天使エールはいっっっっつも笑顔

夏木ユキ

文字の大きさ
19 / 27

18話 家?

しおりを挟む
「......よし!」

 初めての家づくりは失敗に終わったが、凹んではいられない。夜になるまでには何とか寝れる家を作らなければならないのだ。
 川から洞窟前の本拠地へ戻り、すぐに作業を開始する。

「ルンは引き続き壁を作ってくれ」

「1枚だけドアのスペースを作っておきますね」

 話が早くて助かる。

「あ、でも窓もあったほうがいいですね」

「そうだな。その辺の大きさとか、ちょっと相談しようか」

 みんなで住む家なので、どういう風にしたいのかは相談して決める事にする。

「おーい。家の相談するからみんな集まってくれ」

「私は洞穴の土砂を掻き出す作業があるからな。その辺は君たちに任せるよ」

「私はお花を植える作業が忙しいので、後のことは任せます(笑)」

 協調性のない仲間達だった。
 まあ、土砂を掻き出すからす作業は確かに重要だけど......

「エールの作業は今やること?」

「ふふっ、気持ちが華やかになりますよ(笑)」

 ......まあ、いいか。好きにさせておこう。
 ヤスはルンと2人で家づくりをすることになった。

 ✳︎✳︎✳︎

 その日の夕方

「やっとできたな」

 夜になる前に完成して一安心だ。
 みんなで完成した家を感慨深く眺める。

「ヤスさんにぴったりな穴から、ぴったりな犬小屋にランクアップしましたね(笑)」

「まさか人が住んでいるとは思えませんもんね」

 エールとルンが散々に言っているがヤスはこの家を気に入っている。苦労して一から作った達成感もある。

「色々あったなー」

 ✳︎✳︎✳︎

 この家が完成するまで数々の失敗を乗り越えてきた。
 まず第一の問題はドアをどうやって実現するかだった。壁に扉をはめ込もうとしても固すぎて全く入る余地が無いし、バネのような便利な部品もない。

「どうしましょう」

「ドアというより板で塞ぐ感じにするとか?」

「立て掛けるだけだと隙間ができちゃいますね」

「内側から木で塞ぐか」

「でもそれだと夜は良くても、昼とか出掛けてるときに無防備すぎますよね」

「そうなんだよなー」

 建築の知識が無いので先に進まない。

「壁に引っ掛ける場所をあらかじめ作っておいて、そこに引っ掛けて塞ぐのはどうでしょう?それなら出掛けてる最中にモンスターが家の中を荒らす心配は無いと思います」

「まあ、とりあえずそれで作るか。それに加えて寝るときには内側から突っ張り棒みたいなのを使えば襲われる事もないだろうし」

 ヤスとルンは地面にイメージを描きながら認識を共有する。

「じゃあ、ドアを引っ掛けるフックと棒を引っ掛けるフックを壁の内側に作りますね」

「頼んだ」

 具体的な形が固まったので、これ以降の作業はスムーズに進んだ。

「やっぱりスライムは便利ですね」

「今まで誰も使わなかったのが不思議なくらいだよな」

「スライム討伐はストレスが溜まりますからね。イライラしてますから、何かに使おうとか考える余裕ないんじゃ無いですか」

 確かに初めて討伐した時は疲労感が半端なかった。

「それに、スライム討伐を受けるのなんて冒険者の中でも新米だけですから」

「経験が浅いから思いつかないし、経験豊富になるとスライムなんて見向きもしないってことね」

 雑談もほどほどに玄関部分の壁が完成した。

「結構いい感じですね」

 内側から板を引っ掛けると外側からいくら押してもビクともしないドアができた。
 とりあえず玄関部分は上手くできたので一安心だ。

「これを応用すれば窓も付けられそうだな」

 ガラスなどはここには無いので、窓はスライド式に板をはめ込むことにした。

 こうして試行錯誤を繰り返し、やっと完成した家は無情にも突風で飛んでいった。

 ✳︎✳︎✳︎


「あの時はよく飛びましたね(笑)」

「結局、川に沈んでいきましたね」

「もう風の対策はしたから平気だよ」

 家は風に飛ばされないように地面に固定した。
 何にせよ今は家が完成したことを喜ぶ時だ。

「明日は完成祝いやろうぜ!」

「宴会ですね(笑)」

「料理も凝りましょう!」

 家を建てるのと並行して、隣に調理場も建てたので、凝った料理も作れるようになった。
 偶然、皆それなりに料理ができることがわかり、それぞれのこだわりが詰まった調理場になっている。

