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第四章
感情-11
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今、確認していた最後の災いを斬り、消滅させることが出来たクアンタとサーニス。
二者は互いに背中を預けながら近付き、背中越しに声をかけた。
「全体討伐完了、という事で構わないのか?」
「少なくとも我々の方へ来ていた災いはな。森の中にはまだいるかもしれないが、気配は感じない」
「気配とは、何を感じている? 私にはあれから殺気や、敵意を感じることが出来ないのだが」
「恐らくだが、奴らが収集している虚力の気配だろう。明らかに人間よりも多く持ち得ている」
「シドニア様が言っていたが、お前はコリョクという物の何を知っている?」
「どこまで言っていいかわから」
クアンタは、言葉の途中で膝を折った。
突然の事に驚きつつ、全方位の警戒を怠らぬサーニスが「何事だ!」と叫ぶものの、クアンタはゆっくりと膝を戻しながら、しかし右手で頭を押さえながら、苦し気な声をあげる。
「これは……識別通信……だと? 一体、どこから」
「どうした、何が」
不意に揺れる強く揺れた地面。サーニスとクアンタは強い揺れに軽く身構えるも、しかしそれ事態はそう大した事のない地震だ。それ自体に問題はない。
問題は、続けて空から現れた、一人の男の存在だった。
サーニスはその者にレイピアを向けながら「何者だ!」と叫ぶ。
しかし、男はクアンタと同じように、右手で頭を押さえながら、その鋭い三白眼を、クアンタへと向けた。
「縺雁燕縺後け繧「繝ウ繧ソ縺具シ」
《お前がクアンタか?》
男の放つ言葉を、サーニスは知らぬ言語だと感じたが、何かがおかしい。
言葉を聞いて、頭の中に訳された言葉が流されてくるような感覚がする。
その感覚がどこか気持ち悪くて、足に入る力まで薄れていく。
「き、気を付けろ……クアンタ……っ、コイツ、何か、おかしい……っ」
「知っているさ」
対してクアンタに関しては、先ほどまでと同じく頭を押さえていはいるが、しかし男の言葉を聞いての物ではないように、むしろ今は落ち着いていると言わんばかりに頭から手を離し、男を睨み返した上で、口を開いた。
「縺昴l繧貞撫縺??縺ッ遘√?譁ケ縺?縲ゅ♀蜑阪?菴戊??□縲∫ュ斐∴繧」
《それを問うのは私の方だ。お前は何者だ、答えろ》
「な、」
「遲斐∴繧阪→縺ッ髫丞?縺ェ蜿」縺ョ蛻ゥ縺肴婿縺倥c縺ュ縺?°?溘??縺ヲ縺?≧縺九♀蜑阪b豌嶺サ倥>」
《答えろとは随分な口の利き方じゃねぇか? ていうかお前も気付いているんだろ?》」
「縺、縺セ繧翫♀蜑阪b縲√ヵ繧ゥ繝シ繝ェ繝翫?縺ョ蜈亥?縺ィ縺?≧莠九°」
《つまりお前も、フォーリナーの先兵というわけか》
「莠檎卆蟷エ縺カ繧翫□繧医?√%縺?@縺ヲ蜷碁。槭→莨壹∴繧九?縺ッ縲ゅ♀蜑阪?縺ゥ繧謎ス榊燕縺九i縲」
《二百年ぶりだよ、こうして同類に会えるのは。お前はどン位前から、この星にいる?》
「縺セ縺?荳?縺区怦縺ッ邨碁℃縺励※縺?↑縺」
《まだ一か月は経過していない》
「謇?螻槭?縺ゥ縺薙□縺」縺滂シ」
《所属はどこだった?》
「隨ャ莠泌香荳?ョ?ョ咎Γ蝗」莠悟香荳?橿豐ウ螟ェ髯ス邉サ隨ャ荳画ヱ譏溷慍逅?Κ髫頑園螻槭□」
《第五十七宇宙郡団二十七銀河太陽系第三惑星地球部隊所属だ》
「蝨ー逅?Κ髫翫→縺ッ縺ェ縲ゅ≠繧薙↑謇?荳牙鴻蟷エ蜑阪↓隱ソ譟サ縺礼オゅo縺」縺溘?∝乾蜍「豌第酪縺」
《地球部隊とはな。あンな所、三千年前に調査し終わった、劣勢民族の集まりだったじゃねェか、この星の人類と比べりャ屁でもなかった》
何を話している、そう考えつつも、手と足に力が入らぬサーニスの下へ、一人の青年が同じく、抜けていく力を何とか振り絞らせるようにして近付き、肩に手を置いてきた。
「シドニア、様……っ、ご無事で、っ」
