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第四章~フレイヤ国、北東領地、ヴァジ村、再び~
第一話
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街道に出てからは順調に歩みを進め、まばらな林地帯の中にヴァジ村はあった。
何時間歩いただろうか、日没前に着いて一先ずは安心した。訓練で鍛えているヴレイでさえ足が棒になりそうだった。顔には出さないが、ルピナも相当足に負担が掛かっているはずだ。
にしても懐かしさを感じられないほど、目の前の村が五年前まで住んでいた故郷だったかと、ヴレイは口を半開きさせて立ち止まった。
最後に見た村の景色は、闇の中に炎を灯し、焦げ臭さが立ち込めていた。
大がかりな復興が行われ、今の姿になったのだろう。雰囲気だけは当時の香りをまだ残していたが、すっかり様変わりしていた。
「ほぉ、ここがヴレイの故郷か、なかなか可愛らしい」
「といってもかなり変わったけど」
はしゃぐルピナはくるくるステップを踏んで、村を見回している。勇ましさとは無縁のまるで幼い子供のようにはしゃいでいた。
三方を山脈に囲まれた集落は、坂道や小径、細い階段が多かった。村の周辺を囲む岩山には幾つもの見張り塔が設けられているのが特徴だ。白い煉瓦造りの住宅や建物に、張り付いた蔓性植物の緑が良く映えていた。
「まずは寺院に行くか」
「あっ、可愛らしい露店がたくさんあるぞ! あのお店、見てみよ、雑貨がたくさんあるぞ、こっちには香辛料があんなにたくさん!」
わざとぴちぴちとした新鮮みがある声を出しているのか、と思わせるような声音を発しながらルピナは露店に駆け寄った。
学校を終えた子供たちが走り回り、荷車に藁を積んだ農民や、荷馬車が大通りを往来していた。もう覚えている記憶は少ないが、五年前より活気があるように思われる。
「ルピナはこういうの初めてなのか?」
「そうだな、エルム内の視察はあるが、遠方の村や町へは官吏が巡回する。エルムにも市場はあるんだが、地方ならではの郷土というものは、やはり違うな」
もう声が弾みっぱなしだ。
子供のように瞳を輝かせ、落ち着きがないったらありゃしない。
連れて来てよかったと、ヴレイは胸の奥が熱くなった。
「はしゃぐのはいいが、先に寺院に行くぞ、と言っても変わり過ぎてどこに寺院が」
まだ露店ではしゃいでいるルピナをよそに、ヴレイは腕を組んで、寺院の在り処を探していると、「あれ?」と女性の声が飛んできた。
「もしかして、ヴレイちゃんでないの? ほら丘のお家の子でしょ」
声を掛けてきたのは丸っとした中年女性だった。
五年前まで住んでいたなら顔見知りもいるかもしれないが、事件の後も誰が生き残り、誰が命を落としたか、詳しくは知らなかった。というよりわざと知ろうとしなかった。
「えーっと、――あっ、パン屋のオバちゃん――、生きて――」
急にじわりと目頭が熱くなった。
嬉しさと申し訳なさとで、言葉が詰まった。
「生きてたさぁ! ヴレイちゃんこそ、無事だったんだねぇ、お母さんが亡くなっていたから、てっきりヴレイちゃんもかねぇって。でも何処を探してもヴレイちゃんが見付からなかったから、やっぱり生きていたんだねぇ」
物凄い早口で言い放ったオバちゃんは、温かい手でヴレイの手を握った。分厚くて暖かい手だった。懐かしさがぐわっと津波のように押し寄せた。
生きているとオバちゃんは信じてくれていた。五年間も。
「ごめん、オバちゃん。なんにも連絡しなくてぇ――」
堪えきれず目頭から涙が零れた。泣いて誠意を見せたいわけじゃない、寧ろ情けない姿しか見せられず、腹立たしいぐらいだ。
「いいんだよ、いいんだよ、生きてさえいてくれれば。ザイドくんも無事かい? 結局、あの子も見つからなくてね。残念だけど、祭司様は亡くなっていたよ」
ザイドの母親は祭司だった、父親はヴレイの記憶の中では、始めからいなかった。
祭司業を継ぐために、ザイドはあの晩から洗礼に入ったのだ。
