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第一章
26 鑑定 ト 称号
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案内に従い続きの部屋へ進むとそこには先程の王太子と鑑定士がいた。
殿下はこちらには目もくれず自身のステータスが写されているであろう羊皮紙をご覧になっている。
椅子に腰をかけ足を組む姿が尊大で、子供の体格と妙にズレている印象を受ける。
私は鑑定士に向かうと羊皮紙を差し出す。
「ウォルフレーネこぉしゃくけのセレスティアでしゅ。かんていをおねがいしますわ」
「承ります」
鑑定士はスキルを発動させ鑑定してくれる。
それを手ずから羊皮紙に転記してくれているようだ。面倒くさそう·····。
1枚目が転記された段階で受け取り、目を走らせる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
名前:セレスティア・ウォルフレーネ
レベル:1
筋力:2
魔力:5
敏捷:3
知力:8
運:5
魅力:6
スキル:身体制御Lv1 速読Lv3 神性言語理解Lv1 精神耐性Lv2
称号:優雅な令嬢 貴種の心得 神使の守護者
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ふぉぉぉお!!
これが私のステータス!
すごいゲーム感あるなー。
レベルとか見せられるとやっぱりレベリングしたくなるよね。
内心で飛び跳ねそうになるのをグッと堪えていると残りの転記が終わったらしく、鑑定士が羊皮紙を渡してくれる。
内1枚は国へ提出する分なのでそのまま預けて、2枚だけ受け取る。
受け取った2枚はそのまま持ち帰り、当主のお父様へ報告するのと、私自身で保管しておくものになるらしい。
「ごくろぅさまですわ。
ぜんぶてでかくの、たいへんですのね?」
「いいえ、私は模写スキルを持っているので全部スキルがやってくれるんです」
なるほど、それもスキルだったのか。
軽く労ってその場を去ろうとすると突然声をかけられた。
「おいきさま。そのすてーたすをみせてみろ!」
いきなり貴様呼ばわりですか。
ん?でも貴様って漢字で書くと貴い様だからある意味敬称なのかな?
いやでも絶対そんなつもりで言ってないよね。
私がそんなことを考えていたら出し渋っているとでも思ったのだろう。
うん、事実出し渋ったのだけれど。
「ではわたしのすてーたすをみせてやろう!!
はじめてのしゅくふくで、しょーごーがついたすてーたすをみられるなどこーえいにおもうがよい!」
へー、5歳で称号持ちって珍しいんだ。
王太子は鼻息も荒く胸を張り、自身のステータスを目の前にかざす。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
名前:ヴィンセント・レイ・ヴェラントウォール
レベル:1
筋力:5
魔力:4
敏捷:5
知力:1
運:2
魅力:2
スキル:威圧Lv1 剣術Lv2 恐怖耐性Lv1
称号:傾国の親王
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
えーと。
よくドヤ顔でこの称号見せたな·····。
傾国の美女と言われれば、一国の王が入れ込みすぎて国政を疎かにしてしまうほどの美人って意味の褒め言葉になるんだろうけど、王太子が国を傾けちゃダメでしょ。
称号ってこんな不名誉なモノも遠慮なく付いちゃうんだ。怖。
「さあ!きさまのもみせるがよい!」
「あ、はい」
なんかどうでも良くなってきた。
もともと、命令を拒否してまで隠したいものでもないので素直にステータスを差し出す。
殿下は私のステータスをご覧になると分かりやすく機嫌を損ねる。
「なんだこれは!!
