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第一章
第44話 肉を焼こう
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兄ちゃんには夜営地で防衛をしているところに帰るまで『だからその姿は!』『あのエンペラーキャットはどこだ!』『収納のスキルがあるのになぜ冒険者をしている!』とか、色々聞かれたんだが……。
「あのな兄ちゃん、俺は冒険者だぞ? 自分の能力とかは喋らねえよ。兵士ならみんなで教え合うんか?」
草原を抜け、街道を横切ると、兵士達と、一緒に護衛依頼をしていた冒険者パーティーが俺達を出迎えてくれた。
兄ちゃんはイライラした顔でまだ俺を睨み付けてくる。
「だが、今回はどうやったのか報告せねばならない。全て話してもらわなければならない」
駄目だなこの兄ちゃん。
俺は隊長さんやの所に向かい、横でごちゃごちゃ言ってくる兄ちゃんを無視して、森の中にまだこっちに向かってくる人が五十人ほどいる事を話す。
「何? それは本当の事か? ……私には気配が感じられないが」
隊長はボアの時と同じように森を見つめながら気配を探り、感じる事はできなかったようだ。
「そら見ろ、この公爵様の護衛を任されているこの隊長も子爵のご嫡子、嘘は不敬罪として裁かれてもおかしくない」
「はぁ、本当に兄ちゃんはやかましいな、後、二時間かかるか、かからないかで森から出てくる場所にいて、こっちに向かってる。嘘は言ってねえ」
(もうこれ以上言っても仕方ないんじゃない? 私達が倒したのにありがとうとか感謝の言葉もないしさ。それよりケント、レッドボア焼いてよ)
アンラはあきれ顔でお手上げって感じで手を上げてる。
そうだな、貴族の嫡子とかよく分かんねえけどよ、兵士ってのもこんな奴らばっかかよ、よし、少しでも休んどくか。
俺はほとんど囲まれてる状態だったが話を切り上げ、俺達のテントに向けて歩きだす。
「信じなくても良いが、俺は護衛依頼に今は戻るぞ。近付いてきたらまた教えてやるよ」
一応そう言っておいたが誰も動かず、退いてもくれねえから隙間を縫うように囲いを抜けていく。
アンラは俺の頭の上で『お肉~、あっ、お酒も飲んじゃおっと♪』とニコニコご機嫌で、ふよふよ浮きながらついてくる。
焚き火の馬車にまで戻り、薪を一つ加えてクロセルにフライパンを出してもらう。
ボア肉も俺、アンラ、プリム、クローセ、ソラーレの分をいい大きさに解体して出してもらった。
貴重だが塩を塗り込んで、熱々になったフライパンに乗せていく。
「おい、それさっきのレッドボアか?」
ちらりと少しだけ後ろを振り返ると、隊長と兄ちゃんがやってきていた。
「そうだが、食いたいんか?」
護衛依頼を一緒に請けた兄ちゃん達は、その前に帰ってきて、一応休んでくれと言っておいた。
装備はそのままにしておいてくれと頼んでおいたが……テントの中からは防具を外すカチャカチャって金具の音が聞こえた。
まあ良いけどな、まだ敵かどうか分かんねえからよ……。
「いや、それも食べたくはあるが少年、先ほど聞いた話しもだが、レッドボアを迎え撃った時の単独行動についてだが――」
「軍規違反だ、お前を拘束して全て喋ってもらうぞ!」
隊長の言葉を遮るように兄ちゃんがまた食って掛かってくる。
「あのな兄ちゃん。兄ちゃんらは兵士だからそうかもしんねえが、俺は冒険者だって言ったよな? 隊長さんよ、コイツ大丈夫か?」
伸ばしてきた手を足元に置いてあった薪で受け流す。
隊長は『はぁ』とため息をつき、兄ちゃんを手で引き戻し自分の後ろへ追いやる。
「隊長?」
「黙れ、冒険者にとっての能力は、根掘り葉掘りと聞くものではない。すまないな」
「頼むぜ本当によ、また戦う事になるかもしんねえ、隊長さん達もちっとは休んでおけよ、三十分前には知らせっからよ。それともなにか? まだなんかあるんか?」
焼け出した肉を裏返し、出てきた油で、良い色になってきた刻んだニンニクを、油と一緒に匙ですくい、肉にかける。
二人に背を向けながら焼いてるんだが、封印せず解放したままだから、気配で分かっちゃいたが二人は動こうとしない……肉、欲しいんか?
(ねえまだかな? ひっくり返したし、そろそろよね?)