包み込まれるような迫力を全面に出すオバちゃんはずっと手を握っていてくれた。
「ザイドとはあの日以来、会ってないんだ。そっかここにもいないか、生きてるんだか死んでるんだか」
「そうかい、でもきっとあの子も生きてるさ、強い子だったからね」
ヴレイの手を離し、頭が揺れるぐらい強く肩を叩かれた。
「そうだ、寺院ってどこにある? なんか雰囲気が変わったから場所が分からなくて」
「そんなに違わないと思うけどねぇ、寺院の場所はそのままさ。ちょっと周りの風景は変わったけどねぇ。直ぐそこ左に曲がったら、そのまま坂道を下って、並木道に出るからそのまま真っ直ぐさ」
ちょっと順序が多いなと思ったが、全く知らない場所でもないんだからと、「ありがと」と礼を言った。
「ちょっとヴレイちゃん。時間あるなら、お墓参りしていきな、お母さんも待ってるよ」
「お袋の墓があるのか」
一瞬だけ手が震えた。最後に見た母親の顔ががふと蘇りそうになって、目尻に力が入る。
「当たり前さね。村の皆で供養したんだよ、さあ行っておいで。寺院に行く途中の道を折れるとあるから、ね」
釘を刺すように腕を叩かれ、「パンも買いにおいでな」と言い残して立ち去っていった。
体格だけではなく、五年前よりさらに迫力が培われたようで、苦笑いで見送った。
「お墓参りであろう、私は寺院の前で待つ、行ってくればいい」
ルピナが申し訳なさそうに笑った。事情を察して何も訊いてこない。
ここまで来る途中にほぼ全てを話したので、察するも何もないのかもしれない。
「総督様にこんなお願いはどうかと思うけど、一緒に、来てくれないか」
少し間があって、ンフと微かに笑い声がした。
笑いの主は、一歩ヴレイに近づいて、顔を覗き込んできた。
「心細いんじゃろ」
「そんなことは――なくはないけど」
「良かろう、ついてきてやろう。君がそれで心落ち着くなら、共に行くよ」
見透かしておるぞ、とでも言いたげなルピナの顔が近づいて、パッとヴレイは体を引いた。
わざとなのか、自覚がないのか分からないが、時々見せる無防備さにはもっと気を付けてほしい。
「ほら、行くぞ」と微笑んだルピナは総督としてではない、五年前にも見せた、素のままの笑顔なんだと思った。
何時間歩いただろうか、日没前に着いて一先ずは安心した。訓練で鍛えているヴレイでさえ足が棒になりそうだった。顔には出さないが、ルピナも相当足に負担が掛かっているはずだ。
にしても懐かしさを感じられないほど、目の前の村が五年前まで住んでいた故郷だったかと、ヴレイは口を半開きさせて立ち止まった。
最後に見た村の景色は、闇の中に炎を灯し、焦げ臭さが立ち込めていた。
大がかりな復興が行われ、今の姿になったのだろう。雰囲気だけは当時の香りをまだ残していたが、すっかり様変わりしていた。
「ほぉ、ここがヴレイの故郷か、なかなか可愛らしい」
「といってもかなり変わったけど」
はしゃぐルピナはくるくるステップを踏んで、村を見回している。勇ましさとは無縁のまるで幼い子供のようにはしゃいでいた。
三方を山脈に囲まれた集落は、坂道や小径、細い階段が多かった。村の周辺を囲む岩山には幾つもの見張り塔が設けられているのが特徴だ。白い煉瓦造りの住宅や建物に、張り付いた蔓性植物の緑が良く映えていた。
「まずは寺院に行くか」
「あっ、可愛らしい露店がたくさんあるぞ! あのお店、見てみよ、雑貨がたくさんあるぞ、こっちには香辛料があんなにたくさん!」
わざとぴちぴちとした新鮮みがある声を出しているのか、と思わせるような声音を発しながらルピナは露店に駆け寄った。
学校を終えた子供たちが走り回り、荷車に藁を積んだ農民や、荷馬車が大通りを往来していた。もう覚えている記憶は少ないが、五年前より活気があるように思われる。
「ルピナはこういうの初めてなのか?」
「そうだな、エルム内の視察はあるが、遠方の村や町へは官吏が巡回する。エルムにも市場はあるんだが、地方ならではの郷土というものは、やはり違うな」
もう声が弾みっぱなしだ。
