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第一章
第26話 呪い回収
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「よし! 全体を把握しましたよ! いっけぇぇぇー!」
嫌な気配をぐるぐる螺旋状に上空に押し上げて一か所に集めて行く。
最初は薄いねずみ色、徐々に濃くなり直径一メートルほどの球体を形成しだす。
「その調子よ! ムルムルはなんとか無事よ、お願い魔石をちょうだい、もう少しで崩壊するところだったわ」
「嘘っ! えっとえっと! そうだ! 魔狼の上位種ガルムの魔石を、ほいっと! テラ、これをムルムルに!」
「うん! ガルムの魔石なら十分よ! ほらムルムル取り込んじゃえ!」
ぐるぐる回し続ける僕の肩にいるムルムルに三十センチほどの魔石を両手で持ち上げ近付ける。
ムルムルは弱々しく体を伸ばし、魔石を包み込んで行きます。
魔石を包みきり、僕は両手でムルムルごと抱えるようにして、ムルムルの魔力の流れを補助。
「ライ! その調子で魔力も流し込んであげて!」
「うん! 嫌な気配を抜いた魔力をムルムルに流し込むよ! ん~、ほいっと!!」
魔力を流し込み始めると、見てる間にガルムの魔石が小さくなって行きます。
僕は収納から同じ物をもう一つ追加。
上空の玉は黒さを増し、真っ黒になってきていますがまだまだ集めきれていません。
ムルムルに七つ目の魔石を追加した辺りで集まってくる気配が無くなり、玉は三メートルほどにまで大きくなり漆黒、艶のある黒い玉が完成した。
「良いわ、収納しちゃって、ムルムルももう大丈夫よ」
「分かった、収納!」
収納し終わると、お城中が綺麗になった感覚が分かりました。
「ライ、お疲れ様。そしてありがとうね、ガルムの魔石を七つも持っているなんて助かったわ、ゴブリン、オークなら百個取り込んでもここまで復活するのに相当時間が掛かるでしょうね」
「はぁぁぁ、良かったよムルムル、ごめんね、苦しかったよね」
ぷるぷる
「ところでテラ、あの石像みたいな置物も収納しちゃうの?」
「そうね、既に用をなさなくなっているけどあんな物無い方が良いに決まっているわ、ライ、やっちゃって」
「うん、収納!」
屋上に置かれていた石像を回収して周り、屋上からは七つ、それから、あの王子の部屋から九つ回収しようとしたのですが。
「ライよ、それはそのままにしておいてもらおうか、奴が帰って来た時にそれが無ければ警戒もするだろうからな、奴は今宵捕縛し奴隷の首輪を着け全てを吐かせるとしよう」
なぜ王子の部屋に居るかと言うと、僕達は屋上の物を収納した後すぐに王様の執務室に行き、屋上の事を話しました。
屋上、それともう一つ、ある場所から呪いが出ていたのを話し、その場所に行くと王子の部屋だったわけです。
「分かりました、ではこのままで」
そして思い出しました。
「あの、屋上の物はどこにも向かわずあの付近にだけ漂っていたのですが、この部屋の物はどこかに繋がっていたようです、どこにこの呪いは向かっていたのでしょうか?」
「ふむ、方角は分かるか?」
屋上で感じた事を話すと王様は腕を組み難しい顔をしています。
「一つは学院であろうな、他は思い付かんが······」
すると屋上ヘ案内してくれたメイドさんが直言の許しを貰い話し始めました。
「二つほど心当たりが、一つはスラム、もう一つは商業街、その他はもしかして、他の領地に」
「ふむ、その二つの方角は合っておるな、他領地か」
スラムと商業街ですか、王様は腕を組み眉間に皺を寄せています。
「王よ、ならばその場には王子の魅了に掛かった者が居るだろうな、まあ、一度魅了に掛かったならば、呪いが無くともしばらくは同じ状態を持続させ、何かの切っ掛けで魅了は解かれるが、早ければ数日中に解かれるだろうな」
おお、そうなのですね。
ならそのまま放っておくのでしょうか? 僕なら魅了の魔力を抜く事も出来ますが。
「うむ、猶予は数日か······だがそれは調べなければならんな、奴が何を企んでいたかは夕食時に判明するとして、ライよ、その場に行けば魅了を浄化する事が出来るのだな?」
「はい、出来ると思います、今から行ってきましょうか?」
やるなら早い方がよいでしょうし。
あっ! クション? クションで良いか、クションにバレるのが駄目なら、捕まえてからの方が良いのですよね?
