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第七章
格納庫にて-02
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「おい待て。雷神のデータは既に得てるって……お前らは、ミィリスがTAKADA・UIGを襲撃した際に雷神のデータがあったから、その本体を奪うように、ミィリスへ命令したわけじゃないのか?」
『データがあれば本体などいらないよ。それに雷神プロジェクトのデータ自体は、三十八年前から得ているしね』
「三十八年前――! なぜ貴方が最初期の雷神プロジェクトを知っているの!?」
楠が心底驚きという態度をしているが、正直オレもビックリだ。初めて雷神プロジェクトの始まりを知ったからな。
「随分と、昔から雷神プロジェクトはあるんだな」
『正確に言えば、雷神プロジェクトの正式採用はもっと後さ。しかし雷神プロジェクトは考案だけならば幾つもあって――っとと、このままでは逆探知されてしまうな。困った困った』
「いや、気にするな。もう逆探知はしてるけど、今から追いかけるのは無理だ。――お前、今ロンドンに居るだろ?」
オレの使ってる衛星電話は、米軍制式採用の特殊品だ。通信規格こそ日本の物を使っているが、機能としてはそのまま使用している。
逆探知も一つの機能ではあるが――居場所を確認すると、ロンドン市街の中心部にいる事がわかる。
『そうか、君は実に手が早いね。今は個室のネットカフェにいるんだが、もう出る所さ。君たちが電話を切った瞬間、僕は会計に進むよ』
「僕と言ったな。お前は男か?」
「姫ちゃん、それボクに対してのイヤミ?」
『残念ながらそれは言わないよ。それに君の隣には明宮哨君もいるだろう? 彼女は大切にしなさい』
「こ、この人はお兄ちゃんの彼女じゃありませんっ」
楠、今ツッコむ所ソコ?
『おっと、また話が逸れた。いや何、僕達にも事情があってね。君たちには多く戦って貰わなくては困るんだ』
「ちなみに、断ったらどうするつもりだ? 時限爆弾は全て無線による起爆は出来ないようになっていただろう」
まぁ妨害電波と同じ要領で出来るとは思うけど。
『明宮哨君が妨害電波を発して起爆が出来ないようにした事と一緒さ。電磁誘導装置の応用で幾らでも起爆できる』
チクショウ、考えていた事がそのまま言われてしまった。妨害電波を用いて時計の動きを止める事が可能であれば、逆に時計を早める事も可能であるという事だ。電波時計採用したのは賢いな。
「……分かった。元々敗者復活戦をやろうとしていた所だ。オレ達は現場を盛り上げるためのパフォーマンスとして参加する」
『面白そうだね。僕も映像が欲しい所だ』
「こっちに今すぐ来れば見れるんじゃないか?」
『魅力的な提案だが、お断りするよ。僕は今こうして、君と話が出来ただけで幸せだ』
「何を言っている」
『まず君たちが交流戦に参加出来た事を確認次第、十個の場所を君に送るよ』
「残りは?」
『優勝が確認できてからだね。僅かなタイムラグはあるだろうが、四時間五十三分後に起爆するのがその十個で、それ以外の十二個は七時間五十三分後だから、優勝さえすれば問題無しだ』
「分かった。それでいい」
『それと、こちらは幾つかの情報収集元を備えているからね。下手に観客の避難などはしない事だ。爆弾を予め探す部隊があるのは構わないが、勝負をワザと負けるように相手へ進言等を行った事が確認され次第、起爆を開始するよ』
健闘を期待している、と言いながら、ソイツは電話を切った。
「楠。睦さんと姉ちゃんに連絡出来たか?」
「試していますが、繋がらないのです。城坂聖奈理事長とひとひらにも繋がらないので、何かあったとしか思えなくて」
城坂聖奈はオレと楠の姉ちゃんだ。AD総合学園の理事長を務めている他、防衛省情報局第四班六課にも所属している。オレ達の事情を知る人物の一人でもある。
「……なら仕方ない。哨、いいか」
「うん。見つけた爆弾はひとまず解体を後回しして、起爆しないように妨害電波を放ちながら、一か所にまとめるよ」
よし。ひとまずここはオレが隊長となろう。久々の隊長、不健全だがちょっと楽しいかもしれない。
「なら仮の作戦だ。オレと楠は雷神に乗り込み、敗者復活戦に挑む。問題は――」
先ほどの奴に、予め出場者へ事態を伝える事を禁じられてしまった。
負けるつもりは無いが、よりにもよって今回の交流戦は、オレが今まで戦ってきた中で、リントヴルムに次いで強いと認識してきた強敵ばかりだ。簡単に勝てるとは思えない。
「睦さんと姉ちゃんに連絡しつつ、村上と哨は爆弾の発見作業に向かってくれ。村上は清水先輩に、哨は梢さんに連絡も頼む」
「任せろ!」
「了解だよ!」
「よし――楠、雷神は」
「大丈夫です。何時もの格納庫にあります」
今できる中で、最善の準備を完了させる。オレは今この場に居る三人を見据えた上で、命令を下す。
