに来たんだけど何やら朝から騒がしい。
なんだ? なにが――ヤバっ!
『二人ともギルドから出て! 金谷達がいる!』
『か、金谷君が! ヤ、ヤバいです! イルちゃん早くこちらへ!』
奴らはいつもの三人で、受け付けのところで騒いでいた。
イルの手を引き外に出てもらい、ギルドの建物と隣の雑貨屋との間にある路地に飛び込んでもらう。
「危なかった、イルは大丈夫だけど、茜ちゃんの事はすぐにバレて、何されるか分からない」
「はぁ~、怖かったです。今日は依頼を請けずに薬草だけ採取しておく? お金はまだ余裕あるし」
「どうしましたの? 悪者がいたのです?」
繋いでいる茜ちゃんの手を、凄く楽しそうにプラプラと揺らしながら聞いてきた。
「う~ん悪者と言いきれないけど、俺達ができればまだ会いたくない奴らなんだ。茜ちゃん、茜ちゃんの姿をこの世界の人っぽく変えようか、そうすればバレないはずだし」
「あっ、それならイルちゃんに依頼を請けてもらえるよね」
俺はみにょ~んと伸びて、イルの頭の上から茜ちゃんの肩に乗り移り、早速召喚の部屋から出た時のスキル、幻影を使い、イルと同じ髪の毛を銀髪に目を赤色にして、ヘアスタイルはボサボサ伸び放題だった俺の姿に。
「ほへ~! ユウリが格好良いのです! アカネがユウリになりましたの!」
「へ? わ、私が友里くんに? でも、この銀髪……まさか目は赤か銀、レアなら紫もありだよね!」
「落ち着け、イルに合わせて赤目にしたけど……うん。髪の毛と目の色を変えるだけでほぼ別人だよ。この後は俺が喋るから茜ちゃんは念話でお願いできる?」
「はい。そうだ、このまま友里くんも冒険者ギルドに登録しておけば、良くない? 金谷君達がギルドに来たっていう事は他のクラスメイトも――」
「おいそこのガキ、黒髪の女を見なかったか?」
声をかけてきたのは、ちょっと前に冒険者ギルドで騒いでいた金谷だった。
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