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第10章・危険な香り
74・バーモント子爵
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「アリシア、あの人だ。ルーシーの義理の父親であるバーモント子爵だよ」
そんなフィリップの声に、やはり…と確信する。
私達は遠くから二人を見つめていた。この噴水広場には、家族連れやカップル、そしてこの辺りに住む平民の子供達だろうか?楽しそうに駆け回っている。意外にも沢山の人達が居るその中で、鮮やかなピンク頭は飛び抜けて目立っている。そしてその隣に立つ、ルーシーとは似ても似つかないバーモント子爵は睨んでいて…
何なのかしら?勝手に一人で家を出たから、怒ってるの?それにしても義理とはいえ父娘でしょう?何だかピリピリとした空気を感じるけど…。遠目で見てもそれがありありと分かる…
「バーモント子爵って、何だか近寄りがたい人なんだよ…どう言っていいのか分からないけど、冷酷さが透けて見える感じなんだよね。笑ってるけど笑ってない…うちの父も同じ印象を受けたようで、信用ならないと言ってた」
フィリップがそう呟いている。やっぱり私の受けた印象は間違ってはいないよう。だけどロード辺境伯様も?信用ならない…そう思ったってことは、武器の取り引きはしていないのかもね?このチャンスを逃さないわ!
「フィリップ、前にバーモント子爵様と辺境伯家は、仕事の取り引き相手だと言っていたわよね。それは今もそうなの?辺境伯様が信用ならないと言うなんて、取り引き先としては穏やかじゃないわよね?」
不自然じゃないギリギリを攻めて、そう聞いてみる。これなら今のフィリップの発言を聞いての、反応なんだと思ってくれるだろう。そして結局取り引きがあるのかないのかを判断出来るし。それにフィリップは、平然として…
「ああ、あれは取り止めにしたんだ。だってバーモント家が武器が欲しいなんておかしいだろ?この帝国は皇帝陛下のお力でここまで平和になったんだし、そんなに武器など必要としてない…それを父上が突っ込んで聞いたら、反応が怪しかったそうだよ?」
──辺境伯様~その判断、大正解ですっ。危ない…とんだことに巻き込まれるところでしたよ?これからもその判断力、失わないようにして下さい!皇帝陛下が悲しむので~
そんなふうに心の中で拍手喝采だった私だけど、突然もう一つの目的を思い出した。それでルシードの後ろへと目を向けると…二人の騎士のうち、一人は怪しい人が居ないか広場内を見渡している。だけど…もう一人の若い方は、明らかにルーシーとバーモント子爵を見ている。そして従者であるマーティンの方も。全てがこれで分かる訳ではないかも知れないけど、間違いないのは年上の方の騎士だけは、疑惑から外していいのでは?ってことよね。そう思ってチラッとルシードを見ると、同じことを思っていると見えて、ほんの少し肩を窄めて合図してくる。まあ、この二つが分かっただけでも大きな前進だし、今日来た意味があったわね?と、ルーシーに目線を戻すことにした。
すると…相変わらずの険悪な雰囲気に、近付いていいものかどうかの判断が出来ない。だけどこのままでは埒が明かないし、声を掛けてみようか?と思っていると…
──バチン!
そんな乾いた音がこの場に響く。それは周りにいる知らない人達も驚いたようで、二人を振り返って…
「な、何?何があったの…もしかして、ルーシーが叩かれた?」
唖然としてルーシーを見ると、大きな藍色の目に涙をいっぱい溜めて、左頬を手で押さえている。どうしちゃったの?何故叩かれたの?と私も動揺してしまって…
「あれは酷いな…止めなきゃマズいかも?」
ルシードのそんな呟きが耳に入る。ポロポロと涙を溢しながらもルーシーは、何かを言い返していて…それに激昂したバーモント子爵は、今度は反対の頬を打とうとしてか左手を勢いよく振り上げて…
「お待ち下さい!これ以上はお止めになって。見ていられません!」
その瞬間思いっ切り走った私は、二人に近付いてそう大声で叫んだ!子供に手を上げるなんて、許せないでしょ?
