好きな気持ちが隠せない

維月

文字の大きさ
10 / 14

第十話

しおりを挟む
バスケット雑誌の取材を受けることになり、確実にチャンスを掴みかけていると感じていた。膝の調子も良く、実力を惜しみなく出せていた。
練習後、監督に呼ばれると
「Bリーグから特別指定で来て欲しいという打診が来てるが、挑戦してみるか?」と言われた。驚きながらも、都内のB1チームに挑戦出来るのはチャンスだと
「はい」と言うと
「プロだから、岡田のバスケットスキルが通用しないかもしれんが、頑張って」と肩を叩かれた。

プロチームの練習に合流して、大人に混じって話していると違和感なく溶け込んでいった。
「颯斗は落ち着いてるから、学生だってこと感じないな」
言われて嬉しくて
「老けてるって事?」と返す。
「老けてないけど、顔整ってるから髪型だけで大人っぽくなる」
そう言われて、髪型をいじって前髪を上げてみた。ホームでの試合、シュート練習をしていると
「カッコいい」と言われ、写真を撮られた。その方向を見上げ、美波ちゃんを探すように、辺りを見渡す。
「何、誰か探してんの?」
キャプテンに言われ、笑ってると
「こんな沢山ブースターがいるから、この中から見つけられないだろ。家族来てたってオレも気付けないよ」と背中を軽く叩いた。一旦ロッカーに戻る途中、ブースターさんが近くから
「頑張って」と声をかけてきた。頭を下げて手を振る。拍手の音に戸惑いながら、また無意識に探していると、美波ちゃんが目に飛び込んできた。
アッと言った顔になって、照れたように笑った。相変わらず可愛いなと思う。
「美波ちゃん、試合終わった後、話したい。後でスタッフに言っとくから、スタッフと一緒にちょっと来て」
小さく頷いて周りを気にしている美波ちゃんに、嬉しくて
「見に来てくれてありがとう」と言った。ザワザワしているのも気にならず、チームメンバーから肩を捕まえてその場から離された。
「颯斗、彼女か?いちよう、ブースターの目があるから控えて」
「彼女じゃないけど、控えた方がいいですか?」
「ああ。それにしても、あの人えらく可愛かったな」
またここにも狙ってる奴いるな、と警戒しながら焦る。美波ちゃんは誰にも渡したくないと強く思う。
後半、20点以上の差で勝っていた。そこで初めて出場機会を貰い、スピードを生かしパスを貰って走り、一つフェイクをして3点シュートを決めきった。頭を撫でられている間も美波ちゃんに視線を送って、人差し指を向けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

処理中です...