異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第2章

閑話・小話詰め合わせ①

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『あるメイドの小話』
皆様こんにちは、レストリア家に仕えるメイドのリザと申します。

先程、私の敬愛するレイ様が屋敷を離れていってしまいました。でも、3年以内で帰ってくると仰っていたので黙って待つよう自分に言い聞かせました。(本当は少し付いて行きたかった気もなくはないですが…)

レイ様を見送り自室に戻ると、テーブルに大きな箱が置いてあり、丁寧にリボンが結ばれ小さなカードが挟まれていました。
カードにはレイ様の文字で『お風呂に入る前に使ってみてね。』と書いてありました。何かと思い箱を開けると、中は仕切りで区切られており何種類もの色の球のようなものが20個ほど入っていました。


その日の夜、自室に備え付けてあるお風呂に入る前にその球を入れてみるとシュワシュワと音を立てながらお風呂の色が変わっていき、最初はとても驚きました。
ですが、湯船に浸かるととても落ち着いた気分になり体中の血の巡りが良くなっな気がしました。

次の日私は朝起きても気怠さがいつもよりほとんどなく、仕事も軽くこなす事が出来ました。レイ様には感謝です。

(レイ様…いつ頃帰ってくるのでしょうか…)

ちなみに奥様とエマ様には服が幾らでも入る魔法棚マジックケース、旦那様には刃毀れのしない大剣が送られており、皆様たいへん喜んでいました。





『特訓休みの小話①』
石を持っての特訓の休憩中、中庭でくたばっている俺の元にエレナが駆け寄ってきた。

「レイお疲れ様、はいお水。」

「ありがとうエレナ。」

本当に天使は性格も天使だった。
俺はここ最近、悟空みたいな特訓をしていたせいかある技を思いついた。

「エレナ、ちょっと離れてみててくれ。」

「うん?わかった。」

エレナが離れたのを確認し、俺は体に光魔法と雷魔法の2つを纏わせ気合を入れた。
「はぁぁぁぁぁぁあああ、はぁっ!」

気合いを入れ終えると、髪の色は桜色から変わらなかったが光魔法で体の周りに黄色の魔力が漂い、雷魔法が小さく『バリバリ!』と音を立てている。
そう、男なら誰しも1度は惚れるスーパーサイ…違うスーパー転生人2に俺はなったのだ!まぁ中身は特に強くなったわけではなく、ただの見た目の変化だけなのだが…。
エレナは驚いて固まっている。
(うん、ブラック ク○ーバーにありそうな反応ありがとう。)

「レ、レイかっこいい!!」
「そうか?嬉しいなぁ。」

調子にのった俺は、土魔法で前方にガレアスの像を造形した。
そして両手首を合わせて前に突き出し、構えをとる。

「エレナ!みてろよ。」

「うん!」

そして両手に光魔法を砂糖小さじ一杯ほど流すイメージで詠唱した。

「か…め…は…め…」

一度引いた両手を最後に思いっきり前に突き出した。

「波ーーーーーっ!!!!」

光のビームのようなものは、おっさんの像めがけて飛んで行った。
そこまでは良かったのだが、おっさんの像を消滅させた光線は止まる事なく城の端っこに当たり爆発した。

…その日、石が4個追加されたのは言うまでもない。




『特訓休みの小話②』

「よし、午前中はここまでじゃ!」

「…はぁぁぁ疲れた。」

エレナを追いかけ続けた俺は、昼休憩に入った。そこである物を魔法袋アイテムボックスから取り出した。

「おっさん、これやるからアイナさんとあと誰か1人連れてきてくれ。」

「なんだそれは。見たことない物だが…」

「いいからはやくはやく!」

「レイそれなーに?」

「これはな『ツイスター』って言うゲームだ。エレナと遊ぼうと思って作ったんだ。」

「面白そう!」

俺の手にはレジャーシートサイズの布と、時計の針が1本だけついたような板が握られていた。
これは俺が前世で子供の頃やった事があるゲームで、技神のプロメテウスに何か面白い事をと言われていたので軽く作った物だ。正直、異世界転生系のラノベの主人公とかはリバーシや将棋などボードゲームを作る事が多いが、俺は別に頭がキレる訳でもないので体を使った遊びでちょうどこれを思い出したのだ。
ルールは簡単で、この布には赤、青、黄色、緑の4色の手のひらより少し大きい丸が各色6個、それぞれ横一列に均等に並んでいる。
プレイヤーはまず1番端の色に2人ずつ向かい合って立ち、審判は板の針を適当に回す。板には右手左手、右足左足で四当分されており、各色2個ずつ丸がある。針が止まった所の色と部位を審判が言い、プレイヤーは好きな場所の色に言われた部位をつけばOKだ。1つの色の丸に複数人が手をつくのは確かセーフだったはず。手と足以外の部位が布に触れたらOUTだが。
序盤は簡単なのだが、ゲームが進むとどこに置くかや、体が変な方向に向いたりなど地味に難しいのだ。

とりあえずルールを4人に説明してゲームが始まった。審判には『黄龍』のゼリスさんがついた。

「面白い遊びがあるのね。」

「なるほどな、じゃあこれでお前が儂より早く脱落したら何か罰をやらんとな。」

「ふっ、おっさん。俺はこれの経験者だからな、負けたりしないぞ。」

「その言葉忘れるなよ?」

「それでは始めますね。」

ゼリスさんが板の針を回し、ゲームが始まった。

「右手が青色です。」

「よっ」 「えい!」

そのままゲームは難なく続いたが、10回目ほどで最初の退場者がでた。

「…くっ!届かない…ああっ!」

アイナさんが滑って尻餅をついた。

「残念です、負けてしまいましたわ。」

その5手くらい後に今度はエレナが滑って背中をついた。

「いたっ!…うぅ最初は簡単だったのに…」

結局俺とおっさんの2人だけが残った。

「くっ、おっさんなかなかやるな!」

「たわけが…!小僧になんぞ負けてられるか!それに妻と娘が見てるしな!」

「それでは続けますね……左足緑色です。」

おっさんはなんとか左足をおけたが、俺はまだ子供体型なので足が短くギリギリ届かなかった。

「おいおっさん!そこの左手邪魔だからどけてくれ!」

「ふん!敵を甘やかす奴がどこにおる!さっさと降参したらどうだ?」

「くそっ!届かねぇ…!なら…」

俺はその場で新しい魔法を作った。
「これでどうだ!ゴム○ムの…左足緑っ!」

俺が詠唱すると、未来の海賊王のように俺の左足が伸びて無事左足はおく事が出来た。

「なっ、お前そんなのずるいぞ!」

「公式ルールでも手足を伸ばしちゃいけませんなんて書いてないからセーフだ!」

「レイ頑張ってー!」

「あら、エレナはレイ君派?なら私は主人を応援しようかしら。」

その後結局ツイスターは終わらなかったので、勝負は持ち越しとなった。








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