「な、何だ?君は…」
斜に構えた態度で、私をキッと睨みつけるバーモント子爵。冷酷…さっきフィリップがそう言ったが、まさにそのような言葉がぴったりなその視線。だけど私は、そんなものには負けない!とルーシーを庇うように子爵の前に立ちはだかる。
それから、この子大丈夫なのかしら?と後ろを振り返ると、ルーシーは何が起こったのか分からないといった顔をしていて…
ルーシーは驚きで目を見開いて、そして私と目が合う。明らかに動揺しているが目に光は失っておらず、これは大丈夫だと判断する。そして再び子爵の方に向き直した。
「君は誰だと聞いてるんだ。令嬢だとしても、ことと次第によっては容赦しないぞ!」
そう憎々しげに言ってくるバーモント子爵に、なんて印象通りな人なんだろうと思う。私の言動が失礼だったのは認めるけど、娘と同じ年頃の令嬢に対してそんな脅すようなことを言うなんて…
「私はランドン伯爵家のアリシアです。ルーシーの同級生ですわ!今のルーシーに対する暴力の一部始終を見ておりました。これ以上の暴力はお止めいただきたい!これが娘に対してすることなのですか?」
「何?ランドン伯爵家…だと?」
そう言ってバーモント子爵と睨み合う。するとその時、私のスカートが引き攣れるような感覚がして…チラッと見ると、ルーシーが端を握っている。そしてその手はブルブルと震えているのが伝わってくる。もうここには、あの勝ち気で生意気なルーシーはいなかった。怖くて震える一人の女の子で…
「私も反対です。何がお二人にあったのかは知りませんが、このように人目のある所で令嬢を平手打ちするなど、批判されても仕方がないのではないですか?」
「き、君は辺境伯家の?」
そんな私達を助けようとフィリップもそう意見して。そしてその人が見知った顔であり、ロード辺境伯家の子息であるフィリップだと気付いて…バーモント子爵は途端に怒気を緩める。そして護衛を連れたルシードが無言ですぐ側で威圧すると…
「ル、ルーシー。今日は早く帰ってくるように!」
慌てたようにそう言って、バッと踵を返すバーモント子爵が!そして向こうへと去って行った。
「あ、あなた、大丈夫なの?」
子爵が去ったことで安心して、バッと後ろを振り返る。そしてまだ頬を押さえながら涙を流すルーシーを見つめて…
「ア、アリシアー!」
突然私の名を大声で呼び、どっと涙を流すルーシー。そんな様子を見ていたら何だか物凄く可哀想に思えて…
その細い身体をそっと抱く。ルーシーを抱き締めるなんて、子供の頃以来なのでちょっと恥ずかい気もする。だけど…私はルーシーが泣き止むまで背中をそっと撫でてやり、大丈夫だから…と何度も繰り返した。
そんなフィリップの声に、やはり…と確信する。
私達は遠くから二人を見つめていた。この噴水広場には、家族連れやカップル、そしてこの辺りに住む平民の子供達だろうか?楽しそうに駆け回っている。意外にも沢山の人達が居るその中で、鮮やかなピンク頭は飛び抜けて目立っている。そしてその隣に立つ、ルーシーとは似ても似つかないバーモント子爵は睨んでいて…
何なのかしら?勝手に一人で家を出たから、怒ってるの?それにしても義理とはいえ父娘でしょう?何だかピリピリとした空気を感じるけど…。遠目で見てもそれがありありと分かる…
「バーモント子爵って、何だか近寄りがたい人なんだよ…どう言っていいのか分からないけど、冷酷さが透けて見える感じなんだよね。笑ってるけど笑ってない…うちの父も同じ印象を受けたようで、信用ならないと言ってた」
フィリップがそう呟いている。やっぱり私の受けた印象は間違ってはいないよう。だけどロード辺境伯様も?信用ならない…そう思ったってことは、武器の取り引きはしていないのかもね?このチャンスを逃さないわ!
