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第35話
しおりを挟む翌朝私は家族より早めに家を出た。
式場に入る前に冬馬さんと合流し一緒に朝食を食べた。
「昨日はぐっすり眠れた?」
「うん。冬馬さんは?」
「親父がなんか一人で盛り上がっちゃってついお酒飲んじゃった」
「浮腫むから飲まない方がよかったんじゃない?」
「そうなんだけど、付き合ってあげるべきかなって」
「そっか、楽しく過ごせたみたいでよかったね」
「ももはさ、どこも行かないでよ」
冬馬さんが突然深刻な顔になった。
「急にどうしたの?」
「正直ずっと不安だったんだ。俺なんかでいいのかなって。だから早く結婚したかったし、でも大丈夫だよね」
「俺なんか、じゃなくて冬馬さんだから好きになったんだよ、大丈夫に決まってるじゃん」
「俺こそマリッジブルーみたいだね」
「ははっ、そうだね」
不安なのは私だけじゃないんだと、冬馬さんと笑い合えているだけで心がふわっと軽くなるようだった。
「腹ごしらえも出来たし、行こうか」
「うん!」
私は冬馬さんと式場入りした。
そして、それぞれ仕度がある為一旦分かれて部屋に入る。
まずはメイクをしてもらうのだが、カバンからスマホが鳴る音が聞こえる。
誰だろうと画面を確認すると、柊生のお姉さんからだった。
嫌な予感がする。そう思いながらも出てみる事に。
「もしもし」
「ももちゃん?柊生がまたいなくなったの」
「またって、あの後ちゃんと帰ってたんですか?」
「そう、ももちゃんが会ってくれた日ちゃんと帰ってきたの、でも昨日からまた連絡取れなくなって」
「すみません、今日私結婚式があるんです。だから協力出来ません」
「電話だけでもしてみてくれないかな?」
「すみません‥‥。正直前電話したのも後悔してます。柊生のあんな姿見たくなかったです」
「気持ちは分かるけどお願いできない?電話だけでも」
「無理です」
「今回は本当にやばいかもしれないの」
「どうゆう事ですか?」
「昨日柊生大量の薬飲んで緊急搬送されたの」
「えっ?」
緊急搬送?私は心臓が止まりそうになった。
「命に別状はなかったんだけど、朝病院から連絡がきて柊生がいなくなってるって」
「じゃあ病院から抜け出してどこにいるか分からないって事ですか?」
「思い当たる場所は全部探したんだけど、見つからなくて」
「すみません、準備があるので切りますね」
どうする事も出来ない私は電話を切った。
柊生の事は心配。でも冬馬さんには言えないし式の準備は着々と進んでいる。
メイクが済んだ後一旦休憩している間に柊生に電話してみる事に。
プルルルル‥‥‥。
コールは鳴るが出ない。
私は電話したし、やれる事はやったと自分に言い聞かせていた。でも心配で心ここにあらずといった感じでずっとソワソワしていた。
準備ができた冬馬さんと合流する。
「わぁ‥‥もも、めっちゃ綺麗だね」
冬馬さんは目をキラキラさせて言ってくれた。私はこれから好きな人と結婚するんだ。そう自分を奮い立たせた。
「冬馬さんも素敵だよ」
その後写真撮影やリハーサルも終わり、式本番が迫っていた。
私は柊生から折り返しが来るんじゃないかと式が始まる直前までスマホを握りしめていた。
そして式直前でスマホが鳴った。
もちろん柊生からだった。
私はトイレに駆け込み電話に出る事に。
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