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第一章・クリスティーヌの逃亡
10・初恋ゆえに
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あの日あなたは、私の目の前に現れた。背が高くガッシリとした立派な体格…そんな人が騎士ではなく、皇太子殿下の筆頭補佐官だなんてあり得るのかと不思議に思う。そして優しい微笑みを浮かべながら私に言ったのよ?
「初めてまして、ランドン令嬢。クリスティーヌ様とお呼びしても?私はロベルト・イェガーと申します。是非お会いしたいと思っていました」
サラリと揺れる銀糸のような髪。そして目を引くのは、赤みがかった黒い瞳…まるで多色性のある宝石のよう!
その珍しい色に目を離せないでいると、切れ長の目をほんの少し細め微笑んだ。
そんなロベルトに私は、少し混乱する。事前にお会いしたイェガー公爵から、息子ロベルトの事情について予め聞いていたから…
父親から無理やり結婚させられるなど、どう考えても不機嫌だろうと思う。それにロベルト・イェガーという人物は、あまり評判の良い人ではなかった。真面目で融通は利かず、自分の意見を押し通す冷酷無比…だなんて呼ばれていると。なのに?
「は、はい!こちらこそよろしくお願いいたします。なにぶん伯爵家といっても力のない家門ですので、釣り合わないとお断りしたのですが…」
私は目の前のロベルトに、戸惑いながら挨拶を返す。すっかり焦って余裕をなくしてしまった私は、結婚することが決まる以前の余計なことまで言ってしまっていた。
それにしても、そんな噂など当てにならないものなんだ…と思う。あの冷酷無比…なんて噂は、きっと都合の悪いことをした一部の人達が、苦し紛れにそう言っているのだろう。裏を返せば、人によって差別せず公明正大とも言えるわよね?
最初は今日の初顔合わせも、もしかしたら現れない可能性だってあると覚悟していた。なのにいざ現れてみると、意外にも柔和な微笑みを浮かべている。そして改めて夫になる予定のロベルトを見つめると、パチッと目が合い途端に胸がドキドキして顔も上げられなくなってしまう。
だけど、私のような何の利益にもならない人間が公爵家の夫人に…そんなこと有り得るの?社交的な性格でもなく、それに見た目だって普通より下辺り?そんな私を求めるのが、こんなに素敵な人だなんて…これが初恋?甘酸っぱくて、そしてどこまでも盲目。私は既に、ロベルトしか見えなくなっていた…
それからの私は幸せの絶頂だった。生まれて初めてのデートに浮かれ、家にひっきりなしに届けられる高価な贈り物。そのお陰で家格の差を埋めるようなお付き合いが出来る。そして公爵家に向かう準備だって…
でなければ、みすぼらしい花嫁だと誹りを受けていたに違いない。不穏な噂はあったものの、それを一切感じさせないほどの幸せを味わう。それから豪華な結婚式を挙げて…
だけどそんな幸せな結婚生活も、ある日突然崩れた。あれは結婚して半年が過ぎようとしていた時…
ロベルトは素知らぬ顔で、カレンを伴って我が家にやって来る。それには嫌な予感が…
「あなた…この美しい方はどなた?」
震える声でそう尋ねると、ロベルトは悪びれた様子もなくはっきりと言った。
「この人はカレン…私の愛しい人だ」
その衝撃たるや…ロベルトは私に、カレンを紹介するためだけに連れて来ていた。今までのようにその存在を隠そうと思えば出来たはず…それなのに何故なの?そんな疑問が頭から離れない!そして…
──い、愛しい人…だったら私は、あなたにとってどんな存在なの…?
そんなことがあって初めて、あの噂は本当なんだと愕然とする。そしてこれが悪夢の序曲のように、それからは私の前だとしても二人の間柄を隠すことはなくなって…
そして思えば、最初から可怪しかった。幸せで考えないようにしていたけど、屋敷の使用人達も私に対しては他人行儀でよそよそしい。だけどそれはこの家の家訓みたいなもので、あくまで使用人としての振る舞いを義務付けている。主に対して軽口や親しみのある態度をしないようにと徹底しているのだと…
だけど真実は…このことを知っていたからだったのね?私になど媚を売っても、何の得もない。いずれこの家を追い出されるだけの女…
──私って、どこまでおめでたいのかしら…
一時の幸せにうつつを抜かして、現実が見えていなかった。そう考えれば考えるほど、ロベルトの行動は納得のいくものだったのに。
休みの日には殆ど家にはいない…そしてたまにいるのかと思えば忙しいと言って執務室に籠もりきり。それに夜だって…虚しく響くのは私の声だけ。睦言の一つだって言ってくれはしない。あれだけの幸福を与えておいて、いきなり落とす…それは何故なの?
