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第四章
感情-04
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「アメリア様なんですかこのカッコッ!! ハズイっ!!」
リンナとクアンタが着せられた着衣は、既に着衣と呼んでいいか分からぬ、一言で言えば胸と秘部を隠す、黒色の下着または水着とも言うべき格好だった。
布の面積は少な目で、バストサイズが大きなクアンタの場合は胸が零れそうな程だったが、しかし胸元に手を当てたクアンタは少しだけ満足げに頷いた。
「私は動き易く良いと思うが」
「クアンタは肌見せるのに戸惑いがなさすぎんのよっ!!」
リンナも同様の物を着ているが、しかしクアンタとは逆に彼女の胸はほとんどなく、僅かに膨らみがある程度なので、胸自体は覆えているが、しかしそれでも他に肌を隠すものが無い衣服と言うモノに経験が無く、真っ赤に顔を赤めて胸と秘部を隠すように前かがみに。
「クアンタにはもう少し大きめのものでも良かったかもしれんのぉ。お主吾輩ほどではないにせよ、かなりのモノをお持ちじゃからな」(モミモミ
「いや、これで十分だろう。それより何故胸部を揉む?」
「コレ触らんのは逆に失礼じゃろうて」
「よくわからんが……まぁ構わない」
「うわぁ……クアンタ、マジで簡単にポロっと出そう……っ」
「私はむしろ胸部が邪魔だと思っている。取る事も検討中だ」
「ダメじゃぞクアンタ! どのように胸を取るかの算段は聞かんが、それは主の立派な武器じゃ! むしろ育てよ!」
「本当によくわからん……」
最終的にはリンナも混ざってクアンタの胸を揉み始めたが、しかしクアンタは平然と「では何をするとしよう」とアメリアへ訪ね、彼女も「そうじゃなぁ」と考える。
「んー、では一応、この屋敷に勤めている間、吾輩の事はアメリア様と呼ぶことじゃ。そして敬語もじゃな!」
「かしこまりました」
「わ、わかりましたっ」
元より敬語であったリンナだが、しかし緊張している面持ちで返事をする。
「黒子共が普段やっている家事を手伝う形で問題は無いぞ。むしろ主らが適当に炊事洗濯掃除とかをして、黒子共が足りん所を補えばええじゃろ。その辺は任せるぞ」
「そんな適当でいいんですか?」
「うむ、あんまりやって欲しい事とかもないしの。必要があればまた呼ぶ故、それまでは自由に家事を頼んだ」
では吾輩は少し自室で準備をするぞ、と離れて行ってしまうアメリア。目を合わせて「何をすれば良いだろうか」と聞いたクアンタと「さぁ……」と返すリンナ。
「ま、何にせよ掃除でいいんじゃんかな? あとは黒子さん達に聞ける事聞いて、その手伝いとか」
「そうだな。では」
今、近くの窓を拭いている黒子の肩を掴む。
するとリンナとクアンタの顔を見てキョロキョロしだし、首を傾げた黒子。
「あのー、アタシら手伝えってアメリア様に言われてるんすけど、何したらいいです?」
リンナの問いに少々時間を置いた黒子が、ポンと手を合わせながら桶と雑巾を持ってきて、二人へ手渡し共に一階へ降り、その窓ガラスを指で示した後、窓を拭くジェスチャーをして最後にサムズアップ。
「……あの、喋れないんすか?」
コクンコクンと頷いた黒子。
「しかし私達の自宅に来た時は全員同時で喋っていたではないか。もしかして、アメリア様の許可が無ければ発言を許されていないのか?」
再びコクンコクンと頷く。
「大変っすね……」
それには首を横に振って、先ほど拭いていた窓の元まで高速で戻っていく姿を見届けた後、リンナとクアンタは仕事をする事に。
「でも正直、毎日拭いてるからかもしれないけど、全然汚れらしい汚れないじゃんね」
「そうだな。あまりやり過ぎても問題かもしれない。適度に終わらせて次の仕事へ取り掛かろう」
一枚一枚、ガラスを丁寧に拭いていくクアンタとリンナ。
そんな彼女達がいる広間の扉がギィと開かれ、今二人の青年が訪れる。
「……クアンタ、リンナさん」
「な、なななな、なななななん、なんて格好をしているクアンタ、リンナさんっ!!」
「……おかえりなさいませ、いや、いらっしゃいませ?」
「いやクアンタ状況の説明したげてっ!!」
馬車の到着が遅れていたシドニアとサーニスだ。シドニアは真顔で「コイツら何をやっているんだ?」と言わんばかりの表情を浮かべ、サーニスは顔を真っ赤にしてそっぽ向き、女性の痴態を見ぬように必死だ。
「おお、シドニア。ようやく着いたか。遅かったの」
二階より一階へと降りる階段を下りながら、アメリアはクスクスと笑みを浮かべて、二人の反応を見ているようだった。
「ええ、少々道に多く民がおられまして、応対の為馬車のスピードを緩めて手を振っていたところ……いえ、そうではなくですね」
「今日と明日、クアンタとリンナは吾輩の使用人として雇う事となった。一次的な雇用故、安心するが良いぞ。……まぁ、リンナとクアンタがこのまま移住したいというのならば、吾輩としては構わんがな」
「何故そんな事に……」
「私が、一千万クルス程の値があるガラス細工を壊してしまい、奉仕でチャラにしようと仰って下さったのだ」
「ガラ……ああ、ゲレス細工か。それにクアンタにしては珍しくミスをした、という事かな」
「申し訳ない。もう少しでアメリア・シドニア領土間の友好にも繋がりかねない問題だった。今後注意する」
「何故お三方はこの状況でクアンタとリンナさんの格好にツッコまないのですか!?」
「サーニスさんが顔真っ赤にしながらツッコんでるっ!!」
うるさい、とサーニスの脛を蹴りつけたアメリアに嗜まれ、サーニスは渋々発言を慎み、目をつむる事で二者の素肌を見ぬようにする。
「……まぁ今回は我が領民であるクアンタの不手際という事で、私の方も以前から言っていた地方への資金援助を少量増額検討をそのまま決定にする事で責任を取ろう。それでいいでしょうか、姉上」
「まぁそれもついでで構わんがの。こんな愛い娘っ子二人を二日間とは言え吾輩のモノに出来るのじゃからそれ以上はいらん故な!!」
「上機嫌で良かったですよ。――では少々護衛関係のお話をしたい。クアンタ、サーニス、私と姉上に同席してくれ」
リンナとクアンタが着せられた着衣は、既に着衣と呼んでいいか分からぬ、一言で言えば胸と秘部を隠す、黒色の下着または水着とも言うべき格好だった。
布の面積は少な目で、バストサイズが大きなクアンタの場合は胸が零れそうな程だったが、しかし胸元に手を当てたクアンタは少しだけ満足げに頷いた。
「私は動き易く良いと思うが」
「クアンタは肌見せるのに戸惑いがなさすぎんのよっ!!」
リンナも同様の物を着ているが、しかしクアンタとは逆に彼女の胸はほとんどなく、僅かに膨らみがある程度なので、胸自体は覆えているが、しかしそれでも他に肌を隠すものが無い衣服と言うモノに経験が無く、真っ赤に顔を赤めて胸と秘部を隠すように前かがみに。
「クアンタにはもう少し大きめのものでも良かったかもしれんのぉ。お主吾輩ほどではないにせよ、かなりのモノをお持ちじゃからな」(モミモミ
「いや、これで十分だろう。それより何故胸部を揉む?」
「コレ触らんのは逆に失礼じゃろうて」
「よくわからんが……まぁ構わない」
「うわぁ……クアンタ、マジで簡単にポロっと出そう……っ」
「私はむしろ胸部が邪魔だと思っている。取る事も検討中だ」
「ダメじゃぞクアンタ! どのように胸を取るかの算段は聞かんが、それは主の立派な武器じゃ! むしろ育てよ!」
「本当によくわからん……」
最終的にはリンナも混ざってクアンタの胸を揉み始めたが、しかしクアンタは平然と「では何をするとしよう」とアメリアへ訪ね、彼女も「そうじゃなぁ」と考える。
「んー、では一応、この屋敷に勤めている間、吾輩の事はアメリア様と呼ぶことじゃ。そして敬語もじゃな!」
「かしこまりました」
「わ、わかりましたっ」
元より敬語であったリンナだが、しかし緊張している面持ちで返事をする。
「黒子共が普段やっている家事を手伝う形で問題は無いぞ。むしろ主らが適当に炊事洗濯掃除とかをして、黒子共が足りん所を補えばええじゃろ。その辺は任せるぞ」
