覚えていられなくても

栗鼠

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ラヴィside




僕は犬獣人のラヴィ。
北領東区の貴族街にある小さなカフェに住み込みで働かせてもらってる。

僕の部屋?は2階の倉庫の端っこで、カウチとテーブルと小さな棚があるだけ。お風呂は隣のオーナーさんの家にもらいに行く。客商売だからね清潔第一。

僕の頭は…3ヶ月より前の事を覚えていられない。

だから毎日日記を書いてる。
忘れたくない事を全部書いてある。
大切な僕の記憶のノート。

…持ってこなかったから。
お家に置いて来ちゃったから。

だから…もう少し経ったら…全部忘れちゃう。

忘れたくなくて…新しいノートに覚えている事を全部書いたけど…4ヶ月前に会った父様や母様の顔はもう思い出せない。
だから…もう少ししたら大好きな旦那様の顔も忘れちゃう。

……「いらっしゃいませ。」とか「こちらのお席をどうぞ」とか…このお店は、そう言うのは言わないお店だったんだけど…初めて働いた僕には、それはとても難しくて。上手く出来なくて…。
そしたらラヴィのやり易い方が良いね?って僕だけ言ってもいいことになった。

「お決まりの頃にお伺いします。」
お客様にメニューを渡してカウンターに戻る。

お客様の方がお店に詳しい。
僕のミスを皆嫌な顔をぜずに許してくれて…さらに頑張ってね。って応援してくれる。…優しい。

最近お茶を揺れないようにテーブルに置く事ができる様になった。…ひとつずつだけど身体が仕事を覚えていく。頭は…覚えた分だけ忘れていく。

僕は、今、僕を見つめている真っ最中。
これからどうしようかな?って。

朝起きると、いっぱい泣いてて…でも何が悲しいのか覚えていない。

お家の執事の山羊さんが来て洋服とかを届けてくれたから、僕がここにいるって事はバレているんだけどね。僕には考える時間が必要なんだ。

…でも …たぶん …答えが出る前に忘れてしまう。

ごめんなさい。

忘れたくないけど覚えていられない。

貴方に逢いたくて何度も何度も最後まで……。

……わからない…。

カラン。とドアのベルが鳴る。

「いらっしゃいませ」

…今日も元気に働こう!


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