これは愛か、それともただの刷り込みか

栗鼠

文字の大きさ
5 / 7

イヴァンside 望むもの

しおりを挟む

2日後に番申請が受理された。 
番休暇は10日間。

…何、籠る準備してるんだ?俺は。
番う!とか言ってたけど何するのかもわかってない…本当に番ってしまってもいいのか?…思わず言い訳を考えるほどニーチェは幼い。胎持ちだが…精通もしてない。  

俺、そう言う趣味って言うか異常な性癖無いつもりだったんだけど…嫌じゃなかった…割と好きだった。

柔らかい猫独特の腰のラインとか襟足とか頸とか鎖骨とか…かなり煽られる。

普通に発情期なんだよ!でも俺にだって常識も良識もあるんだよ。
流されそうだけど踏み止まってるの!

救いなのは幼いから匂いが薄い事。
それでも薄くても…甘く蕩ける匂いがするんだよ…。

だから…仄暗さを隠して嘘くさい偽善的な思考を全面押ししてて…。

エロい雰囲気とか…全くない。

番うにあたりニーチェは雄型の雌で、虎と猫は同じ猫科で相性がいいから、すぐ孕む。人化したから成人したけど、まだ身体が幼いから流石にニーチェの身体が耐えられない。ニーチェが不妊剤を使うのは負担が多すぎるから、俺が殺精紋を1年入れたって話をした。

「?」よ。

もっと手前の話だった。
雄型の雌って何?ときた……そこから?

俺のちんこ見て…コレが大っきいから雄?
ニーチェの小ちゃいから雌?
そう言えばフォグも大っきかったから雄?
…これ以上どう説明すればいいのかわからないから…それでいい。

「…そう。ここから子種が出る。
その子種をニーチェの腹の奥に入れる。」
「どうやって?ご飯みたいに食べるの?」

…それはそれでいいかもしれない…そうじゃない!

「ここから入れる。」
「ここ?うんこ出るとこ?」

…言い方。

ちなみに風呂上がりで2人とも寝衣のシャツを羽織ってベッドで向き合ってる。

ニーチェは雌だから気持ちよくなるのはここだよ、と臍の下辺りを指先す。 

…こっちでイク事なんて知らなくていい。そう思った時には射精阻止じゃなく禁戒紋を刻んでた…クズだ。

後頭部を掴むんで啄む様に口づける。

「これが口づけ。」
「知っている。おかえりなさいの挨拶。」

…そうです、俺がそう言いました。

そのまま押し倒す。
首筋、鎖骨と降りて小さな胸の先をペロリと舐める。

「ん!擽ったいぃ!」

戯れるみたいに触り合った。
大人げなく誘引の匂いを出して誘う。
小さな手を俺のちんこに導く。

「ほら触って。ニーチェと番いたくて、もうこんなに硬くなってる。」

あ、別に巨根とかじゃないし遅漏でもないから。ちょっとトゲトゲしてるだけ、回数は…多めかもしれないけど。

「咥えて?」

膝立ちになってニーチェの顔の前に持っていくと、戸惑いながら口が開いて薄いザラついた舌で俺のちんこを舐めてから咥えた。

「もっと奥で」

頭を押さえて喉の奥に押し入れる。

…逃げようと頭を引くから、がっちり頭を捕まえた。えずいてるのに喉の奥まで揺すりながら入れて…息が下生えにかかって擽ったい。
凄い背徳感だけど…止まれない。

「一緒にいたいなら飲め。」

俺の腰に腕を回してしがみついてきた。
そうだ、それでいい、決めるのはお前だ。
選択肢はひとつしかないけどな?

…散々我慢してたから呆気なく出た。

ニーチェが何度も込み上げてくる嘔吐感を堪えながら、口を手で押さえて鼻水垂らしながら俺の白濁を飲み込んで…。

こんな…健気なの見せられたら…もう本当に無理。

ベッドのサイドテーブルに置いだ潤滑剤に手を伸ばした。
用意した潤滑剤には弛緩剤とか催淫剤とか、そう言うものは入ってない。
保護魔法は使えるから傷はつかない。

もちろん腹は浄化済み。

たっぷり指に絡めて、口づけして、気を外らしつつ中に指を入れる。
…指を2本、3本と増やして…痛くはないが気持ち良くもないだろう。

「ん なんか へん それ …いや」
「いや?」
「いやじゃない!」
「やめる?」
「やめない!」

…いい子だ…俺の発情期につられてニーチェの匂いが濃くなった…ケツが泥濘んできた……本当に…ごめん。
四つん這いにして覆い被さった。
泥濘るんだケツの穴にちんこを当てる。