「イェガー公爵夫人、お預かりしました先程の品々の査定が終了したそうです。今オーナーが参りますので」
その声にハッと我に返る…今となっては虚しい白昼夢。待っている間に私は、夫と初めて会ったあの日を思い出していた。それから自分が辿った不幸な日々も…
そしてそれを振り切るように前を見ると、宝石店のオーナーが深々と頭を下げていた。それから金額を書いた紙を手渡してくる。
徐にそれを受け取って金額を確認すると…驚愕の数字が!驚いてオーナーを見ると、にこやかな表情をしている。この金額で買ったとしても、採算が取れるくらいなのね…
実はこれらの宝石類は結婚前に贈られたもの。私の瞳の色に合わせた大粒サファイアのリング二点に、デコルテに合うように修理するつもりだったブラックオパールのネックレス。これはもしかして、ロベルトの瞳に合わせたものだった?
そしてこれを意図せず手放すことになったということは、過去を捨てて新たに生きろという暗示なのかも。与えられた偽りの身分を捨て、自分の好きなように生きる。お母様…それでいいのよね?
背中を押して欲しい母はもういないけど、この偶然はまるでそう言われているかのように感じる。そしてこれだけのお金があれば、きっと大丈夫…そして逸る気持ちを隠して悠々と微笑む。
「こちらの金額で結構ですわ。是非買い取りをお願いします。そしてこの後銀行に行く予定があるの。預けておこうと思うから、現金でお願いできる?」
オーナーは「もちろんでございます」と言いながら、目の前に積み上げられる現金。これだけの現金を目の前で見るのは初めて!だけど平静を装いながら、さも当たり前のようにバッグに仕舞う。そして…
「申し訳ないけど、紙とペンを貸していただけるかしら?」
私はこの逃亡の仕上げをしようとしていた。迷ったけど、復讐?それとも愛情かしら。どちらとも取れる複雑な感情が渦巻いている。
──あなたは私を赦してくれるかしら?いいえ、私を恨んでくれていいの…
「初めてまして、ランドン令嬢。クリスティーヌ様とお呼びしても?私はロベルト・イェガーと申します。是非お会いしたいと思っていました」
サラリと揺れる銀糸のような髪。そして目を引くのは、赤みがかった黒い瞳…まるで多色性のある宝石のよう!
その珍しい色に目を離せないでいると、切れ長の目をほんの少し細め微笑んだ。
そんなロベルトに私は、少し混乱する。事前にお会いしたイェガー公爵から、息子ロベルトの事情について予め聞いていたから…
父親から無理やり結婚させられるなど、どう考えても不機嫌だろうと思う。それにロベルト・イェガーという人物は、あまり評判の良い人ではなかった。真面目で融通は利かず、自分の意見を押し通す冷酷無比…だなんて呼ばれていると。なのに?
「は、はい!こちらこそよろしくお願いいたします。なにぶん伯爵家といっても力のない家門ですので、釣り合わないとお断りしたのですが…」
私は目の前のロベルトに、戸惑いながら挨拶を返す。すっかり焦って余裕をなくしてしまった私は、結婚することが決まる以前の余計なことまで言ってしまっていた。
それにしても、そんな噂など当てにならないものなんだ…と思う。あの冷酷無比…なんて噂は、きっと都合の悪いことをした一部の人達が、苦し紛れにそう言っているのだろう。裏を返せば、人によって差別せず公明正大とも言えるわよね?
