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イヴァンside 刷り込み
しおりを挟む番ったけど…壊してしまいそうだ…
一緒に暮らし始めて思っていた以上に幼い事がわかった。恋とか愛とか、そんな事は当たり前に知らなかった。
そもそも、魔法使いに拾われる前の記憶がなかった。覚えていたのは黒い鳥に捕まって食い込んだ爪が痛くて暴れたら落ちた事だけ。親の名前も覚えていなかった。
だから歳もはっきりわからない。
…人化してるけど本当はまだ獣体で過ごす時期だと…思う、生まれて10年経ってない。調べる事は可能だが…余計な詮索はされたくない。
軍住宅からさっさと引っ越してよかった。
…ここには誰も来ない。この森に入れるヤツなんて…そんなにいない。
その場しのぎで生きてきて、心の育て方なんて知らない…。
だから…幼い頃に羨ましいと思った事をしてみた。
家の中でもスリングに入れて擦り寄せて、撫でて、抱きしめて甘やかして。
何もしなくていい…何も。
「……にゃ…」
…にゃ?
冷たく硬かった身体が猫独特の柔らかさを思い出してとろりと解けて…好奇心を思い出して笑う様になって、
気ままな自由さを思い出して不貞腐れる。
俺の匂いの中で解けていった。
…くっそ可愛い!
春になる頃には人化してるのに獣体の時くらい寝る様になった。
小型種の猫は春がの発情期だがニーチェに発情期は来なかった。
…発情するほど身体が育ってないって事だ。
殺精紋を入れてよかった。
その後、起きてる時間が6時間くらいで固定した…6時間で出来る事なんて、たかが知れてる。
…薬はほとんど作ってない。畑には俺が水やってるから薬草は枯れてはいない。
当たり前だが爺さんが逝った時点で薬とかの注文は全部止まってる。
俺がしつこく抱き潰すから…抱きしめて頸撫でるだけで泥濘む様になった。
…愛なんかじゃないって事はわかってる。
これはただの刷り込み。
それでもニーチェは…俺のものだ。
なんてな…格好つけても止まらない!
「 ゃ …にゃ」
にゃ …とか言いやがって治らねぇだろ!
くっそ可愛いんだよ…
引き抜こうとしたら …足が絡んできた…
「やにゃ…」
抱きしめたまま、ぐっっと無理矢理腰を引いて抜いた …ちょっ寝ろ!
睡眠導入をかけて寝かした。
…もう本当に待って…虎って一回は長くないけど回数が多いの。何度でも復活しちゃうから…結果的に長いんだよ。
腹を撫でたら…ぶりゅって…ぷっくり膨らんでエロい縦割れになったケツの穴から中出ししたのが出て…くっそエロい!
どうすればいいの?
夏だから発情期じゃないんだけど!
殺精紋刻んで本当によかった、じゃなきゃ速攻で孕ませてる。
殺精紋…もう1年伸ばそう…身体が大人になるまで。
仕事に行くと、花虫の蜜が足りないから魔法使いの弟子に増産が可能か聞いてくれと言われて…
この地で弱き者が生きるのに欠かせない花虫の蜜。だから蜜だけは作っていた。
あれは…本当に特殊で、まず俺が近くに居ると羽虫が寄って来ないし、手を出すと捕まえた花虫が変色して消し炭の様になり崩れ落ちる…鍋の火加減を見るくらいしか手伝えない。
増産なんてニーチェ1人じゃ無理だ。
だから羽虫に好かれた奴とその番で森の魔素に耐性のある奴をサポートによこせと伝えた…そんな奴いないと思ってた…。
思っていたより早く返事が来て…
よりによってこの2人かよ…俺じゃ足元にも及ばない強い雄…それも上官。
…大丈夫だ。2人とも番っているんだ、ニーチェを取られたりしない。
この2人は殲滅者で…頗る強いんだが戦ってる所は見た事がない。…お手並み拝見。高みの見物。
…2人とも番いを抱えて緩衝帯をこちらに向かってくる。あのクラスの魔獣を片手で倒せるのか…
…熊に魔獣が集ってる。
…魔獣との距離が近い。
発動させる魔術を覗き見て読み取る。
熊…アンタの術式デタラメだな…。
そんなの真似出来ない…術式が完成してないのに発動してる?…違う…連動してるのか?なんでそんなに都合よく術式を書き換えられるんだ?
訳がわからない…魔力量の問題じゃない。
技術力?それなら狼の方が上だろう?
全てが連動して発動してる。動きに無駄がない…。
は?
この熊…他人の張った結界に走り込んで来やがった。くっそ!
なんだ…?その入れろって…強制的な親和同調?…なんだよそれ。
狼は入れないと入れないのか…熊の特殊能力か?
…こっちの狼は、この前発情期でもないのに俺ん家の近くで盛りやがって…その時、なんか余計なモノまで連れて来た。
ニーチェを奪われるくらいなら…噛み殺す。
番は黒兎と白い人族。
黒兎は兎にしては大きい。
…ニーチェの方がケツがエロいな…
白いのは… あれは駄目だろ?
…頭が足りないのか?目の色が蕩けてないから、ああいう喋り方なのか?
ニーチェがお兄さんぶってる?
え?可愛い。
挨拶もそこそこで作業に入った。
途中ニーチェが上手に出来てる?って俺に聞きにきて。
初めて外の人と会ったんだ、凄く緊張している…早めに終わりたい。
抱きしめて頭撫でた時に…
小指が頸を少し掠って……刷り込みって凄ぇな?泥濘るみやがった。
2鍋出来た所で…昼飯と昼寝させるからって途中で抜けた。…絶対にバレてる。
飯食い終わったらニーチェが
「…しにゃいの?…おしりむずむずする。」
…くっそ!おねだりされた!俺、他の雌が来るから用心して抑制剤飲んでるんだよ。
…勃たねぇよ。
可愛いチンコと前立腺を同時に優しく刺激して浅くイかさせて…また後でな?もう少し頑張らないといけないからな?って寝かした。…ものは言いようだろ?
狼は昼で帰って、熊が残って庭先で野営している。…家の結界に入れる訳にはいかない。
って言うか精霊だ…はっきり姿を見たのは始めてだ。この感じ…狼が連れてきた余計なものは…精霊だったんだな。
精霊が熊のスリングの中の白いのを覗き込んでる。話してる声は聞こえない。
熊が俺を…見た?え?認識阻害がかかってるはず…精霊がこっちに……
『アノコハ アナタノ ユイイツ
セカイヲ コエテ アナタノモトニ カエスコトガ デキタ
イノチノヒガ ユレテイタカラ
キオクヲ タモテナカッタ
ウマレテ ロクネン マダオサナイ
タイセツニ シテ」
ニーチェが俺の唯一…
今、生まれて6年って…マジかよ…変態だ…
あまりの事に頷く事しかできなかった。
それでも感謝しかない…繋いでくれた神に…。
朝。蜜を漉しながら熊に薬のレシピを売ってもらえないかと聞かれた。薬草の苗と一緒に。
ニーチェが、リ… 白いのならいいって言うから、熊個人にならって条件をつけて了承した。…薬草が育つかどうかは別問題。
って言うか殺精紋、後5年は伸ばす。
…俺何ニヤけてんの?…ヤバすぎるだろ…
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