3 / 23
教会
しおりを挟む
魔法人形に聖女の役目を任せた私は、よく庶民に紛れ街を散策していました。
以前作った印象操作魔法のおかげで、特に変装をせずとも普通の町娘として溶け込めていたと思います。
教会の近くにある街は活気がありました。
年に2、3回は大規模なお祭りが開かれ、街中の人々が国と王族に感謝の言葉を口にします。
それだけを見れば、平和な国家です。
けれど彼らは国民の一部、いわゆる富裕層の人間。
彼ら以外の状況は悲惨そのものでした。
例えば、農耕に励む者たち。
休む日もなく毎日を仕事に捧げ、やっとの思いで収穫しても高すぎる税金で手元に残るのは僅かばかり。
食物を育てる彼らが餓えに苦しんでいました。
例えば、戦いに励む者たち。
隣国との戦争や国内に出没する獣退治で傷を負うことが日常茶飯事。
けれど命に関わる傷以外は治せません。
なぜなら十分なお金が無いのです。
教会の外に出て初めて知ったのですが、聖女の治癒を受けるにはまとまったお金が必要だそうです。
だから治癒を受けに来るのは金持ちばかり。
しかも支払われた金銭の大部分は教会の人間が贅沢をするために使われているそうで…
これにイラッとした私は教会に訴えました。
「私が聖女として務め、その結果生じた金銭は貧しい暮らしをする方々を援助するのにお使いください。」
まさに教会が求める聖女らしい発言でしょう?
もちろん彼らも快く承諾しましたよ。
さすが聖女、とか言って。
「ああ、ちなみに私最近新しい魔法を開発しまして。嘘を見破る魔法なのですが…」
そう続けた時の反応といったら、もう…ふふっ。
どうせ私の言うことなんて表向き従うだけで無視しておこうと思っていたのでしょうね
ざまぁ見なさい♪
それからは少しずつ変化しました。
教会の人間がそれまでほど贅沢できなくなった代わりに貧困で苦しむ国民が徐々に減りました。
この目でしっかり確認し続け、改善されていない時はプレッシャーをかけた甲斐があったものです。
…まあ、こういったことの積み重ねが原因で教会から嫌われたのでしょうね。
私が聖女を辞めてから仕返しと言わんばかりに冷たくされましたし、処刑にも全面協力してました。
やっぱり根本的な改革が無いと、あの腐敗した教会が変わることはないでしょうね…
こうして教会の腐った部分を目にし、ほんの少しだけでも変えようとしたのが計画の始まりです。
私リュミエラがたとえ聖女の逆、悪女と言われてでも教会を、この国を変革しようという計画。
あとついでに、この私を聖女に仕立て上げて甘い蜜を吸おうとした愚かな人たちへの復讐計画。
と言っても、この頃はまだ計画を本格的に思い付いていたわけでは無いですけどね。
最初のきっかけはそう、私が12才の頃。
ある方に出会い、半殺しにした時です。
以前作った印象操作魔法のおかげで、特に変装をせずとも普通の町娘として溶け込めていたと思います。
教会の近くにある街は活気がありました。
年に2、3回は大規模なお祭りが開かれ、街中の人々が国と王族に感謝の言葉を口にします。
それだけを見れば、平和な国家です。
けれど彼らは国民の一部、いわゆる富裕層の人間。
彼ら以外の状況は悲惨そのものでした。
例えば、農耕に励む者たち。
休む日もなく毎日を仕事に捧げ、やっとの思いで収穫しても高すぎる税金で手元に残るのは僅かばかり。
食物を育てる彼らが餓えに苦しんでいました。
例えば、戦いに励む者たち。
隣国との戦争や国内に出没する獣退治で傷を負うことが日常茶飯事。
けれど命に関わる傷以外は治せません。
なぜなら十分なお金が無いのです。
教会の外に出て初めて知ったのですが、聖女の治癒を受けるにはまとまったお金が必要だそうです。
だから治癒を受けに来るのは金持ちばかり。
しかも支払われた金銭の大部分は教会の人間が贅沢をするために使われているそうで…
これにイラッとした私は教会に訴えました。
「私が聖女として務め、その結果生じた金銭は貧しい暮らしをする方々を援助するのにお使いください。」
まさに教会が求める聖女らしい発言でしょう?
