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第三章・予期せぬ計略
27・見知らぬ宮
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「い、た┉っ。ん┉ハッ!」
バッと目を開けると、見覚えのない白い天井が見える。
──ッ、こ、こは何処だ?
意識を失う寸前に嗅がされた薬のせいなのか、まだ頭痛がしておまけに目眩がする┉。
ガンガンと頭の中で鳴り響くような痛みの中、何とか身体を起こす。
少しだけ朦朧としながら辺りを見回すと、白を基調とした大きな部屋にいる事が分かった。
──どうもきちんとベッドに寝かせられていたようだ。
あれから何日経っているのだろう?それに┉
ハッと気付いて、慌てて腹を押さえる。どうも出血した様子もないし、腹の痛みもない┉。
ハーッと溜め息をつき腹の子の無事に安堵した。
それから改めて部屋を見てみると、ここは明らかに王城ではないのに気付く。
城内で私が見たことがない所も数多くあったとは思うか、そもそも造りがまるで違う。
これは違う建物の内部ということになる┉。
──もしかして、離宮か?かつて私に対する手当てを着服して処罰された妃が軟禁され、それに父親の失脚で幽閉となった元王妃が自死した┉?
そう考えると、急に恐ろしくなってしまったが、現状を把握するのが先決だろう。
それで恐る恐る脚を床に付け立ち上がってみる。
ほんの少しふらつくが、歩けない訳ではなさそうだ。
慎重に一歩、また一歩と向こうに見える大きな扉に向かって歩いていくと┉
──ガチャ。キーーッ
目の前のその扉が突然開いた。もしや?と少し離れた所から緊張しながら見ていると┉
そこに現れたのは初老の使用人らしき男。
だけど、身のこなしといい、その者の持つ雰囲気といい只者ではないのが分かる。
──知らぬ男だ┉。後宮では全く見掛けた事はないな┉。冷遇されていた身であるから、もちろん王のお渡りもなかったし、知らぬのも当たり前だけど┉。
「シルバ様、お目覚めでしたか。急に動かれますと危のうございますよ?さっ、ベッドに。お食事になさいますか?それともお風呂をご用意致しますか?」
──この声、この話し方┉私に薬を嗅がせた男だな!
腹は立つが、何か非常に危険な感じがする┉。
まずはいう事を聞いて、油断させてからこの場所の事を聞き出してやろう。
それに一番大切な┉オスカーの事を┉。
それでまずはサッパリしたいと、お風呂を用意してもらう。
一人でも大丈夫だと言うのに、監視目的なのかこの男が手伝いをするという┉。
久しぶりのたっぷりの湯の浴槽に浸かると、不覚にも気持ちが良くて思わず声が出てしまう。
「フーッ、ハァ。」
その男は慣れた様子で、後ろから湯を流し、背を洗い、頭を洗ってくれる。
元々私だって王族の者で、こうやって人に洗って貰うのは慣れてはいるが┉この男のあからさまな視線は、どうにも気になってしまう。
「お綺麗な肌でございますね?主もお喜びになるでしょう。」
──ゾク┉ゾクゾク!この男┉主だと?一体、誰の事だ┉
私は物凄く気味の悪さを感じた。「主」と呼ばれる人は、ガルド王だろうか?攫われたあの状況を考えると、間違いなくそうだろうと思う。
風呂から上がり、用意された衣裳に身を包み一息付いた所で本題に入る。
「あの┉こちらは何処でしょう?あれから何日経っているのですか?それと、あなたは何とお呼びすれば良いのでしょう。」
突然話し出した私に、少しビクリとなったその男は、すぐに元の表情に戻ってそれから私に微笑み掛ける。
「シルバ様は私をご存知ないのですね?┉それは無理もないのかも知れません。私は侍従長のマッケランと申します。もちろん敬語を使う必要はございません!こちらは城から離れたスサの離宮と呼ばれる所にございます。そしてあれから┉一週間ほど経ってございますよ?」
──い、一週間!そんなに┉マクスは?私が攫われたのを知ったはずだ!どうなって┉
私はそんなことを聞いて、思わず身体がぶるりと震えて、再び頭痛がした。
その意外な一週間という間に、どうなってしまっているのか、そして大切な人達は何処に居るのか┉。
バッと目を開けると、見覚えのない白い天井が見える。
──ッ、こ、こは何処だ?