「むぅ、学院からだが······奴が学院を出た後、いや、馬車に乗り、走り出した後が良いな、その後は夕食時の事が終わった後、宵闇に紛れ騎士団を連れてスラム、商業街を回って貰いたいのだが頼めるか?」
頑張っちゃいますよ! あっ、その前に。
「分かりました、頑張りますね、その前にお城の中をやっちゃいましょうか? 絶対魅了魔法を掛けられている人達がいると思いますので」
「うむ、頼めるか?」
よし、ならこれも頼めるかな?
「はい、どなたか案内をお願いしますね、僕はお城の中は詳しくありませんし、一人でうろつくのも時間の無駄ですから」
「そうだな、ディーバ、お前が一番良いと思うのだが、行ってくれるか?」
「ですね、他の貴族に合って時間を取られる心配は無いしな、騎士を一人か二人付けて貰えれば良いか」
公爵様ですからね、ティパパお義父さん♪ もしかすると抵抗されるかも知れませんが、僕が守りますよ!
「うむ、副団長を付けよう」
まぁ、それは付きますよね、あはは。
最初は騎士団、それからメイド、公務のため登城していた貴族達、料理人や馬番、庭師、色々回りました。
酷かったのは、王子の側近の貴族、王子付きのメイド達は全滅。
魅了を解いた途端、怒りのため喚く貴族達、静かに怒りを燃やすメイドさん達、幸いな事に体に手は出されていない事。
女の人に手を出して、怪我とかしたら駄目です、僕でしたら、絶対怪我とかさせないように守りますからね♪ そこだけは評価してあげても良いかも知れませんね。
お義父さんが貴族達には、今夜の事が終わるまでは今まで通りの態度をして貰うよう要請し、この場は納得して貰った。
メイドさん達にもお願いしたのですが、顔を見るのも嫌だと言う者もおり、難航しかけたのですが、数人の者が協力して貰えることになり、他の者は裏方に回って貰い、表には今夜だけ出なくても良い事となりました。
そして、僕は学院に向け、裏方に回ったメイドさんの一人と、騎士三人の少人数で目立たない様に小さめの馬車で、王子のお迎え馬車に続きお城を出発しました。
まだ、授業が行われている時間であり、学院の門をくぐり馬車を乗り入れても、学生は見当たらずお迎えの馬車はいつも通り校舎の正面に停めます。
僕達は他の貴族用の駐車場に馬車を停め、しばらく待機になるようです。
「まだ少し時間があるみたいですから、一応魅了の魔力があるかどうか、調べてみますね」
「うむ、ライ殿よろしくお願いします」
騎士の二人は御者台にいますが(執事風に服を着替えています)、残りの騎士一人はいつも通りの騎士服に腰には剣を装備して馬車内にいます。
その横にはメイドさんがいるのですが小窓から王子が居るであろう教室を見て、動きが無いか監視してくれています。
僕は辺りの魔力を感じ取り、ゆっくりとぐるぐるさせ範囲を広げて行きます。
ん~、あっ、いるね。
「メイドさんが見ている教室は全滅です」
そう全員が魅了に掛かっていました。
「なんと、王子のクラス全員がですか······」
兄さん達は居なさそうですね、あれ? 隣のクラス······兄さん達ですね♪ うんうん、ちゃんとぐるぐるしている様です。
それに気が付いたみたいです♪ あははは。
「いかがなさいましたか? また何か?」
「いえ、兄達が僕に気付いたようですね、兄達のクラスの先生も含めて約半数が魅了に掛かった状態です」
「そう言えば、この学院に通っていらっしゃるとおっしゃっていましたね」
「サーバル男爵家のお二人は有名ですからね。学問、武術、魔法も学院の一位、二位を取り続けていると」
「その様な事を聞いています。僕の自慢の兄さん達です♪」
そして、カーン カーンと鐘が鳴り響き、授業の終わりを告げました。
僕はまだまだ途中だった魅了魔法をさぐりだしいつでも解除出来るようぐるぐるを、ぐわ~っと広げておきましょう!