「番っていいか?
俺のモノにしていいか?
もう離してやれないがいいか?
俺は…重いぞ?
このままこの森で暮らそうな?
外に出なくていいな?」

ぐっと押し入る。

「…いだいぃ」

そうだな、御伽話じゃないんだ。どれだけ解しても初めては痛い。
…俺の番になるんだろ?それなら…仕方がないな?

「頑張れないか?」
「がんばぁるぅぅ…」

そのままゆっくり小刻みに揺らしながら入れていく…トンとたどり着く行き止まり。 

「この先だ、この奥に入れたら番えるぞ?」
「いぃれるぅ…いれてぇよぉ…!」

お前の望むままに…。
逃げないように肩を抱き込んでぐっぐっぐっと窄まりの奥に入り込む。

い゛あ゛っ!
あ゛!
っう゛ぇ゛っ!

げぶっと吐いた…さっき飲んだ俺の白濁の匂いがする…支配欲が湧き上がる…初めてで奥突っ込まれて気持ちいいわけがない。

「い゛   た゛いぃぃ」

…許してくれ。
頸に噛みついて胎をゴリっと押し潰すように突いて中に出した。

イク事も知らない身体
どこにも逃せない感覚
強烈な第一印象
忘れられない記憶

…唯一じゃないから。

どれだけ囲っても…閉ざして塞いでも。
…俺だけだったとしても…。
出会ってしまったら奪われるから。

刻み込んでやる…入れ替わる事のない脳細胞に。お前が唯一と出会って俺のもとを離れても俺が死ぬ時にお前を連れて逝く。

俺が与えるモノは、お前が望んだモノだ。
…もう離さない。

対面座位に抱き直して、ぐちゃぐちゃだったから洗浄魔法でキレイにして強張った身体を抱きしめる。
飛んでいた意識が戻ってきた…。

ふっ…

うぇっ 

限界を超えて溢れ出す嗚咽。
その涙も、声も、全部俺のものだ。
優しくできなくて …ごめん。

少し同調率を下げる。腹の中に異物感はあるが…気持ちは落ち着くはずだ。

「ニーチェ。」
「番になれた?」
「なったよ。」
「ずっと一緒?」
「離さない。」
「ボクを置いていかないで。」
「俺が逝く時に連れて行く。」
「うれしい。」

その後は、ゆっくり動いて…何度も何度もイかせてもらった。
同調率を下げたから朦朧としてるのに俺がイクたびに嬉しそうな顔するから…なかなか終われなくて…。やっと離せたのは、次の日の朝。

初めて相手に酷すぎる。
 
お互いの胸に番紋を刻んだ…魂縛共有番紋。
これで離れていても共に逝ける…。
嘘はついてない…でも言ってない事はたくさんある。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

神父様に捧げるセレナーデ

石月煤子
BL
「ところで、そろそろ厳重に閉じられたその足を開いてくれるか」 「足を開くのですか?」 「股開かないと始められないだろうが」 「そ、そうですね、その通りです」 「魔物狩りの報酬はお前自身、そうだろう?」 「…………」 ■俺様最強旅人×健気美人♂神父■

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

【完結】王弟殿下の欲しいもの

325号室の住人
BL
王弟殿下には、欲しいものがある。 それは…… ☆全3話 完結しました

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

美澄の顔には抗えない。

米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け 高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。 ※なろう、カクヨムでも掲載中です。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

魔法使い候補生は夢を叶えられない

ユーリ
BL
魔法使いの採用試験に何度も落ちる凪は、幼馴染で魔法省に勤める理斗に頼み込んで二泊三日の合宿をしてもらうことに。これで合格すれば晴れて魔法使いになれるけれど…?? 「魔法使いじゃなくて俺の嫁になれ」幼馴染の鬼教官攻×夢を叶えるため必死に頑張る受「僕がなりたいのは魔法使いなの!」ーー果たして凪は魔法使いになれる??

処理中です...