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第一章Downerな日々に祝福を!!
第四話 魔王様の慈善活動
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皆様お初です。
小説家になろうで始めて小説を書いてから一年ちょい経ちました。
今回魔王様は今日もDownerでアルファポリスデビューいたしました。
元々ゲームのシナリオ書いてたので文章が大変読みづらいと感想を頂いて気をつけても治らない……
筆者の永澄水樹(ながすみみずき)と言います。
現在ブログもスタートする準備をしていて、SNSにも本格参戦するつもりです。
1人でも多くの人と作品を通じて繋がれると嬉しいです。
さて、前書きが長くなりましたが、これからもよろしくお願いします。
ちなみに感想はどんなに簡単な事や一言でも返事をし、作品に活かすつもりですので、気軽に感想下さい。
ブックマークも増えるとやる気出まくります。
最後に作者の弱点か長所か分かりませんが兎に角長文になりやすい傾向にあるので、長いなと思ったら注意をしてくれると助かります。
PS.小説家になろうで連載してる通称神超は基本1話13000文字を基準にしてるので、かなり長文です(笑)
6月26日に本文の登場人物を修正いたしました。
魔族の女性の名前がこの後の話に出てくる登場人物の名前になってたのを修正いたしました。
アニータさんは聖王都のリーダーになってもらう女性用の名前だったのについうっかり、間違えて使ってしまいました……余ってる名前と勘違いいたしましたwΣ(ノ≧?≦)てへぺろ
以下本文
夜の食堂は皆の笑い声や鳴き声など様々な声で埋め尽くされていた。
ファヴレットが皆にこれから食事をする事を伝える。
すると皆がどうしたらいいのか悩むのだが、ファヴレットは皆に言う。
「皆、今日は疲れただろ?乙ー。というわけで今から食事タイムです。好きなものじゃんじゃん食べていいからね!遠慮はナッシングで」
ファヴレットがそう告げるのだが女性陣は悩み顔で子供達を見ていた。
「あれ?皆注文しないの?」
「えっと騎士様?」
「騎士様って……俺はファヴレットだ。好きに呼んでくれ」
「ではファヴレット様……食事できるのは嬉しいのですが、子供達は文字が読めない子も居ますので注文が出来ないんです」
「えっと……そうか、文字読めないのか……もしかして女性の方でも読めない方いたりする?」
ファヴレットがそう言うと、3名程が手を上げた。
「うっ……そこまで気が回らんかった。じゃあ、文字が読める女性の方が皆の注文してもらってもいいですか?」
「分かりました。私も協力します」
カーラはどうやら文字が読めるようで協力を申し出てくれた。
「えっと、私も協力します」
「わっ、私も」
他に2名の女性も協力してくれるようだった。
それからはどんどん話が進んで行った。
ファヴレットがとりあえず、メニューの全部持ってきてくれると注文したのが始まりの合図であった。
皆その注文に驚いていたが、遠慮しなくていいと判断したようで、どんどん注文が始まる。
そして、料理が運ばれてくると子供達は大騒ぎである。
奴隷になるような子供達である、目の前のご馳走は今まで体験した事の無いものなのだ。
女性陣6人も驚いていた。
流石に女性陣もこの豪華さは味わったことが無い様である。
ファヴレットは異空間からついでにポテチとレモンスカッシュを取り出す。
皆最初は謎の物体であるポテチやレモンスカッシュに驚いていたが食し始めてからは早かった。
あっという間にポテチとレモンスカッシュは皆の腹の中に消えたのであった。
ちなみに女性陣のレモンスカッシュはアルコールを入れておいた。
なので、女性陣はすっかり出来上がっていた。
「ファヴレットさまーありがとうございましたー」
