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ガタン!馬車がバウンドして揺れた。
ディアターナはハッとして起きたが
目の前に団長が座っている事を思い出して
頭を下げたまま起きていたフリを
していた。
ギギギギ……
王宮に到着したようだった
勇者の森の出張所を出た時は明るかったが
どうやら日が傾きはじめていたようだ。
馬車は門を進みまだ奥へと入った。
ちょっと、どこまで行くの?
本当に地下牢じゃないわよね…
首が痛いし頭をあげようかな?
でも団長がいるからな…
頭を下げたまま目を開けて
よく見れば、、
団長さんって脚長いなぁ
足も大きいんだ…
ジーッと見ていた。
「さ、ついたぞ」
突然 団長に声をかけられたディアターナが
ビクッと動いた
「はい」 ゆっくりと頭をあげると
目の前の団長がディアターナを見ていた。
寝ていた事がバレたら困る。と
ディアターナはすぐに視線を逸らした。
(バレていた)
馬車が停るとアベルがディアターナに
スっと手を出したがディアターナは
団長が怖くていやだった。
ディアターナは団長に頭を下げると
自分で降りた。
見ていた騎士たちは戸惑いながら
ディアターナを囲んだ。
騎士の1人がアベルに話をしている
「そうか、わかった」
アベルはディアターナに言った
「今日皇帝陛下との謁見を予定していたが
急用により明日になった。
今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ」
「はい」
アベルがコクリと合図をすると
ディアターナの護衛騎士に任命された
騎士たちと侍女がディアターナを
部屋まで案内した。
アベルはディアターナの後ろ姿を
見ながら
「あとは父上次第だからな」と呟いた
「本日よりお嬢様の身の回りを
担当させて頂くシャリーと申します
まずは風呂にご案内し着替えてから
夕食までは自由になりますので
外出希望などがありましたら
私シャリーに申し付けてくださいませ」
「わかりました。
シャリーさんよろしくお願いします」
「はい」
ディアターナは久しぶりの風呂で
まったりしていた。
陛下かぁ、どんな方なんだろう
また聖女の力を道具みたいに
使われたら嫌だなぁー。
ふぅ、、何を聞かれるんだろう。
風呂から出ると侍女たちが
テキパキと仕上げていく
「少し化粧をつけさせて頂きます」
ドレスを久しぶりに着た
ディアターナは鏡を見て喜んだ
「綺麗にして頂きありがとうございます」
「お嬢様は元々が綺麗ですよ。
少し休みますか?」
「散歩は出来ますか」
「はい。
では騎士に伝えて参ります」
ディアターナは庭を歩きながら
過去を思い出していた。
自由に歩けたのは神殿だけ…
出る時は大神官の許可が必要だったし
パーティーぐらいの時しか
神殿から出られなかったなぁー
グィーッ
ディアターナは身体を伸ばして
深呼吸した。
「はぁ、でもまぁ
ここもずっと居たら退屈になるんだ
ろうな……」
庭を歩くディアターナを
2階の窓から見ていたアベルの元に
兄である皇太子ガーディルが来た
「兄上」
「今日はすまなかったな。
どうもジャラスが大変らしくて
国民が聖女批判を始めたようだよ
父上はジャラスの反乱がどうなるか
重鎮たちと話しているんだ」
「そうでしたか」
「ん?」
ガーディルが外を見た
「あれが例の彼女かい?
聖女の様には見えないな、
私の勝手なイメージで判断しては
失礼だな」
アベルは答える
「至って普通の女性ですね。
貴族令嬢という感じでもありませんし」
「そうか、
明日同席させてもらうよ」
「父上が良いなら問題ありませんよ」
「何を他人事みたいに言っているんだ
お前も立ち会うんだからな」
「……」
「どうした?
まぁ明日を楽しみにしているよ」
ガーディルが部屋を出ると
アベルは再び外を見たが
ディアターナの姿は消えていた。
夕食の時
ディアターナは豪華な食事に驚いた
「あの、、多くないですか?
皆さんの分もあるのかなぁ」
侍女は驚いた
「私たちの食事ではありません
お嬢様のためのお料理でございます」
「もしそうならば食べきれないので
パン2切れとスープがあれば十分です」
「「「……!!!」」」
侍女たちの衝撃は計り知れなかった。
アベル殿下の大切な客人
詳しくは聞かされてはいないが
「丁重にもてなすように」と言われた。
爵位の高い家門の令嬢か
もしくはこの先に妃となる可能性がある
令嬢…
パン2切れとスープ……
どうしたら良いのか侍女たちは
悩んだ。
ディアターナがふかふかベッドで
寝息を立て始めた頃
侍女長から報告が入った。
執事も秘書官も もちろんアベルも
パンとスープは衝撃で
それはアベルとガーディルにとって
なぞなぞを解くような感覚だった
「聖女というのは食事に制限がある
のか?聞いた事がないのだが」
「わかりません」
「本人から聞いていないのか」
「聞いていません」
パンとスープ…それは凶悪犯罪者の食事。
少なからず貴族ならば犯罪者でも
肉か魚にサラダが付く
ガーディルは言った
「ジャラスでは虐げられていたのか?
ならば逃げて来たという
主張を理解できるな」
アベルは接してきたディアターナは
天然なのかアホなのかと思っていたが
聖女という立場でありながら
虐げられたならば許せない事だと、、
ディアターナの明るさは
そうしないと生きていけない程
辛いものだったのかと
勝手に思い困惑した。
続く
ディアターナはハッとして起きたが
目の前に団長が座っている事を思い出して
頭を下げたまま起きていたフリを
していた。
ギギギギ……
王宮に到着したようだった
勇者の森の出張所を出た時は明るかったが
どうやら日が傾きはじめていたようだ。
馬車は門を進みまだ奥へと入った。
ちょっと、どこまで行くの?
本当に地下牢じゃないわよね…
首が痛いし頭をあげようかな?
でも団長がいるからな…
頭を下げたまま目を開けて
よく見れば、、
団長さんって脚長いなぁ
足も大きいんだ…
ジーッと見ていた。
「さ、ついたぞ」
突然 団長に声をかけられたディアターナが
ビクッと動いた
「はい」 ゆっくりと頭をあげると
目の前の団長がディアターナを見ていた。
寝ていた事がバレたら困る。と
ディアターナはすぐに視線を逸らした。
(バレていた)
馬車が停るとアベルがディアターナに
スっと手を出したがディアターナは
団長が怖くていやだった。
ディアターナは団長に頭を下げると
自分で降りた。
見ていた騎士たちは戸惑いながら
ディアターナを囲んだ。
騎士の1人がアベルに話をしている
「そうか、わかった」
アベルはディアターナに言った
「今日皇帝陛下との謁見を予定していたが
急用により明日になった。
今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ」
「はい」
アベルがコクリと合図をすると
ディアターナの護衛騎士に任命された
騎士たちと侍女がディアターナを
部屋まで案内した。
アベルはディアターナの後ろ姿を
見ながら
「あとは父上次第だからな」と呟いた
「本日よりお嬢様の身の回りを
担当させて頂くシャリーと申します
まずは風呂にご案内し着替えてから
夕食までは自由になりますので
外出希望などがありましたら
私シャリーに申し付けてくださいませ」
「わかりました。
シャリーさんよろしくお願いします」
「はい」
ディアターナは久しぶりの風呂で
まったりしていた。
陛下かぁ、どんな方なんだろう
また聖女の力を道具みたいに
使われたら嫌だなぁー。
ふぅ、、何を聞かれるんだろう。
風呂から出ると侍女たちが
テキパキと仕上げていく
「少し化粧をつけさせて頂きます」
ドレスを久しぶりに着た
ディアターナは鏡を見て喜んだ
「綺麗にして頂きありがとうございます」
「お嬢様は元々が綺麗ですよ。
少し休みますか?」
「散歩は出来ますか」
「はい。
では騎士に伝えて参ります」
ディアターナは庭を歩きながら
過去を思い出していた。
自由に歩けたのは神殿だけ…
出る時は大神官の許可が必要だったし
パーティーぐらいの時しか
神殿から出られなかったなぁー
グィーッ
ディアターナは身体を伸ばして
深呼吸した。
「はぁ、でもまぁ
ここもずっと居たら退屈になるんだ
ろうな……」
庭を歩くディアターナを
2階の窓から見ていたアベルの元に
兄である皇太子ガーディルが来た
「兄上」
「今日はすまなかったな。
どうもジャラスが大変らしくて
国民が聖女批判を始めたようだよ
父上はジャラスの反乱がどうなるか
重鎮たちと話しているんだ」
「そうでしたか」
「ん?」
ガーディルが外を見た
「あれが例の彼女かい?
聖女の様には見えないな、
私の勝手なイメージで判断しては
失礼だな」
アベルは答える
「至って普通の女性ですね。
貴族令嬢という感じでもありませんし」
「そうか、
明日同席させてもらうよ」
「父上が良いなら問題ありませんよ」
「何を他人事みたいに言っているんだ
お前も立ち会うんだからな」
「……」
「どうした?
まぁ明日を楽しみにしているよ」
ガーディルが部屋を出ると
アベルは再び外を見たが
ディアターナの姿は消えていた。
夕食の時
ディアターナは豪華な食事に驚いた
「あの、、多くないですか?
皆さんの分もあるのかなぁ」
侍女は驚いた
「私たちの食事ではありません
お嬢様のためのお料理でございます」
「もしそうならば食べきれないので
パン2切れとスープがあれば十分です」
「「「……!!!」」」
侍女たちの衝撃は計り知れなかった。
アベル殿下の大切な客人
詳しくは聞かされてはいないが
「丁重にもてなすように」と言われた。
爵位の高い家門の令嬢か
もしくはこの先に妃となる可能性がある
令嬢…
パン2切れとスープ……
どうしたら良いのか侍女たちは
悩んだ。
ディアターナがふかふかベッドで
寝息を立て始めた頃
侍女長から報告が入った。
執事も秘書官も もちろんアベルも
パンとスープは衝撃で
それはアベルとガーディルにとって
なぞなぞを解くような感覚だった
「聖女というのは食事に制限がある
のか?聞いた事がないのだが」
「わかりません」
「本人から聞いていないのか」
「聞いていません」
パンとスープ…それは凶悪犯罪者の食事。
少なからず貴族ならば犯罪者でも
肉か魚にサラダが付く
ガーディルは言った
「ジャラスでは虐げられていたのか?
ならば逃げて来たという
主張を理解できるな」
アベルは接してきたディアターナは
天然なのかアホなのかと思っていたが
聖女という立場でありながら
虐げられたならば許せない事だと、、
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そうしないと生きていけない程
辛いものだったのかと
勝手に思い困惑した。
続く
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