「調理場が家よりも豪華になりましたね」

「確実に力を入れる場所を間違えたな」

「皆さんの身体は食べたものでできているので食事は大切です! 私は皆さんの料理が楽しみですよ(笑)」

「私くらい長生きすると、食事以外に楽しみがないと言っても過言ではない。期待しているぞ」

 どうやらタマキが一番楽しみにしているようだ。

「お祝いは明日だから夕飯は軽く済ませて今日は寝ようか」

「はーい(笑)」

 ✳︎✳︎✳︎

 その日の夜

「ふむ。狭いな」

「ぎゅうぎゅうです(笑)」

 新しくできた家は4人だととても狭かった。4人で横になるスペースしかない。

「スライムが足りなくなってきてこの大きさが限界でした」

「ヤスさんが私たちと密着して寝たかったからだと思ってました(笑)」

「違うからね?」

 気にしないようにしていたが、これからはこの狭い空間で、性格はアレだが可愛い女の子たちと暮らしていく事になる。この事実に少し期待を膨らませてしまう。
 日本にいた時は仕事のストレスからか性欲も落ちていた。しかし、こっちの世界に来てから調子が良いせいか最近少しムラムラすることも増えてきた。ただ、ここで手を出したらどうなるかヤスはわかっているので、これから我慢の日々が続きそうだ。

「まあ、ヤスさんは手を出さないと信じていますよ(笑)」

「一番弱いですしね」

「......」

 考えてみたら、この中でヤスが一番弱い。ルンは普通に強いし、エールは必殺技があるし、タマキの魔法はかけられたら対抗する手段がない。

「おやすみ」

 ヤスはこれ以上考えることをやめて寝る事にした。
 うぅ......後ろから聞こえる女子トークが気になって仕方ない。

 ✳︎✳︎✳︎

 次の日の朝

「ヤスさーん、朝ですよー(笑)」

 耳元でエールの声がする。最近はエールが起こしてくれる前に目が覚めていたが、昨日慣れない作業をしたせいかいつもより長く寝てしまったようだ。

「んー。おはよう」

 ヤスが眠い目を擦りながら周りを見るとまだみんな寝ているようだった。
 エールはヤスが起きたのを確認すると他のメンバーを起こし始める。

「ルンちゃんも朝ですよー(笑)」

「ふぁーい」

「タマキさんも朝ですよー(笑)」

「......」

 一緒に暮らすようになってわかったのだが、タマキは基本的に寝るのが好きなようだ。朝は起こしても起きない。そういえば初めて会った時も昼寝をしていた。

「タマキさーん(笑)」

「うう......」

「普通、歳を取ると睡眠は浅くなるんですよー(笑)」

「そうなのか?」

 日本にいた時、社会人になると極端に夜の寝付きが悪くなった。年齢と関係あるのだろうか?

「ヤスさんの場合は、一日中パソコンを使っていて、寝る直前までスマホいじってたせいですよ(笑)」

 エールによると、強い光を浴びるとメラトニンという睡眠のホルモンが分泌されず、身体が寝る状態にならないとのことだ。
 ホルモンの作用以外にも人間は光を浴びたりすると脳が覚醒するようにできているため、寝る前に電気機器をいじらない方が良いらしい。

「だから寝る前は暗くして電気は見ない方がいいんです。でもロウソクの火は大丈夫ですよ(笑)」

「へー」

 普通に感心してしまった。こっちに来てから目覚めがいいのは、良く動いて良く食べている健康的な生活を送っているからだと思っていたが、パソコンやスマホを見なくなったのも大きな理由みたいだ。

「まあ、タマキさんが起きないのは別の理由ですけどね(笑)」

 タマキを見ると相変わらず起きそうにない。初めて見た時も思ったが、寝姿が凛々しい。とても頼りになりそうな見た目をしているのにどこか抜けている不思議なお姉さんだ。本人は良く歳だと言っているが一体いくつなのだろうか?

「タマキさんって不思議な人だよね」

「人ではないですけどね(笑)」

「え?」

 人じゃないの?

「私も気になります。あんな魔法聞いたこともないですし」

 さっきまでぼんやりしていたルンが話に入ってくる。

「前に1000年くらい生きてるって言ってました(笑)」

「なら人ではないですね。納得です」

 相変わらずルンは受け入れるのが早い。

「普通に受け入れているけど、珍しくないの? 1000年だよ? おかしいだろ!」

「タマキさんなら納得できる気がします」

 うーん。確かにそんな気がしないでもない。

「でも人じゃないなら何なんでしょうか?」

「確かに気になるな」

 1000年も生きてる生き物って何なんだ? クラゲ? たまに分裂でもするのか?