「ファヴレット様ありがとー」
「ファヴレット様サイコー」
「ファヴレット様バンザイ」
「ファヴレット様ーファヴレット様ー」
「うっく、ファヴ……レット様」
6名の女性はファヴレットを囲んでファヴレットを称えていた。
子供達は料理をお腹いっぱいまで詰め込まんともうめちゃくちゃに食事を続けている。
こうして、しばらく経ち、皆がお腹いっぱいになった所で、皆で寝室に移動する。
子供達を女性達と手分けして寝付かせ、ファヴレットも自室で寝ようと移動を開始する。
すると近くに来たカーラにお礼を言われる。
「ファヴレット様有難う御座いました」
「気にしないでいいですよ。ただ、あんな理不尽が許せなかっただけですから」
「それでもありがとうと言わせてください……ありがとうございます」
「だから気にしないでいいって、カーラさん達の運がよかっただけですって。世の中運ですよ」
「運ですか……そうですね……」
するとカーラが泣き始める。
慌ててファヴレットは慰めるが、直ぐに笑顔を見せてくれたので安心した。
しかし、カーラはまた暗い顔をする。
気になったファヴレットは聞いてみる。
「折角笑顔になったのにまた暗い顔になってるぞ?」
「すみません……今のこの状況を考えると嬉しい半面不安で……私達女性6人はいいです……ですが子供達の事を考えると……」
「そっか、子供達の事ね。ふーむ……孤児院が難しいとなると……それに女性達の心も擦れてるから直ぐに仕事は難しいし……ならいっその事」
「どうしたんですか?ファヴレット様」
「いや、ちょっとした妙案が有ってね。詳しい事はまた後日話すからカーラさんも休んでください」
「そうですか?」
ファヴレットはそう告げた後、自室に戻って考える。
仕事のない元奴隷にされそうだった女性6人。
また同じように奴隷になる筈だった子供達……。
孤児院は一杯で入れない……ならいっそ孤児院を作ってしまえばいいのでは?
ファヴレットは新しく孤児院を創り、その孤児院のスタッフとして女性達を雇う方針を決めた。
人身売買された者は同じような目にあった者にしか理解できないのではという事もこの方針にファヴレットを導いた。
それからは、ファヴレットの行動は早かった。
次の日からカーラに宿屋で皆で待機しててくれと告げると、ファヴレットは空を飛びながら、孤児院を作るのに良さそうな場所を探し始める。
結局、やはり孤児院って言ったら丘の上だろと、謎の思考で丘の上に孤児院を作る事にする。
まず、商業ギルドに行き土地の所有者の確認をする。
その後すぐさま、土地の購入について話が始まる。
丘の上にかなり大きめの施設をつくるので、土地は広めに購入。
金貨は28枚で購入が成立。
次に商業ギルドで建設業者を紹介してもらい、ファヴレットの考える孤児院を図面に起こす。
孤児院は入ってすぐが礼拝堂になっており、左側が生活空間で、右側が勉強する為の学校にした。
ファヴレットが礼拝堂を作ったのはやはり、皆、心の寄り代が必要だろうと考えたからと、孤児院と言ったらやっぱり教会?
みたいなファヴレット独特の思考で決定。
ちなみに学校を併設したのは、奴隷商人につれられていた子供達は皆字が読めないようだったので、最低限の学力を付けさせる為である。
結局、図面はどんどん大きくなり、業者にこれはかなりの仕事になると言われてしまう。
しかし、時間がないので大急ぎでと、注文したので結局5個もの業者の共同建築になった。
掛かった資金は金貨320枚……アホみたいにでかくしたらこれだけかかると言われた。
特急料金に、指定家具購入代金がかかり、3階建てという注文のせいである。
子供達が大きくなった時の為に鍛練場や運動場なども作る。
さらに、井戸や馬小屋に鶏小屋も作ってもらう予定である。
馬も小屋が立った後で馬車を引くように2頭手配して、乗馬練習用に後6頭は入る予定である。
肝心の馬車は、馬車専門業者で金貨10枚で超高級馬車を買っておいた。
