【完結】あなたの妻(Ω)辞めます!

MEIKO

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第一章・思ってもみない結婚

9・偶然

 伊織に言わせると、アルファとオメガの出会いなんていくらでもあるらしい┉私、一切なかったですけど?
 
 今夜はハイスペックなアルファとオメガが大勢集まるパーティーが開かれるんだそうで┉
 私は伊織に言われるままオシャレする事に。
 
 普段地味目な服しか着ないからな?ファッション誌の担当に今のトレンドとか聞いておけば良かった┉

 伊織は悩みまくる私に冷たい視線を送るが、仕方ないな~って、服を選んでくれる。
 
 伊織がパパパっと選んでくれた服を見て、わぁ~こんなオシャレしていかないとダメなの?と怖気付おじけづいてしまったのだが、メイクも伊織がしてくれると言うのでちょっと安心する。

 私は普段着ないような服に身を包み、メイクを綺麗に施された自分を見て驚愕した!

 「なかなかじゃない私!悪くないよね?」と伊織に確認するけど、ハイハイと適当に返される。
 伊織は流石さすが場馴ばなれしていると見えて、何もかもが物凄くキマっている。
 これじゃあ、男も女も寄ってくるハズだなぁ┉って感心する。

 私は初めてだし伊織の後ろに隠れていればいいか!とドキドキする心を落ち着かせた。

 会場の高級ホテル高層階にあるラウンジは、その店外にも既にキラキラとしたアルファやオメガで溢れ返っていた。

 ──これ絶対に場違いだね┉

 ヤバい、ヤバいと繰り返す私を横目に見ながら伊織は大丈夫!と私を引っ張って会場に入っていく。

 ラウンジに入ると、その場に居る人達が私達を見て静まり返り┉何故か瞬間どっとどよめきが起きる。

 何?一体何ごとなの…伊織の知り合いか?この子、どれだけ来てんの?すっかり人気者なんだね┉

 「凄い┉」「┉だよね?」と何やら聞こえてくるが、歓声が大きくて良く聞こえない。

 「ちょっと伊織!ここってうるさいね?」
 
 伊織は、そう?なんて一言だけで堂々と会場を進んで行く。
 そしてバーカウンターの前まで来ると慣れた様子でお酒をバーテンに頼んだ。
 
 私と言えば、横から私も同じ物を┉と頼むのが精一杯で。昨日の今日で強いお酒頼んでないよね?

 お酒をちびちび飲んで、やっと落ち着いた私は、周りを見る余裕が出来る。
 見渡すと、何処からこんなに人が?と思うほどだ。
 皆んな出会いを求めてるんだね?知らなかった世界だ。

 そんな事を思って何やら感動していると
 「君達、オメガだよね?一緒に話さない?」と先程から一際ひときわ目立っていた男性四人組が声を掛けてきた。

 ──えっ、早速声掛けられた?やめて~緊張するって。それにしても高級そうなスーツ着てるね?この人達┉

 「まあ、いいけど。だけど今日はお持ち帰りはナシだからね?」と伊織が慣れたふうに言った。

 カッコいいな┉伊織。流石さすがだなぁと思っていると、何やら視線を感じて┉


 ──何でこんな所に┉嘘でしょ?

 「直哉さん、こんな所でお会いするとは┉」

 なんと四人組のうちの一人が直哉さんだった!┉無茶苦茶バツが悪い。お見合いした二人がこんな所で?って┉

 私、今日初めての参加なのに┉信じてもらえるかな?
 でも良く考えたら直哉さんだって来てるよね?だったら言い訳しなくていいのか。

 そんな二人を見て伊織と他の三人は不思議な顔をしている。
 その内、ハッと伊織が気付いて、昨日はありがとうございましたと礼を言う。
 ますます不思議顔の三人┉
 
 「この二人、お見合いしたんですよ~。」と言った伊織の声にその三人だけでなく、こちらを伺っていた人達も驚きの声を上げる。

 やだな┉直哉さんは伏木家の長男だ。世間的にも有名人なんだろうし、私が見合い相手だって分かったら、さぞかし恥ずかしいだろう。
 
 申し訳ない気持ちでうつむいた私の背にそっと手をやった直哉さんは、伊織とその三人にちょっと二人にさせて┉と言ってカウンターの端に導いて行く。
 そして二人きりになった私達はそこに腰掛けた。

 「涼さんが居たのでビックリしました。おまけに見た目も少し違っていて┉はじめ違う人なのか?って思いましたけど。」

 うわぁ、恥ずかしい。派手だった?これ。┉引いたかな?

 「信じて貰えないかもしれませんが、こういう場始めててなんですよ私。一緒に来た友達にメイクとかして貰って、似合ってないですよね?やっぱり┉」恥ずかしさを隠したくて言い訳めいた事を言ってしまう。

 「凄い似合ってますよ。綺麗です┉」照れくさそうに直哉さんがそう言うので、余計恥ずかしくなった。

 「ところで昨日お願いした父と会っていただく件は考えていただけましたか?」

 そうなのだ。直哉さんのお父様と会う┉

 ちょっと怖いような複雑な感情になってしまって即答できなかった。
 やはり母の事を考えてしまうからだろうか┉?

 私から見たら両親は、普通の夫婦だったように思う。
 だけど、子供である私や仕事を離れたら?って思うと、二人だけの時は何か溝のような物があったように感じてしまう。考え過ぎかな┉
 そうなると、その責任の一端は伏木さんだ。
 そして、母は幸せだったのか?と。

 そんな事を考えてしまったが、ここでこうやって会えたのも縁なんだろう。


 ──分かりました。私もお会いしたいです┉と答えた。

 
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