ただ平和に暮らせれば私は…。

まり

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14.10歳になりました。

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早くも3年が過ぎようとしていた。
私は気付けば、Dランクになっていた。


ギルドに登録した時は黒いローブを羽織っていただけだったが、今は短い茶髪のウィッグ(自作。なぜか作れた)に、男っぽい服装をしている。

受付のおじさんには、女だとバラさないでほしいと念押ししておいた。
女だとわかった途端、舐めてくる輩がいるからだ。


そして、今日はその日も弱い魔物を狩り、帰ろうとした時だった。

空の彼方にドラゴンが見えた。
しかもこっちに向かってくる。

逃げる選択肢はなかった。
私が守りたい街が、この先にある。

この前買ったばかりの剣を、全力でぶん投げた。

剣は回転しながら一直線に飛び、ドラゴンの急所に突き刺さる。
落下被害を防ぐため、風魔法でゆっくり下ろしてドラゴンをマジックボックスに入れた。
便利すぎる。

街に帰ると
ドラゴンが来たことにまったく気づいていなかったらしい。
命の危機に気づかない平和ボケってすごい。

さて、ドラゴンの売却、いくらになるだろう。
ワクワクしながらギルドへ戻る。

『おじさん!!依頼の物持ってきたよ!あとね、街の外で』

マジックボックスからドラゴンの頭を“ちょっとだけ”出した、その瞬間。

勢いよく扉が開き、見知らぬ男が叫んだ。

「さっきここの街の方にSSランクのドラゴンが飛んでいったのを見たんだ!!だけど瞬きをした一瞬に消えた!!!」

「なにをってんだよ。そんなわけないだろ。ははは」


『あ。』

私は慌ててドラゴンの頭をしまい、
平然とした顔で言い直した。

『おじさん!!依頼の物持ってきたよ!』

ドラゴンは……落ちてたことにしよう。うん。

受付のおじさんは、無表情で言った。

「今の。」

『何のことでしょう?』

調べてこなかった。
ドラゴンの種類くらい覚えておくべきだったと心から後悔した。

私のバカ。

「ちょっと、ついて来ようか。」

『...。拾ったんですよ。』

「どこで拾ったのか詳しく聞かせてもらうね。」

とても断れそうにない雰囲気ですね。はい。

おじさんは、ほかの人に受付を頼み私をを奥の部屋へ案内した。

《コンコンコンコン》

「失礼します。ギルドマスター少しいいでしょうか。」

ギルドマスター??
なんでこんな大物に会うの。

「いいぞ。はいれ。」

「失礼します。」

『失礼します?』

事情説明もなく、私は高そうな絨毯の上に立たされた。
おじさんは、ギルドマスターの耳元でごにょごにょ。

「ふむ。どこで拾ったんだい?」

「街の外ですよ。」

その瞬間
《シュッ》


目の前から何かが飛んできた。
反射的に手が動き、それを掴む。

『うぉー!びびったぁ!』

間髪入れず

《シュシュシュッ》

次、三本。全部掴んだ。

『一体なんですか!!私じゃなかったら怪我してましたよ!!あ。、、、。こわーい。僕動いてたら死んでたかもぉ。』

掴んだナイフを、座っていた椅子の背もたれへ突き刺す。
ギルドマスターは肩をすくめた。

「いやいやいや。見てたから。目の前でやっておいて、わかりやすい嘘つくなよ!」

『ふむ。記憶を書き換えよう。』

「いやいやいや。まて。まて!!何故そこまでしてその強さを隠す?」

『平凡に暮らしたいからですよ。』

「平凡に、か。俺も昔は思っていたが、いつの間にかギルドマスターになっちまったよ。」

『はぁ。』

「そんなことより、よくとれたな。」

『はぁ。ていうか、とれなかったらどうするんですか!!』

アホなのかこいつ。脳筋か?

「ははは。まあ、とれなかったら、そいつが変わりに叩き落としていたさ。」

え?受付のおじさんが?おお!

「さて、本題だ
君に参加してもらいたい大会がある。」

『え?なんでですか?嫌です。だる。』

「もし断るなら君に出した金を返してもらうし、指輪は没収、ギルド登録も二度とできない。どうする?俺の言うこと聞いた方がいいと思うけど?」

『はぁ!?横暴だ!!』

「ははは。なんとでも言うがいい。さて、どうするんだい?」

『くっ。クソ!わかったよ!聞けばいいんだろ!聞けば』

なんなんだ!?こいつ!!

「よし。それでその大会は、国王主催の大会だ。君の実力、見てみたい。」

ありがた迷惑だよ!

『それでいつなんですか?』

「明日だ。受付もギリギリまでいいらしい。」

は??はや!!!
馬鹿じゃないですか?この人馬鹿ですか?馬鹿か!!

「てことでよろしく!」
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