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第一話
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救急車のサイレンが近づいてくるのを耳で感じ、そっとその方向を見た。赤く点灯する光が辺りを染めていた。
救急外来の待合のイスに気怠く、ドカッと座る。部活で膝を痛め近くの総合病院に受診し、前十字靭帯断裂で今日から入院することになっていた。小学生の時から続けているバスケで今までも膝を痛めてきた。ついに手術で入院かと溜息をつき、母親と病棟からのお迎えを待つ。
「お待たせしました。岡田颯斗くんですか?看護師の高橋美波です。病棟に上がりますね」と笑った。鎖骨の辺りがグッとなって目を逸らす。母親が
「よろしくお願いします」と言うと荷物を手にして歩き出す。後ろ姿を見てうなじに目がいく。振り返って
「8階まで上がりますね」と笑った。慌てて目を逸らす。病室を案内され、出て行く後ろ姿を目で追いかける。
「颯斗、どうかした?」
母親に言われて
「何もねぇよ」と返す。自分自身に戸惑い混乱する。母親が帰りしばらくして
「熱とか測らせてね」と部屋に入ってきて脈をとるためか触れられて、ドキッとした。
「脈速いけど、膝痛い?」
覗き込む顔に
「距離感考えろよ」と言って、困惑した顔を見て後悔する。
「ごめんなさい」と言って、表情を崩したまま色んな質問をして部屋を出て行った。
「岡田くん、入院中担当になった高橋美波です。早く退院出来るようにサポートするから、よろしくね」
同室の畑野さんが
「オレも担当、美波ちゃんがいい」と言うのを聞いて、美波ちゃんと呼ばれてるのかと名前を心の中でそっと言ってみる。
術前になって挨拶にきた美波ちゃんは緊張しているように見えた。
「ごめん」と言って目を逸らす。しばらくして
「何が?担当、私じゃ嫌かな?」と顔を歪める。また鎖骨の辺りがグッとなる。困らせたくなくて
「そうじゃない」と言って顔を伏せた。質問に答えて話しかけてくれる美波ちゃんを盗み見て、鼓動が高ぶって苦しかった。
あくる日、手術に向かう廊下で顔を近づけて
「大丈夫?」
と聞かれて可愛いと思う。手術センター前で
「じゃ、手術頑張って来ようね」と母親を残して部屋まで一緒に歩く。自分より小さい美波ちゃんが見上げる。胸が熱くなって
「あの、好きになっちゃった」と言うと首を傾げる。
「オレ、美波ちゃんのこと好きになっちゃったから」
「ありがとう」と言って笑った美波ちゃんは申し送りをして
「またお迎えに来るからね」と肩に手を置いて、出て行った。
救急外来の待合のイスに気怠く、ドカッと座る。部活で膝を痛め近くの総合病院に受診し、前十字靭帯断裂で今日から入院することになっていた。小学生の時から続けているバスケで今までも膝を痛めてきた。ついに手術で入院かと溜息をつき、母親と病棟からのお迎えを待つ。
「お待たせしました。岡田颯斗くんですか?看護師の高橋美波です。病棟に上がりますね」と笑った。鎖骨の辺りがグッとなって目を逸らす。母親が
「よろしくお願いします」と言うと荷物を手にして歩き出す。後ろ姿を見てうなじに目がいく。振り返って
「8階まで上がりますね」と笑った。慌てて目を逸らす。病室を案内され、出て行く後ろ姿を目で追いかける。
「颯斗、どうかした?」
母親に言われて
「何もねぇよ」と返す。自分自身に戸惑い混乱する。母親が帰りしばらくして
「熱とか測らせてね」と部屋に入ってきて脈をとるためか触れられて、ドキッとした。
「脈速いけど、膝痛い?」
覗き込む顔に
「距離感考えろよ」と言って、困惑した顔を見て後悔する。
「ごめんなさい」と言って、表情を崩したまま色んな質問をして部屋を出て行った。
「岡田くん、入院中担当になった高橋美波です。早く退院出来るようにサポートするから、よろしくね」
同室の畑野さんが
「オレも担当、美波ちゃんがいい」と言うのを聞いて、美波ちゃんと呼ばれてるのかと名前を心の中でそっと言ってみる。
術前になって挨拶にきた美波ちゃんは緊張しているように見えた。
「ごめん」と言って目を逸らす。しばらくして
「何が?担当、私じゃ嫌かな?」と顔を歪める。また鎖骨の辺りがグッとなる。困らせたくなくて
「そうじゃない」と言って顔を伏せた。質問に答えて話しかけてくれる美波ちゃんを盗み見て、鼓動が高ぶって苦しかった。
あくる日、手術に向かう廊下で顔を近づけて
「大丈夫?」
と聞かれて可愛いと思う。手術センター前で
「じゃ、手術頑張って来ようね」と母親を残して部屋まで一緒に歩く。自分より小さい美波ちゃんが見上げる。胸が熱くなって
「あの、好きになっちゃった」と言うと首を傾げる。
「オレ、美波ちゃんのこと好きになっちゃったから」
「ありがとう」と言って笑った美波ちゃんは申し送りをして
「またお迎えに来るからね」と肩に手を置いて、出て行った。
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