嫌な気配をぐるぐる螺旋状に上空に押し上げて一か所に集めて行く。
最初は薄いねずみ色、徐々に濃くなり直径一メートルほどの球体を形成しだす。
「その調子よ! ムルムルはなんとか無事よ、お願い魔石をちょうだい、もう少しで崩壊するところだったわ」
「嘘っ! えっとえっと! そうだ! 魔狼の上位種ガルムの魔石を、ほいっと! テラ、これをムルムルに!」
「うん! ガルムの魔石なら十分よ! ほらムルムル取り込んじゃえ!」
ぐるぐる回し続ける僕の肩にいるムルムルに三十センチほどの魔石を両手で持ち上げ近付ける。
ムルムルは弱々しく体を伸ばし、魔石を包み込んで行きます。
魔石を包みきり、僕は両手でムルムルごと抱えるようにして、ムルムルの魔力の流れを補助。
「ライ! その調子で魔力も流し込んであげて!」
「うん! 嫌な気配を抜いた魔力をムルムルに流し込むよ! ん~、ほいっと!!」
魔力を流し込み始めると、見てる間にガルムの魔石が小さくなって行きます。
僕は収納から同じ物をもう一つ追加。
上空の玉は黒さを増し、真っ黒になってきていますがまだまだ集めきれていません。
ムルムルに七つ目の魔石を追加した辺りで集まってくる気配が無くなり、玉は三メートルほどにまで大きくなり漆黒、艶のある黒い玉が完成した。
「良いわ、収納しちゃって、ムルムルももう大丈夫よ」
「分かった、収納!」
収納し終わると、お城中が綺麗になった感覚が分かりました。
「ライ、お疲れ様。そしてありがとうね、ガルムの魔石を七つも持っているなんて助かったわ、ゴブリン、オークなら百個取り込んでもここまで復活するのに相当時間が掛かるでしょうね」
「はぁぁぁ、良かったよムルムル、ごめんね、苦しかったよね」
ぷるぷる
「ところでテラ、あの石像みたいな置物も収納しちゃうの?」
「そうね、既に用をなさなくなっているけどあんな物無い方が良いに決まっているわ、ライ、やっちゃって」
「うん、収納!」
屋上に置かれていた石像を回収して周り、屋上からは七つ、それから、あの王子の部屋から九つ回収しようとしたのですが。
「ライよ、それはそのままにしておいてもらおうか、奴が帰って来た時にそれが無ければ警戒もするだろうからな、奴は今宵捕縛し奴隷の首輪を着け全てを吐かせるとしよう」
なぜ王子の部屋に居るかと言うと、僕達は屋上の物を収納した後すぐに王様の執務室に行き、屋上の事を話しました。
屋上、それともう一つ、ある場所から呪いが出ていたのを話し、その場所に行くと王子の部屋だったわけです。
「分かりました、ではこのままで」
そして思い出しました。
「あの、屋上の物はどこにも向かわずあの付近にだけ漂っていたのですが、この部屋の物はどこかに繋がっていたようです、どこにこの呪いは向かっていたのでしょうか?」
「ふむ、方角は分かるか?」
屋上で感じた事を話すと王様は腕を組み難しい顔をしています。
「一つは学院であろうな、他は思い付かんが······」
すると屋上ヘ案内してくれたメイドさんが直言の許しを貰い話し始めました。
「二つほど心当たりが、一つはスラム、もう一つは商業街、その他はもしかして、他の領地に」
「ふむ、その二つの方角は合っておるな、他領地か」
スラムと商業街ですか、王様は腕を組み眉間に皺を寄せています。
「王よ、ならばその場には王子の魅了に掛かった者が居るだろうな、まあ、一度魅了に掛かったならば、呪いが無くともしばらくは同じ状態を持続させ、何かの切っ掛けで魅了は解かれるが、早ければ数日中に解かれるだろうな」
おお、そうなのですね。
ならそのまま放っておくのでしょうか? 僕なら魅了の魔力を抜く事も出来ますが。
「うむ、猶予は数日か······だがそれは調べなければならんな、奴が何を企んでいたかは夕食時に判明するとして、ライよ、その場に行けば魅了を浄化する事が出来るのだな?」
「はい、出来ると思います、今から行ってきましょうか?」
やるなら早い方がよいでしょうし。
あっ! クション? クションで良いか、クションにバレるのが駄目なら、捕まえてからの方が良いのですよね?