そんなこんなで魔王であるファヴレットは孤児院経営という慈善事業開始の為に急いで支度をした。
理由としてはファヴレットは学校へ通う為の旅の途中であり、この街からすぐにでも出ていかないといけないからである。
最後にファヴレットはカーラの所に戻り、人を雇うので一緒に見定めて欲しいと、連れ出した。
カーラは最初はビクビクしながらファヴレットについて来たが今では平常心に戻ったようだ。
ただ一つ困った事はカーラがファヴレットの腕に抱きついた状態でついてくるので二つのたわわな果実が押し付けられてヘブン状態なのである。
ファヴレットとしては美味しく頂くのもいいのではと考えているが、流石に助けた借りに抱くのは紳士的ではないと考え断念していた。
Downerなファヴレットにしては働きすぎな位に働いているのでそんなささやかなプレゼントをもらっても良さそうだが、ファヴレットは漢気溢れるいい奴であった……魔王だが。
結局、カーラを連れて商業ギルドで勉強を教えられる教職員(女性限定)を見繕ってもらい、孤児院のマザー的役割も担える人材を探した。
しかし、教職員は見つかったがマザー的なのは見つからなかったので、いっそカーラにマザーになって貰おうと考えた。
それを言うとカーラは慌て出す。
「ファヴレット様!マザーとか私には無理ですよ!」
「でも今リーダー的なポジションにも付いていますし……それに教会を併設してますが信仰する宗教はぶっちゃけないですし……」
「ファヴレット様のなさってる宗教でいいのではないですか?」
「俺?俺は特に宗教やってないし……というかどんな宗教がメジャーなの?」
「ロレーヌ教とかですかね……後はケーテ教等ですかね。私は一応ロレーヌ教の家でしたけど」
「ロレーヌ教?確か人間が世界の大半を平定してた時に盛んだった宗教だよな?あそこは今勇者を沢山作り出して妥当魔族を掲げてた気が……」
「そうですね……そう言えば助けていただいた女性の1人マグ・サッチャーさんは魔族だそうです……そうなるとロレーヌ教はダメですね」
「そうだな、ダメだな。(俺魔王だし、モロ狙われてるからな)それじゃあケーテ教か?」
「ケーテ今日は人間も魔族も亜人族も生き物皆平等に祝福すると言ってる宗教ですね」
「いい感じだな。他にはなにか言ってるのか?」
「争いの種の殲滅。それは魔王だけでなく、争いを起こす神々をも倒すと言ってるそうです」
「ふーむ(魔王を倒すってなると俺倒されないといけないな……それは流石にゴメンだ)やっぱりどっちも微妙だし新しく創ちゃうか」
「それも1つの選択肢だと思いますよ?」
結局、ファヴレットは新しい宗教と教会と孤児院を作る事になってしまった。
すぐさま案を練り、宗教はルナ教として作る事にした。
ファヴレットは月が厨二病的視点で好きだったので月の女神の名を借りたのだ。
そして、教会の教皇はカーラに頼んだが自分でしてくださいと言われたのでファヴレットが就任。
暫定として、現在の女性6人を大神官の役職に付けると発表した。
ちなみに、大神官ですら荷が重いとカーラに怒られたがゴリ押しで決めた。
こうして新宗教ルナ教はスタートしたのである。
ちなみに教典はないので、ファヴレットが6人を集めて話し聞かせた事がこの宗教の基盤になる。
とりあえず、ファヴレットが指示したのは生き物は皆平等や食べ物への感謝等、日本人が考えつくであろう、道徳的な宗教になってしまった。
後、念押ししたのは魔王であろうと神であろうと、皆平等に裁かれると教え込んだ。
自分が魔王とばれた時に打倒魔王等となっては困るからである。
こうしてあっという間に何日も過ぎて、いよいよ、ファヴレットは皆に旅に出なければならない事を告げる。
最初は子供達が泣き出してしまったが、女性達になだめられてなんとか泣き止む。
しかし、女性陣も皆涙目でファヴレットを見て居た。