最初は今日の初顔合わせも、もしかしたら現れない可能性だってあると覚悟していた。なのにいざ現れてみると、意外にも柔和な微笑みを浮かべている。そして改めて夫になる予定のロベルトを見つめると、パチッと目が合い途端に胸がドキドキして顔も上げられなくなってしまう。
だけど、私のような何の利益にもならない人間が公爵家の夫人に…そんなこと有り得るの?社交的な性格でもなく、それに見た目だって普通より下辺り?そんな私を求めるのが、こんなに素敵な人だなんて…これが初恋?甘酸っぱくて、そしてどこまでも盲目。私は既に、ロベルトしか見えなくなっていた…
それからの私は幸せの絶頂だった。生まれて初めてのデートに浮かれ、家にひっきりなしに届けられる高価な贈り物。そのお陰で家格の差を埋めるようなお付き合いが出来る。そして公爵家に向かう準備だって…
でなければ、みすぼらしい花嫁だと誹りを受けていたに違いない。不穏な噂はあったものの、それを一切感じさせないほどの幸せを味わう。それから豪華な結婚式を挙げて…
だけどそんな幸せな結婚生活も、ある日突然崩れた。あれは結婚して半年が過ぎようとしていた時…
ロベルトは素知らぬ顔で、カレンを伴って我が家にやって来る。それには嫌な予感が…
「あなた…この美しい方はどなた?」
震える声でそう尋ねると、ロベルトは悪びれた様子もなくはっきりと言った。
「この人はカレン…私の愛しい人だ」
その衝撃たるや…ロベルトは私に、カレンを紹介するためだけに連れて来ていた。今までのようにその存在を隠そうと思えば出来たはず…それなのに何故なの?そんな疑問が頭から離れない!そして…
──い、愛しい人…だったら私は、あなたにとってどんな存在なの…?
そんなことがあって初めて、あの噂は本当なんだと愕然とする。そしてこれが悪夢の序曲のように、それからは私の前だとしても二人の間柄を隠すことはなくなって…
そして思えば、最初から可怪しかった。幸せで考えないようにしていたけど、屋敷の使用人達も私に対しては他人行儀でよそよそしい。だけどそれはこの家の家訓みたいなもので、あくまで使用人としての振る舞いを義務付けている。主に対して軽口や親しみのある態度をしないようにと徹底しているのだと…
だけど真実は…このことを知っていたからだったのね?私になど媚を売っても、何の得もない。いずれこの家を追い出されるだけの女…
──私って、どこまでおめでたいのかしら…
一時の幸せにうつつを抜かして、現実が見えていなかった。そう考えれば考えるほど、ロベルトの行動は納得のいくものだったのに。
休みの日には殆ど家にはいない…そしてたまにいるのかと思えば忙しいと言って執務室に籠もりきり。それに夜だって…虚しく響くのは私の声だけ。睦言の一つだって言ってくれはしない。あれだけの幸福を与えておいて、いきなり落とす…それは何故なの?
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そしてそれを振り切るように前を見ると、宝石店のオーナーが深々と頭を下げていた。それから金額を書いた紙を手渡してくる。
徐にそれを受け取って金額を確認すると…驚愕の数字が!驚いてオーナーを見ると、にこやかな表情をしている。この金額で買ったとしても、採算が取れるくらいなのね…
実はこれらの宝石類は結婚前に贈られたもの。私の瞳の色に合わせた大粒サファイアのリング二点に、デコルテに合うように修理するつもりだったブラックオパールのネックレス。これはもしかして、ロベルトの瞳に合わせたものだった?
そしてこれを意図せず手放すことになったということは、過去を捨てて新たに生きろという暗示なのかも。与えられた偽りの身分を捨て、自分の好きなように生きる。お母様…それでいいのよね?
背中を押して欲しい母はもういないけど、この偶然はまるでそう言われているかのように感じる。そしてこれだけのお金があれば、きっと大丈夫…そして逸る気持ちを隠して悠々と微笑む。
「こちらの金額で結構ですわ。是非買い取りをお願いします。そしてこの後銀行に行く予定があるの。預けておこうと思うから、現金でお願いできる?」
オーナーは「もちろんでございます」と言いながら、目の前に積み上げられる現金。これだけの現金を目の前で見るのは初めて!だけど平静を装いながら、さも当たり前のようにバッグに仕舞う。そして…
「申し訳ないけど、紙とペンを貸していただけるかしら?」
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