「むぅ、学院からだが······奴が学院を出た後、いや、馬車に乗り、走り出した後が良いな、その後は夕食時の事が終わった後、宵闇に紛れ騎士団を連れてスラム、商業街を回って貰いたいのだが頼めるか?」
頑張っちゃいますよ! あっ、その前に。
「分かりました、頑張りますね、その前にお城の中をやっちゃいましょうか? 絶対魅了魔法を掛けられている人達がいると思いますので」
「うむ、頼めるか?」
よし、ならこれも頼めるかな?
「はい、どなたか案内をお願いしますね、僕はお城の中は詳しくありませんし、一人でうろつくのも時間の無駄ですから」
「そうだな、ディーバ、お前が一番良いと思うのだが、行ってくれるか?」
「ですね、他の貴族に合って時間を取られる心配は無いしな、騎士を一人か二人付けて貰えれば良いか」
公爵様ですからね、ティパパお義父さん♪ もしかすると抵抗されるかも知れませんが、僕が守りますよ!
「うむ、副団長を付けよう」
まぁ、それは付きますよね、あはは。
最初は騎士団、それからメイド、公務のため登城していた貴族達、料理人や馬番、庭師、色々回りました。
酷かったのは、王子の側近の貴族、王子付きのメイド達は全滅。
魅了を解いた途端、怒りのため喚く貴族達、静かに怒りを燃やすメイドさん達、幸いな事に体に手は出されていない事。
女の人に手を出して、怪我とかしたら駄目です、僕でしたら、絶対怪我とかさせないように守りますからね♪ そこだけは評価してあげても良いかも知れませんね。
お義父さんが貴族達には、今夜の事が終わるまでは今まで通りの態度をして貰うよう要請し、この場は納得して貰った。
メイドさん達にもお願いしたのですが、顔を見るのも嫌だと言う者もおり、難航しかけたのですが、数人の者が協力して貰えることになり、他の者は裏方に回って貰い、表には今夜だけ出なくても良い事となりました。
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まだ、授業が行われている時間であり、学院の門をくぐり馬車を乗り入れても、学生は見当たらずお迎えの馬車はいつも通り校舎の正面に停めます。
僕達は他の貴族用の駐車場に馬車を停め、しばらく待機になるようです。
「まだ少し時間があるみたいですから、一応魅了の魔力があるかどうか、調べてみますね」
「うむ、ライ殿よろしくお願いします」
騎士の二人は御者台にいますが(執事風に服を着替えています)、残りの騎士一人はいつも通りの騎士服に腰には剣を装備して馬車内にいます。
その横にはメイドさんがいるのですが小窓から王子が居るであろう教室を見て、動きが無いか監視してくれています。
僕は辺りの魔力を感じ取り、ゆっくりとぐるぐるさせ範囲を広げて行きます。
ん~、あっ、いるね。
「メイドさんが見ている教室は全滅です」
そう全員が魅了に掛かっていました。
「なんと、王子のクラス全員がですか······」
兄さん達は居なさそうですね、あれ? 隣のクラス······兄さん達ですね♪ うんうん、ちゃんとぐるぐるしている様です。
それに気が付いたみたいです♪ あははは。
「いかがなさいましたか? また何か?」
「いえ、兄達が僕に気付いたようですね、兄達のクラスの先生も含めて約半数が魅了に掛かった状態です」
「そう言えば、この学院に通っていらっしゃるとおっしゃっていましたね」
「サーバル男爵家のお二人は有名ですからね。学問、武術、魔法も学院の一位、二位を取り続けていると」
「その様な事を聞いています。僕の自慢の兄さん達です♪」
そして、カーン カーンと鐘が鳴り響き、授業の終わりを告げました。
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