24 / 53
第四章・予期せぬ告白
24・点と線
しおりを挟む
「伯母様、私…気になることがあるんです。実はシンシアには、故郷から共に来ていた姉妹同然の専属メイドがいたんです。その人に言われたことがそのことと関係があるような気がして…。おまけにそのメイド、道中のライシックで見掛けたんです」
あの時言われた意味深な言葉…おまけにそれをシンシアが遮った。後にも先にも、あれ程慌てた様子は見たことがない。聞いたこともないくらいの大声を出して…
「ええっ…それはどういうこと?」
「な、何だって?」
そんな私の告白に、同時に前のめりになる二人。伯母様はともかくスチワートにも言ってなかった?と驚いたけど、その時の経緯を順を追って話すことにした。すると…
「なるほどなぁ…それは気になる発言だよね。おまけにライシックで?ああ、食堂を出た後か。その時言ってくれたら良かったのに!」
スチワートの指摘にはぐうの音も出ない私。そうね…あの時、言えば良かった。もう関係ないんだと自ら思い込むようにして、話さないでいた。もしスチワートに話していたとしたら、また対応が違っていたのかも?ホントに駄目ね、私って…
「そうか…確かにエリカには付き人がいたわ!端で大人しくしていた子だったから、気にもしていなかったわ。その人の娘がそのメイドのロリーなのね?それなら母娘二代で主従関係になるわね。だけど恐らく、そのロリーの母親も亡くなってるんじゃないかしら?だからノートン家に付いて行ったんでしょうね。それからライシックだけど…エリカとシンシアの家門である男爵家があったのはそこよ」
「ええっ…ライシックですか?」
ある日突然シンシアを連れて来たのはお父様だった。どこから来たのか、どうやって育ったのかも言わずに…
確かに母親同士が従姉妹だから、辺境伯領の近くに家があったとしても不思議ではない。だけど…点と線が繋がり過ぎてはいない?それが意味するのは何なのかしら…
「それじゃあさ、明日にでも会いに行ってみたらどうかな?直接ロリーに、あの発言の意味を聞いてみるんだよ。近くにはもうシンシアもいないし、それにきっと言いたいことがあったんだと思う。俺も一緒に行くから…なっ?」
「そうね、行きましょう!悩んでいるより、行った方が早いと思う」
私達は顔を見合わせ、それから深く頷き合う。そして心配した伯母様は、護衛として騎士を一人付けると約束してして下さった。そしてその翌日…
「フレデリカ様、私大丈夫でしょうか?足手まといになるんじゃないかと…」
「フフフッ、大丈夫よ?それよりも私達に付き合ってくれてありがとう…オリアナ」
ライシックに急遽行くことになり、極力目立たない服装で行くことになった。エメラルド鉱山のことで、記者や同業者達が数多くこの辺りに居るらしくて。私とスチワートはここに来る時に着ていた服にして、それから騎士の方には変装してもらう。それで三人で…ってなると、どういう関係?と余計目立ってしまうことに気付いた。それで思い付いたのが、もう一人来てもらうこと。それで白羽の矢が立ったのはメイドのオリアナ!それで四人で行くことになった。
だけどそれはそれで何だか気恥ずかしい。ダブルデート?そんな見た目になっていないかと。ちょっと恥ずかしいけど仕方ないわ!
そうこうしているうちにライシックに着き、私達はキョロキョロしながら馬車を降りる。馬車は古いものを借りたし、服装も…大丈夫ね?よし!
「イーゴリ卿もよろしくお願いします。これよりは、私達は友達同士です…ですから私とスチワートのことは呼び捨てでお願いしますね。話し方も自然に!オリアナもよ?」
「はい!分かり…いや、分かったよ、フレデリカ」
イーゴリ卿はフラウ辺境伯家の騎士。実は、私達がここに来た時に剣を突き付けた人だ。それでスチワートが怪我をしたことに責任を感じて、今回の協力を自ら志願してくれている。それから四人で目配せしながら歩き出した。
「事前に調べたら、やはり母親は亡くなり、この先の家に一人で住んでいる。長年空き家だったのが、半年前にふらっと帰って来たと…」
伯母様が調べて下さったのね?半年前…ちょうど時期も合うわ。あの一件から、真っ直ぐここに帰って来たことになる。シンシアとは連絡を取っているのかしら…
「女性だから滅多なことはないと思うけど、一応気を付けよう。喧嘩っ早い性格のようだし」
スチワートの言葉に私とオリアナは大きく頷き、そしてイーゴリ卿はズボンのポケットを触る。きっとあの中に、武器を隠しているのだと思う。確かにロリーは、ノートン邸で働いていた時から気の強い印象がある。私を睨んだり、暴言を吐いたり…気を付けるに越したことはないわね。
「そうね、充分気を付けて!そして離れないように共に行動すること」
それから私達は再び歩き出す。この辺りは、食堂や商店が立ち並び、比較的賑やかなところ。もしかして今は、そういうお店で働いているのかも。前にここで見掛けた時も、仕事に向かうところだったのかも知れないわね。
「あっ、あの家だ」
イーゴリが指さしたのは、長屋のように同じような建物が連なっている一角。その中の一軒の前に立ち止まった。すると…
──キィッ、トン!
