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第三章
第73話 救出
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十五メートルほど先で止まった七台の馬車から、一、二、······十六名が降りて来ました。
こちらに向かってくるのはその内の五人。
残りの十一人はだらだらと馬さんのお世話をするわけでもなくニヤニヤ笑いながらこちらを見ています。近付いてくる五人もニヤニヤしながらどんどん近付いてきて口を布で覆いました。
その中の一人がやっぱりビン入りの睡眠薬でしょう。懐から取り出し僕達に向かって中身をぶちまけ、風魔法を同時に放ちました。
「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」
うんうん。前の人攫い達と同じやり方ですね。
「ではその風魔法はいただきますよ! ぐるぐる~、ほいっと!」
風魔法を放ったおじさんは、魔力欠乏をしてその場で崩れ落ちましたので放たれた魔法をぐるぐる操作し、操り残りの四人の方に移動させます。
「なにやってんだ! おい! 薬はまだあるんだ、さっさとやっちまえ! おいおい! こっちに薬が戻ってきてるじゃないか! 押し返せ!」
撒き散らされた睡眠薬を放たれた風魔法を操り巻き上げながら、人攫い達に向かってお返しします!
「おらっ! おい起きろ! 魔法がこっちに戻ってきてるじゃねえか!」
先ほど魔力欠乏して倒れたおじさんをガシガシ蹴りながらそんな事を言ってますが、起きませんよ。
すると後の人が前に一歩踏み出してきました。
「俺に任せろ! 風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ! おらっ! 追い返してや······る······」
ドサッ
「おいテメエまでなにやってやがる! もう構わねえ! 瓶の中身を直接······」
「やべえ! 頭まで吸い込んじまったぞ! お前も魔法で押し返せ! 絶対吸い込むな!」
「「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」」
そう言い放った後、近付いてきていた五人は魔力欠乏による気絶と睡眠薬で寝てしまいました。
「じゃあ残りの人攫い達をやっつけますよ! ぐるぐるです! ほいっと!」
ニヤニヤした顔が、次々と倒れていくにつれ『は? 睡眠薬吸い込んでしまったのか?』『何でこっちに!?』『なにやってんだよ!』など声があがっていましたが、ギリギリまで魔力を少なくしてあったので、魔力を発散させるだけで一気に十一人が崩れ落ち、退治は完了しました。
「中々やるにゃ~、これで全員やっつけたにゃ?」
「うん。これで全員だよ。よし捕まってる人達は後ろの二台だから早速助け出しに行こう」
走り出した僕達の中で一番に馬車に到着したのはやっぱりキングとクイーン。後から二番目のばし馬車で嘶き、ご主人さんを呼んでいるようです。
僕が捕まった時と同じで、冒険者はやっぱり後ろから二台目でしたね。じゃあ後ろは子供かな。
先に子供と行きたいところですが、ここは捕まえていた人達の事は先に解放できませんし、先にご主人さんからですね。
よし、この馬車の鍵も魔法の鍵だから、ぐるぐるさせて解錠できます。
「鍵を開けますね。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガチャ
「開きました。キングもクイーンも戸を開けるから少し下がってね」
言う事を聞いてくれたので戸を開けるとキングとクイーンはまあ前進してきますよね。あはは♪ そうなると分かっていましたので、さっと横に避けました。キングですクイーンは勢いよく馬車内に首を突っ込み入口を塞いでいますので中に入れません。
「くふふ。仕方がないですね、転移!」
パッ
「助けに来ましたよ。えっと、戦う商人さんは?」
やっぱり凄く汚なくて、臭い馬車内ですが、確かに三人。ご主人さんはキング達がその人の事を見ていますので分かるのですが一応聞いてみました。
「わ、私ですが、急に現れましたよ! た、助けに? 気配だと十人ほどいたと思ったのですが倒したのですか?」
中にいた三人とも転移でいきなり僕が現れたので驚いたようですね。でもご主人さんの目は僕とキング達との間を行ったり来たりです♪
「君は中々の強さのようですね。いや冒険者が強さに関して詮索はいけませんね。助けに来てくれて本当にありがとう」
「いえいえ。十一人いましたが、睡眠薬を対処すればあまり強くなかったので。では拘束を外しますね」
壁に固定されているロープを切り手を自由にさせます。続いて足も。
「あの、それで私の馬車は? キングとクイーンがいますから無事だとは思いますが荷台に盗賊を捕まえていたのです。そろそろ食事を与えませんと」
「え? 確かに拘束した跡がありましたが、一緒に捕まっているものだと。馬車は僕が預かってますのでご心配なく」
「いえ、この方達は私の後に捕まったから違います。そうですね、君の倍くらいの年齢でしょうか、五人いたのですが」
「では逃げてしまってますね。ほどかれたロープが落ちてましたし」
「そうですか。また悪さをしないと良いのですが。そうだ、子供の声がしたのですがそちらは?」
「はい。すぐに向かいます。こちらは任せても良いですか?」
「ああ。出来ればナイフを貸してもらえないでしょうか」
「はい。ナイフはこちらをどうぞ。それとキングとクイーンも心配してましたよ」
「その様ですね。良かった、あの辺りはたまにですがゴブリンも出る場所なので、もう会えないかと。重ねがさねありがとう」
キング達は首をのばし、手が届くところまで顔を突き出しています。
それを優しく撫でた後まだ拘束されたままの二人のロープを切りだし始めました。
「では子供達を助けてきます。転移!」
パッ
馬車の外に出て、すぐ後ろの馬車に向かいます。
ガチャ
鍵を開け、戸を開けると、隅の方で三人かたまってこちらを見ています。
「もう大丈夫ですよ。助けに来ました」
「ほ、本当に? 本当に助かるの?」
みんな僕と同じくらいかな。その中の一人の男の子が喋りかけてきてくれました。
「うん。もう人攫い達はやっつけちゃったから安心してね、今踏み台を取ってくるから待っててね」
「はい」
「ライ、踏み台は私が持ってきたよ。早くその中から出てきもらおうよ。みんな出ておいで出たらご飯にしましょうよ」
「良いですね! そうしましょう!」
そして六人を助け出すことに成功した僕達は、みんなにマシューのスープを配り、魔物パンと子供にはジュース、大人の人はお茶を。
皆さん数日食事らしい食事をもらっていなかったようで、子供達は涙を流しながら食べていました。
大人達も初めは遠慮しがちでしたが、徐々に我慢ができず凄い勢いで食べ始め、三杯ずつスープ、魔物パンは五個くらい食べたでしょうね。
「では、そっちのお二人は夫婦で同じパーティーなのですね」
「ああ。それにそっちの子供達は俺達と一緒の夜営地にいたな」
「ええ。二家族で隣街に行商のため行くとか言ってましたね。そう言えば護衛がいませんでしたね」
「うん、そうだよ。行商をしているんだ。今回は魔物がほとんど出ない場所だったから護衛は頼んでなかったよ」
「そこに人攫いが来ちゃったんだね」
「まあ助かって良かったにゃ、盗賊にゃら殺されちゃってるにゃよ」
「本当ですよ。ほらほら皆さんお腹いっぱい食べて下さいね。ライ、オークも少し焼きませんか?」
プシュケ提案でオークを出し焼いている最中。
テラがさっきからずっと喋ってないので心配です。
どうしたのかな、ちゅってしたの嫌だったのかな、嫌われちゃったのかな。
「そ、そんなことないわよ! 私も! じゃなくて! ム、ムルムルの分はまだなの! ほらほら早くしなさい!」
「うん♪ はいムルムル。お待たせしちゃったね」
ほっ。テラに嫌われてなくて良かったです。
こちらに向かってくるのはその内の五人。
残りの十一人はだらだらと馬さんのお世話をするわけでもなくニヤニヤ笑いながらこちらを見ています。近付いてくる五人もニヤニヤしながらどんどん近付いてきて口を布で覆いました。
その中の一人がやっぱりビン入りの睡眠薬でしょう。懐から取り出し僕達に向かって中身をぶちまけ、風魔法を同時に放ちました。
「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」
うんうん。前の人攫い達と同じやり方ですね。
「ではその風魔法はいただきますよ! ぐるぐる~、ほいっと!」
風魔法を放ったおじさんは、魔力欠乏をしてその場で崩れ落ちましたので放たれた魔法をぐるぐる操作し、操り残りの四人の方に移動させます。
「なにやってんだ! おい! 薬はまだあるんだ、さっさとやっちまえ! おいおい! こっちに薬が戻ってきてるじゃないか! 押し返せ!」
撒き散らされた睡眠薬を放たれた風魔法を操り巻き上げながら、人攫い達に向かってお返しします!
「おらっ! おい起きろ! 魔法がこっちに戻ってきてるじゃねえか!」
先ほど魔力欠乏して倒れたおじさんをガシガシ蹴りながらそんな事を言ってますが、起きませんよ。
すると後の人が前に一歩踏み出してきました。
「俺に任せろ! 風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ! おらっ! 追い返してや······る······」
ドサッ
「おいテメエまでなにやってやがる! もう構わねえ! 瓶の中身を直接······」
「やべえ! 頭まで吸い込んじまったぞ! お前も魔法で押し返せ! 絶対吸い込むな!」
「「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」」
そう言い放った後、近付いてきていた五人は魔力欠乏による気絶と睡眠薬で寝てしまいました。
「じゃあ残りの人攫い達をやっつけますよ! ぐるぐるです! ほいっと!」
ニヤニヤした顔が、次々と倒れていくにつれ『は? 睡眠薬吸い込んでしまったのか?』『何でこっちに!?』『なにやってんだよ!』など声があがっていましたが、ギリギリまで魔力を少なくしてあったので、魔力を発散させるだけで一気に十一人が崩れ落ち、退治は完了しました。
「中々やるにゃ~、これで全員やっつけたにゃ?」
「うん。これで全員だよ。よし捕まってる人達は後ろの二台だから早速助け出しに行こう」
走り出した僕達の中で一番に馬車に到着したのはやっぱりキングとクイーン。後から二番目のばし馬車で嘶き、ご主人さんを呼んでいるようです。
僕が捕まった時と同じで、冒険者はやっぱり後ろから二台目でしたね。じゃあ後ろは子供かな。
先に子供と行きたいところですが、ここは捕まえていた人達の事は先に解放できませんし、先にご主人さんからですね。
よし、この馬車の鍵も魔法の鍵だから、ぐるぐるさせて解錠できます。
「鍵を開けますね。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガチャ
「開きました。キングもクイーンも戸を開けるから少し下がってね」
言う事を聞いてくれたので戸を開けるとキングとクイーンはまあ前進してきますよね。あはは♪ そうなると分かっていましたので、さっと横に避けました。キングですクイーンは勢いよく馬車内に首を突っ込み入口を塞いでいますので中に入れません。
「くふふ。仕方がないですね、転移!」
パッ
「助けに来ましたよ。えっと、戦う商人さんは?」
やっぱり凄く汚なくて、臭い馬車内ですが、確かに三人。ご主人さんはキング達がその人の事を見ていますので分かるのですが一応聞いてみました。
「わ、私ですが、急に現れましたよ! た、助けに? 気配だと十人ほどいたと思ったのですが倒したのですか?」
中にいた三人とも転移でいきなり僕が現れたので驚いたようですね。でもご主人さんの目は僕とキング達との間を行ったり来たりです♪
「君は中々の強さのようですね。いや冒険者が強さに関して詮索はいけませんね。助けに来てくれて本当にありがとう」
「いえいえ。十一人いましたが、睡眠薬を対処すればあまり強くなかったので。では拘束を外しますね」
壁に固定されているロープを切り手を自由にさせます。続いて足も。
「あの、それで私の馬車は? キングとクイーンがいますから無事だとは思いますが荷台に盗賊を捕まえていたのです。そろそろ食事を与えませんと」
「え? 確かに拘束した跡がありましたが、一緒に捕まっているものだと。馬車は僕が預かってますのでご心配なく」
「いえ、この方達は私の後に捕まったから違います。そうですね、君の倍くらいの年齢でしょうか、五人いたのですが」
「では逃げてしまってますね。ほどかれたロープが落ちてましたし」
「そうですか。また悪さをしないと良いのですが。そうだ、子供の声がしたのですがそちらは?」
「はい。すぐに向かいます。こちらは任せても良いですか?」
「ああ。出来ればナイフを貸してもらえないでしょうか」
「はい。ナイフはこちらをどうぞ。それとキングとクイーンも心配してましたよ」
「その様ですね。良かった、あの辺りはたまにですがゴブリンも出る場所なので、もう会えないかと。重ねがさねありがとう」
キング達は首をのばし、手が届くところまで顔を突き出しています。
それを優しく撫でた後まだ拘束されたままの二人のロープを切りだし始めました。
「では子供達を助けてきます。転移!」
パッ
馬車の外に出て、すぐ後ろの馬車に向かいます。
ガチャ
鍵を開け、戸を開けると、隅の方で三人かたまってこちらを見ています。
「もう大丈夫ですよ。助けに来ました」
「ほ、本当に? 本当に助かるの?」
みんな僕と同じくらいかな。その中の一人の男の子が喋りかけてきてくれました。
「うん。もう人攫い達はやっつけちゃったから安心してね、今踏み台を取ってくるから待っててね」
「はい」
「ライ、踏み台は私が持ってきたよ。早くその中から出てきもらおうよ。みんな出ておいで出たらご飯にしましょうよ」
「良いですね! そうしましょう!」
そして六人を助け出すことに成功した僕達は、みんなにマシューのスープを配り、魔物パンと子供にはジュース、大人の人はお茶を。
皆さん数日食事らしい食事をもらっていなかったようで、子供達は涙を流しながら食べていました。
大人達も初めは遠慮しがちでしたが、徐々に我慢ができず凄い勢いで食べ始め、三杯ずつスープ、魔物パンは五個くらい食べたでしょうね。
「では、そっちのお二人は夫婦で同じパーティーなのですね」
「ああ。それにそっちの子供達は俺達と一緒の夜営地にいたな」
「ええ。二家族で隣街に行商のため行くとか言ってましたね。そう言えば護衛がいませんでしたね」
「うん、そうだよ。行商をしているんだ。今回は魔物がほとんど出ない場所だったから護衛は頼んでなかったよ」
「そこに人攫いが来ちゃったんだね」
「まあ助かって良かったにゃ、盗賊にゃら殺されちゃってるにゃよ」
「本当ですよ。ほらほら皆さんお腹いっぱい食べて下さいね。ライ、オークも少し焼きませんか?」
プシュケ提案でオークを出し焼いている最中。
テラがさっきからずっと喋ってないので心配です。
どうしたのかな、ちゅってしたの嫌だったのかな、嫌われちゃったのかな。
「そ、そんなことないわよ! 私も! じゃなくて! ム、ムルムルの分はまだなの! ほらほら早くしなさい!」
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