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マーレイ公爵家に騎士たちが到着した。
「聖女ビオンヌはいらっしゃいますか」
主任騎士が声をかけると執事が
出て来た
「どのようなご要件でしょう」
「国王陛下よりすぐに宮に入るよう
命がありました」
「この土砂降りの中ですか」
主任騎士は落ち着いて言った
「土砂降りだからお呼びなのです」
執事は騎士を睨みながら言った
「くれぐれもお嬢様が風邪などを
引かぬように頼みますよ。
しばしお待ちを」
執事はビオンヌに伝えた。
「わかったわ。支度をお願い」
ビオンヌは使用人たちに
着替え、メイクを入念にして。と言い
準備をした。
全く冗談じゃないわよ
こんな土砂降りが続く中でさぁ
お気に入りドレスが濡れたら
どうするのよ…
そもそも神託だの祈りだの私の担当じゃ
ないんだけど!
あの女にやらせればいいじゃない!
本当に役たたずよね!
あっ!いけない
そろそろ切れちゃうかしら?
一応 持って行こう
ビオンヌは使用人を部屋から出すと
小さな小瓶をドレスのポケットに
忍ばせた。
半分ぐらいしか残ってないけれど、
無いよりはいいわよね。
エントランスに向かうと外で
びしょ濡れになって待っている
騎士たちが見えた。
やだ、馬鹿じゃないの?
まさか馬車に乗らないわよねぇ…
騎士が差し伸べた手を無視して
執事がさす傘の下をゆっくり歩きながら
馬車に乗り込んだ。
雨風に打たれていた騎士を見て
「騎士ってもっと素敵だと思っていたけど
大雨の中30分以上 立って
待っているなんてカッコ悪くて
目も当てられないわ」
そう言った。
ビオンヌを乗せた馬車が王宮に到着して
皆が「待っておりました」と言わんばかりに
出迎えると
それから機嫌が良くなった。
ふふっ、コレよコレっ!
さぁ美しい私を崇めなさいな。
聖女ビオンヌのお通りですわよ
王宮侍女たちがビオンヌを囲もうと
した時だった
「あっ!」
事もあろうことに1人の侍女が
ビオンヌに近づいてしまい慌てて
避けるとビオンヌも身体を大きく
反らして避けた。
見ていた王太子がサッとビオンヌに
駆け寄ると一瞬歪めた顔を戻し
「あら、王太子殿下が迎えてくださる
なんて光栄ですわ」
と微笑んだ。
侍女はすぐに跪いて頭を下げた。
「申し訳ございません」
「ちょっと侍女と話をするから
先に向かってくれますか?
すぐに追いつきますので」
王太子がビオンヌに微笑むと
「わかりましたわ」と
謁見室に向かって歩き出した。
ビオンヌのドレスポケットから
飛び出た小さな瓶を拾い
見つめた。
これは何だ?どこかで見た記憶が…
王太子は頭を下げていた侍女に
「これを至急調べてるようジルバードに
持って行ってくれ」
と手渡した。
侍女は瓶を受け取ると
すぐに指示に従った。
王太子がビオンヌの隣に立った
「急に呼びたててすまない
同行させてもらうよ」
ビオンヌはエスコートされながら
部屋に入った。
【西帝国】
深夜 アベルは父と向かい合って座り
言葉を考えていた。
「なんだ大事な話しではないのか?」
「はい、大事な話しですが
大事すぎてどう話すのが良いか
迷っています」
? 「何だ お前らしくないな
いつも通りにハッキリと言って
構わないぞ」
陛下はワイングラスをクルクル回しながら
一口含んだ時にアベルは言った
「探している聖女は今、我が国に居ます」
「んふっ?!」ブフォッ……
含んだばかりのワインを吹きながら
目を丸くしてアベルを見て固まった。
「昨夜
勇者の森 近く夜間立ち入り禁止区域で
爆睡している女性を発見し保護。
調書を取ればジャラス王国が発行した
聖女の証、身分証明書を持っていました
ディアターナと言う名前です」
調べた資料を見せた
「彼女はジャラスにて何やら
理不尽な扱いを受けていたようで
国には帰りたくないと言い
さらにジャラスに居場所を知られたくない
と言ってきました」
「伯爵令嬢か……
しかしだその娘が言った事が本当なのか
裏は取ったのか」
「はい、彼女を連れて勇者の石碑に
行きましたが、、彼女は
コリーアンナと話し更に
石碑を指でなぞった場所が光り
文字が浮かんだのです。
我々には読めませんでしたが
古代語のようでした。
私 以外にもその場にいた者が
目撃しています」
「俄に信じられんな」
「自分としては父上と話してもらい
彼女の身柄をどうするか決めて頂きたいと
思っています」
「うむっ…早急に会えるか」
「今、森の出張所にて保護して
いますので明日にでも連れて来る事は
可能だと思います」
「わかった。
明後日ならば予定を空けられると思う
出来るだけ早く会おう」
「わかりました。
明日 身柄をこちらに移します」
「とりあえず客人として迎えよう」
「はい」
アベルと陛下の話が終わると
すぐに準備を進めた。
翌朝
アベルは秘書官を呼んだ
「明日に聖女と陛下が会う予定だ。
あくまでも客人として迎え
聖女である事は陛下の判断を待つため
伏せておくように。
部屋は1番近い要人使用で頼む」
「かしこまりました」
秘書官はアベルが去ると
1番近い要人の部屋かぁーと
ニヤついてしまった。
なぜならば本来その部屋は
アベルの婚約者が使用する
部屋だったからだ。
続く
「聖女ビオンヌはいらっしゃいますか」
主任騎士が声をかけると執事が
出て来た
「どのようなご要件でしょう」
「国王陛下よりすぐに宮に入るよう
命がありました」
「この土砂降りの中ですか」
主任騎士は落ち着いて言った
「土砂降りだからお呼びなのです」
執事は騎士を睨みながら言った
「くれぐれもお嬢様が風邪などを
引かぬように頼みますよ。
しばしお待ちを」
執事はビオンヌに伝えた。
「わかったわ。支度をお願い」
ビオンヌは使用人たちに
着替え、メイクを入念にして。と言い
準備をした。
全く冗談じゃないわよ
こんな土砂降りが続く中でさぁ
お気に入りドレスが濡れたら
どうするのよ…
そもそも神託だの祈りだの私の担当じゃ
ないんだけど!
あの女にやらせればいいじゃない!
本当に役たたずよね!
あっ!いけない
そろそろ切れちゃうかしら?
一応 持って行こう
ビオンヌは使用人を部屋から出すと
小さな小瓶をドレスのポケットに
忍ばせた。
半分ぐらいしか残ってないけれど、
無いよりはいいわよね。
エントランスに向かうと外で
びしょ濡れになって待っている
騎士たちが見えた。
やだ、馬鹿じゃないの?
まさか馬車に乗らないわよねぇ…
騎士が差し伸べた手を無視して
執事がさす傘の下をゆっくり歩きながら
馬車に乗り込んだ。
雨風に打たれていた騎士を見て
「騎士ってもっと素敵だと思っていたけど
大雨の中30分以上 立って
待っているなんてカッコ悪くて
目も当てられないわ」
そう言った。
ビオンヌを乗せた馬車が王宮に到着して
皆が「待っておりました」と言わんばかりに
出迎えると
それから機嫌が良くなった。
ふふっ、コレよコレっ!
さぁ美しい私を崇めなさいな。
聖女ビオンヌのお通りですわよ
王宮侍女たちがビオンヌを囲もうと
した時だった
「あっ!」
事もあろうことに1人の侍女が
ビオンヌに近づいてしまい慌てて
避けるとビオンヌも身体を大きく
反らして避けた。
見ていた王太子がサッとビオンヌに
駆け寄ると一瞬歪めた顔を戻し
「あら、王太子殿下が迎えてくださる
なんて光栄ですわ」
と微笑んだ。
侍女はすぐに跪いて頭を下げた。
「申し訳ございません」
「ちょっと侍女と話をするから
先に向かってくれますか?
すぐに追いつきますので」
王太子がビオンヌに微笑むと
「わかりましたわ」と
謁見室に向かって歩き出した。
ビオンヌのドレスポケットから
飛び出た小さな瓶を拾い
見つめた。
これは何だ?どこかで見た記憶が…
王太子は頭を下げていた侍女に
「これを至急調べてるようジルバードに
持って行ってくれ」
と手渡した。
侍女は瓶を受け取ると
すぐに指示に従った。
王太子がビオンヌの隣に立った
「急に呼びたててすまない
同行させてもらうよ」
ビオンヌはエスコートされながら
部屋に入った。
【西帝国】
深夜 アベルは父と向かい合って座り
言葉を考えていた。
「なんだ大事な話しではないのか?」
「はい、大事な話しですが
大事すぎてどう話すのが良いか
迷っています」
? 「何だ お前らしくないな
いつも通りにハッキリと言って
構わないぞ」
陛下はワイングラスをクルクル回しながら
一口含んだ時にアベルは言った
「探している聖女は今、我が国に居ます」
「んふっ?!」ブフォッ……
含んだばかりのワインを吹きながら
目を丸くしてアベルを見て固まった。
「昨夜
勇者の森 近く夜間立ち入り禁止区域で
爆睡している女性を発見し保護。
調書を取ればジャラス王国が発行した
聖女の証、身分証明書を持っていました
ディアターナと言う名前です」
調べた資料を見せた
「彼女はジャラスにて何やら
理不尽な扱いを受けていたようで
国には帰りたくないと言い
さらにジャラスに居場所を知られたくない
と言ってきました」
「伯爵令嬢か……
しかしだその娘が言った事が本当なのか
裏は取ったのか」
「はい、彼女を連れて勇者の石碑に
行きましたが、、彼女は
コリーアンナと話し更に
石碑を指でなぞった場所が光り
文字が浮かんだのです。
我々には読めませんでしたが
古代語のようでした。
私 以外にもその場にいた者が
目撃しています」
「俄に信じられんな」
「自分としては父上と話してもらい
彼女の身柄をどうするか決めて頂きたいと
思っています」
「うむっ…早急に会えるか」
「今、森の出張所にて保護して
いますので明日にでも連れて来る事は
可能だと思います」
「わかった。
明後日ならば予定を空けられると思う
出来るだけ早く会おう」
「わかりました。
明日 身柄をこちらに移します」
「とりあえず客人として迎えよう」
「はい」
アベルと陛下の話が終わると
すぐに準備を進めた。
翌朝
アベルは秘書官を呼んだ
「明日に聖女と陛下が会う予定だ。
あくまでも客人として迎え
聖女である事は陛下の判断を待つため
伏せておくように。
部屋は1番近い要人使用で頼む」
「かしこまりました」
秘書官はアベルが去ると
1番近い要人の部屋かぁーと
ニヤついてしまった。
なぜならば本来その部屋は
アベルの婚約者が使用する
部屋だったからだ。
続く
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