意識を失う寸前に嗅がされた薬のせいなのか、まだ頭痛がしておまけに目眩がする┉。
ガンガンと頭の中で鳴り響くような痛みの中、何とか身体を起こす。
少しだけ朦朧としながら辺りを見回すと、白を基調とした大きな部屋にいる事が分かった。
──どうもきちんとベッドに寝かせられていたようだ。
あれから何日経っているのだろう?それに┉
ハッと気付いて、慌てて腹を押さえる。どうも出血した様子もないし、腹の痛みもない┉。
ハーッと溜め息をつき腹の子の無事に安堵した。
それから改めて部屋を見てみると、ここは明らかに王城ではないのに気付く。
城内で私が見たことがない所も数多くあったとは思うか、そもそも造りがまるで違う。
これは違う建物の内部ということになる┉。
──もしかして、離宮か?かつて私に対する手当てを着服して処罰された妃が軟禁され、それに父親の失脚で幽閉となった元王妃が自死した┉?
そう考えると、急に恐ろしくなってしまったが、現状を把握するのが先決だろう。
それで恐る恐る脚を床に付け立ち上がってみる。
ほんの少しふらつくが、歩けない訳ではなさそうだ。
慎重に一歩、また一歩と向こうに見える大きな扉に向かって歩いていくと┉
──ガチャ。キーーッ
目の前のその扉が突然開いた。もしや?と少し離れた所から緊張しながら見ていると┉
そこに現れたのは初老の使用人らしき男。
だけど、身のこなしといい、その者の持つ雰囲気といい只者ではないのが分かる。
──知らぬ男だ┉。後宮では全く見掛けた事はないな┉。冷遇されていた身であるから、もちろん王のお渡りもなかったし、知らぬのも当たり前だけど┉。
「シルバ様、お目覚めでしたか。急に動かれますと危のうございますよ?さっ、ベッドに。お食事になさいますか?それともお風呂をご用意致しますか?」
──この声、この話し方┉私に薬を嗅がせた男だな!
腹は立つが、何か非常に危険な感じがする┉。
まずはいう事を聞いて、油断させてからこの場所の事を聞き出してやろう。
それに一番大切な┉オスカーの事を┉。
それでまずはサッパリしたいと、お風呂を用意してもらう。
一人でも大丈夫だと言うのに、監視目的なのかこの男が手伝いをするという┉。
久しぶりのたっぷりの湯の浴槽に浸かると、不覚にも気持ちが良くて思わず声が出てしまう。
「フーッ、ハァ。」
その男は慣れた様子で、後ろから湯を流し、背を洗い、頭を洗ってくれる。
元々私だって王族の者で、こうやって人に洗って貰うのは慣れてはいるが┉この男のあからさまな視線は、どうにも気になってしまう。
「お綺麗な肌でございますね?主もお喜びになるでしょう。」
──ゾク┉ゾクゾク!この男┉主だと?一体、誰の事だ┉
私は物凄く気味の悪さを感じた。「主」と呼ばれる人は、ガルド王だろうか?攫われたあの状況を考えると、間違いなくそうだろうと思う。
風呂から上がり、用意された衣裳に身を包み一息付いた所で本題に入る。
「あの┉こちらは何処でしょう?あれから何日経っているのですか?それと、あなたは何とお呼びすれば良いのでしょう。」
突然話し出した私に、少しビクリとなったその男は、すぐに元の表情に戻ってそれから私に微笑み掛ける。
「シルバ様は私をご存知ないのですね?┉それは無理もないのかも知れません。私は侍従長のマッケランと申します。もちろん敬語を使う必要はございません!こちらは城から離れたスサの離宮と呼ばれる所にございます。そしてあれから┉一週間ほど経ってございますよ?」
──い、一週間!そんなに┉マクスは?私が攫われたのを知ったはずだ!どうなって┉
私はそんなことを聞いて、思わず身体がぶるりと震えて、再び頭痛がした。
その意外な一週間という間に、どうなってしまっているのか、そして大切な人達は何処に居るのか┉。
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