プレパレーション

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第二十話

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 私たちはしばらくゆっくりすると、帰る支度をして店を出た。

 すると、どうゆう事か柊生が外で待っていた。それを見た冬馬さんは私に小声で言った。

「じゃあね」

「お疲れ様です」

 私はそう言うと柊生の元に向かった。

「なんでいるの?」

「駅まで送ろうと思って。てか出てくるの遅かったね」

「え、あっ今日忙しかったから‥‥」

「でも電気切れた後も作業してたの?」

 ずっと待ってたんだ。声聞こえてないよね‥‥。

「うん。厨房とか掃除してた」

 私はあくまで冷静に、柊生に感づかれないように動揺を隠していた。

「そう。てかももちゃんなんでそんなに髪が乱れてるの?」

「あ、なんでだろ」

「それになんでバイトに来るだけなのにそんな短いスカート穿いてるの?」

「特に意味はないよ」

 嘘だ。本当は冬馬さんの事を意識して穿いてきていた。

「ももちゃんちょっとこっちきて」

「えっどこ行くの?」

 柊生は私の手を引っ張って公園まで連れてきた。

「どうしたの?」

 柊生は黙ったまま私をベンチに座らせると、しゃがみ込みスカートを捲った。

「やっ、何するの?!」

「隠さないで見せて」

「こんな所で誰かに見られたらどうするの!」

「ももちゃん店長とやってないよね」

「‥‥何言ってるの。やるわけないじゃん」

 もしかしてロールカーテンの隙間から見てた?!いや、隙間があったとしても中は暗くて見えないはず‥‥。

「誓える?」

「‥‥うん」

 私がそう言うと柊生はスカートを捲ったまま下着の上からキスをした。

「あっ‥‥」

「誰もいないから大丈夫」

 柊生はそのまま下着の隙間に舌を這わせた。

「んっ//」

「ももちゃんって嘘つきだね」

 柊生は舌を動かしながら、上目遣いで私の事を見て言った。

「‥‥んっ//‥‥なんのこと‥‥」

 私は気持ちよさで頭があまり回らなくなっていた。

「言わなくてもわかるでしょ」

「何の事かわからないよ‥‥」

 私がそう言うと柊生は自分のチャックを開け、硬くなった物を徐に私に入れてきた。

「本当はこうして欲しくてこんな短いスカート穿いてるんでしょ」

「違う‥‥よ‥‥あっ//」

「でもそう思われても仕方ないよ」

 柊生がまた男になっている。可愛い顔して責めてくる‥‥私は柊生のギャップに興奮していた。

 冬馬さんには別れるって言ったけど、どうしよう‥‥気持ちいい‥‥。

 私たちは公園のベンチでしてしまった。


「ごめんね、寒かったでしょ?」

 柊生は自分の着ていたコートを膝にかけてくれた。

「大丈夫だよ」

 いつもの柊生だ。

「実はさ、ももちゃん出てくるの遅かったし変な事考えてたんだよね」

「変な事?」

「うん。もし店の中で店長とやってたらどうしようって」

「変、だね‥‥」

「有り得ないのにね。でもそんな事考えてたから、ももちゃんの髪乱れてたの見てスカートも見て、急に嫉妬心?独占欲?で我慢出来なくなっちゃって」

「嫉妬?」

「うん。店の厨房とか狭いと思うしこんな格好で二人っきりでって考えると狂いそうになった」

「もう穿かないようにするね」

「穿いてもいいんだけど、俺とデートする時だけにしてよ」

「分かった」

「明日学校あるし今日は帰らないとだね」

「そうだね」

「本当は連れて帰りたいけどね」

「連れて帰りたいってペットじゃないんだから‥‥」


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