「そんな適当でいいんですか?」
「うむ、あんまりやって欲しい事とかもないしの。必要があればまた呼ぶ故、それまでは自由に家事を頼んだ」
では吾輩は少し自室で準備をするぞ、と離れて行ってしまうアメリア。目を合わせて「何をすれば良いだろうか」と聞いたクアンタと「さぁ……」と返すリンナ。
「ま、何にせよ掃除でいいんじゃんかな? あとは黒子さん達に聞ける事聞いて、その手伝いとか」
「そうだな。では」
今、近くの窓を拭いている黒子の肩を掴む。
するとリンナとクアンタの顔を見てキョロキョロしだし、首を傾げた黒子。
「あのー、アタシら手伝えってアメリア様に言われてるんすけど、何したらいいです?」
リンナの問いに少々時間を置いた黒子が、ポンと手を合わせながら桶と雑巾を持ってきて、二人へ手渡し共に一階へ降り、その窓ガラスを指で示した後、窓を拭くジェスチャーをして最後にサムズアップ。
「……あの、喋れないんすか?」
コクンコクンと頷いた黒子。
「しかし私達の自宅に来た時は全員同時で喋っていたではないか。もしかして、アメリア様の許可が無ければ発言を許されていないのか?」
再びコクンコクンと頷く。
「大変っすね……」
それには首を横に振って、先ほど拭いていた窓の元まで高速で戻っていく姿を見届けた後、リンナとクアンタは仕事をする事に。
「でも正直、毎日拭いてるからかもしれないけど、全然汚れらしい汚れないじゃんね」
「そうだな。あまりやり過ぎても問題かもしれない。適度に終わらせて次の仕事へ取り掛かろう」
一枚一枚、ガラスを丁寧に拭いていくクアンタとリンナ。
そんな彼女達がいる広間の扉がギィと開かれ、今二人の青年が訪れる。
「……クアンタ、リンナさん」
「な、なななな、なななななん、なんて格好をしているクアンタ、リンナさんっ!!」
「……おかえりなさいませ、いや、いらっしゃいませ?」
「いやクアンタ状況の説明したげてっ!!」
馬車の到着が遅れていたシドニアとサーニスだ。シドニアは真顔で「コイツら何をやっているんだ?」と言わんばかりの表情を浮かべ、サーニスは顔を真っ赤にしてそっぽ向き、女性の痴態を見ぬように必死だ。
「おお、シドニア。ようやく着いたか。遅かったの」
二階より一階へと降りる階段を下りながら、アメリアはクスクスと笑みを浮かべて、二人の反応を見ているようだった。
「ええ、少々道に多く民がおられまして、応対の為馬車のスピードを緩めて手を振っていたところ……いえ、そうではなくですね」
「今日と明日、クアンタとリンナは吾輩の使用人として雇う事となった。一次的な雇用故、安心するが良いぞ。……まぁ、リンナとクアンタがこのまま移住したいというのならば、吾輩としては構わんがな」
「何故そんな事に……」
「私が、一千万クルス程の値があるガラス細工を壊してしまい、奉仕でチャラにしようと仰って下さったのだ」
「ガラ……ああ、ゲレス細工か。それにクアンタにしては珍しくミスをした、という事かな」
「申し訳ない。もう少しでアメリア・シドニア領土間の友好にも繋がりかねない問題だった。今後注意する」
「何故お三方はこの状況でクアンタとリンナさんの格好にツッコまないのですか!?」
「サーニスさんが顔真っ赤にしながらツッコんでるっ!!」
うるさい、とサーニスの脛を蹴りつけたアメリアに嗜まれ、サーニスは渋々発言を慎み、目をつむる事で二者の素肌を見ぬようにする。
「……まぁ今回は我が領民であるクアンタの不手際という事で、私の方も以前から言っていた地方への資金援助を少量増額検討をそのまま決定にする事で責任を取ろう。それでいいでしょうか、姉上」
「まぁそれもついでで構わんがの。こんな愛い娘っ子二人を二日間とは言え吾輩のモノに出来るのじゃからそれ以上はいらん故な!!」
「上機嫌で良かったですよ。――では少々護衛関係のお話をしたい。クアンタ、サーニス、私と姉上に同席してくれ」
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