なのでファヴレットはこれが今生の別れではないのでまた会えると伝え、なんとか皆に笑ってもらおうとする。
ちなみに、お金はカーラに商業ギルドで登録してもらって、銀行口座を作りそこにミスリル貨50枚と金貨5000枚程ぶち込んでおいた。
最初その額を聞いたカーラは卒倒しそうで(卒倒した)あったがなんとか事情を説明して、納得させた。
その理由とは他の孤児院に溢れてしまってる子供の引取りや、悪質な奴隷商人に売られそうになっている人をお金で救って欲しいとのファヴレットの考えからである。
結局、日本円で100億円ほど渡しておいたが、これでも少ないかもと思うファヴレットとしては心配が一杯である。
奴隷でも凄い値段が付く時があり、金貨十数枚というのもあると聞いてたので、ファヴレットはもうちょっとお金置いてこうかとも考えたがカーラが泣き顔(マジ泣き)していたので諦めた。
そして、ファヴレットが全ての手続きを終えて、いよいよ旅に出ると皆に告げた。
「皆、今日までありがとう。俺としても皆と居れて楽しかった。女性陣の方々、子供達をお願いします」
「いえ、大丈夫です。これからはしっかりやってこうと思います。子供達も任せてください」
「カーラさんそれじゃあお願いします。所で、学校でおすすめの所ってありますか?」
「学校ですか?ファヴレット様は今何歳ですか?」
「15歳ですけど?」
「なら、聖王都に本拠地を構えている、フェイエノール総合戦技学園とかいいんじゃないでしょうか?」
「戦技学園ですか?」
「なんでも、国に属さず、冒険者ギルド、魔術ギルド、商業ギルドの共同出資で作られた学園で、剣でも魔法でもペンでも戦える生徒を育成するのを目的にしてるそうです」
「へぇー面白そうですね……ではそこ目指して旅に出ることにします」
「道中お気をつけてください」
「それでは皆さん、また様子を見に来るのでその時には皆が平和に暮らせてる事を祈ってますね。では」
そう言うとファヴレットは重力制御魔法で空に飛び上がり、光学迷彩で姿を消して旅立った。
ちなみに、ファヴレットが空をいきなり飛び始めたので下では大パニックになっていた。
「ファヴレット様空も飛べたんだ……姿も消えるし……一体何者だったのかな?」
カーラ達のパニックも知らずに、こうしてファヴレットは聖王都のフェイエノール総合戦技学園に向けて旅立った。
小説家になろうで始めて小説を書いてから一年ちょい経ちました。
今回魔王様は今日もDownerでアルファポリスデビューいたしました。
元々ゲームのシナリオ書いてたので文章が大変読みづらいと感想を頂いて気をつけても治らない……
筆者の永澄水樹(ながすみみずき)と言います。
現在ブログもスタートする準備をしていて、SNSにも本格参戦するつもりです。
1人でも多くの人と作品を通じて繋がれると嬉しいです。
さて、前書きが長くなりましたが、これからもよろしくお願いします。
ちなみに感想はどんなに簡単な事や一言でも返事をし、作品に活かすつもりですので、気軽に感想下さい。
ブックマークも増えるとやる気出まくります。
最後に作者の弱点か長所か分かりませんが兎に角長文になりやすい傾向にあるので、長いなと思ったら注意をしてくれると助かります。
PS.小説家になろうで連載してる通称神超は基本1話13000文字を基準にしてるので、かなり長文です(笑)
6月26日に本文の登場人物を修正いたしました。
魔族の女性の名前がこの後の話に出てくる登場人物の名前になってたのを修正いたしました。
アニータさんは聖王都のリーダーになってもらう女性用の名前だったのについうっかり、間違えて使ってしまいました……余ってる名前と勘違いいたしましたwΣ(ノ≧?≦)てへぺろ
以下本文
夜の食堂は皆の笑い声や鳴き声など様々な声で埋め尽くされていた。
ファヴレットが皆にこれから食事をする事を伝える。
すると皆がどうしたらいいのか悩むのだが、ファヴレットは皆に言う。