「これより、時限爆弾回収作戦を開始。――各員の奮闘を期待する」
オレが右手を掲げ、敬礼を行うと、三人も続けて敬礼を行った。
……村上、敬礼は武器を扱う利き手でやるんだ。お前右利きだろ。
『データがあれば本体などいらないよ。それに雷神プロジェクトのデータ自体は、三十八年前から得ているしね』
「三十八年前――! なぜ貴方が最初期の雷神プロジェクトを知っているの!?」
楠が心底驚きという態度をしているが、正直オレもビックリだ。初めて雷神プロジェクトの始まりを知ったからな。
「随分と、昔から雷神プロジェクトはあるんだな」
『正確に言えば、雷神プロジェクトの正式採用はもっと後さ。しかし雷神プロジェクトは考案だけならば幾つもあって――っとと、このままでは逆探知されてしまうな。困った困った』
「いや、気にするな。もう逆探知はしてるけど、今から追いかけるのは無理だ。――お前、今ロンドンに居るだろ?」
オレの使ってる衛星電話は、米軍制式採用の特殊品だ。通信規格こそ日本の物を使っているが、機能としてはそのまま使用している。
逆探知も一つの機能ではあるが――居場所を確認すると、ロンドン市街の中心部にいる事がわかる。
『そうか、君は実に手が早いね。今は個室のネットカフェにいるんだが、もう出る所さ。君たちが電話を切った瞬間、僕は会計に進むよ』
「僕と言ったな。お前は男か?」
「姫ちゃん、それボクに対してのイヤミ?」
『残念ながらそれは言わないよ。それに君の隣には明宮哨君もいるだろう? 彼女は大切にしなさい』
「こ、この人はお兄ちゃんの彼女じゃありませんっ」
楠、今ツッコむ所ソコ?
『おっと、また話が逸れた。いや何、僕達にも事情があってね。君たちには多く戦って貰わなくては困るんだ』
「ちなみに、断ったらどうするつもりだ? 時限爆弾は全て無線による起爆は出来ないようになっていただろう」
まぁ妨害電波と同じ要領で出来るとは思うけど。
『明宮哨君が妨害電波を発して起爆が出来ないようにした事と一緒さ。電磁誘導装置の応用で幾らでも起爆できる』
チクショウ、考えていた事がそのまま言われてしまった。妨害電波を用いて時計の動きを止める事が可能であれば、逆に時計を早める事も可能であるという事だ。電波時計採用したのは賢いな。
「……分かった。元々敗者復活戦をやろうとしていた所だ。オレ達は現場を盛り上げるためのパフォーマンスとして参加する」
『面白そうだね。僕も映像が欲しい所だ』
「こっちに今すぐ来れば見れるんじゃないか?」
『魅力的な提案だが、お断りするよ。僕は今こうして、君と話が出来ただけで幸せだ』
「何を言っている」
『まず君たちが交流戦に参加出来た事を確認次第、十個の場所を君に送るよ』
「残りは?」
『優勝が確認できてからだね。僅かなタイムラグはあるだろうが、四時間五十三分後に起爆するのがその十個で、それ以外の十二個は七時間五十三分後だから、優勝さえすれば問題無しだ』
「分かった。それでいい」
『それと、こちらは幾つかの情報収集元を備えているからね。下手に観客の避難などはしない事だ。爆弾を予め探す部隊があるのは構わないが、勝負をワザと負けるように相手へ進言等を行った事が確認され次第、起爆を開始するよ』
健闘を期待している、と言いながら、ソイツは電話を切った。
「楠。睦さんと姉ちゃんに連絡出来たか?」
「試していますが、繋がらないのです。城坂聖奈理事長とひとひらにも繋がらないので、何かあったとしか思えなくて」
城坂聖奈はオレと楠の姉ちゃんだ。AD総合学園の理事長を務めている他、防衛省情報局第四班六課にも所属している。オレ達の事情を知る人物の一人でもある。
「……なら仕方ない。哨、いいか」
「うん。見つけた爆弾はひとまず解体を後回しして、起爆しないように妨害電波を放ちながら、一か所にまとめるよ」
よし。ひとまずここはオレが隊長となろう。久々の隊長、不健全だがちょっと楽しいかもしれない。
「なら仮の作戦だ。オレと楠は雷神に乗り込み、敗者復活戦に挑む。問題は――」
先ほどの奴に、予め出場者へ事態を伝える事を禁じられてしまった。
負けるつもりは無いが、よりにもよって今回の交流戦は、オレが今まで戦ってきた中で、リントヴルムに次いで強いと認識してきた強敵ばかりだ。簡単に勝てるとは思えない。
「睦さんと姉ちゃんに連絡しつつ、村上と哨は爆弾の発見作業に向かってくれ。村上は清水先輩に、哨は梢さんに連絡も頼む」
「任せろ!」
「了解だよ!」
「よし――楠、雷神は」
「大丈夫です。何時もの格納庫にあります」
今できる中で、最善の準備を完了させる。オレは今この場に居る三人を見据えた上で、命令を下す。
「これより、時限爆弾回収作戦を開始。――各員の奮闘を期待する」
オレが右手を掲げ、敬礼を行うと、三人も続けて敬礼を行った。
……村上、敬礼は武器を扱う利き手でやるんだ。お前右利きだろ。
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