魔王様は今日もDowner

永澄水樹

文字の大きさ
4 / 17
第一章Downerな日々に祝福を!!

第三話 めんどいので魔王やめる

しおりを挟む
ファヴレットはダイエットにより元に無事戻れたのだが、毎日が暇だった。

魔王城とその近隣だけではつまらないと感じていたのだった。

やる気は勿論ないが、退屈なのはそれ以上にだるいのである。

そこで、ふとファヴレットは思った。

そもそも、魔王って言われて魔王してるけど、別に好きな事していいのではと。

そこで、ファヴレットはアツェリオにちょっと聞いてみた。


「おい、アツェリオ?俺って今15歳位だよな?」

「はぁ……確かに人族の年齢では魔王様は15歳位ですがなにか?」

「いや、学校とか行かなくていいのかなぁーなんて考えてな」

「学校ですか……魔王様は魔王なのですから行く必要ないでしょう」

「いや、やはり学校位は行っとかないとこの先の社会で生き残るのは難しいだろ?」

「いえ、魔王様は既に魔王になっておりますので、そういった事を考える必要は無いです」


ファヴレットはこの超ー暇な魔王城ライフから脱出したいのだが、アツェリオに本音を言っても聞いてもらえないのは分かってるので、どう

した物かと悩んだ。

しかし、Downerなファヴレットはすぐさまめんどくさくなり、いっその事魔王をやめて旅に出てしまおうと考えた。

そして、ファヴレットは守護四天王の目を盗んで魔王城から行方をくらました。

魔王城では守護魔四天王で会議が始まった。

魔王の行方についてだ。

アツェリオは魔王から学校について聞かれた事を話し、結果、魔王は学校に行ったのではと推測し、魔王を連れ戻す役目をアツェリオが

請け負った。

ウリエンは魔王軍の一応の最高責任者になり、エリアスは守備隊の隊長として動く事に決定した。

こうして、魔王軍内で取り決めがなされてる頃ファヴレットはというと、魔王城よりかなり離れた上空を飛行中であった。

日本人としての科学知識とオタク知識を導入して編み出した重力制御魔法と光の屈折を利用した光学迷彩魔法で誰にも発見されない様

になっている。

ファヴレットはとりあえず、誰かが探しに来る事を想定して魔王城の近隣の街を避け、少し離れた大きな街目指して飛んでいた。

しばらくして、近隣から離れた街にとりあえず休憩がてら、降り立ったファヴレットだったが、そこで、早速嫌な光景を目にしてしまった。

夜の道を大きな馬車が何個か通っていくが、その中の物が問題であった。

何故ならその物とは人であった。

ファヴレットの感知&探知魔法で調べたところ人族が殆どで、少数だが亜人族や魔族の反応も見られた。

日本人としての感覚がその運ばれてる荷を見過ごす事が出来ない……。

どの世界であろうと人権は保証されるべきであり、それは人ではない亜人や魔族も当然保証されるべきである。

さらに言えば人身売買や奴隷の制度などくそくらえなファヴレットは怒りで目の前が真っ赤になっていた。

だが、ここでこの奴隷商人達を叩きのめして商品である人々を開放していいのかと、悩む。

例え開放しても、奴隷に身をやつす人々は自分で生きていく事が出来るのか……。

しかし、ここで見過ごしては人間としての何かが壊れる気がしてファヴレットは悩み苦しんだ。

本来魔王であるファヴレットはこんな事で悩むことなど無い筈なのだが、再転生したファヴレットは殆んど日本人の考え方である。

自由と平和の名の元Downerライフを満喫していたファヴレットとしてはこの事態を見過ごせない……。

結局、ファヴレットは意を決して奴隷商人一行の前に出る。


「おい、そこの商隊の一行待て、荷は人だな……人身売買なんて野蛮事してんじゃねぇよ!」


ファヴレットのその言葉に、その一行を率いていた商隊の責任者と思しき男が出てくる。


「はて?私達のしてる事は国も認めている立派な商売ですよ?貴族の方々なども奴隷を重宝されております。それを野蛮だなどと……お

若い騎士様は国に文句があるのですかな?それでしたら国に言ってください。私どもは正当な商売をしているだけなので」


商隊の責任者はそう言いそのままファヴレットを無視して進もうとするので、ファヴレットは言う。


「ここでそこに囚われてる人々を解放しろ……」

「解放しろとは心外ですな。そもそも騎士様?あなたのしてる事の方が犯罪なんですよ?恫喝して解放しろなどと」


ファヴレットは悩む、確かに国は奴隷制度を許可している。

そして、人身売買は立派な商売として認められているのだろう。

だが、そこで引き下がる訳にはいかない……ファヴレットはここで商隊を壊滅させて、人々の開放をするべきなのか……。

それとも、いっその事ファヴレットの持ち金で奴隷全員買い取るという事も出来る。

ファヴレットは悩んだが……だんだんとだるくなってきた。

もう、喧嘩売ってるし、こんなやつらのさばらしておいても百害あって一利なしである。

そう判断したファヴレットは早かった。

一瞬で商隊の責任者の首を跳ね飛ばしたのだった。

その行動に商隊の商人や護衛の兵士が驚き叫ぶ。


「おっお頭!おいお前これは立派な犯罪だぞ!」

「うっせーな!お前らのしてる事こそ弱い者を餌にする卑怯な犯罪だろう!」

「何言ってるんだ!こっちの商売は立派な認められてる商売だそれよりお前!殺人などしてただで済むと思うなよ!皆の者あやつを殺せ

!……グハッ!」


殺せと叫んだ男は即効でファヴレットに首を跳ねられていた。

その状況に混乱する商人に兵士、だが、ファヴレットにもはや慈悲は無い。

商人や兵士を次々斬り倒し、18人いた商隊の生存者は0である。

ファヴレットは結局18人を斬り殺してしまった。

日本人としての感覚が強いファヴレットなのだが、不思議と自分からして悪と判断した者を殺す事には嫌悪感が沸かないのであった。

こうして、ファヴレットは奴隷達の檻の鍵を持ち、奴隷達を解放する。

だが、皆浮かない顔をしている。


「おい、お前ら。もう奴隷として生きなくていいんだぞ。これからは好きに生きろ」


ファヴレットがそういうのだが皆の表情は明るくない、むしろ暗い。


「騎士様……救っていただいてありがとうございます……ですが、余計なお節介です。私達に戻る所はありません。そして生きていく術も

無い……救って頂いたのですが、私達にとってこれは救いにはならないのですよ……騎士様はまだお若い様ですし分からないかもしれま

せんが……」


ファヴレットは助けた者にそういわれて、やはりこうなるかと思った……。

生きていくのは楽な事ではない、さらにこの世界では生きていくのはそれ自体が難しい事なのである。

ファヴレットはその事を改めて痛感した。

ここでの最善の方法は、とりあえず、この者達に行きていけるだけの施しをして強く生きてくれる事を祈る事である。

ファヴレットは異空間より金を取り出すと助けた皆に渡し始める。

1人に付き金貨3枚程渡す。

その事に奴隷商に囚われてた人々は驚く。


「ちょっと騎士様?金貨3枚も貰っていいのですか?」

「いや、だって仕事探すまではお金が要るでしょ?金貨3枚でも少ない位だと思ってるんですよ?」

「金貨3枚あれば贅沢しなきゃ1、2年……いやいや下手すりゃ2、3年は暮らせますけど……」

「それなら、その間に仕事探すなり自分の家に帰るなりするといいと思いますけど?」

「それから、騎士様?俺とかの大人はいいが、若い女性や子供はどうするんですか?」

「それなんだよなぁーめんどくさ……とは言えないし……女性は働き口を私が一緒に探します。子供は孤児院に引き取ってもらえないか

確認してみます」

「そうですか……助けて頂いて有難う御座いました。この御恩に報いる為にも精一杯生きてみます」

「うん、それがいいと思いますよ」

「では我々はこれで……」


そう言うと大人の男達はお金を受け取り、次々と去っていく。

ちなみに何故大人達がお金で驚いたかと言うとこの世界の通貨を日本円にしてみると分かる。

この世界は鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、ミスリル貨と5種類の貨幣が流通している。

鉄貨は1枚が20円位で5枚で銅貨1枚になる。

銅貨は1枚が100円位で100枚で銀貨1枚になる。

銀貨は1枚が1万円位で100枚で金貨1枚になる。

ちなみに金貨100枚でミスリル貨という特殊な貨幣になるが、金貨100枚相当なので通常はお目にかからないそうだ。

つまり、ファヴレットの渡した金貨3枚というのは300万渡した様なものである。

日本での物価ですら300万あれば1年は暮らせるのでこれがどれだけ大金かわかってもらえると思う。

さて、本題に戻るが。

残されたのは若い女性(美女ばかり)や子供達であったが、とりあえずファヴレットは話しかける。


「えっと女性の方はとりあえず仕事先が見つかるまで自分が保護します。子供も孤児院等の引取り先……そういえばこの街って孤児院あ

るんでしょうか?」


ファヴレットがそう聞くと1人の女性が答えてくれる。


「今は戦時下ですので孤児院は有りますが、どこも一杯で残念ですが殆んどが機能していません」

「それは困ったな……まぁ、今日はお疲れでしょう。子供達もいますし、宿屋の食堂でご飯を食べてそのまま泊まりましょう」

「それは凄く助かります……ですが騎士様?大丈夫なのでしょうか?私達を助ける為に無茶をしてましたよね……」

「無茶なんてしたっけ?」

「いや、してましたよね……商隊を壊滅させるなんて……いつ憲兵が来てもおかしくないですよ?大丈夫ですか?」

「大丈夫だと思うよ……皆死んでるし、訴える人いないなら憲兵も来ないでしょ……ところで貴女の名前を聞いてもいいですか?」

「えっと私ですか?私はカーラ・ キュリーって言います……」

「なら、カーラさんとりあえず皆さんには今言った通り宿屋に行くのでついて来てもられる様に指示してもらっていいですか?」

「えっ!私がですか?」

「丁度話しかけたのがカーラさんでしたし、一応リーダー的な人がいないと困るんで……めんどいし」

「あの……今めんどいとかいいませんでしたか?」

「えっ?言ってた?」

「はい……あのー本当に私達ご迷惑になりませんか?」

「ならないですよ、めんどいってのは色々とこの先の事を考えるとって事と口癖みたいなものなので気にしないでください……」

「分かりました。では宿屋に行きましょう」


ファヴレットに言われたカーラは他の皆にも話しをして、ファヴレットについていく様に言う。

皆不安そうにしてはいたが他に行く先もないので、納得したようだった。

しかし、子供達はとても不安そうにしていた。

そうこうして、宿屋に到着する。

しかも、ファヴレットが選んだのはどう見てもランクの高い宿屋である。


「おばちゃん。えっと女性6人に子供8人と後俺は個室がいいんだけど部屋空いてる?」

「女性は3人部屋を二つで、子供達は大部屋かね……丁度大部屋は8人部屋だからいいと思うよ?個室は……空きまだあったよ。しかし

、大所帯だねぇ……料金高いけど大丈夫かい?若い騎士さん。家は一応上位の宿屋だから高いよ?」

「お金の心配ならしないでいいよ。それより、しばらく滞在したいんだけどいいかな?3食付けて欲しいんだけど?」

「3食付きね……1人銀貨1枚と銅貨20枚かかるけどいいね?」

「了解。それでいいよ。ただ。今日の夜ご飯は悪いんだけど今から食べさせて貰えないかな?」

「しょうがないねぇ……ただし、別料金になるからね。普段の食堂のメニューがあるからそれから注文しておくれ」

「分かりました助かります」


ファヴレットは宿屋と話しを付けると皆に報告する。

早速食堂で遅めの晩御飯を食べるファヴレット達であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...