もちろん彼らも快く承諾しましたよ。
さすが聖女、とか言って。
「ああ、ちなみに私最近新しい魔法を開発しまして。嘘を見破る魔法なのですが…」
そう続けた時の反応といったら、もう…ふふっ。
どうせ私の言うことなんて表向き従うだけで無視しておこうと思っていたのでしょうね
ざまぁ見なさい♪
それからは少しずつ変化しました。
教会の人間がそれまでほど贅沢できなくなった代わりに貧困で苦しむ国民が徐々に減りました。
この目でしっかり確認し続け、改善されていない時はプレッシャーをかけた甲斐があったものです。
…まあ、こういったことの積み重ねが原因で教会から嫌われたのでしょうね。
私が聖女を辞めてから仕返しと言わんばかりに冷たくされましたし、処刑にも全面協力してました。
やっぱり根本的な改革が無いと、あの腐敗した教会が変わることはないでしょうね…
こうして教会の腐った部分を目にし、ほんの少しだけでも変えようとしたのが計画の始まりです。
私リュミエラがたとえ聖女の逆、悪女と言われてでも教会を、この国を変革しようという計画。
あとついでに、この私を聖女に仕立て上げて甘い蜜を吸おうとした愚かな人たちへの復讐計画。
と言っても、この頃はまだ計画を本格的に思い付いていたわけでは無いですけどね。
最初のきっかけはそう、私が12才の頃。
ある方に出会い、半殺しにした時です。
37
あなたにおすすめの小説
偽聖女と蔑まれた私、冷酷と噂の氷の公爵様に「見つけ出した、私の運命」と囚われました 〜荒れ果てた領地を力で満たしたら、とろけるほど溺愛されて
放浪人
恋愛
「君は偽物の聖女だ」——その一言で、私、リリアーナの人生は転落した。 持っていたのは「植物を少しだけ元気にする」という地味な力。華やかな治癒魔法を使う本物の聖女イザベラ様の登場で、私は偽物として王都から追放されることになった。
行き場もなく絶望する私の前に現れたのは、「氷の公爵」と人々から恐れられるアレクシス様。 冷たく美しい彼は、なぜか私を自身の領地へ連れて行くと言う。
たどり着いたのは、呪われていると噂されるほど荒れ果てた土地。 でも、私は諦めなかった。私にできる、たった一つの力で、この地を緑で満たしてみせる。
ひたむきに頑張るうち、氷のように冷たかったはずのアレクシス様が、少しずつ私にだけ優しさを見せてくれるように。 「リリアーナ、君は私のものだ」 ——彼の瞳に宿る熱い独占欲に気づいた時、私たちの運命は大きく動き出す。
残念なことに我が家の女性陣は、男の趣味が大層悪いようなのです
石河 翠
恋愛
男の趣味が悪いことで有名な家に生まれたアデル。祖母も母も例に漏れず、一般的に屑と呼ばれる男性と結婚している。お陰でアデルは、自分も同じように屑と結婚してしまうのではないかと心配していた。
アデルの婚約者は、第三王子のトーマス。少し頼りないところはあるものの、優しくて可愛らしい婚約者にアデルはいつも癒やされている。だが、年回りの近い隣国の王女が近くにいることで、婚約を解消すべきなのではないかと考え始め……。
ヒーローのことが可愛くて仕方がないヒロインと、ヒロインのことが大好きな重すぎる年下ヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:266115)をお借りしております。
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
王家の血を引いていないと判明した私は、何故か変わらず愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女であるスレリアは、自身が王家の血筋ではないことを知った。
それによって彼女は、家族との関係が終わると思っていた。父や母、兄弟の面々に事実をどう受け止められるのか、彼女は不安だったのだ。
しかしそれは、杞憂に終わった。
スレリアの家族は、彼女を家族として愛しており、排斥するつもりなどはなかったのだ。
ただその愛し方は、それぞれであった。
今まで通りの距離を保つ者、溺愛してくる者、さらには求婚してくる者、そんな家族の様々な対応に、スレリアは少々困惑するのだった。
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
家族から虐げられた令嬢は冷血伯爵に嫁がされる〜売り飛ばされた先で温かい家庭を築きます〜
香木陽灯
恋愛
「ナタリア! 廊下にホコリがたまっているわ! きちんと掃除なさい」
「お姉様、お茶が冷めてしまったわ。淹れなおして。早くね」
グラミリアン伯爵家では長女のナタリアが使用人のように働かされていた。
彼女はある日、冷血伯爵に嫁ぐように言われる。
「あなたが伯爵家に嫁げば、我が家の利益になるの。あなたは知らないだろうけれど、伯爵に娘を差し出した家には、国王から褒美が出るともっぱらの噂なのよ」
売られるように嫁がされたナタリアだったが、冷血伯爵は噂とは違い優しい人だった。
「僕が世間でなんと呼ばれているか知っているだろう? 僕と結婚することで、君も色々言われるかもしれない。……申し訳ない」
自分に自信がないナタリアと優しい冷血伯爵は、少しずつ距離が近づいていく。
※ゆるめの設定
※他サイトにも掲載中
虐げられた聖女が魔力を引き揚げて隣国へ渡った結果、祖国が完全に詰んだ件について~冷徹皇帝陛下は私を甘やかすのに忙しいそうです~
日々埋没。
恋愛
「お前は無能な欠陥品」と婚約破棄された聖女エルゼ。
彼女が国中の魔力を手繰り寄せて出国した瞬間、祖国の繁栄は終わった。
一方、隣国の皇帝に保護されたエルゼは、至れり尽くせりの溺愛生活の中で真の力を開花させていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる