好きな気持ちが隠せない

維月

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第二話

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麻酔から覚めて朦朧としていると
「岡田くん、手術終わったよ。頑張ったね」美波ちゃんの顔が近くにあった。
「痛みはない?」
「平気」と返してその顔がハッキリ見えて、嬉しくなる。
体温計を脇に差し込むと脈をとるため手首に触れた。反射的に反対の手で真剣な顔に触れると、視線が合わさって戸惑った顔を見せた。
「可愛い」と呟くと、慌てて
「術後せん妄かな?」と言って離れた。ナースコールを握らせて
「何かあったら押してね」と部屋を出て行った。数日、姿を見せなくて他の看護師に聞くと連休だと言う。避けられてる訳じゃないと分かって安心する。
今日からリハビリの予定の朝、美波ちゃんが
「今日、担当の高橋です」と言って部屋に入って来た。同室の畑野さんが
「美波ちゃん担当か。嬉しいな」と話しかける。明らかに狙われている。気づいてる様子がない美波ちゃんは
「まだまだ未熟ですが、頑張るのでよろしくお願いします」と笑った。無防備な感じにイラッとする。風が強く、樹々を大きく揺らす病室の外を睨む。
しばらくして
「身体拭くね」と清拭用タオルを持って来て、慌てる。カーテンを引いて
「岡田くん、着替え出すね」と言う。
「自分でするからいい」
「でも背中拭けないでしょ?」
何か恥ずかしくて固まる。肩に手をついて背中を拭かれる。
「前とか下、自分で拭ける?」と言われ、うなずく。
「遠慮しなくていいよ」と言うのを子供扱いされたようで固まる。
「恥ずかしいの?」
と返す。
またイラッとする。意地悪して困らせたいと思う。外には聞こえないように声のトーンを落とし怒りを込めて言った。
「んなことねぇし。子供扱いするな」
「そんなつもりはないよ。ゴメン」
黙っていると、空気を変えたいのか明るく
「今日からリハビリだね。頑張ろうね」と言った。切り替えれない気持ちのまま聞く。
「頑張ったらご褒美あるの?」
「何がいい?」
「美波ちゃんのキス」
戸惑った顔をして
「何言ってるの?からかわないで」と言って俯く。
「可愛すぎるだろ。高校生に翻弄されちゃって。好きだよ」
「あの、私28歳で10も違うのに。何言ってるの?対象にならないでしょ?」と頭を押さえている。
「関係ない。好きになっちゃったから」
と真っ直ぐな目を向けると、顔を上げる。戸惑った視線を向ける。
「大人からかわないの。後、車イス乗車練習するよ」
視線を外してカーテンの外に出て行った。
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