好きな気持ちが隠せない

維月

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第十三話

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しばらく不思議な感覚にとらわる。自分も同じように感じていた事を思い出していた。美波ちゃんもそう感じていた事が不思議で、お互いに高め合える相手だと思った。

「明日の試合、見に来てくれる?」スマホから聞こえてくる残念そうに
「明日、準夜なの。ごめんね」と答えて
「休憩中、画面越しで応援するね」とフォローする。
「無理しなくていいから。美波ちゃんも頑張って。帰り気をつけて」
「ありがとう、岡田くんも頑張ってね」そう言って切れた。少し淋しい気持ちを
「練習いこ」と言って、体育館に向かった。
筋トレ中
「前の試合で話してた人、フリー?」と聞かれて、やっぱり狙ってたかと
「あの後、俺の彼女になりました」と言って笑うと、わかりやすく肩を落として
「颯斗、凄いわ。おまえきてるね」と言って出て行く。その後シューティング練習をひたすらしている姿に、申し訳ない気持ちになる。しかし美波ちゃん、何も知らずに振ってる事に罪深い女だなと笑った。その彼女が自分を好きでいてくれる事に奇跡のようだと思った。狙われ続ける美波ちゃんを奪われてしまわないように、どのように守っていけばいいのかと考える。
ホームでの勝利に色めき合っていた。シャワーを浴びて、そのロッカールームから出て外に出ると、すっかり空は真っ暗で外灯の光が眩しい。直接美波ちゃんの声を聞きたくて電話する。
「仕事終わった?」
「今日、どうだった?」
「勝ったよ」と返したところで、悲鳴が聞こえた。
「美波ちゃん、どうした?」と聞くが返答がない。急いで病院に向かう。体育館から病院は近い。
「離して」と聞こえて、スピードを上げた。美波ちゃんを駐車場で探して、姿を見つける。1人でしゃがんで震えている体を
「美波ちゃん、大丈夫?」と言って抱きしめる。頷いてしがみつく美波ちゃんの頭を撫でて、守りたいと強く思った。美波ちゃんが落ち着くと
「人の気配がして振り向いたらそこに人がいて、びっくりして。後ろから抱きつかれて、怖かった」と話す。痴漢かストーカーかと考えて、どちらにしても腹が立って不安になって、美波ちゃんを守らないといけないと思った。

青い空が広がる。その下、2人は車に乗る。
「岡田くん、今日は久しぶりのオフだからゆっくりしたかったんじゃないの?」
助手席で美波ちゃんが気遣う。
「行きたい所があるんだ。ドライブしよう」
と言って走らせた。
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