初恋

あんず

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初デート。

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水族館デートを満喫し建物から出ようとした時、声をかけられた。


「この写真って君達だよね?」

さっき撮ってもらった写真を手にした
お兄さんがいた。



「そうですけど、何か?」

ミナが答えると



「そんなに警戒しないで。
俺、駆け出しのカメラマン。」

そう言って名刺を渡してきた。



名刺を見て
父さんと睦月さんのやり取りを思い出し
クスクス笑ってしまった。


不思議そうなカメラマンさん。

「スミマセン。僕ら中学生だから名刺渡されても返す名刺なくて……」


「そりゃそうだ。」


3人で笑った。



話しは
顔はほとんど出さないから
写真を撮らせて欲しいと。


この場で直ぐならと
水族館の中で撮影してもらった。


今度連絡するねと
15分くらいで別れた。







予定していた
カフェに向かった。


2人で生クリームがたっぷり乗ったココアを注文した。


さっき撮ってもらった写真をスマホで撮影する。


母さんに『初デート』とタイトルをつけて
送信した。


『あらぁ    いいわねぇ    お似合いよ』って
返信が直ぐに届いた。

2人で大笑いした。



父さんたちから連絡が入る。

「今、どこ?」


カフェの場所をメールした。




父さんと睦月さんは

コーヒーを手に俺たちの席に着いた。



「義弥、
睦月から昨日のコトも含め話しはきいた。   お前たちの口から直接話しが聞きたい。」





「父さん、上手く言えないけど
俺たちは  たぶん2人でいないとダメなんだ。

理由はわからないけど
 2人とも1人だととても不安定で
子供だけど歳に似合わない経験して

苦しんでる。

2人でいると無条件に自分を解放できるんだ。


その…





父さんや母さん


睦月さんやおばさんが





悪いワケじゃないんだ。」


俺の声はだんだん小さくなってしまった。






「僕もヨシも

自分はいてはいけないヒトだと思っていた。

ヨシは

たぶん今でもそう思っている       と思う。



本当は
必要だと思ってくれているヒトがいるコトもわかってるんだよ。

でも


僕らのココロが不安定すぎるんだ。



キチンとした生活を送ろうと
ヨシとは話し合ってあります。

認めてください。」

ミナは頭を下げた。






「2人ともいい子だ。

これからは

もっと家族に甘えるんだよ?




さぁ一度帰って荷物を纏めないとね?」






「「ありがとうございます」」








ミナの荷物を纏めにもどった。












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