アンラとプリムはさっきから俺の両隣で俺の持つフライパンに集中している。
クローセも行儀よくアンラ側にお座りして待ってるくらいだ。
肩にいるソラーレもぷるぷる震えて待っているようだ。
そして小さく切った肉は良い感じに焼けたんで、皿に乗せクローセの前に置こうとしたんだが、その皿を兄ちゃんが奪い取り、焼きたての肉を摘まんで口に放り込みやがった。
「てめえ、盗賊だな、しっ!」
兄ちゃんの手から皿を奪い返し、横に回ってひざ裏に蹴りを入れ、跪かせる。
「ぐあっ!」
そして一旦戻り、皿をプリムに預けた後、呆気に取られ俺を見ている兄ちゃんの元に戻り腹にも蹴りを入れ、下がった頭を掴み、地面に叩きつけた。
ドシャッとそのまま押さえ付け、クロセルにロープを出してもらい腕、足を縛ってしまう。
「な、何をする! クソガキ!」
「盗賊は黙ってろ! おら!」
もう一度上げていた頭を掴んで地面に叩きつけておく。
「隊長、なんだよコイツ、盗賊だぞ、人の物を勝手に盗って食いやがった、文句ねえよな」
「あのな兄ちゃん、俺は冒険者だぞ? 自分の能力とかは喋らねえよ。兵士ならみんなで教え合うんか?」
草原を抜け、街道を横切ると、兵士達と、一緒に護衛依頼をしていた冒険者パーティーが俺達を出迎えてくれた。
兄ちゃんはイライラした顔でまだ俺を睨み付けてくる。
「だが、今回はどうやったのか報告せねばならない。全て話してもらわなければならない」
駄目だなこの兄ちゃん。
俺は隊長さんやの所に向かい、横でごちゃごちゃ言ってくる兄ちゃんを無視して、森の中にまだこっちに向かってくる人が五十人ほどいる事を話す。
「何? それは本当の事か? ……私には気配が感じられないが」
隊長はボアの時と同じように森を見つめながら気配を探り、感じる事はできなかったようだ。
「そら見ろ、この公爵様の護衛を任されているこの隊長も子爵のご嫡子、嘘は不敬罪として裁かれてもおかしくない」
「はぁ、本当に兄ちゃんはやかましいな、後、二時間かかるか、かからないかで森から出てくる場所にいて、こっちに向かってる。嘘は言ってねえ」
(もうこれ以上言っても仕方ないんじゃない? 私達が倒したのにありがとうとか感謝の言葉もないしさ。それよりケント、レッドボア焼いてよ)
アンラはあきれ顔でお手上げって感じで手を上げてる。
そうだな、貴族の嫡子とかよく分かんねえけどよ、兵士ってのもこんな奴らばっかかよ、よし、少しでも休んどくか。
俺はほとんど囲まれてる状態だったが話を切り上げ、俺達のテントに向けて歩きだす。
「信じなくても良いが、俺は護衛依頼に今は戻るぞ。近付いてきたらまた教えてやるよ」
一応そう言っておいたが誰も動かず、退いてもくれねえから隙間を縫うように囲いを抜けていく。
アンラは俺の頭の上で『お肉~、あっ、お酒も飲んじゃおっと♪』とニコニコご機嫌で、ふよふよ浮きながらついてくる。
焚き火の馬車にまで戻り、薪を一つ加えてクロセルにフライパンを出してもらう。
ボア肉も俺、アンラ、プリム、クローセ、ソラーレの分をいい大きさに解体して出してもらった。
貴重だが塩を塗り込んで、熱々になったフライパンに乗せていく。
「おい、それさっきのレッドボアか?」
ちらりと少しだけ後ろを振り返ると、隊長と兄ちゃんがやってきていた。
「そうだが、食いたいんか?」
護衛依頼を一緒に請けた兄ちゃん達は、その前に帰ってきて、一応休んでくれと言っておいた。
装備はそのままにしておいてくれと頼んでおいたが……テントの中からは防具を外すカチャカチャって金具の音が聞こえた。
まあ良いけどな、まだ敵かどうか分かんねえからよ……。
「いや、それも食べたくはあるが少年、先ほど聞いた話しもだが、レッドボアを迎え撃った時の単独行動についてだが――」
「軍規違反だ、お前を拘束して全て喋ってもらうぞ!」
隊長の言葉を遮るように兄ちゃんがまた食って掛かってくる。
「あのな兄ちゃん。兄ちゃんらは兵士だからそうかもしんねえが、俺は冒険者だって言ったよな? 隊長さんよ、コイツ大丈夫か?」
伸ばしてきた手を足元に置いてあった薪で受け流す。
隊長は『はぁ』とため息をつき、兄ちゃんを手で引き戻し自分の後ろへ追いやる。
「隊長?」
「黙れ、冒険者にとっての能力は、根掘り葉掘りと聞くものではない。すまないな」
「頼むぜ本当によ、また戦う事になるかもしんねえ、隊長さん達もちっとは休んでおけよ、三十分前には知らせっからよ。それともなにか? まだなんかあるんか?」
焼け出した肉を裏返し、出てきた油で、良い色になってきた刻んだニンニクを、油と一緒に匙ですくい、肉にかける。
二人に背を向けながら焼いてるんだが、封印せず解放したままだから、気配で分かっちゃいたが二人は動こうとしない……肉、欲しいんか?
(ねえまだかな? ひっくり返したし、そろそろよね?)
アンラとプリムはさっきから俺の両隣で俺の持つフライパンに集中している。
クローセも行儀よくアンラ側にお座りして待ってるくらいだ。
肩にいるソラーレもぷるぷる震えて待っているようだ。
そして小さく切った肉は良い感じに焼けたんで、皿に乗せクローセの前に置こうとしたんだが、その皿を兄ちゃんが奪い取り、焼きたての肉を摘まんで口に放り込みやがった。
「てめえ、盗賊だな、しっ!」
兄ちゃんの手から皿を奪い返し、横に回ってひざ裏に蹴りを入れ、跪かせる。
「ぐあっ!」
そして一旦戻り、皿をプリムに預けた後、呆気に取られ俺を見ている兄ちゃんの元に戻り腹にも蹴りを入れ、下がった頭を掴み、地面に叩きつけた。
ドシャッとそのまま押さえ付け、クロセルにロープを出してもらい腕、足を縛ってしまう。
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