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第二章・辺境伯夫人へ
19・執着と愛情(ルイスSide)
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私がカサンドラ国王の元へ嫁ぐ決心をして、慌ただしくその準備が行われた。
そして、結婚を承諾をしてから毎日のように大量の贈り物が届く。
国宝ではないのか?と疑いたくなるような高価な宝飾、それに大陸では有名なカサンドラの織物など。
──余程嬉しかったのであろうか?
もしも大方の予想通りに、大帝国に嫁ぐ事になっていたらどうしたのだろう?と思うほど┉。
この大陸全体を巻き込む、大きな戦争になっていたのではないかと思うが┉いくらなんでもそれは考え過ぎだろうか。
そしてこのカリシュを出立する日、カサンドラ側から夥しい数の兵士が迎えにやって来る。
おまけにアルベルト王自らも。そんな事は前代未聞ではないか?
向こうは私を見た事はあるようだが┉私は初めて会う王に不安な気持ちになる。
燃えるような赤い髪に漆黒の瞳、印象的な容貌のその男は、私を見るなり感動で涙ぐむ。
「ルイス、我が王妃!絹糸のような輝くばかりの金の髪に緑翠の瞳。あぁ、何て美しいんだ!」
──まるで神か何かのように私を褒めちぎり、王ともあろう者が涙ぐむなど?
想像を上回る私への偏愛ぶりに驚いたが、これも少しの間だけだろうと思っていた。それが┉
最初に可怪しいと思ったのは、カサンドラに来て半年ほど経った時だ。
私の為に護衛に付いた者が、次々と消える。
ある者は鍛錬中に怪我をしたとして、またある者は王都を離れる事になったと┉。
何故これ程までに護衛が変わるのか┉?
不思議に思っていたが、ある時その理由が判明する。
私に懸想しているとして、処罰していたのだ!片腕を失った者、殺された者もいると聞いた┉。
──異常だ!私は心の底から恐ろしくなり、王といつも共に居るから護衛はいらないと言う。
そしてそれだけ異常なまでも愛されている私が、直ぐに妊娠するのは必定で┉。
私は初産で子が大きかった為に、大変な難産だったのだ。
お産は二日目に入り、もういよいよ体力的に危ない。引き裂かれるような痛みの中、私は死を覚悟した┉。
自分の命を引き換えにして、子を守る決心をする。それを医師に伝えると┉突然、王の怒号が聞こえる。
「殺せ!今すぐ腹の中の子を殺すのだ!!ルイスを死なせる事は赦さない。そうなったら、この場に居る全員を殺す!」
私は朦朧とする意識の中で、その言葉を聞いて愕然とする。
──子を┉殺す?この長き間、腹の中で慈しんで育てた子を?┉殺させるものか!
その後、私は死にものぐるいで出産する。ただ、我が子を守らないと┉その一心で!
出産後、王が泣きながら私の無事を喜んだ。だけど、子を一目たりとも見る事は無かったのだ。
そのうち子も二人になり、その子達も大きくなっていく。
私は我が子の成長が本当に嬉しくて、可愛がって育てる。
──だけどアルベルトは、私が可愛がる子達を憎々しげに眺めるだけだ。
そんな針の筵のような暮らしの中、私の心を癒やしてくれるのは、王の影武者であるエイダンだけ┉。
──この秘密の恋心が、王に知られてしまったら?殺されるだろう┉エイダンが!
そして、結婚を承諾をしてから毎日のように大量の贈り物が届く。
国宝ではないのか?と疑いたくなるような高価な宝飾、それに大陸では有名なカサンドラの織物など。
──余程嬉しかったのであろうか?
もしも大方の予想通りに、大帝国に嫁ぐ事になっていたらどうしたのだろう?と思うほど┉。
この大陸全体を巻き込む、大きな戦争になっていたのではないかと思うが┉いくらなんでもそれは考え過ぎだろうか。
そしてこのカリシュを出立する日、カサンドラ側から夥しい数の兵士が迎えにやって来る。
おまけにアルベルト王自らも。そんな事は前代未聞ではないか?
向こうは私を見た事はあるようだが┉私は初めて会う王に不安な気持ちになる。
燃えるような赤い髪に漆黒の瞳、印象的な容貌のその男は、私を見るなり感動で涙ぐむ。
「ルイス、我が王妃!絹糸のような輝くばかりの金の髪に緑翠の瞳。あぁ、何て美しいんだ!」
──まるで神か何かのように私を褒めちぎり、王ともあろう者が涙ぐむなど?
想像を上回る私への偏愛ぶりに驚いたが、これも少しの間だけだろうと思っていた。それが┉
最初に可怪しいと思ったのは、カサンドラに来て半年ほど経った時だ。
私の為に護衛に付いた者が、次々と消える。
ある者は鍛錬中に怪我をしたとして、またある者は王都を離れる事になったと┉。
何故これ程までに護衛が変わるのか┉?
不思議に思っていたが、ある時その理由が判明する。
私に懸想しているとして、処罰していたのだ!片腕を失った者、殺された者もいると聞いた┉。
──異常だ!私は心の底から恐ろしくなり、王といつも共に居るから護衛はいらないと言う。
そしてそれだけ異常なまでも愛されている私が、直ぐに妊娠するのは必定で┉。
私は初産で子が大きかった為に、大変な難産だったのだ。
お産は二日目に入り、もういよいよ体力的に危ない。引き裂かれるような痛みの中、私は死を覚悟した┉。
自分の命を引き換えにして、子を守る決心をする。それを医師に伝えると┉突然、王の怒号が聞こえる。
「殺せ!今すぐ腹の中の子を殺すのだ!!ルイスを死なせる事は赦さない。そうなったら、この場に居る全員を殺す!」
私は朦朧とする意識の中で、その言葉を聞いて愕然とする。
──子を┉殺す?この長き間、腹の中で慈しんで育てた子を?┉殺させるものか!
その後、私は死にものぐるいで出産する。ただ、我が子を守らないと┉その一心で!
出産後、王が泣きながら私の無事を喜んだ。だけど、子を一目たりとも見る事は無かったのだ。
そのうち子も二人になり、その子達も大きくなっていく。
私は我が子の成長が本当に嬉しくて、可愛がって育てる。
──だけどアルベルトは、私が可愛がる子達を憎々しげに眺めるだけだ。
そんな針の筵のような暮らしの中、私の心を癒やしてくれるのは、王の影武者であるエイダンだけ┉。
──この秘密の恋心が、王に知られてしまったら?殺されるだろう┉エイダンが!
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