わかったわ、私が代役になればいいのね?[完]

風龍佳乃

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リディーはリディアーナが使用している
部屋へと入った
ピンク系や白を基調とした部屋を見て
「またか」と呟いた

テリウスの計らいでリディアーナの
専属メイドだったエミと
リディーの専属メイド、ミミが一緒に
付いた
王宮のリディアーナ専属侍女は
新しく担当になったキャシー、ベッキー
だった

王宮入りしたリディーは
身の回りの事はミミとエミ
王宮での連絡などの「重要業務」を
キャシーとベッキーに与えた事で
疑われる事なくしのぐ事ができた。

コンコン

「誰かしら?」

「確認してきます」

ベッキーが扉を開けると派手な令嬢が
入ってきた。

ベッキーが慌てて制止しようとしたが
遅かった

「あらぁー
体調不良で倒れたと聞いていたけれど
ふぅーん、元気そうで何よりだわねぇ
また一緒に過ごせるなんて楽しいわ
あなたがいなかったから退屈だったの
またよろしくね」

なんだこの人…
あ、婚約者候補の…確か
ミリアナ・シルワット公爵令嬢だ!

「あ、またよろしくお願いします」

ミリアナは見下すような視線を
リディーに向けた

「んー、戻ったならばあなたが挨拶に
来るべきじゃない?」

どういう事??

リディーが黙っていると
ミリアナはテーブルを叩いた

バン!

「私は公爵令嬢よ?
なんであんたが来ないのよ!
って言ってるの!
「よろしくお願いいたします」
じゃないわよ
相変わらず鈍臭いわね!
ほんとイライラするわ」

ふん!!

言いたい事を言って勢いよく出て行った

リディーは令嬢の振る舞いに唖然として
首を傾げた

ん、、あの令嬢の事を色々と聞きたいけれど
ここで聞いたらリディアーナじゃないって
バレちゃうわよね…
テリウス殿下に会うまでは保留案件ね
そう思った


ミリアナはズカズカと廊下を進みながら
部屋に向かっていた

「何?なんか騒がしいわね」

「今年の社交パーティーに
テリウス殿下が出席される事になり
準備を進めているようです」

ミリアナ付きの専属がそう告げると
立ち止まって侍女を睨んだ

「は?私の時は陛下だったわよ
なんで今年はテリウスなのよ」

「私にはわかりかねます」

「あなた王宮の人間よね?
理由もわからないの?」

「はい、私はテリウス殿下の侍女では
ございませんので」

「だったら私のために調べておきなさい!」

「かしこまりました」

それからしばらくすると侍女は

「確認しましたが殿下自らが出席を
お決めになった。
としかわかりませんでした」

「ふぅーん 、そう…約立たずね。
あなた、私が王妃になったらクビよ。
それが嫌ならちゃんと仕事なさい」

「申し訳ございません」

ミリアナ付きの侍女達は気苦労が
絶えなかった。

ミリアナはリディアーナがデビューする
のにあたりテリウスが参加を決めたの
ではないか。と考えた
それからミリアナはリディアーナを
毎日のように茶に誘った。
しかしリディアーナからの返答は

「体調管理のため外出を控えております」

だった。

この日 虫の居所が悪いミリアナは
タイミングも悪かった

「ちょっと!私の誘いを断わるなんて
どういうことなのよ」

ノックもせずにリディアーナの部屋に
入るとそこに居たのは
侍女長とテリウス殿下だった。

「え、あっ…」

ミリアナはとっさに礼をした

「テリウス皇太子殿下にご挨拶を…」

テリウスはサッと席を立つと
ミリアナの前に来た。

「ミリアナ嬢、今の振る舞いは何だ?」

「はい、、あの部屋を間違えてしまった
みたいです」

「そういった問題なのかな?」

「申し訳ございません」

「謝るのは私にでは無いよ」

くっ!

「リディアーナ様 大変失礼致しました」

リディーはチラリと侍女長を見る
微かに頭を動かしたのを確認した
リディーは

「大丈夫です。ミリアナ様
いつもお誘いありがとうございます」

と返答した

「あ、、いえ 
お許し頂きありがとうございます。
私はこれで失礼させて頂きます」

ミリアナがゆっくり部屋を出ようとした

テリウスはミリアナに声をかけた

「ミリアナ嬢
君は知っていると思うがリディアーナ嬢の
体調は万全では無い
しばらく茶会等の誘いは控えてくれ」

ピクッ

ミリアナの身体が止まった

は?何を言われたの?
誘いを控えろ。と…
私を庇わずリディアーナを庇ったの?
なんで??

「聞いているのかミリアナ嬢」

泣き崩れそうな気持ちを必死に隠した
ミリアナは振り返ると

「かしこまりました」

と笑みをつくり頭を下げた。

部屋に戻る道中でミリアナは呪文のように
繰り返した。
なんで、なんで なんで
どういう事?どういう事?
わからない、、わからない、、

部屋に戻ったミリアナは崩れ落ち
呟いた

「なんで私が1番じゃないの?
わからないわよ!
やっぱり、、やっぱりそうなのよ
あの女が1番邪魔なのよ……」と

リディアーナの部屋では
侍女長とテリウスは対策を話していた。

ミリアナとリディアーナの両者の
侍女からミリアナ嬢のかんしゃくや
振る舞いに対しての報告が上がって
いたからだった。

両陛下もシルワット公爵令嬢の話は
耳にしていて「父親にそっくりだな」と
言うほどだった。

陛下から直々にリディアーナ嬢保護を
命じられた侍女長はテリウス同席の上
話を聞いていた時だった。

「なるほどですね
侍女達の話は嘘では無いようです」

侍女長が静かな口調で言った

「あぁ、他の候補者達は
妃教育よりも「アレ」との付き合いが
辛いと言い辞退した者も居たぐらい
だからな」

テリウスもどうしたものかと
ため息をついた



つづく

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