「皆、今日は疲れただろ?乙ー。というわけで今から食事タイムです。好きなものじゃんじゃん食べていいからね!遠慮はナッシングで」
ファヴレットがそう告げるのだが女性陣は悩み顔で子供達を見ていた。
「あれ?皆注文しないの?」
「えっと騎士様?」
「騎士様って……俺はファヴレットだ。好きに呼んでくれ」
「ではファヴレット様……食事できるのは嬉しいのですが、子供達は文字が読めない子も居ますので注文が出来ないんです」
「えっと……そうか、文字読めないのか……もしかして女性の方でも読めない方いたりする?」
ファヴレットがそう言うと、3名程が手を上げた。
「うっ……そこまで気が回らんかった。じゃあ、文字が読める女性の方が皆の注文してもらってもいいですか?」
「分かりました。私も協力します」
カーラはどうやら文字が読めるようで協力を申し出てくれた。
「えっと、私も協力します」
「わっ、私も」
他に2名の女性も協力してくれるようだった。
それからはどんどん話が進んで行った。
ファヴレットがとりあえず、メニューの全部持ってきてくれると注文したのが始まりの合図であった。
皆その注文に驚いていたが、遠慮しなくていいと判断したようで、どんどん注文が始まる。
そして、料理が運ばれてくると子供達は大騒ぎである。
奴隷になるような子供達である、目の前のご馳走は今まで体験した事の無いものなのだ。
女性陣6人も驚いていた。
流石に女性陣もこの豪華さは味わったことが無い様である。
ファヴレットは異空間からついでにポテチとレモンスカッシュを取り出す。
皆最初は謎の物体であるポテチやレモンスカッシュに驚いていたが食し始めてからは早かった。
あっという間にポテチとレモンスカッシュは皆の腹の中に消えたのであった。
ちなみに女性陣のレモンスカッシュはアルコールを入れておいた。
なので、女性陣はすっかり出来上がっていた。
「ファヴレットさまーありがとうございましたー」
「ファヴレット様ありがとー」
「ファヴレット様サイコー」
「ファヴレット様バンザイ」
「ファヴレット様ーファヴレット様ー」
「うっく、ファヴ……レット様」
6名の女性はファヴレットを囲んでファヴレットを称えていた。
子供達は料理をお腹いっぱいまで詰め込まんともうめちゃくちゃに食事を続けている。
こうして、しばらく経ち、皆がお腹いっぱいになった所で、皆で寝室に移動する。
子供達を女性達と手分けして寝付かせ、ファヴレットも自室で寝ようと移動を開始する。
すると近くに来たカーラにお礼を言われる。
「ファヴレット様有難う御座いました」
「気にしないでいいですよ。ただ、あんな理不尽が許せなかっただけですから」
「それでもありがとうと言わせてください……ありがとうございます」
「だから気にしないでいいって、カーラさん達の運がよかっただけですって。世の中運ですよ」
「運ですか……そうですね……」
するとカーラが泣き始める。
慌ててファヴレットは慰めるが、直ぐに笑顔を見せてくれたので安心した。
しかし、カーラはまた暗い顔をする。
気になったファヴレットは聞いてみる。
「折角笑顔になったのにまた暗い顔になってるぞ?」
「すみません……今のこの状況を考えると嬉しい半面不安で……私達女性6人はいいです……ですが子供達の事を考えると……」
「そっか、子供達の事ね。ふーむ……孤児院が難しいとなると……それに女性達の心も擦れてるから直ぐに仕事は難しいし……ならいっその事」
「どうしたんですか?ファヴレット様」
「いや、ちょっとした妙案が有ってね。詳しい事はまた後日話すからカーラさんも休んでください」
「そうですか?」
ファヴレットはそう告げた後、自室に戻って考える。
仕事のない元奴隷にされそうだった女性6人。
また同じように奴隷になる筈だった子供達……。
孤児院は一杯で入れない……ならいっそ孤児院を作ってしまえばいいのでは?