「君も、無事で良かった……、なんだ、この得体も知れない、声は……っ」
「わ、分かりません、ですが、どうやら……会話、のような……!」
そんな二者に思考を向ける事もなく、クアンタと男の会話は続く。
「縺昴≧縺ァ繧ゅ↑縺?◇縲ゆス輔○縺昴?荳牙鴻蟷エ遞句コヲ縺ァ縺薙?譏溘h繧翫b謨ー逋セ蟷エ縺ッ蜈医r」
《そうでもないぞ。何せその三千年程度で、この星よりも数百年は先を行くテクノロジーを開発していた》
「菴輔□縺ィ?溘??縺昴j繧?≠縲∝?ア蜻翫@逕イ譁舌′縺ゅk縺倥c縺ュ縺?°縲ゅ↑縺ョ縺ォ菴墓腐縺薙▲縺。縺ョ譏溘↓譚・縺滂シ」
《何だと? そりゃあ、報告し甲斐があるじゃねェか。なのに何故こっちの星に来た?》
「縺昴?譏溘r邨ア豐サ縺吶k逾樊ァ倥r蜷堺ケ励k霈ゥ縺ォ騾√j霎シ縺セ繧後◆縲らァ√b譛帙s縺ァ譚・險ェ縺励◆繧上¢縺ァ縺ッ縺ェ縺」
《その星を統治する神様を名乗る輩に送り込まれた。私も望んで来訪したわけではない》
「縺、縺セ繧企?髮」閠?▲縺ヲ繝ッ繧ア縺九?ゅが繝ャ縺∫ャャ荳牙香荳?螳?ョ咎Γ蝗」荳?橿豐ウ蝪ゥ蝓コ邉サ隨ャ莠梧ヱ譏溘ざ繝ォ繧オ髫頑園螻槭□縺」縺」
《つまり遭難者ってワケか。オレぁ第三十一宇宙郡団七銀河塩基系第二惑星ゴルサ部隊所属だった》
「荳?橿豐ウ縺ッ莠檎卆蟷エ蜑阪?√ン繝?け繝舌Φ縺ォ繧医▲縺ヲ譌「縺ォ蟠ゥ螢翫@縺ヲ縺?k遲医□縲ゆス墓腐逕溘″谿九j縺後>繧具シ」
《七銀河は二百年前、ビックバンによって既に崩壊している筈だ。何故生き残りがいる?》
「繝輔か繝シ繝ェ繝翫?譛ャ菴薙?縺昴≧縺?≧隕ウ貂ャ繧偵@縺ヲ縺?◆縺ョ縺九?∽コ檎卆蟷エ霑代¥騾壻ソ。繧帝?√j邯壹¢縺ヲ繧九▲縺ヲ縺ョ縺ォ縲?%逅?〒騾壻ソ。謗・邯壹′陦後o繧後↑縺?o縺代□」
《フォーリナー本体はそういう観測をしてたのか、二百年近く通信を送り続けてるってのに、道理で通信接続が行われないわけだ》
「縺、縺セ繧翫?√%縺ョ譏溘′莠檎卆莠悟香蟷エ蜑阪↓譛画ゥ溽函蜻ス菴薙?蟄伜惠縺檎「コ隱阪&繧後◆蝪ゥ蝓コ邉サ隨ャ莠梧ヱ譏溘ざ繝ォ繧オ縺?縺ィ?」
《つまり、この星が二百二十年前に有機生命体の存在が確認された塩基系第二惑星ゴルサだと?》
「縺昴≧縺?≧縺薙▲縺溘?ら「コ縺九↓繝薙ャ繧ッ繝舌Φ縺ォ霑代>縺ョ譏溘?縲√%縺ョ驫?豐ウ縺ッ繝斐Φ繝斐Φ縺励※繧?′繧」
《(そういうこった。この通り、この星は、この銀河はピンピンしてやがる)》
二者は、ようやく互いにフゥッと息を吐いた。
男が抱えていた頭から手を離し、両者は現地語での会話を開始する。
結果としてシドニアとサーニスは、ようやく脳内に響く謎の言語から解放され、まだ僅かに気持ち悪さを有していながらも、立ち上がり、クアンタの近くへと歩み寄る。
「お前という個体に名はあるのか?」
「こっちじゃ、マリルリンデっつー名前で活動してるゼ」
「マリルリンデ、お前が災いを使役する犯人という認識で構わないのか?」
「アァ! 元々はフォーリナー本体と通信を再度可能にする為に利用してたが、ありャあイイ、ンな事の為に使うにャ勿体ねェ!」
「虚力を何故収集する? 災いとは一体何だ?」
「一度に質問されてもよォ、オレァ困っちまうゼ? オメェと違ッて、オレァ思考回路もとうの昔に焼き切れちまってヨォ、虚力を補給できなきゃまともに会話も出来やしねェンだ」
「つまりお前は自分の生存を果たす為に、レアルタ皇国民から虚力を集めていると?」
「いンや、もっともーっと単純な事だよ! 一ヶ月やそこいらしか、この惑星・ゴルサを経験してねぇオメェじャ分かンねェだろうがヨォ!!」
まァイイや、と言った男――マリルリンデは、手に持っていた一冊の本に二本の指を持っていき、スッ、と指でなぞる様にすると、数体の災いが本からボトリ、ボトリと姿を現して、立ち上がらせた。
「なンにせよ、今日はこの辺で帰らせてもらうゼ。どうせリンナの周りにゃ護衛がいて、オレだけじゃ虚力を奪えないンだろうからなァ」
「何」
