地女に恋した俺は夢を見ていた

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第23話

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 それから俺たちは朝まで一緒に過ごした後、カエさんは帰って行った。

 もちろんキス以上はしていない。

 何故なら俺には疑問がまだ一つ残っているからだ。

 それは初体験をスイッチ制度によって済ませた後の事だ。

 用無しとみなされて地下から来た人間は消されるのか?いや、そんな怖い事起こり得ない。だが、そうとも言い切れない。

 ここの問題を解かない事には安易に手を出せない。
 
 昨日はうっかり欲に任せて手を出しそうになったが、危なかった。

 俺は用意をしてアパートを出た。

 向かったのはもちろん役所だ。
 ここにはまだ俺の知らない情報が溢れている。

「おはようございます」

 何事もないかのように出勤する。

「アニさん、昨日は休みだったんですか?」

 初日に業務を共にしたシンさんが言ってきた。

「昨日はデータ入力の方を手伝ってたんですよ」

「いいですねー、僕なんかこの作業以外任された事ないのに」

 まぁシンさんに任せるのは少々不安なのだろう。

「さぁ、資料を運びましょう!」

「はーい」

 なんだ?やけに怠そうだな。
 一方の俺は昨日の事を思い出してにやけていた。カエさんの柔らかい唇。抱き合うとダイレクトに感じる、まるでマシュマロのような抱き心地。

 もちろん興奮を抑えるのは大変だったが、それよりも一緒にいて落ち着く。

 少し寝不足気味だが、なんのその!

 実は昨日カエさんが毎日一緒に居たいと言うので、今日からカエさんは仕事が終わったら俺の家に来る事になっている。いわゆる同棲をするのだ。

 誰かに言いたい、誰かにこの幸せを自慢したい!今すぐカエさんに会いたい。抱きしめて離したくない。

 あぁ、これは重症だなと思うほど俺はカエさんにぞっこんだ。
 
 こんなんでいつまでカエさんの誘惑に勝てるのか、先行きが不安だ。

「アニさんー、何さっきからにやけたり難しい顔したりしてるんですか?」

「あ、少し考え事を‥‥」

「そうだアニさん、これ知ってますか?」

「これってどれ?」

「前話してた地下の話ですよ!」

「あぁ、それがどうかしたんですか?」

「一時的に試験が終わるみたいですよ」

「終わるってどうゆう‥‥」

 って、あれ?

 急に目眩が‥‥。
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