25 / 53
第四章・予期せぬ告白
25・恐ろしい体験
しおりを挟む
「フレデリカ様…ど、どうなさったのです?どうしてここ、に…いらっしゃるのですか」
目の前のロリーは、無理矢理笑おうとしているのか、口元が引き攣り顔を歪ませている。そしていつになく、歯切れの悪い喋り方をしている…まさか私がここに来るなんて思いも寄らないことだったんでしょうね。それもロリーの家に…
「あなたを訪ねて来たのよ。前にあなたの言ったことの真意を聞きたくて。そして恐らくだけど、あなたはそれを話したがっていた…違う?」
私は敢えて直球で尋ねる。ここまで来たら、もう誤魔化すことは出来ない…いえ、誤魔化しちゃいけない気がする。これはノートン家だけでなく、フラウ家までも巻き込んでいる重大なこと。それなら私は、きちんと真相を知らなければと…
「真意?ああ、私があの時言っていたことですね。ですが…本当に聞きたいですか?知らなくてもいいことかも知れませんよ」
ロリーは少し落ち着いたのか、先程までの怯えは消え去り、挑むような視線を向ける。それでこそロリー…この人はやはり、ひと筋縄ではいかない気がする。それ程シンシアを慕っているから?そう単純な感情ではないのかしら…
「いいえ、ここまで来たのだから真相を知りたいの。あなたは元々、シンシアの最側近だった人。だからそんな気遣いは無用だわ!それに知らなければならない…自分の為にも」
そう真剣に返す私。するとロリーは、諦めたようにフッと息を吐く。すると…
「申し訳ないですが私は、今から仕事に行かなければならないんです。お昼の手伝いだけですから…二時間ほど待っていただけませんか?事前に誓います!必ず真相をお話すると…」
挑むような視線は影を潜め、本当にそう思っているのが分かる。ロリーにしてみればきっと乗りかかった船…話してしまいたいのだろう。それから私達とロリーは移動して、働いているという食堂の前にやって来た。すると…
「今はここで働いています。どうかそれまで時間を潰していただけないでしょうか?こちらの店だと正直気が散りますし…。向こうに小洒落たカフェがございます。そちらで二時間後に待ち合わせということでお願いします」
そう言って素直に頭を下げるロリーは、通りの向こう側にあるカフェを指差している。それに私達はコックリと頷いて、一旦別れることにした。
「まあ、急に来たから仕方がないか。でも間違いなくあれは、真実を話そうとしている。きっと自分の心の中だけで、留めることの限界を感じているんじゃないかな…」
そのスチワートの言葉に同意する私。ロリーはきっと、正直に話そうとしている…そんなふうに思う。
「それまでの間、どこかで食事をしましょうか?お昼ですし…」
オリアナのその提案で我に返った私達は、二時間後に待ち合わせなんだと慌てて移動することにした。近くには前に立ち寄った食堂もあり、また同じ店に入ることにする。それはとっても美味しいから!
それで四人で席に着いた私達はまた同じ物を注文し、やっと一息つくことに。
「この場をお借り…じゃなかった!前から聞いてみたかったんだけど、錬金術での移動って危なくないか?あの時二人が急に現れて、騒然としたんだ!本当に切るところだったよ…」
イーゴリはそう言って、思い出したように天を仰ぐ。そうだったわ…薔薇園に出る筈が、どうして伯母様の執務室に行ってしまったのかが謎のまま。それで…
「本当は薔薇園に出る予定だったのよ?あの庭園にね、お母様の名前がつけられた薔薇があるの。それを思い出して飛んでみたんだけど」
「そうそう、あれは本当に肝が冷えたよ。出たら全然違ってて!」
今となっては笑い話になるけど、本当に危なかったと思う。今度私が主導して飛ぶ機会があれば、気を付けなきゃと思うくらいに。するとオリアナが…
「私は分かりました!その理由は、実はあの執務室にはいつも薔薇が飾られているんです。確かクリスティーヌという個体名のピンクの薔薇が!」
「ええっ…お母様の薔薇を?」
オリアナは微笑みながらウンウン頷いている。そうなのね…伯母様がお母様を懐かしんで、今でも飾ってくださっているんだ。本当に仲の良い姉妹だったのね…
それにはジンと感動しちゃうけど、そういえばと急に思い出したのはシンシアのこと。
姉妹同然で育ったと言ってたわよね?あの二人は。そしてその相手であるロリーは、シンシアに纏わる真実を話そうとしている。それはどういう気持ちで?
そしてシンシアは何故、それをあの時止めたのかしら?それが明らかになろうとしている。それを考えたら少しドキドキしてきた…
そんなことを考えていると、私達のテーブルに大鍋がドカンと置かれて、またまた漂ういい匂い!そんな疑問はあるものの、目の前の美味しい料理をまずば平らげることにした。そして…
「少し遅いな?もう二時間が過ぎているけど…」
スチワートはそう言い、時間を気にしている。すると隣のイーゴリが…
「間違いなくあの店にはいる!もしも逃げたら…と思って、さっきチラッと見てきたんだ。店が結構混んでいたから、時間通り終わらないのかも知れない」
「そうなの?それじゃあ、もう少し待ってみましょう」
私達がいるのは、窓際のテラス席。ここからロリーがいる食堂は真正面に見える。それでお茶を飲みながら他愛もない話をしながら待つことにした。そして三十分ほど経った後…
「あっ、皆さん見て!出て来ましたよ」
オリアナの声に振り向くと、慌てた様子のロリーが店から出て来たところで。そしてこちらの視線に気付いて、軽く会釈している。それから左右をキョロキョロしながら、通りを渡ろうとすると…
「おい!あの馬…危なくないか?」
イーゴリが大声を出し、ロリーに気を取られていた私達は、イーゴリが見ている方を向き直す。すると…
遠くから猛スピードでこちらに駆けてくる馬。ここから見ても分かるくらいに涎を撒き散らし、顔を激しく振りながら視線が定まっていない。ええっ!
──な、何…暴れ馬?どうしてこんなところに!
だけど焦りながら道を渡ろうとしているロリーは気付いてもいない。そのまま歩き出して…
──バンッ!
跳ね飛ばされる身体…それからドシンと地面に叩き付けられる。そして暫くすると、その場に広がる赤い染みが…
「キ、キャーッ!」
オリアナが悲鳴を上げ、騒然とするこの場。私は急いで店を出て、ふらつく足取りで近付いて行く。怖いけど、行かない訳にはいかない。すると…頭から血を流しているロリーが!
ど、どうなったの?こんなことになるなんて…どうして!
目の前のロリーは、無理矢理笑おうとしているのか、口元が引き攣り顔を歪ませている。そしていつになく、歯切れの悪い喋り方をしている…まさか私がここに来るなんて思いも寄らないことだったんでしょうね。それもロリーの家に…
「あなたを訪ねて来たのよ。前にあなたの言ったことの真意を聞きたくて。そして恐らくだけど、あなたはそれを話したがっていた…違う?」
私は敢えて直球で尋ねる。ここまで来たら、もう誤魔化すことは出来ない…いえ、誤魔化しちゃいけない気がする。これはノートン家だけでなく、フラウ家までも巻き込んでいる重大なこと。それなら私は、きちんと真相を知らなければと…
「真意?ああ、私があの時言っていたことですね。ですが…本当に聞きたいですか?知らなくてもいいことかも知れませんよ」
ロリーは少し落ち着いたのか、先程までの怯えは消え去り、挑むような視線を向ける。それでこそロリー…この人はやはり、ひと筋縄ではいかない気がする。それ程シンシアを慕っているから?そう単純な感情ではないのかしら…
「いいえ、ここまで来たのだから真相を知りたいの。あなたは元々、シンシアの最側近だった人。だからそんな気遣いは無用だわ!それに知らなければならない…自分の為にも」
そう真剣に返す私。するとロリーは、諦めたようにフッと息を吐く。すると…
「申し訳ないですが私は、今から仕事に行かなければならないんです。お昼の手伝いだけですから…二時間ほど待っていただけませんか?事前に誓います!必ず真相をお話すると…」
挑むような視線は影を潜め、本当にそう思っているのが分かる。ロリーにしてみればきっと乗りかかった船…話してしまいたいのだろう。それから私達とロリーは移動して、働いているという食堂の前にやって来た。すると…
「今はここで働いています。どうかそれまで時間を潰していただけないでしょうか?こちらの店だと正直気が散りますし…。向こうに小洒落たカフェがございます。そちらで二時間後に待ち合わせということでお願いします」
そう言って素直に頭を下げるロリーは、通りの向こう側にあるカフェを指差している。それに私達はコックリと頷いて、一旦別れることにした。
「まあ、急に来たから仕方がないか。でも間違いなくあれは、真実を話そうとしている。きっと自分の心の中だけで、留めることの限界を感じているんじゃないかな…」
そのスチワートの言葉に同意する私。ロリーはきっと、正直に話そうとしている…そんなふうに思う。
「それまでの間、どこかで食事をしましょうか?お昼ですし…」
オリアナのその提案で我に返った私達は、二時間後に待ち合わせなんだと慌てて移動することにした。近くには前に立ち寄った食堂もあり、また同じ店に入ることにする。それはとっても美味しいから!
それで四人で席に着いた私達はまた同じ物を注文し、やっと一息つくことに。
「この場をお借り…じゃなかった!前から聞いてみたかったんだけど、錬金術での移動って危なくないか?あの時二人が急に現れて、騒然としたんだ!本当に切るところだったよ…」
イーゴリはそう言って、思い出したように天を仰ぐ。そうだったわ…薔薇園に出る筈が、どうして伯母様の執務室に行ってしまったのかが謎のまま。それで…
「本当は薔薇園に出る予定だったのよ?あの庭園にね、お母様の名前がつけられた薔薇があるの。それを思い出して飛んでみたんだけど」
「そうそう、あれは本当に肝が冷えたよ。出たら全然違ってて!」
今となっては笑い話になるけど、本当に危なかったと思う。今度私が主導して飛ぶ機会があれば、気を付けなきゃと思うくらいに。するとオリアナが…
「私は分かりました!その理由は、実はあの執務室にはいつも薔薇が飾られているんです。確かクリスティーヌという個体名のピンクの薔薇が!」
「ええっ…お母様の薔薇を?」
オリアナは微笑みながらウンウン頷いている。そうなのね…伯母様がお母様を懐かしんで、今でも飾ってくださっているんだ。本当に仲の良い姉妹だったのね…
それにはジンと感動しちゃうけど、そういえばと急に思い出したのはシンシアのこと。
姉妹同然で育ったと言ってたわよね?あの二人は。そしてその相手であるロリーは、シンシアに纏わる真実を話そうとしている。それはどういう気持ちで?
そしてシンシアは何故、それをあの時止めたのかしら?それが明らかになろうとしている。それを考えたら少しドキドキしてきた…
そんなことを考えていると、私達のテーブルに大鍋がドカンと置かれて、またまた漂ういい匂い!そんな疑問はあるものの、目の前の美味しい料理をまずば平らげることにした。そして…
「少し遅いな?もう二時間が過ぎているけど…」
スチワートはそう言い、時間を気にしている。すると隣のイーゴリが…
「間違いなくあの店にはいる!もしも逃げたら…と思って、さっきチラッと見てきたんだ。店が結構混んでいたから、時間通り終わらないのかも知れない」
「そうなの?それじゃあ、もう少し待ってみましょう」
私達がいるのは、窓際のテラス席。ここからロリーがいる食堂は真正面に見える。それでお茶を飲みながら他愛もない話をしながら待つことにした。そして三十分ほど経った後…
「あっ、皆さん見て!出て来ましたよ」
オリアナの声に振り向くと、慌てた様子のロリーが店から出て来たところで。そしてこちらの視線に気付いて、軽く会釈している。それから左右をキョロキョロしながら、通りを渡ろうとすると…
「おい!あの馬…危なくないか?」
イーゴリが大声を出し、ロリーに気を取られていた私達は、イーゴリが見ている方を向き直す。すると…
遠くから猛スピードでこちらに駆けてくる馬。ここから見ても分かるくらいに涎を撒き散らし、顔を激しく振りながら視線が定まっていない。ええっ!
──な、何…暴れ馬?どうしてこんなところに!
だけど焦りながら道を渡ろうとしているロリーは気付いてもいない。そのまま歩き出して…
──バンッ!
跳ね飛ばされる身体…それからドシンと地面に叩き付けられる。そして暫くすると、その場に広がる赤い染みが…
「キ、キャーッ!」
オリアナが悲鳴を上げ、騒然とするこの場。私は急いで店を出て、ふらつく足取りで近付いて行く。怖いけど、行かない訳にはいかない。すると…頭から血を流しているロリーが!
ど、どうなったの?こんなことになるなんて…どうして!
1,114
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる