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僕の知らない義弥。
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命は助かった。
まだ意識は戻らない。
かなりの出血だった。
命の危険がある中で
義弥はとてもシアワセそうな顔をしている。
陸上魂のTシャツと写真立ては
ベッドサイドに置いた。
栞菜さんと雅さんが到着した。
義弥に会いに病室に入った。
病棟の看護師に一階のロビーに行ってくると伝えて2人は僕たちの元にやって来た。
「話しを聞かせてくれるかい?」
栞菜さんが声をかけると
「はい」と染野が頷いた。
栞菜さんに雅さん
翔センパイと駿
斎木部長に染野と池田
そして僕の8人でロビーに向かった。
「私も雅も誰かを責めたいと思っていない。
何があったのか教えて欲しい。
……頼む。」
染野が口を開いた。
「俺らの知ってるコト話します。
中学の時にも話しましたが、俺ら本当に義弥が好きなんです。
でもあの後からは悪戯とかそういうの全然してませんでした。
いつも義弥と櫻は一緒だったし。」
染野のコトバを池田が引き継ぐ
「高校のバスケの練習試合で偶然、義弥に会ったんです。
義弥はやっぱり俺らにされたコト忘れてて
俺らにニコニコ笑いかけてくれたんです。
本当に嬉しくて再会した日に3人で食事しました。」
「食事して3人で戯れあって
……ちょっとキスして肌に触れたんです。
そしたら義弥、自分から抱いてくれって
悪戯してくれって
信じられないかもだけど
イヤなコトさせてごめんなさいって言って
週末毎に俺らのウチに来て
悪戯されたいって……」
「ずっとそんなだったんです。
でも義弥が3年の冬からどんどん痩せて
こっちも見るの辛かったです。
義弥が好きな食べ物用意しても全く食べなくて1日にお茶を一杯飲むのがやっとでした。
それでも義弥、センター受けて大学合格してました。
美波と同じ大学だって喜んでました。」
「えっ?美波くんと同じ大学って?」
雅さんが口を開いた。
「T大の法学部。美波は医学部だけど俺には医者は向かないって言って法学部受けてました。」
「どんどん弱っていたけど美波と同じ大学に通えるって嬉しそうだったんです。
でも卒業式の後、春休みからもう限界だったんだと思います。」
「春休み?美波くんの引越しかい?」
栞菜さんが聞く。
「はい。春休みに車に乗せて欲しいって言われて義弥の言う通りに動きました。
その美波のトコに女のヒトがいて……
義弥悲しそうでした。
俺ら義弥見るの辛くてもうやめようって言ったんです。
そしたら義弥、今日で終わりにするって約束してくれたんです。
ジュエリーショップで買い物する2人を見てから義弥は一言も話さなくなりました。
で、俺たちがバイトから帰ったら
あの状況でした。」
「大きな傷が目に付いたと思いますが
義弥の腕、細かくて浅い傷がものすごくあります。
いつも血を流さないとどんどん汚れるからって自傷してました。
何度も病院連れて行こうとしたんです。
でもスゴく嫌がって一度も行ってくれませんでした。」
「俺ら義弥が大好きで
義弥は美波のコトしか見てないってわかってても
美波に甘えられない義弥を突き放すコトできなくて
義弥の言う通りにさせてました。
スミマセン。」
こいつらは何を言ってるんだろう。
僕の義弥を抱いたって?
僕の義弥と暮らしたって?
僕の知らない義弥を何で知ってるんだ。
僕が手を放したからだ。
まだ意識は戻らない。
かなりの出血だった。
命の危険がある中で
義弥はとてもシアワセそうな顔をしている。
陸上魂のTシャツと写真立ては
ベッドサイドに置いた。
栞菜さんと雅さんが到着した。
義弥に会いに病室に入った。
病棟の看護師に一階のロビーに行ってくると伝えて2人は僕たちの元にやって来た。
「話しを聞かせてくれるかい?」
栞菜さんが声をかけると
「はい」と染野が頷いた。
栞菜さんに雅さん
翔センパイと駿
斎木部長に染野と池田
そして僕の8人でロビーに向かった。
「私も雅も誰かを責めたいと思っていない。
何があったのか教えて欲しい。
……頼む。」
染野が口を開いた。
「俺らの知ってるコト話します。
中学の時にも話しましたが、俺ら本当に義弥が好きなんです。
でもあの後からは悪戯とかそういうの全然してませんでした。
いつも義弥と櫻は一緒だったし。」
染野のコトバを池田が引き継ぐ
「高校のバスケの練習試合で偶然、義弥に会ったんです。
義弥はやっぱり俺らにされたコト忘れてて
俺らにニコニコ笑いかけてくれたんです。
本当に嬉しくて再会した日に3人で食事しました。」
「食事して3人で戯れあって
……ちょっとキスして肌に触れたんです。
そしたら義弥、自分から抱いてくれって
悪戯してくれって
信じられないかもだけど
イヤなコトさせてごめんなさいって言って
週末毎に俺らのウチに来て
悪戯されたいって……」
「ずっとそんなだったんです。
でも義弥が3年の冬からどんどん痩せて
こっちも見るの辛かったです。
義弥が好きな食べ物用意しても全く食べなくて1日にお茶を一杯飲むのがやっとでした。
それでも義弥、センター受けて大学合格してました。
美波と同じ大学だって喜んでました。」
「えっ?美波くんと同じ大学って?」
雅さんが口を開いた。
「T大の法学部。美波は医学部だけど俺には医者は向かないって言って法学部受けてました。」
「どんどん弱っていたけど美波と同じ大学に通えるって嬉しそうだったんです。
でも卒業式の後、春休みからもう限界だったんだと思います。」
「春休み?美波くんの引越しかい?」
栞菜さんが聞く。
「はい。春休みに車に乗せて欲しいって言われて義弥の言う通りに動きました。
その美波のトコに女のヒトがいて……
義弥悲しそうでした。
俺ら義弥見るの辛くてもうやめようって言ったんです。
そしたら義弥、今日で終わりにするって約束してくれたんです。
ジュエリーショップで買い物する2人を見てから義弥は一言も話さなくなりました。
で、俺たちがバイトから帰ったら
あの状況でした。」
「大きな傷が目に付いたと思いますが
義弥の腕、細かくて浅い傷がものすごくあります。
いつも血を流さないとどんどん汚れるからって自傷してました。
何度も病院連れて行こうとしたんです。
でもスゴく嫌がって一度も行ってくれませんでした。」
「俺ら義弥が大好きで
義弥は美波のコトしか見てないってわかってても
美波に甘えられない義弥を突き放すコトできなくて
義弥の言う通りにさせてました。
スミマセン。」
こいつらは何を言ってるんだろう。
僕の義弥を抱いたって?
僕の義弥と暮らしたって?
僕の知らない義弥を何で知ってるんだ。
僕が手を放したからだ。
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