【完結】あなたの妻(Ω)辞めます!

MEIKO

文字の大きさ
20 / 108
第ニ章・幸せな結婚?

20・一人きりの初夜

 挙式と披露宴はとどこおりなくおこなわれ、もう既にフラフラ状態。

 ある程度は覚悟していたけれど想像を上回る招待客で…

 緊張もあったかも?

 今から二人の家に帰る…私、一人で。

 直哉さんは友人達と二次会があるらしい。
 私は行かなくていいの?って聞いたけど、疲れているだろうから先に帰ってて、って言われた。
 
 そして直ぐに帰るから…って。

 一人で家に入る。まだ慣れてないから変な感じ…

 しんと静まり返っているリビングに寂しさを感じてテレビをつけてみる。
 とたん賑やかなバラエティ番組の音声が。

 そしてソファに座って一息つく。

 ──誓いのキス、おでこだったな…
 
 プッ!…おでこ、って…

 なるべく考えないようにしていた事が急にまざまざと思い出される。

 あの場でじっくり考えてしまったとしたら、その後の冷静な自分を保てない…そんな気がした。

 キス…するの嫌だった?

 考えちゃいけない言葉を思い浮かべてしまって、それを振り払おうと立ち上がりバスルームに。
 お風呂に入って一息ついて、それからソファで直哉さんの帰りを待っていた。だけど、いつの間にか眠ってしまって…


 ──ん、いま何時…?

 時計を見ると午前2時。直哉さん、帰ってないのかな?
 もしかして今夜帰らない…とか?

 私、どっちで寝たらいいんだろう… 

 
 もうそんな事を考えるのも嫌だ! 
 この状況では帰って来ない直哉さんが悪いよね?と思いながら私専用の寝室の方へ行く。

 そしてベッドに入れば…ちょっと涙出てきた。

 「今夜って初夜だよ?」

 「それに誓いのキス、口にしてよ!」

 思っても言っちゃいけないと我慢していた事を一人で口に出して、泣きながらフッと笑ったんだ…




 「涼さん…。涼!」

 ──誰か呼んでる?
 
 うっすらと目を開ければ…直哉さん?私、寝てた?

 「寝室に居ないから、もしかして帰ってないのかと一瞬…。なんでこっちに寝てるの?」

 ん…ダメ?と半分寝たままでそう言った。

 「ダメでしょ?結婚したんだから一緒に寝ないと。」

 「一緒に…?」
 
 疲れと眠気で全く頭が働かない。すると…突然横抱きにされる。

 驚いてパッと目が覚めた!

 ──えっ、何で?それに男なのにお姫さま抱っこ…

 「直哉さんごめんなさい。起きました!自分で歩けます。」

 恥ずかしさでそう言ったけど、そのまま無言で寝室まで連れていかれる。

 酔ってる?それとも怒ってるのか…

「朝方に帰って来てすみませんでした…。でも涼さんも酷いです。あっちの寝室、ヒートの時以外は使わないで下さいね。」   

 そんな事を言われて、取り敢えず分かりましたって呟く。だけどこの状態は…って困惑した。

 じゃあ寝ましょうか?ってなって、そうか!隣同士のベッドで寝る空気なほうなんですね?と理解する。

 そう思ってちょっと暗くなっていたら…
 
 「涼さん、忘れちゃダメですよ。」
 
 直哉さんはそう言って、突然私に近づきキスをした…

 
感想 117

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか

まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。 そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。 テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。 そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。 大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。 テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。 ※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました

こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。