「フィリップ、前にバーモント子爵様と辺境伯家は、仕事の取り引き相手だと言っていたわよね。それは今もそうなの?辺境伯様が信用ならないと言うなんて、取り引き先としては穏やかじゃないわよね?」
不自然じゃないギリギリを攻めて、そう聞いてみる。これなら今のフィリップの発言を聞いての、反応なんだと思ってくれるだろう。そして結局取り引きがあるのかないのかを判断出来るし。それにフィリップは、平然として…
「ああ、あれは取り止めにしたんだ。だってバーモント家が武器が欲しいなんておかしいだろ?この帝国は皇帝陛下のお力でここまで平和になったんだし、そんなに武器など必要としてない…それを父上が突っ込んで聞いたら、反応が怪しかったそうだよ?」
──辺境伯様~その判断、大正解ですっ。危ない…とんだことに巻き込まれるところでしたよ?これからもその判断力、失わないようにして下さい!皇帝陛下が悲しむので~
そんなふうに心の中で拍手喝采だった私だけど、突然もう一つの目的を思い出した。それでルシードの後ろへと目を向けると…二人の騎士のうち、一人は怪しい人が居ないか広場内を見渡している。だけど…もう一人の若い方は、明らかにルーシーとバーモント子爵を見ている。そして従者であるマーティンの方も。全てがこれで分かる訳ではないかも知れないけど、間違いないのは年上の方の騎士だけは、疑惑から外していいのでは?ってことよね。そう思ってチラッとルシードを見ると、同じことを思っていると見えて、ほんの少し肩を窄めて合図してくる。まあ、この二つが分かっただけでも大きな前進だし、今日来た意味があったわね?と、ルーシーに目線を戻すことにした。
すると…相変わらずの険悪な雰囲気に、近付いていいものかどうかの判断が出来ない。だけどこのままでは埒が明かないし、声を掛けてみようか?と思っていると…
──バチン!
そんな乾いた音がこの場に響く。それは周りにいる知らない人達も驚いたようで、二人を振り返って…
「な、何?何があったの…もしかして、ルーシーが叩かれた?」
唖然としてルーシーを見ると、大きな藍色の目に涙をいっぱい溜めて、左頬を手で押さえている。どうしちゃったの?何故叩かれたの?と私も動揺してしまって…
「あれは酷いな…止めなきゃマズいかも?」
ルシードのそんな呟きが耳に入る。ポロポロと涙を溢しながらもルーシーは、何かを言い返していて…それに激昂したバーモント子爵は、今度は反対の頬を打とうとしてか左手を勢いよく振り上げて…
「お待ち下さい!これ以上はお止めになって。見ていられません!」
その瞬間思いっ切り走った私は、二人に近付いてそう大声で叫んだ!子供に手を上げるなんて、許せないでしょ?
「な、何だ?君は…」
斜に構えた態度で、私をキッと睨みつけるバーモント子爵。冷酷…さっきフィリップがそう言ったが、まさにそのような言葉がぴったりなその視線。だけど私は、そんなものには負けない!とルーシーを庇うように子爵の前に立ちはだかる。
それから、この子大丈夫なのかしら?と後ろを振り返ると、ルーシーは何が起こったのか分からないといった顔をしていて…
ルーシーは驚きで目を見開いて、そして私と目が合う。明らかに動揺しているが目に光は失っておらず、これは大丈夫だと判断する。そして再び子爵の方に向き直した。
「君は誰だと聞いてるんだ。令嬢だとしても、ことと次第によっては容赦しないぞ!」
そう憎々しげに言ってくるバーモント子爵に、なんて印象通りな人なんだろうと思う。私の言動が失礼だったのは認めるけど、娘と同じ年頃の令嬢に対してそんな脅すようなことを言うなんて…
「私はランドン伯爵家のアリシアです。ルーシーの同級生ですわ!今のルーシーに対する暴力の一部始終を見ておりました。これ以上の暴力はお止めいただきたい!これが娘に対してすることなのですか?」
「何?ランドン伯爵家…だと?」
そう言ってバーモント子爵と睨み合う。するとその時、私のスカートが引き攣れるような感覚がして…チラッと見ると、ルーシーが端を握っている。そしてその手はブルブルと震えているのが伝わってくる。もうここには、あの勝ち気で生意気なルーシーはいなかった。怖くて震える一人の女の子で…
「私も反対です。何がお二人にあったのかは知りませんが、このように人目のある所で令嬢を平手打ちするなど、批判されても仕方がないのではないですか?」
「き、君は辺境伯家の?」
そんな私達を助けようとフィリップもそう意見して。そしてその人が見知った顔であり、ロード辺境伯家の子息であるフィリップだと気付いて…バーモント子爵は途端に怒気を緩める。そして護衛を連れたルシードが無言ですぐ側で威圧すると…
「ル、ルーシー。今日は早く帰ってくるように!」
慌てたようにそう言って、バッと踵を返すバーモント子爵が!そして向こうへと去って行った。
「あ、あなた、大丈夫なの?」
子爵が去ったことで安心して、バッと後ろを振り返る。そしてまだ頬を押さえながら涙を流すルーシーを見つめて…
「ア、アリシアー!」
突然私の名を大声で呼び、どっと涙を流すルーシー。そんな様子を見ていたら何だか物凄く可哀想に思えて…
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