「クアンタ、だっけか。オメェがリンナの知り合いなら、ちッたァ虚力量を気にしておいた方がいいゼ? ――アイツ、マジで上玉だ」
「待て!」
パチン、と指を鳴らした瞬間、五体の災いがクアンタ、サーニス、シドニアに向けて駆け出して、その腕を振るってくる。
カネツグ、レイピア、長剣を構えて振り、それぞれが応対を終わらせ、切り伏せ終えた後には、男の痕跡はどこにもない。
静寂だけがそこにあった。
二者は互いに背中を預けながら近付き、背中越しに声をかけた。
「全体討伐完了、という事で構わないのか?」
「少なくとも我々の方へ来ていた災いはな。森の中にはまだいるかもしれないが、気配は感じない」
「気配とは、何を感じている? 私にはあれから殺気や、敵意を感じることが出来ないのだが」
「恐らくだが、奴らが収集している虚力の気配だろう。明らかに人間よりも多く持ち得ている」
「シドニア様が言っていたが、お前はコリョクという物の何を知っている?」
「どこまで言っていいかわから」
クアンタは、言葉の途中で膝を折った。
突然の事に驚きつつ、全方位の警戒を怠らぬサーニスが「何事だ!」と叫ぶものの、クアンタはゆっくりと膝を戻しながら、しかし右手で頭を押さえながら、苦し気な声をあげる。
「これは……識別通信……だと? 一体、どこから」
「どうした、何が」
不意に揺れる強く揺れた地面。サーニスとクアンタは強い揺れに軽く身構えるも、しかしそれ事態はそう大した事のない地震だ。それ自体に問題はない。
問題は、続けて空から現れた、一人の男の存在だった。
サーニスはその者にレイピアを向けながら「何者だ!」と叫ぶ。
しかし、男はクアンタと同じように、右手で頭を押さえながら、その鋭い三白眼を、クアンタへと向けた。
「縺雁燕縺後け繧「繝ウ繧ソ縺具シ」
《お前がクアンタか?》
男の放つ言葉を、サーニスは知らぬ言語だと感じたが、何かがおかしい。
言葉を聞いて、頭の中に訳された言葉が流されてくるような感覚がする。
その感覚がどこか気持ち悪くて、足に入る力まで薄れていく。
「き、気を付けろ……クアンタ……っ、コイツ、何か、おかしい……っ」
「知っているさ」
対してクアンタに関しては、先ほどまでと同じく頭を押さえていはいるが、しかし男の言葉を聞いての物ではないように、むしろ今は落ち着いていると言わんばかりに頭から手を離し、男を睨み返した上で、口を開いた。
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《答えろとは随分な口の利き方じゃねぇか? ていうかお前も気付いているんだろ?》」
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《つまりお前も、フォーリナーの先兵というわけか》
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《まだ一か月は経過していない》
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《所属はどこだった?》
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《第五十七宇宙郡団二十七銀河太陽系第三惑星地球部隊所属だ》
「蝨ー逅?Κ髫翫→縺ッ縺ェ縲ゅ≠繧薙↑謇?荳牙鴻蟷エ蜑阪↓隱ソ譟サ縺礼オゅo縺」縺溘?∝乾蜍「豌第酪縺」
《地球部隊とはな。あンな所、三千年前に調査し終わった、劣勢民族の集まりだったじゃねェか、この星の人類と比べりャ屁でもなかった》
何を話している、そう考えつつも、手と足に力が入らぬサーニスの下へ、一人の青年が同じく、抜けていく力を何とか振り絞らせるようにして近付き、肩に手を置いてきた。
「シドニア、様……っ、ご無事で、っ」
「君も、無事で良かった……、なんだ、この得体も知れない、声は……っ」
