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第三章・予期せぬ計略
30・唯一の望み(ルイスSide)
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「アルベルト様、お帰りなさいませ。ご無事のお帰り嬉しゅうございます。」
約二週間ぶりのアルベルト王の帰城を、今回限りは待ち望んでいた。
「我が王妃ルイス!そなたに会えぬのが本当に辛かった!さっ、こちらに。」
私は半性身だが、決して身体が小さい方ではない。
だが、カサンドラ国のアルベルト王の前では、まる大人と子供ほどの体格差があり、腕の中に抱えられると一切身動きが取れない。
そして、そうなったらもう┉なし崩しにこの場で抱かれるのだろう。
そう思って、ちらっと目の前のエイダンを見た。
──まだこの場に影武者のエイダンが居るのだぞ?どういうつもりで┉
そう思ってその場で躊躇していると、王自ら私に近付いて抱き寄せる。
「はぅ、っ┉ああ」
私をしっかりと抱き締めたまま、首筋を吸い上げ身体を貪ろうとする。
王は手を、私の背に滑らせて並ぶ釦を一つ、二つとはずしていく。
やがて全ての釦がはずされ、首元から尻の際まで美しい肌が露わになった。
それをツーっと指先でなぞられて、思わずビクリと反応し甘い声が出てしまった┉。
「ハァ┉ん、ア、アルベルト様┉あっ、あの者が!」
私は羞恥で震えながら、何とかそう告げる。
アルベルトはまるで今初めて気付いたように、可笑しげに声を上げた。
「おお!お前居たのか?何だ┉王妃の痴態をお前、見たいのか?お前も私のようにこの艶めいた身体を撫でまわしたいと言うのか?」
急に自分の目前で始められたこのような行為に、ただ唖然として動けなくなっていたエイダンは、可哀想なくらいに狼狽える。
「は?と、とんでもない┉ございません。あっ、わ、私のような者が。許される┉ものではあり、せん!」
口元をわなわなと震わせて、余りの事でどうして良いのか分からなくなっている。
私はエイダンに、後ろ姿とはいえ裸体を見られてしまった事に面から火が出る思いでいたが、エイダンをじっと見据えて、それからサッと隠し扉へ視線を移して、正気に戻るように導く。
それに気付いたエイダンは、「失礼致しました!」と駆けだし隠し扉の中へ消える。
私は恥ずかしさを押し殺し、動揺を隠しながら何事もなかったように、王の胸元に口付けを落としてから言ったのだ。
「悪いお方ですね、あのような者をお揶揄いになって┉。邪魔者が居なくなったので、さあ!私を味わって下さいませ?」
そうして悠然と微笑んで、アルベルトの首に腕を回した──。
行為後の気怠さの中、満足気に微睡むアルベルトに、甘えたような声を掛ける。
「ねぇ、アルベルト様┉私、弟にどうしても会いたいのです。今、大帝国のベルード辺境伯領に居るようなのですが┉。そこまで行くのが難しいようなら、せめて国境で会いたいと。私の唯一の望み┉叶えていただけませぬか?」
そう願って精一杯微笑む私は、先程の事で確信していた。
この男、私の気持ちを知っているな?と。
それならば、もう時間がない!速やかに行動しなくては。
これに失敗したとしたら、もう一生自由など与えられないだろう┉。
約二週間ぶりのアルベルト王の帰城を、今回限りは待ち望んでいた。
「我が王妃ルイス!そなたに会えぬのが本当に辛かった!さっ、こちらに。」
私は半性身だが、決して身体が小さい方ではない。
だが、カサンドラ国のアルベルト王の前では、まる大人と子供ほどの体格差があり、腕の中に抱えられると一切身動きが取れない。
そして、そうなったらもう┉なし崩しにこの場で抱かれるのだろう。
そう思って、ちらっと目の前のエイダンを見た。
──まだこの場に影武者のエイダンが居るのだぞ?どういうつもりで┉
そう思ってその場で躊躇していると、王自ら私に近付いて抱き寄せる。
「はぅ、っ┉ああ」
私をしっかりと抱き締めたまま、首筋を吸い上げ身体を貪ろうとする。
王は手を、私の背に滑らせて並ぶ釦を一つ、二つとはずしていく。
やがて全ての釦がはずされ、首元から尻の際まで美しい肌が露わになった。
それをツーっと指先でなぞられて、思わずビクリと反応し甘い声が出てしまった┉。
「ハァ┉ん、ア、アルベルト様┉あっ、あの者が!」
私は羞恥で震えながら、何とかそう告げる。
アルベルトはまるで今初めて気付いたように、可笑しげに声を上げた。
「おお!お前居たのか?何だ┉王妃の痴態をお前、見たいのか?お前も私のようにこの艶めいた身体を撫でまわしたいと言うのか?」
急に自分の目前で始められたこのような行為に、ただ唖然として動けなくなっていたエイダンは、可哀想なくらいに狼狽える。
「は?と、とんでもない┉ございません。あっ、わ、私のような者が。許される┉ものではあり、せん!」
口元をわなわなと震わせて、余りの事でどうして良いのか分からなくなっている。
私はエイダンに、後ろ姿とはいえ裸体を見られてしまった事に面から火が出る思いでいたが、エイダンをじっと見据えて、それからサッと隠し扉へ視線を移して、正気に戻るように導く。
それに気付いたエイダンは、「失礼致しました!」と駆けだし隠し扉の中へ消える。
私は恥ずかしさを押し殺し、動揺を隠しながら何事もなかったように、王の胸元に口付けを落としてから言ったのだ。
「悪いお方ですね、あのような者をお揶揄いになって┉。邪魔者が居なくなったので、さあ!私を味わって下さいませ?」
そうして悠然と微笑んで、アルベルトの首に腕を回した──。
行為後の気怠さの中、満足気に微睡むアルベルトに、甘えたような声を掛ける。
「ねぇ、アルベルト様┉私、弟にどうしても会いたいのです。今、大帝国のベルード辺境伯領に居るようなのですが┉。そこまで行くのが難しいようなら、せめて国境で会いたいと。私の唯一の望み┉叶えていただけませぬか?」
そう願って精一杯微笑む私は、先程の事で確信していた。
この男、私の気持ちを知っているな?と。
それならば、もう時間がない!速やかに行動しなくては。
これに失敗したとしたら、もう一生自由など与えられないだろう┉。
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