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第一章 普通の僕
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僕は普通ではない。何故なら僕は僕として今存在しているのだから、大丈夫。今日もそう言い聞かせる。本当は普通だなんて百も承知だ。普通の公立高校に通う普通の高校ニ年生。成績は並程度で友達はいるが親友はいない。友達も現在所属しているバトミントン部の数人だ。(それが悪いとまではおもはないが)恋人もいないし好きな人もいない。何故普通でないと言い聞かせているのか自分でもわからないくらい特別な存在になろうとせずただ毎日を過ごす普通の高校生、それが僕。ただそんな僕はこの世界ではやっていけない。多様性が重視され、個性が求められる時代に普通の子など役に立たないからだ。そもそも多様性の意義とはなんだ。この世界数十億人の中で個性を出せって無理に決まってるだろ。ていうか、普通の定義ってなんだ。そこがあやふやなのに個性を求めろって…そんな文句を頭の中で言いながら今日も毎日を過ごす。普通でいたくない。見えない、形もない不安が僕を飲み込む。だからといって特別だと言い聞かせても無駄なのだけれど。
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