わたしよりしょーごーがおおいとはどうゆうことだ!」
「はあ、もうしわけございません」
理屈が通じなさそうなので、とりあえず謝っておく。
「きさま!あまりちょーしにのるなよ!!」
持っていた私のステータスを捨てるように投げ返すと、床を鳴らすように去っていってしまった。
ステータスの鑑定さえ終われば祭典も終わりだから順次退出して行くことになるので、そのまま王宮へ戻られるのだろう。
色んな意味で取り残された私は、殿下の去ってゆく背中を呆然と見送るのだった。
殿下はこちらには目もくれず自身のステータスが写されているであろう羊皮紙をご覧になっている。
椅子に腰をかけ足を組む姿が尊大で、子供の体格と妙にズレている印象を受ける。
私は鑑定士に向かうと羊皮紙を差し出す。
「ウォルフレーネこぉしゃくけのセレスティアでしゅ。かんていをおねがいしますわ」
「承ります」
鑑定士はスキルを発動させ鑑定してくれる。
それを手ずから羊皮紙に転記してくれているようだ。面倒くさそう·····。
1枚目が転記された段階で受け取り、目を走らせる。
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名前:セレスティア・ウォルフレーネ
レベル:1
筋力:2
魔力:5
敏捷:3
知力:8
運:5
魅力:6
スキル:身体制御Lv1 速読Lv3 神性言語理解Lv1 精神耐性Lv2
称号:優雅な令嬢 貴種の心得 神使の守護者
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ふぉぉぉお!!
これが私のステータス!
すごいゲーム感あるなー。
レベルとか見せられるとやっぱりレベリングしたくなるよね。
内心で飛び跳ねそうになるのをグッと堪えていると残りの転記が終わったらしく、鑑定士が羊皮紙を渡してくれる。
内1枚は国へ提出する分なのでそのまま預けて、2枚だけ受け取る。
受け取った2枚はそのまま持ち帰り、当主のお父様へ報告するのと、私自身で保管しておくものになるらしい。
「ごくろぅさまですわ。
ぜんぶてでかくの、たいへんですのね?」
「いいえ、私は模写スキルを持っているので全部スキルがやってくれるんです」
なるほど、それもスキルだったのか。
軽く労ってその場を去ろうとすると突然声をかけられた。
「おいきさま。そのすてーたすをみせてみろ!」
いきなり貴様呼ばわりですか。
ん?でも貴様って漢字で書くと貴い様だからある意味敬称なのかな?
いやでも絶対そんなつもりで言ってないよね。
私がそんなことを考えていたら出し渋っているとでも思ったのだろう。
うん、事実出し渋ったのだけれど。
「ではわたしのすてーたすをみせてやろう!!
はじめてのしゅくふくで、しょーごーがついたすてーたすをみられるなどこーえいにおもうがよい!」
へー、5歳で称号持ちって珍しいんだ。
王太子は鼻息も荒く胸を張り、自身のステータスを目の前にかざす。
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名前:ヴィンセント・レイ・ヴェラントウォール
レベル:1
筋力:5
魔力:4
敏捷:5
知力:1
運:2
魅力:2
スキル:威圧Lv1 剣術Lv2 恐怖耐性Lv1
称号:傾国の親王
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えーと。
よくドヤ顔でこの称号見せたな·····。
傾国の美女と言われれば、一国の王が入れ込みすぎて国政を疎かにしてしまうほどの美人って意味の褒め言葉になるんだろうけど、王太子が国を傾けちゃダメでしょ。
称号ってこんな不名誉なモノも遠慮なく付いちゃうんだ。怖。
「さあ!きさまのもみせるがよい!」
「あ、はい」
なんかどうでも良くなってきた。
もともと、命令を拒否してまで隠したいものでもないので素直にステータスを差し出す。
殿下は私のステータスをご覧になると分かりやすく機嫌を損ねる。
「なんだこれは!!
わたしよりしょーごーがおおいとはどうゆうことだ!」
「はあ、もうしわけございません」
理屈が通じなさそうなので、とりあえず謝っておく。
「きさま!あまりちょーしにのるなよ!!」
持っていた私のステータスを捨てるように投げ返すと、床を鳴らすように去っていってしまった。
ステータスの鑑定さえ終われば祭典も終わりだから順次退出して行くことになるので、そのまま王宮へ戻られるのだろう。
色んな意味で取り残された私は、殿下の去ってゆく背中を呆然と見送るのだった。
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