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第一章・クリスティーヌの逃亡
5・求める心*
あれからバスルームから出ると、薬箱を持ったロベルトがいることにギョッとした。待っていたの?と戸惑ってしまう。
そんなロベルトの行動…良いように考え過ぎかも知れないけど、ほんの少し反省しているのかもと思う。カレンのブローチを盗んだことはまだ疑っているのだろうけど、それでも皆のいる前で私の頰を打ったこと…それだけは密かに反省しているのではないかと。それは私がそうだったらいいのにという希望かしら?そして…
「早くこっちに。手当してやる」
メイドに頼むからいい…と言いたかったけど、これ以上怒らせるのは得策ではないのだと思う。それで大人しくベッドに座り治療してもらうことに。
思った以上に足の指は擦りむけ、足の裏も細かな石がめり込んでいてあちこちには血が滲む。それを一応、綺麗に洗い流したけど…
「何故こんなになるまで走ったんだ!馬鹿なのか?」
それはあなたがあんなことをするからだと言いたかったけど、何も言わずに口を噤む…口を開けば、それが漏れ出てしまうから。それにロベルトは私の反抗だと受け取ったらしく、呆れたように深い溜め息を吐く。
薬が塗られ、包帯でぐるぐる巻きになった足。そして腫れている頰には薄手の湿布薬を嫌そうな顔で貼ってくれる。それから少し切れた唇にロベルトの指が触れると…そのまま押し倒された!
「あっ、何を…やめて!」
私は身体をくねらせて、精一杯の抵抗をする。何故こうなるのだろう…それで私が喜ぶとでも?そんなの虚しいだけじゃない!
ロベルトは無言で、私の身体を弄るのをやめない。器用な指で着ている夜着の紐を解いて、どんどん裸に剥いていく。唖然としているうちに私は、もう既に下穿きのみになっていて…
「ふっ!あ…ッ」
腰をガッチリ掴んだロベルトは、太腿の辺りにキスをする。そのまま秘部の方へと舌を滑らせ、それから下穿きに噛み付き強引に脱がせる。露わになったそこを恥ずかしさで手で隠すと、それをむんずと掴むロベルトは隠すことを許してはくれない…簡単に引っ剥がされてしまう。あっ…どうして!
ロベルトの大きな手は、二つの柔らかな膨らみをやわやわと揉みしだき、その先を何度も掠めるようにして翻弄する。その度に高い声を上げてしまう私が…
そのことに強い羞恥心を覚え押し退けようとするけど、私などの力では呆気なく弾かれてしまう。ペンだこのある太い親指の腹でグリグリと押し潰すされると息が止まりそうになって…
「フッ…ここがいいのだな?」
子宮にズンと響くような低い声…そう耳元で囁かれるだけでイッてしまいそうになる。私の身体は、いつの間にこれ程作り変えられてしまったのだろう?もうすっかり女に…
嫌がっていたはずがロベルトの背に爪を立て、ぎゅっとその背に強く抱きつき、しどけない身体を押し付ける。すると汗の伝う額に掛かる髪をかき上げながらシニカルに笑うロベルトが…
「あっ…ハァッ!」
グッと腹に感じる圧迫感。そしてどんどん中に侵入され、ハフハフと息も出来なくなる。そして最奥を何度もノックされると、その瞬間パァッと弾け散って…
頭が真っ白になる!背をのけぞらせ掠れた声を上げビクビクと震える身体。私達は隙間なく身体を重ねて、この時だけはまるで一つの身体のよう。どうかこのまま…そんな願いは叶えられる訳もなく、やがて一つに戻っていって…
──私は抱かれた後、酒を飲まれるのは嫌い。虚しくなってしまうから…
私の部屋の中で唯一の夫の物…大きな一人掛けソファでロベルトはお酒を飲んでいる。ウィスキーかしら?琥珀色の酒を注いで少しずつ口に含み、それをまた繰り返している。それをぼうっとしながら見つめて、身動きもしない私。そしてロベルトは私が、そんなことを考えているなんて思いも寄らないでしょうね。それはいつもの光景ではあるけど、こんな時にそうされるのは毎回私にとって耐え難いことだった。何も腕枕をしろとは言わない…そんなの煩わしいでしょ?そんなの分かっている。
──だからやめて!私の前で酒を飲むのは…
私などを抱いてしまった罪悪感を、酒の力を借りて紛らわせようとしている…そう感じてしまう。そしてそれが夫の本心なんじゃないかと思ってしまうと、それ以上何も言えなくなってしまう。あなたが今抱いていたのは、本当に私なの?恋焦がれているカレンではなく私なのかしら…
そしてそんなことを気にしているなんて、とてもじゃないけど言えない。結局は惚れた弱みなんでしょうね。だけど…今日は少し違っているのかも。
「風呂に入って来い…湯を張り直したから。お前は水風呂に入る習慣があるのか?すっかり湯が冷たくなってたぞ」
そう言われて、ムクッとベッドから起き上がる。そして足を床についた瞬間、痛みが走って息が止まりそうになる…
丁寧に巻いてあったはずの包帯は全て取れて、剥き出しの足裏には血が滲んでいる。そうか…そうよね?あんなことをしたんだから取れるにきまってる。そしてフウッと溜め息を一つ吐いて、そしてふらつく身体で二度目のバスルームに向かう。そしてドアノブに手を掛けたところで振り返った…そこには珍しくキョトンとして私を見つめるロベルトが。前髪が完全に下りているせいで普段よりも若く見える。それにはちょっとだけ微笑んで…
「あなた…もう私達、離婚しましょう。それがお互いのためだと思うのよ?」
そう言った私は、固まって表情を変えない夫を部屋に残して、バスルームへと消えた。
そんなロベルトの行動…良いように考え過ぎかも知れないけど、ほんの少し反省しているのかもと思う。カレンのブローチを盗んだことはまだ疑っているのだろうけど、それでも皆のいる前で私の頰を打ったこと…それだけは密かに反省しているのではないかと。それは私がそうだったらいいのにという希望かしら?そして…
「早くこっちに。手当してやる」
メイドに頼むからいい…と言いたかったけど、これ以上怒らせるのは得策ではないのだと思う。それで大人しくベッドに座り治療してもらうことに。
思った以上に足の指は擦りむけ、足の裏も細かな石がめり込んでいてあちこちには血が滲む。それを一応、綺麗に洗い流したけど…
「何故こんなになるまで走ったんだ!馬鹿なのか?」
それはあなたがあんなことをするからだと言いたかったけど、何も言わずに口を噤む…口を開けば、それが漏れ出てしまうから。それにロベルトは私の反抗だと受け取ったらしく、呆れたように深い溜め息を吐く。
薬が塗られ、包帯でぐるぐる巻きになった足。そして腫れている頰には薄手の湿布薬を嫌そうな顔で貼ってくれる。それから少し切れた唇にロベルトの指が触れると…そのまま押し倒された!
「あっ、何を…やめて!」
私は身体をくねらせて、精一杯の抵抗をする。何故こうなるのだろう…それで私が喜ぶとでも?そんなの虚しいだけじゃない!
ロベルトは無言で、私の身体を弄るのをやめない。器用な指で着ている夜着の紐を解いて、どんどん裸に剥いていく。唖然としているうちに私は、もう既に下穿きのみになっていて…
「ふっ!あ…ッ」
腰をガッチリ掴んだロベルトは、太腿の辺りにキスをする。そのまま秘部の方へと舌を滑らせ、それから下穿きに噛み付き強引に脱がせる。露わになったそこを恥ずかしさで手で隠すと、それをむんずと掴むロベルトは隠すことを許してはくれない…簡単に引っ剥がされてしまう。あっ…どうして!
ロベルトの大きな手は、二つの柔らかな膨らみをやわやわと揉みしだき、その先を何度も掠めるようにして翻弄する。その度に高い声を上げてしまう私が…
そのことに強い羞恥心を覚え押し退けようとするけど、私などの力では呆気なく弾かれてしまう。ペンだこのある太い親指の腹でグリグリと押し潰すされると息が止まりそうになって…
「フッ…ここがいいのだな?」
子宮にズンと響くような低い声…そう耳元で囁かれるだけでイッてしまいそうになる。私の身体は、いつの間にこれ程作り変えられてしまったのだろう?もうすっかり女に…
嫌がっていたはずがロベルトの背に爪を立て、ぎゅっとその背に強く抱きつき、しどけない身体を押し付ける。すると汗の伝う額に掛かる髪をかき上げながらシニカルに笑うロベルトが…
「あっ…ハァッ!」
グッと腹に感じる圧迫感。そしてどんどん中に侵入され、ハフハフと息も出来なくなる。そして最奥を何度もノックされると、その瞬間パァッと弾け散って…
頭が真っ白になる!背をのけぞらせ掠れた声を上げビクビクと震える身体。私達は隙間なく身体を重ねて、この時だけはまるで一つの身体のよう。どうかこのまま…そんな願いは叶えられる訳もなく、やがて一つに戻っていって…
──私は抱かれた後、酒を飲まれるのは嫌い。虚しくなってしまうから…
私の部屋の中で唯一の夫の物…大きな一人掛けソファでロベルトはお酒を飲んでいる。ウィスキーかしら?琥珀色の酒を注いで少しずつ口に含み、それをまた繰り返している。それをぼうっとしながら見つめて、身動きもしない私。そしてロベルトは私が、そんなことを考えているなんて思いも寄らないでしょうね。それはいつもの光景ではあるけど、こんな時にそうされるのは毎回私にとって耐え難いことだった。何も腕枕をしろとは言わない…そんなの煩わしいでしょ?そんなの分かっている。
──だからやめて!私の前で酒を飲むのは…
私などを抱いてしまった罪悪感を、酒の力を借りて紛らわせようとしている…そう感じてしまう。そしてそれが夫の本心なんじゃないかと思ってしまうと、それ以上何も言えなくなってしまう。あなたが今抱いていたのは、本当に私なの?恋焦がれているカレンではなく私なのかしら…
そしてそんなことを気にしているなんて、とてもじゃないけど言えない。結局は惚れた弱みなんでしょうね。だけど…今日は少し違っているのかも。
「風呂に入って来い…湯を張り直したから。お前は水風呂に入る習慣があるのか?すっかり湯が冷たくなってたぞ」
そう言われて、ムクッとベッドから起き上がる。そして足を床についた瞬間、痛みが走って息が止まりそうになる…
丁寧に巻いてあったはずの包帯は全て取れて、剥き出しの足裏には血が滲んでいる。そうか…そうよね?あんなことをしたんだから取れるにきまってる。そしてフウッと溜め息を一つ吐いて、そしてふらつく身体で二度目のバスルームに向かう。そしてドアノブに手を掛けたところで振り返った…そこには珍しくキョトンとして私を見つめるロベルトが。前髪が完全に下りているせいで普段よりも若く見える。それにはちょっとだけ微笑んで…
「あなた…もう私達、離婚しましょう。それがお互いのためだと思うのよ?」
そう言った私は、固まって表情を変えない夫を部屋に残して、バスルームへと消えた。
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