今更何の御用でしょうか?私を捨てたのは貴方ですよ?[完]

風龍佳乃

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「やっぱりお嬢様はお嬢様ですね。
    ベンの所は騎士が多く住む場所
    なので治安はいいですよ」

「うーん、でも家賃は払わないとね」
ナタリナはどうしたものかと悩んだ。

「でしたらお嬢様の出世払いはいかが
    ですか?」

「出世払い?」

「そうです。お嬢様なら貯金額ですぐに
    払えますよ」

なるほどねぇ、それがいいかも…

「わかったわ、そうする。
    私の部屋から宝石とか持ち出せる?
    それをしばらくの間は食費にするわ」

「宝石ですか…今は難しいですね
    奥様が監視していて部屋に近づけ
    ないんです。今まで通り私と
    ベンで様子見しますよ」

「何から何までありがとう」

ナタリナ行方不明から1ヶ月

エドモンドはナタリナとのお茶を
楽しみにしていたが手紙の返事が来ない
事に不信感を持ち始めていた。

調べると、あの頃から学園にも
来ていない様で
エドモンドは公爵に伺うと伝えたが
娘は領地にて静養中の為、屋敷には
居ない。との返答だった
しかも突然訪問した際も使用人達の
視線や表情も気にかかった。
何かあるかもしれない…
監禁などではなければ良いが…
エドモンドは調べてみる事にした。

一方
ライナスは何度か公爵邸へと
足を運んだが、以前の様に
屋敷に入れず、門前払いをされていた。

「お嬢様は留守でございます」

お決まりの返答だ。
1度でいいんだ、、話をさせてほしい。
例え彼女が許してくれなくても…
このままじゃ駄目なんだよ。


ナタリナ行方不明から2ヶ月

ベンのアパートに引越していたが
日用品などはサラが定期的に
買ってきてくれている。
そして…領収書が増えていくのを
ため息混じりで眺めていた。

学園では夏休みも終わり、登校しない
ナタリナを心配するクラスメイトや
令嬢達が色々と話していた。

エドモンドもその1人だった。

この日、婚約者のイザベラとお茶をして
いたが

「エド様、最近落ち着きがありません
    わよ」

「ん?そうかな」

「ふふっナタリナ嬢が原因かしら?」

「な、何だ急に 止めてくれ」

「学園でも噂になっていますわよ」

「どんな噂何だ?」

「ちょっと、まずはこちらが先ですわ
    どうなってますの?ちゃんと
    手続きをしてからじゃないと
    殿下の浮気になりますわよ?」
イザベラは笑った。

「その件は父上次第だな。次が決まら
    ないとな」

「あら、ナタリナ嬢では?」

「ブッ、、いや、まぁ、だな
    今の状況がわからないからな、
    何とも言えないな」

イザベラは全くもう…とエドモンドを見た

「なんでも、ナタリナ嬢の婚約者である
    ライナス様が浮気をしていて
    その現場を目撃してしまい
    大粒の涙を流した。とか…
    御友人達も心配しておりますのよ」

エドモンドはナタリナ嬢が泣いたと聞き
あの時か?と思い返していた。

「あーそうだな確かライナスと言ったな
    あの女とベッタリだったからな」

イザベラはエドモンドの婚約者を
決める時に彼の視線がナタリナ嬢に
向けられていた事を知っていた。
お互いを尊重して関係を作ってきたが
エドモンドに正直な気持ちを伝えた時
友人王子とイザベラを応援したい。と
言ってくれた。それは王命に逆らう事で
簡単ではなかったが気持ちに向き合って
くれたエドモンドは大切な親友となった
時間をかけて国王を動かしてくれた
親友にも幸せを掴んでほしいと
願っていた。


ライナスは学園で浮いてしまっていた。
そう、噂の出どころは子爵令嬢だった
「彼に騙された」友人達に手紙を
出していたからだ。

ライナスの友人達も公爵相手の騒動に
為す術なく見守るしか出来ないでいた。

「今は辛いかもしれんが、
    ちょっとやりすぎたな。しばらく
    大人しくするしかない」

「あいつ子爵を怒らせて退学
    したらしい」

友人達から聞かされる話をうわの空で
聞いていた

「そうか、知らなかった」
そう返事をするがライナスの頭の中は
ナタリナの事でいっぱいだった。

ナタリナ行方不明から3ヶ月

「お嬢様、これ見て下さいな」
サラが持ってきたのは翻訳の仕事だった

「お嬢様は外国語が得意でしたよね
    1冊で、な、何と!平民のお給料
    半年分です」

サラは腰に手を当てて身体を反るが
ナタリナにはそれがどのくらいなのか
わからない。

「サラ…ごめんね。わからないわ」

「えっ?失礼しました。
    お嬢様ならば1年で家を買える
    ぐらいですかね?」

「そうなのね。わからないけど
    やってみたいわ」

ジャジャジャジャーン

サラはインクとペンを出して
「そう仰ると思って契約しちゃいました
    早速始めて下さいませ」

ナタリナは思っていた以上に楽しくて
どんどん仕事を進めていった。

あ、インクが切れるわ。
ナタリナは質素なワンピースに帽子を
被り、良し!
アパートを出るとインクを買った。
パンも買っておこう…良し!買った!
戻るべし!
タッタッタッタッ 
ナタリナこの秋 渾身の走り…
ドン! グゲッ

「す、すみません急いでいて…」

「ん?ナタリナ嬢?」

「は?やばい!、、違いますよ」

ブハッ

「!! 何?」ナタリナがゆっくり顔を
上げるとエドモンドが立っていた。

「やばい!とか言わないの。
    君は令嬢だよー」

み、見つかった……

「こっち来て」
エドモンドはナタリナの手を引くと
馬車に乗り込み、カーテンをした。

「ここなら誰にもわからないからね」
満面の笑みを見せるエドモンドに

十分に目立つ馬車ですけどね。

と、突っ込みたくなる。

「さて、ナタリナ嬢、学園に行って
    居ない様だけど。何があった?」

「う、えっとですね色々とありまして」

しばらく沈黙が続く

「まぁ、元気そうで良かったが、、
    お茶の約束は?どうするのかな?」

すっかり忘れてた…
ナタリナは彼が王族であり未来の国王で
凄い人だったんだと思い出し
その方との約束を忘れたなんて、
やってしまった。と身構えた

「申し訳ございません」

それからエドモンドにはお茶をした時
から今に至るまでを正直に話した。

そして2日後の同じ時間に
この場所で合う約束をして別れた。

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