「ふふっ、タマキさんはタマキさんで良いじゃないですか(笑)」

「まあ、そうですね」

 納得できないのはヤスだけのようだ。

 ✳︎✳︎✳︎

 お昼前

「そろそろ宴会用のご飯を作りませんか?」

 まだ早くないか? まだ昼も食べていないのに。

「ふむ。そうだな」

「作りましょう(笑)」

 ヤス以外が乗り気だった。何この熱意。

「何作るんだ?」

「皆さんの得意料理にしませんか?」

「ふむ。ならなるべく地元の味にしようではないか。珍しいものが食べられるかもしれないしな」

「良いですね! じゃあメイン料理と副菜を各自一品ずつで良いですか?」

「私も頑張ります(笑)」

 何だかヤスも楽しみになってきた。

「じゃあ、食材を買いに町へ行きましょう!」

「レッツゴー(笑)」

 ✳︎✳︎✳︎

 市場にて

「何作ろうかな......」

 宴会に向けて、各自メイン料理+αを作る事になった。なるべく地元の料理という制限もある。
 この世界の料理は、基本的に炒め料理で肉と野菜を香辛料で豪快に炒めたものが食堂に並ぶ。食材は地球と似ているが、豆腐や納豆などの加工品は見当たらない。

「香辛料は豊富なんだよなー」

 温暖な気候のためか種類が豊富で安い。

「ヤスさんは何作るんですか?(笑)」

「まだ悩んでる。調味料とか制限あるし......エールは何作るの?」

「チャーハンです(笑)」

「絶対それ地元の料理じゃないだろ」

 天界の料理、ちょっと楽しみだったのにな

「仕方ないんです。天界の料理は基本的に生で、素材の味しかしません(笑)」

「濃いチャーハンが好きって言ってたもんな」

「はい(笑)」

 エールはチャーハンか。中華料理......

「肉まんでも作るか」

 パンがあるから生地も作れるし、チャーハン作れるなら中華っぽい調味料もあるのだろう。

「良いですね(笑)」

「あともう一品か......」

 肉まんと一緒に作れるやつがいいな。蒸料理......

「茶碗蒸しでいいか。この世界で蒸料理は珍しいだろうしタマキも納得するだろ」

「私のもう一品は飲み物にします(笑)」

 ✳︎✳︎✳︎

「楽しみですね!」

 買い物を終えて家に戻る途中、荷車を押すルンの足取りは軽い。
 この世界には冷蔵庫などないため食材の保存ができない。そのためいつもは数日分しか買わないのだけど......

「結構買ったな......」

「ふむ。調子に乗りすぎてしまったな」

「でもパーティーですから(笑)」

 まあ、今日くらいは贅沢しても良いか。

 ✳︎✳︎✳︎

「さてと......じゃあ作るか」

 スパイスの効いた肉餡を包んだ肉まんと、鶏ガラの効いた茶碗蒸しを作る。
 この無駄に立派な調理場は、4人同時に調理してもまだ広さに余裕がある。

「火加減の調節が出来ないのが難点だな」

「まだ改善の余地ありですね(笑)」

 エールを見ると、ヨーグルトを混ぜている。

「チャーハン作るんじゃないの?」

「今作ったら冷めちゃうじゃないですか(笑)」

 確かに。

「チャーハンは最後です(笑)」

「じゃあ、今は何作ってるんだ?」

「ラッシーですよ(笑)」

「......それも絶対天界の料理じゃないよな」

「はい(笑)」

 この天使ルール無用だな......
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

古代文明の最強王、5000年後に転生すると魔法が弱体化しすぎていたのでもう一度最強になります。~底辺貴族からの成り上がり~

しNぱ
ファンタジー
5000年前、魔法文明マギア魔導王国を築き、 魔法体系そのものを創造した王アーケ・マギアス・マギアは、 さらなる魔法の発展を求め、自らの魂を未来へ送る転生魔法を発動した。成熟した古代魔法を超える研究が進んだ世界を見たいという純粋な探求心から、5000年後の世界へと意識を沈めた。 目覚めた先は、スケルド男爵家三男レイフとしての赤子の身体だった。産まれた瞬間から記憶を持つ彼は、質素な家と薄い魔力の流れを前に、未来の魔法研究が古代よりも大きく退化していることに気づく。最底辺と呼ばれる家に生まれながらも、家族は温かく、彼の異常な魔力量を希望として受け入れた。 幼少期から魔力操作を自然に行い、三歳で石を浮かせ、五歳で光魔法を自在に扱うなど、古代王としての力を隠しながら成長する。外では古代魔法を使わず、転生者であることを悟られないよう慎重に振る舞いながら、未来の魔法体系を観察し続けた。 十歳になると身体強化などの古代魔法を最低限だけ使い、父との剣術訓練でも圧倒的な動きを見せるが、本来の力は隠したまま過ごす。そして十六歳、高等魔導学園に入学したレイフは、初日の実技試験で無詠唱魔法や術式無効化を用いて試験官を圧倒し、最底辺男爵家ながらA級判定を受ける。 その姿を見たストラング公爵家の令嬢エリナは、彼に強い興味を抱く。5000年後の世界は古代より魔法が退化していたが、だからこそ発展の余地がある。レイフは古代王としての知識をもとに、もう一度魔法の未来を切り開くことを決意する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

処理中です...