その瞬間、ロリーと目が合う。丁度家から出て来たところで…
信じられないといったように、これでもかと目を見開いている。それから口元を震わせて…
「な、フ…フレデリカ、様?」
およそ半年ぶりの再会。あなたは何を答えてくれるのかしら?それとも…
あの時言われた意味深な言葉…おまけにそれをシンシアが遮った。後にも先にも、あれ程慌てた様子は見たことがない。聞いたこともないくらいの大声を出して…
「ええっ…それはどういうこと?」
「な、何だって?」
そんな私の告白に、同時に前のめりになる二人。伯母様はともかくスチワートにも言ってなかった?と驚いたけど、その時の経緯を順を追って話すことにした。すると…
「なるほどなぁ…それは気になる発言だよね。おまけにライシックで?ああ、食堂を出た後か。その時言ってくれたら良かったのに!」
スチワートの指摘にはぐうの音も出ない私。そうね…あの時、言えば良かった。もう関係ないんだと自ら思い込むようにして、話さないでいた。もしスチワートに話していたとしたら、また対応が違っていたのかも?ホントに駄目ね、私って…
「そうか…確かにエリカには付き人がいたわ!端で大人しくしていた子だったから、気にもしていなかったわ。その人の娘がそのメイドのロリーなのね?それなら母娘二代で主従関係になるわね。だけど恐らく、そのロリーの母親も亡くなってるんじゃないかしら?だからノートン家に付いて行ったんでしょうね。それからライシックだけど…エリカとシンシアの家門である男爵家があったのはそこよ」
「ええっ…ライシックですか?」
ある日突然シンシアを連れて来たのはお父様だった。どこから来たのか、どうやって育ったのかも言わずに…
確かに母親同士が従姉妹だから、辺境伯領の近くに家があったとしても不思議ではない。だけど…点と線が繋がり過ぎてはいない?それが意味するのは何なのかしら…
「それじゃあさ、明日にでも会いに行ってみたらどうかな?直接ロリーに、あの発言の意味を聞いてみるんだよ。近くにはもうシンシアもいないし、それにきっと言いたいことがあったんだと思う。俺も一緒に行くから…なっ?」
「そうね、行きましょう!悩んでいるより、行った方が早いと思う」
私達は顔を見合わせ、それから深く頷き合う。そして心配した伯母様は、護衛として騎士を一人付けると約束してして下さった。そしてその翌日…
「フレデリカ様、私大丈夫でしょうか?足手まといになるんじゃないかと…」
「フフフッ、大丈夫よ?それよりも私達に付き合ってくれてありがとう…オリアナ」
ライシックに急遽行くことになり、極力目立たない服装で行くことになった。エメラルド鉱山のことで、記者や同業者達が数多くこの辺りに居るらしくて。私とスチワートはここに来る時に着ていた服にして、それから騎士の方には変装してもらう。それで三人で…ってなると、どういう関係?と余計目立ってしまうことに気付いた。それで思い付いたのが、もう一人来てもらうこと。それで白羽の矢が立ったのはメイドのオリアナ!それで四人で行くことになった。
だけどそれはそれで何だか気恥ずかしい。ダブルデート?そんな見た目になっていないかと。ちょっと恥ずかしいけど仕方ないわ!
そうこうしているうちにライシックに着き、私達はキョロキョロしながら馬車を降りる。馬車は古いものを借りたし、服装も…大丈夫ね?よし!
「イーゴリ卿もよろしくお願いします。これよりは、私達は友達同士です…ですから私とスチワートのことは呼び捨てでお願いしますね。話し方も自然に!オリアナもよ?」
「はい!分かり…いや、分かったよ、フレデリカ」
イーゴリ卿はフラウ辺境伯家の騎士。実は、私達がここに来た時に剣を突き付けた人だ。それでスチワートが怪我をしたことに責任を感じて、今回の協力を自ら志願してくれている。それから四人で目配せしながら歩き出した。
「事前に調べたら、やはり母親は亡くなり、この先の家に一人で住んでいる。長年空き家だったのが、半年前にふらっと帰って来たと…」
伯母様が調べて下さったのね?半年前…ちょうど時期も合うわ。あの一件から、真っ直ぐここに帰って来たことになる。シンシアとは連絡を取っているのかしら…
「女性だから滅多なことはないと思うけど、一応気を付けよう。喧嘩っ早い性格のようだし」
スチワートの言葉に私とオリアナは大きく頷き、そしてイーゴリ卿はズボンのポケットを触る。きっとあの中に、武器を隠しているのだと思う。確かにロリーは、ノートン邸で働いていた時から気の強い印象がある。私を睨んだり、暴言を吐いたり…気を付けるに越したことはないわね。
「そうね、充分気を付けて!そして離れないように共に行動すること」
それから私達は再び歩き出す。この辺りは、食堂や商店が立ち並び、比較的賑やかなところ。もしかして今は、そういうお店で働いているのかも。前にここで見掛けた時も、仕事に向かうところだったのかも知れないわね。
「あっ、あの家だ」
イーゴリが指さしたのは、長屋のように同じような建物が連なっている一角。その中の一軒の前に立ち止まった。すると…
──キィッ、トン!
その瞬間、ロリーと目が合う。丁度家から出て来たところで…
信じられないといったように、これでもかと目を見開いている。それから口元を震わせて…
「な、フ…フレデリカ、様?」
およそ半年ぶりの再会。あなたは何を答えてくれるのかしら?それとも…
1,212
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる