俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

文字の大きさ
44 / 149
第一章

第44話 肉を焼こう

しおりを挟む
 兄ちゃんには夜営地で防衛をしているところに帰るまで『だからその姿は!』『あのエンペラーキャットはどこだ!』『収納のスキルがあるのになぜ冒険者をしている!』とか、色々聞かれたんだが……。

「あのな兄ちゃん、俺は冒険者だぞ? 自分の能力とかは喋らねえよ。兵士ならみんなで教え合うんか?」

 草原を抜け、街道を横切ると、兵士達と、一緒に護衛依頼をしていた冒険者パーティーが俺達を出迎えてくれた。

 兄ちゃんはイライラした顔でまだ俺を睨み付けてくる。

「だが、今回はどうやったのか報告せねばならない。全て話してもらわなければならない」

 駄目だなこの兄ちゃん。

 俺は隊長さんやの所に向かい、横でごちゃごちゃ言ってくる兄ちゃんを無視して、森の中にまだこっちに向かってくる人が五十人ほどいる事を話す。

「何? それは本当の事か? ……私には気配が感じられないが」

 隊長はボアの時と同じように森を見つめながら気配を探り、感じる事はできなかったようだ。

「そら見ろ、この公爵様の護衛を任されているこの隊長も子爵のご嫡子、嘘は不敬罪として裁かれてもおかしくない」

「はぁ、本当に兄ちゃんはやかましいな、後、二時間かかるか、かからないかで森から出てくる場所にいて、こっちに向かってる。嘘は言ってねえ」

(もうこれ以上言っても仕方ないんじゃない? 私達が倒したのにありがとうとか感謝の言葉もないしさ。それよりケント、レッドボア焼いてよ)

 アンラはあきれ顔でお手上げって感じで手を上げてる。

 そうだな、貴族の嫡子とかよく分かんねえけどよ、兵士ってのもこんな奴らばっかかよ、よし、少しでも休んどくか。

 俺はほとんど囲まれてる状態だったが話を切り上げ、俺達のテントに向けて歩きだす。

「信じなくても良いが、俺は護衛依頼に今は戻るぞ。近付いてきたらまた教えてやるよ」

 一応そう言っておいたが誰も動かず、退いてもくれねえから隙間を縫うように囲いを抜けていく。

 アンラは俺の頭の上で『お肉~、あっ、お酒も飲んじゃおっと♪』とニコニコご機嫌で、ふよふよ浮きながらついてくる。

 焚き火の馬車にまで戻り、たきぎを一つ加えてクロセルにフライパンを出してもらう。

 ボア肉も俺、アンラ、プリム、クローセ、ソラーレの分をいい大きさに解体して出してもらった。

 貴重だが塩を塗り込んで、熱々になったフライパンに乗せていく。

「おい、それさっきのレッドボアか?」

 ちらりと少しだけ後ろを振り返ると、隊長と兄ちゃんがやってきていた。

「そうだが、食いたいんか?」

 護衛依頼を一緒に請けた兄ちゃん達は、その前に帰ってきて、一応休んでくれと言っておいた。

 装備はそのままにしておいてくれと頼んでおいたが……テントの中からは防具を外すカチャカチャって金具の音が聞こえた。

 まあ良いけどな、まだ敵かどうか分かんねえからよ……。

「いや、それも食べたくはあるが少年、先ほど聞いた話しもだが、レッドボアを迎え撃った時の単独行動についてだが――」

「軍規違反だ、お前を拘束して全て喋ってもらうぞ!」

 隊長の言葉を遮るように兄ちゃんがまた食って掛かってくる。

「あのな兄ちゃん。兄ちゃんらは兵士だからそうかもしんねえが、俺は冒険者だって言ったよな? 隊長さんよ、コイツ大丈夫か?」

 伸ばしてきた手を足元に置いてあった薪で受け流す。

 隊長は『はぁ』とため息をつき、兄ちゃんを手で引き戻し自分の後ろへ追いやる。

「隊長?」

「黙れ、冒険者にとっての能力は、根掘り葉掘りと聞くものではない。すまないな」

「頼むぜ本当によ、また戦う事になるかもしんねえ、隊長さん達もちっとは休んでおけよ、三十分前には知らせっからよ。それともなにか? まだなんかあるんか?」

 焼け出した肉を裏返し、出てきた油で、良い色になってきた刻んだニンニクを、油と一緒に匙ですくい、肉にかける。

 二人に背を向けながら焼いてるんだが、封印せず解放したままだから、気配で分かっちゃいたが二人は動こうとしない……肉、欲しいんか?

(ねえまだかな? ひっくり返したし、そろそろよね?)

 アンラとプリムはさっきから俺の両隣で俺の持つフライパンに集中している。

 クローセも行儀よくアンラ側にお座りして待ってるくらいだ。

 肩にいるソラーレもぷるぷる震えて待っているようだ。

 そして小さく切った肉は良い感じに焼けたんで、皿に乗せクローセの前に置こうとしたんだが、その皿を兄ちゃんが奪い取り、焼きたての肉を摘まんで口に放り込みやがった。

「てめえ、盗賊だな、しっ!」

 兄ちゃんの手から皿を奪い返し、横に回ってひざ裏に蹴りを入れ、跪かせる。

「ぐあっ!」

 そして一旦戻り、皿をプリムに預けた後、呆気に取られ俺を見ている兄ちゃんの元に戻り腹にも蹴りを入れ、下がった頭を掴み、地面に叩きつけた。

 ドシャッとそのまま押さえ付け、クロセルにロープを出してもらい腕、足を縛ってしまう。

「な、何をする! クソガキ!」

「盗賊は黙ってろ! おら!」

 もう一度上げていた頭を掴んで地面に叩きつけておく。

「隊長、なんだよコイツ、盗賊だぞ、人の物を勝手に盗って食いやがった、文句ねえよな」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...