うわさのRoll〜Remembering the days of Rape〜

冴木譲

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本編(前編)

135.裏の役割

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 2005年1月6日

 今日が冬休み最後の日、明日からまた学校が始まる。始業式の日が金曜日で、またすぐ土日で、しかも月曜日も祝日で休み。こんなことなら金曜日まで冬休みにしろよと思う。

 最終日に過ごす相手は、もちろん未来だ。明日からは昼から未来を抱き放題にできない。昨日はめでたく100回目のセックスを楽しみ、記念にホールケーキを買って、本当に100本のロウソクを立てた。火をつけたところ、小火になる勢いで火柱が上がってしまい、慌てて消化する俺の姿を見て未来は爆笑。本当にくだらないけど、楽しい。ちなみに未来は100回記念のことも母親に話したらしい。回数を数える俺のマメさに母親は爆笑していたらしく、会うとなるとますます恥ずかしいことになった。


「あれ、譲くん。」

「ん?どした?」

「ケータイ震えてるよ。」

「ほんとだ。誰だ・・・?」


 ケータイを手に取りディスプレイを確認すると、"玉置ゆうき"と表示されていた。


「玉置ゆうき?オナチューの人?」

「そうそう。何の用だろな。あっ、切れた。」

「折り返さなくていいの?」

「いいよ別に。だいたい今は未来と一緒にいるんだからさ。冬休みも最後だし、楽しまなきゃ。」

「うん。譲くん、もう一回・・・。」


 18時頃。未来の自宅最寄駅にて解散。改札を通ったホーム上にて、携帯を開く。着信履歴から"玉置ゆうき"を選択して折り返す。


「・・・もしもし。」

「よう。折り返し遅くなって悪いな、環。」

「・・・何してたの?」

「友達と遊んでたよ。何の用だった?」

「用って・・・なんで連絡くれないの?冬休み、一回も会ってないじゃない。」

「あー悪いな、ばーちゃん家行ったりとかしててよ。」

「・・・それで、冬休み一回も会わないつもりだったの?」

「いやいやそんなことないよ。現にこうやって電話してるだろ。」

「それは私がかけたからでしょ。」

「でもこうして折り返してんだからさ。会う気無かったら折り返しもしてないよ。」

「・・・折り返しは人としてのマナーでしょ。」

「まぁ細かいことは気にしないでさ。環、今どこにいんの?」

「・・・家だけど。」

「他に誰かいる?」

「いないよ。みんなスーパーで仕事。」

「じゃ今から環ん家行くわ。30分くらいで着くと思う。」


 地元の駅に到着し、環の家まで向かう。それにしても面倒だ。中学時代、環とはバスケ部のメンバーとして一緒の時間を過ごすことが多かったが、こんな面倒なことはなかった。お互い運動神経が良く、練習相手として接していた機会が主だったためか、勝手にボーイッシュなスポーツマン気質だと思っていた。しかし、実際はいかにも女らしい面倒臭さを持ち合わせた女だったようだ。まぁ、話すと面倒臭い一面はあるものの、毎日会いたいとか言ってくるわけではないし、いちおう、環が裏彼女という位置付けになっているわけだから、そこまで無下に扱うつもりはないが。

 しかし歩きながら思う。裏彼女って何だ?自分でそのポジションを作っておいて何だが、そんなの必要か?必要だとして、なぜそこに環が収まる?本命の彼女は未来だとして、裏彼女は本命の影武者の位置付けだとしたら、①未来と同じレベルで、②同じくらいの頻度で、会える女でなくてはならない。かつ、表裏一体とならぬよう、③未来とはある程度の距離がある、というのが望ましいだろう。だが、この条件で言えば①の時点で該当するのは詩乃しかいない。だが詩乃は②③を満たさない。いきなり選択肢が潰えてしまった。裏彼女は作れないということになってしまうが、それはあまりにも寂しい。

 考えているうちに、"結城"の表札が視界に入る。環の家に着いてしまった。考えはまとまっていないが、よく考えたら環は最初から裏彼女のようなものだった。もともと杏理の代わりに使っていたのが、今は未来の代わりになっただけだ。そう思えば何も変わらないし、条件は満たさないものの、まぁ先行者利益ということで裏彼女の名誉を与えてやってもいいだろう。

 しかし、未来に2発絞られた後に環か。本当なら咥えさせて勃たせたいが、シャワーを浴びていないし、さすがに他の女を抱いた後だとバレるだろう。まぁ環もいい身体をしているし大丈夫かもしれないが、勃ち具合が弱かったら軽く殴るなり首を絞めるなりすれば興奮するだろう。まったく、面倒な女だ。
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