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魔族とわたし
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「どうして、おばさんは勇者なのに僕を助けるの?」
少年は暖炉の火にあたり、私が作ったシチューを食べながら尋ねた。
光に当てられた彼の影は、子供ながら大きくみえる。
「勇者の血を引いているだけで、私は勇者じゃないよ」
椅子に座り、子供の目線に合わせるように屈んで話す。
「あなたこそ、勇者の血を持っている私が怖くないの?」
「悪いことしたのは、僕達だし...」
何かを背負っているかのような口調だった。
彼は重い口を開きながら今までの経緯を話してくれた。
彼の名はアーサー。
魔族だ。
勇者によって魔王が倒されあの日、生き残った魔族達は人間達に迫害を受け、難民となった。
アーサーもその一人だ。
彼の家族である魔族達は逃げるように各地を転々し、アーサーは途中で逸れてしまい、今に至る。
「僕達がやったことはわかっているよ。魔族の大人達が人間に酷いことをしたってのも...」
アーサーは俯いて、より一層暗い表情を落とした。
「おばさんこそ。僕達に恨みはないの?」
恐る恐る尋ねたきた。
「私は戦争に関わっていないし、ずっと人里離れたこの家に暮らしている。それに、」
私は自分の足を指差した。
「正直。魔族とか人間とかどうでもいいんだ。足を怪我した時から、人間からも見放されたからね。」
私もこれまでの経緯を話した。
元々自分も勇者の候補生として生きていたが、足の怪我により勇者失格の烙印を押され、家族からも国中の人間からも失望の目を向けられ、居た堪れなくなりこの人里離れたこの土地を選んだ。
この時から私自身もうどうでもいいと思っていた。
「おばさんも、追われたんだね...」
互い違う種族同士だったが彼も妙な親近感を覚えてしまったようだ。
少年は暖炉の火にあたり、私が作ったシチューを食べながら尋ねた。
光に当てられた彼の影は、子供ながら大きくみえる。
「勇者の血を引いているだけで、私は勇者じゃないよ」
椅子に座り、子供の目線に合わせるように屈んで話す。
「あなたこそ、勇者の血を持っている私が怖くないの?」
「悪いことしたのは、僕達だし...」
何かを背負っているかのような口調だった。
彼は重い口を開きながら今までの経緯を話してくれた。
彼の名はアーサー。
魔族だ。
勇者によって魔王が倒されあの日、生き残った魔族達は人間達に迫害を受け、難民となった。
アーサーもその一人だ。
彼の家族である魔族達は逃げるように各地を転々し、アーサーは途中で逸れてしまい、今に至る。
「僕達がやったことはわかっているよ。魔族の大人達が人間に酷いことをしたってのも...」
アーサーは俯いて、より一層暗い表情を落とした。
「おばさんこそ。僕達に恨みはないの?」
恐る恐る尋ねたきた。
「私は戦争に関わっていないし、ずっと人里離れたこの家に暮らしている。それに、」
私は自分の足を指差した。
「正直。魔族とか人間とかどうでもいいんだ。足を怪我した時から、人間からも見放されたからね。」
私もこれまでの経緯を話した。
元々自分も勇者の候補生として生きていたが、足の怪我により勇者失格の烙印を押され、家族からも国中の人間からも失望の目を向けられ、居た堪れなくなりこの人里離れたこの土地を選んだ。
この時から私自身もうどうでもいいと思っていた。
「おばさんも、追われたんだね...」
互い違う種族同士だったが彼も妙な親近感を覚えてしまったようだ。
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