子供のように瞳を輝かせ、落ち着きがないったらありゃしない。
連れて来てよかったと、ヴレイは胸の奥が熱くなった。
「はしゃぐのはいいが、先に寺院に行くぞ、と言っても変わり過ぎてどこに寺院が」
まだ露店ではしゃいでいるルピナをよそに、ヴレイは腕を組んで、寺院の在り処を探していると、「あれ?」と女性の声が飛んできた。
「もしかして、ヴレイちゃんでないの? ほら丘のお家の子でしょ」
声を掛けてきたのは丸っとした中年女性だった。
五年前まで住んでいたなら顔見知りもいるかもしれないが、事件の後も誰が生き残り、誰が命を落としたか、詳しくは知らなかった。というよりわざと知ろうとしなかった。
「えーっと、――あっ、パン屋のオバちゃん――、生きて――」
急にじわりと目頭が熱くなった。
嬉しさと申し訳なさとで、言葉が詰まった。
「生きてたさぁ! ヴレイちゃんこそ、無事だったんだねぇ、お母さんが亡くなっていたから、てっきりヴレイちゃんもかねぇって。でも何処を探してもヴレイちゃんが見付からなかったから、やっぱり生きていたんだねぇ」
物凄い早口で言い放ったオバちゃんは、温かい手でヴレイの手を握った。分厚くて暖かい手だった。懐かしさがぐわっと津波のように押し寄せた。
生きているとオバちゃんは信じてくれていた。五年間も。
「ごめん、オバちゃん。なんにも連絡しなくてぇ――」
堪えきれず目頭から涙が零れた。泣いて誠意を見せたいわけじゃない、寧ろ情けない姿しか見せられず、腹立たしいぐらいだ。
「いいんだよ、いいんだよ、生きてさえいてくれれば。ザイドくんも無事かい? 結局、あの子も見つからなくてね。残念だけど、祭司様は亡くなっていたよ」
ザイドの母親は祭司だった、父親はヴレイの記憶の中では、始めからいなかった。
祭司業を継ぐために、ザイドはあの晩から洗礼に入ったのだ。
包み込まれるような迫力を全面に出すオバちゃんはずっと手を握っていてくれた。
「ザイドとはあの日以来、会ってないんだ。そっかここにもいないか、生きてるんだか死んでるんだか」
「そうかい、でもきっとあの子も生きてるさ、強い子だったからね」
ヴレイの手を離し、頭が揺れるぐらい強く肩を叩かれた。
「そうだ、寺院ってどこにある? なんか雰囲気が変わったから場所が分からなくて」
「そんなに違わないと思うけどねぇ、寺院の場所はそのままさ。ちょっと周りの風景は変わったけどねぇ。直ぐそこ左に曲がったら、そのまま坂道を下って、並木道に出るからそのまま真っ直ぐさ」
ちょっと順序が多いなと思ったが、全く知らない場所でもないんだからと、「ありがと」と礼を言った。
「ちょっとヴレイちゃん。時間あるなら、お墓参りしていきな、お母さんも待ってるよ」
「お袋の墓があるのか」
一瞬だけ手が震えた。最後に見た母親の顔ががふと蘇りそうになって、目尻に力が入る。
「当たり前さね。村の皆で供養したんだよ、さあ行っておいで。寺院に行く途中の道を折れるとあるから、ね」
釘を刺すように腕を叩かれ、「パンも買いにおいでな」と言い残して立ち去っていった。
体格だけではなく、五年前よりさらに迫力が培われたようで、苦笑いで見送った。
「お墓参りであろう、私は寺院の前で待つ、行ってくればいい」
ルピナが申し訳なさそうに笑った。事情を察して何も訊いてこない。
ここまで来る途中にほぼ全てを話したので、察するも何もないのかもしれない。
「総督様にこんなお願いはどうかと思うけど、一緒に、来てくれないか」
少し間があって、ンフと微かに笑い声がした。
笑いの主は、一歩ヴレイに近づいて、顔を覗き込んできた。
「心細いんじゃろ」
「そんなことは――なくはないけど」
「良かろう、ついてきてやろう。君がそれで心落ち着くなら、共に行くよ」
見透かしておるぞ、とでも言いたげなルピナの顔が近づいて、パッとヴレイは体を引いた。
わざとなのか、自覚がないのか分からないが、時々見せる無防備さにはもっと気を付けてほしい。
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