ファヴレットは新しく孤児院を創り、その孤児院のスタッフとして女性達を雇う方針を決めた。
人身売買された者は同じような目にあった者にしか理解できないのではという事もこの方針にファヴレットを導いた。
それからは、ファヴレットの行動は早かった。
次の日からカーラに宿屋で皆で待機しててくれと告げると、ファヴレットは空を飛びながら、孤児院を作るのに良さそうな場所を探し始める。
結局、やはり孤児院って言ったら丘の上だろと、謎の思考で丘の上に孤児院を作る事にする。
まず、商業ギルドに行き土地の所有者の確認をする。
その後すぐさま、土地の購入について話が始まる。
丘の上にかなり大きめの施設をつくるので、土地は広めに購入。
金貨は28枚で購入が成立。
次に商業ギルドで建設業者を紹介してもらい、ファヴレットの考える孤児院を図面に起こす。
孤児院は入ってすぐが礼拝堂になっており、左側が生活空間で、右側が勉強する為の学校にした。
ファヴレットが礼拝堂を作ったのはやはり、皆、心の寄り代が必要だろうと考えたからと、孤児院と言ったらやっぱり教会?
みたいなファヴレット独特の思考で決定。
ちなみに学校を併設したのは、奴隷商人につれられていた子供達は皆字が読めないようだったので、最低限の学力を付けさせる為である。
結局、図面はどんどん大きくなり、業者にこれはかなりの仕事になると言われてしまう。
しかし、時間がないので大急ぎでと、注文したので結局5個もの業者の共同建築になった。
掛かった資金は金貨320枚……アホみたいにでかくしたらこれだけかかると言われた。
特急料金に、指定家具購入代金がかかり、3階建てという注文のせいである。
子供達が大きくなった時の為に鍛練場や運動場なども作る。
さらに、井戸や馬小屋に鶏小屋も作ってもらう予定である。
馬も小屋が立った後で馬車を引くように2頭手配して、乗馬練習用に後6頭は入る予定である。
肝心の馬車は、馬車専門業者で金貨10枚で超高級馬車を買っておいた。
そんなこんなで魔王であるファヴレットは孤児院経営という慈善事業開始の為に急いで支度をした。
理由としてはファヴレットは学校へ通う為の旅の途中であり、この街からすぐにでも出ていかないといけないからである。
最後にファヴレットはカーラの所に戻り、人を雇うので一緒に見定めて欲しいと、連れ出した。
カーラは最初はビクビクしながらファヴレットについて来たが今では平常心に戻ったようだ。
ただ一つ困った事はカーラがファヴレットの腕に抱きついた状態でついてくるので二つのたわわな果実が押し付けられてヘブン状態なのである。
ファヴレットとしては美味しく頂くのもいいのではと考えているが、流石に助けた借りに抱くのは紳士的ではないと考え断念していた。
Downerなファヴレットにしては働きすぎな位に働いているのでそんなささやかなプレゼントをもらっても良さそうだが、ファヴレットは漢気溢れるいい奴であった……魔王だが。
結局、カーラを連れて商業ギルドで勉強を教えられる教職員(女性限定)を見繕ってもらい、孤児院のマザー的役割も担える人材を探した。
しかし、教職員は見つかったがマザー的なのは見つからなかったので、いっそカーラにマザーになって貰おうと考えた。
それを言うとカーラは慌て出す。
「ファヴレット様!マザーとか私には無理ですよ!」
「でも今リーダー的なポジションにも付いていますし……それに教会を併設してますが信仰する宗教はぶっちゃけないですし……」
「ファヴレット様のなさってる宗教でいいのではないですか?」
「俺?俺は特に宗教やってないし……というかどんな宗教がメジャーなの?」
「ロレーヌ教とかですかね……後はケーテ教等ですかね。私は一応ロレーヌ教の家でしたけど」
「ロレーヌ教?確か人間が世界の大半を平定してた時に盛んだった宗教だよな?あそこは今勇者を沢山作り出して妥当魔族を掲げてた気が……」
「そうですね……そう言えば助けていただいた女性の1人マグ・サッチャーさんは魔族だそうです……そうなるとロレーヌ教はダメですね」
「そうだな、ダメだな。(俺魔王だし、モロ狙われてるからな)それじゃあケーテ教か?」
「ケーテ今日は人間も魔族も亜人族も生き物皆平等に祝福すると言ってる宗教ですね」
「いい感じだな。他にはなにか言ってるのか?」
「争いの種の殲滅。それは魔王だけでなく、争いを起こす神々をも倒すと言ってるそうです」
「ふーむ(魔王を倒すってなると俺倒されないといけないな……それは流石にゴメンだ)やっぱりどっちも微妙だし新しく創ちゃうか」
「それも1つの選択肢だと思いますよ?」
結局、ファヴレットは新しい宗教と教会と孤児院を作る事になってしまった。
すぐさま案を練り、宗教はルナ教として作る事にした。
ファヴレットは月が厨二病的視点で好きだったので月の女神の名を借りたのだ。
そして、教会の教皇はカーラに頼んだが自分でしてくださいと言われたのでファヴレットが就任。
暫定として、現在の女性6人を大神官の役職に付けると発表した。
ちなみに、大神官ですら荷が重いとカーラに怒られたがゴリ押しで決めた。
こうして新宗教ルナ教はスタートしたのである。
ちなみに教典はないので、ファヴレットが6人を集めて話し聞かせた事がこの宗教の基盤になる。
とりあえず、ファヴレットが指示したのは生き物は皆平等や食べ物への感謝等、日本人が考えつくであろう、道徳的な宗教になってしまった。
後、念押ししたのは魔王であろうと神であろうと、皆平等に裁かれると教え込んだ。
自分が魔王とばれた時に打倒魔王等となっては困るからである。
こうしてあっという間に何日も過ぎて、いよいよ、ファヴレットは皆に旅に出なければならない事を告げる。
最初は子供達が泣き出してしまったが、女性達になだめられてなんとか泣き止む。
しかし、女性陣も皆涙目でファヴレットを見て居た。
なのでファヴレットはこれが今生の別れではないのでまた会えると伝え、なんとか皆に笑ってもらおうとする。
ちなみに、お金はカーラに商業ギルドで登録してもらって、銀行口座を作りそこにミスリル貨50枚と金貨5000枚程ぶち込んでおいた。
最初その額を聞いたカーラは卒倒しそうで(卒倒した)あったがなんとか事情を説明して、納得させた。
その理由とは他の孤児院に溢れてしまってる子供の引取りや、悪質な奴隷商人に売られそうになっている人をお金で救って欲しいとのファヴレットの考えからである。
結局、日本円で100億円ほど渡しておいたが、これでも少ないかもと思うファヴレットとしては心配が一杯である。
奴隷でも凄い値段が付く時があり、金貨十数枚というのもあると聞いてたので、ファヴレットはもうちょっとお金置いてこうかとも考えたがカーラが泣き顔(マジ泣き)していたので諦めた。
そして、ファヴレットが全ての手続きを終えて、いよいよ旅に出ると皆に告げた。
「皆、今日までありがとう。俺としても皆と居れて楽しかった。女性陣の方々、子供達をお願いします」
「いえ、大丈夫です。これからはしっかりやってこうと思います。子供達も任せてください」
「カーラさんそれじゃあお願いします。所で、学校でおすすめの所ってありますか?」
「学校ですか?ファヴレット様は今何歳ですか?」
「15歳ですけど?」
「なら、聖王都に本拠地を構えている、フェイエノール総合戦技学園とかいいんじゃないでしょうか?」
「戦技学園ですか?」
「なんでも、国に属さず、冒険者ギルド、魔術ギルド、商業ギルドの共同出資で作られた学園で、剣でも魔法でもペンでも戦える生徒を育成するのを目的にしてるそうです」
「へぇー面白そうですね……ではそこ目指して旅に出ることにします」
「道中お気をつけてください」
「それでは皆さん、また様子を見に来るのでその時には皆が平和に暮らせてる事を祈ってますね。では」
そう言うとファヴレットは重力制御魔法で空に飛び上がり、光学迷彩で姿を消して旅立った。
ちなみに、ファヴレットが空をいきなり飛び始めたので下では大パニックになっていた。
「ファヴレット様空も飛べたんだ……姿も消えるし……一体何者だったのかな?」
カーラ達のパニックも知らずに、こうしてファヴレットは聖王都のフェイエノール総合戦技学園に向けて旅立った。
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