初恋

あんず

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クスサク。

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ミナと登校していると

「櫻、楠木~おはよう。」

と後ろから吉岡が小走りで寄ってくる。


「「おはよう」」


「今日も部活頑張ろうな~」

「部活だけなぁ」

「えっ勉強は?」


俺と吉岡は目を丸くした。

「「櫻、お前勉強好きなの?」」

「えっ、やらないの?」

「「……」」

「「テスト前はよろしくぅ」」

俺と吉岡はハモった。




吉岡が部長を見つけて
また走り出した。


「ヨシ、僕何か恥ずかしいから学校では
『楠木』って呼ぶね。自分から言ったのにゴメンね。」

「なんだよミナ。何か淋しいぞ。」

「ゴメン。」

「あっ、でも二人だけの秘密にしよう?
他のヒトが『ミナ』って呼ぶの俺、嫌かも」

ミナの顔が真っ赤だ。

「俺、変なコト言ったか?
でも皆んなと別扱いして欲しいから『サク』って呼ぶな。」

真っ赤なまま頷くミナ。

「『クス』って呼ぶね」


どんな顔をしていても
ミナは綺麗だ。



俺の特別だ。



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