「わ、分かりません、ですが、どうやら……会話、のような……!」
そんな二者に思考を向ける事もなく、クアンタと男の会話は続く。
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《そうでもないぞ。何せその三千年程度で、この星よりも数百年は先を行くテクノロジーを開発していた》
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《その星を統治する神様を名乗る輩に送り込まれた。私も望んで来訪したわけではない》
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《つまり遭難者ってワケか。オレぁ第三十一宇宙郡団七銀河塩基系第二惑星ゴルサ部隊所属だった》
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《七銀河は二百年前、ビックバンによって既に崩壊している筈だ。何故生き残りがいる?》
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《フォーリナー本体はそういう観測をしてたのか、二百年近く通信を送り続けてるってのに、道理で通信接続が行われないわけだ》
「縺、縺セ繧翫?√%縺ョ譏溘′莠檎卆莠悟香蟷エ蜑阪↓譛画ゥ溽函蜻ス菴薙?蟄伜惠縺檎「コ隱阪&繧後◆蝪ゥ蝓コ邉サ隨ャ莠梧ヱ譏溘ざ繝ォ繧オ縺?縺ィ?」
《つまり、この星が二百二十年前に有機生命体の存在が確認された塩基系第二惑星ゴルサだと?》
「縺昴≧縺?≧縺薙▲縺溘?ら「コ縺九↓繝薙ャ繧ッ繝舌Φ縺ォ霑代>縺ョ譏溘?縲√%縺ョ驫?豐ウ縺ッ繝斐Φ繝斐Φ縺励※繧?′繧」
《(そういうこった。この通り、この星は、この銀河はピンピンしてやがる)》
二者は、ようやく互いにフゥッと息を吐いた。
男が抱えていた頭から手を離し、両者は現地語での会話を開始する。
結果としてシドニアとサーニスは、ようやく脳内に響く謎の言語から解放され、まだ僅かに気持ち悪さを有していながらも、立ち上がり、クアンタの近くへと歩み寄る。
「お前という個体に名はあるのか?」
「こっちじゃ、マリルリンデっつー名前で活動してるゼ」
「マリルリンデ、お前が災いを使役する犯人という認識で構わないのか?」
「アァ! 元々はフォーリナー本体と通信を再度可能にする為に利用してたが、ありャあイイ、ンな事の為に使うにャ勿体ねェ!」
「虚力を何故収集する? 災いとは一体何だ?」
「一度に質問されてもよォ、オレァ困っちまうゼ? オメェと違ッて、オレァ思考回路もとうの昔に焼き切れちまってヨォ、虚力を補給できなきゃまともに会話も出来やしねェンだ」
「つまりお前は自分の生存を果たす為に、レアルタ皇国民から虚力を集めていると?」
「いンや、もっともーっと単純な事だよ! 一ヶ月やそこいらしか、この惑星・ゴルサを経験してねぇオメェじャ分かンねェだろうがヨォ!!」
まァイイや、と言った男――マリルリンデは、手に持っていた一冊の本に二本の指を持っていき、スッ、と指でなぞる様にすると、数体の災いが本からボトリ、ボトリと姿を現して、立ち上がらせた。
「なンにせよ、今日はこの辺で帰らせてもらうゼ。どうせリンナの周りにゃ護衛がいて、オレだけじゃ虚力を奪えないンだろうからなァ」
「何」
「クアンタ、だっけか。オメェがリンナの知り合いなら、ちッたァ虚力量を気にしておいた方がいいゼ? ――アイツ、マジで上玉だ」
「待て!」
パチン、と指を鳴らした瞬間、五体の災いがクアンタ、サーニス、シドニアに向けて駆け出して、その腕を振るってくる。
カネツグ、レイピア、長剣を構えて振り、それぞれが応対を終わらせ、切り伏せ終えた後には、男の痕跡はどこにもない。
静寂だけがそこにあった。
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