91 / 96
最終章・幸せな日常
91・貴族の責務
しおりを挟む
「うん、ロ…」
ああ、喉がカラッカラだわ…だけどフカフカだし温かい!いい匂いもするし…
「お嬢様が私を呼んでます!ロッテって…」
「いや…俺だろ?ロメオって言ったんだよ」
ロッテにロメオ!無事だったのね?本当に良かった…
「もうあれから、三日も目を醒さない!もう一度医者を呼ぼうか?」
この声は…お父様!私、家に帰って来たのね?嬉しい…
「旦那様、何度呼んだって同じですよ。それよりもゆっくり休ませてあげないと。頭の傷も縫わずに済みましたし、本当に良かったです!お嬢様の頭にコイン禿ができちゃったら…と気が気じゃなくてぇ!」
うん…頭?ハゲって…失礼ね。だけど縫ってないなら、治りが早くて有り難い。だけど…アンドリューはどうなったかな?縫うことになったんじゃないかな…。起きなきゃいけないんだけど、まだ目が開けられないわっ。
「旦那様、今日も皆さんがお見舞いに来てくださいますよね?ホント毎日来てくださって…」
「アリシアの親友達だろ?いつも悪いな…目覚めてもいないのに」
ええっ、毎日来てるですって…放課後見に来てくれているってこと?どんなに心配を掛けているんだろう…それに皆んなに会いたい!もう、起きなきゃ…
「お、お…とう…さ、ま」
そう掠れた声で呼び掛けると…
「アリシア!起きたのか!?」
それにワッ!と皆は私の周りに集まって…
「お嬢様…良かった!もーう、心配しました~」
「はぁーっ、お嬢様…あんまり心配させないで下さいよー!」
ああ、元気そうな顔を見ることが出来て本当に安心した…ロッテはもう頬の腫れは引いたようでいつも通りだし、ロメオは腕に一箇所だけ軽い傷が残っているだけ。あの時はどうなってしまうのかと思ったけど…
そしてお父様の顔を見ると、涙を流しながら私を見つめている。どれだけの心配を…と苦しげに見ていると…
「アリシア、よく聞きなさい。こうやって無事に帰って来れて良かったが、一歩間違えれば死んだって不思議ではなかった。おまけにお前は自分だけでなく、使用人達の命まで脅かしてしまったのだぞ?それは貴族としてあるまじき行為だ。我が家門の使用人として雇っている以上、貴族として皆を守る責任を負う!」
お父様は安堵の涙を浮かべながらも、私に貴族としての責任を説く。それにロッテやロメオは慌てて…
「旦那様!お嬢様は気付かれたばかりですから…」
「そうです!それは元気になった後にでも…」
そう言って私を庇う発言をする二人に、厳しい表情でフルフルと頭を振って…
「いや、今だから言うのだ。使用人達はお前の命令を断れると思うか?実際断れないだろうな。お前の間違った判断で迷惑を受けるのは誰だと思う?今回はこれで済んだが…この次はないぞ!それを肝に銘じなさい」
それをまだ呆っとしている頭で、それでもしっかりと聞いていた。それ程大事なことだからだ…私は心に刻んだ!もうこれからは間違いを犯すまいと。そして何とか身を起こしながら…
「はい。肝に銘じます!今回は本当に申し訳ありませんでした」
そんな私に三人は、わぁ~っと身体を支えて…
「結局は、お嬢様が無事ならイイってコトです!」
そして私達は、泣きながら笑い合う。お互いの無事を喜びながら…
「それにしてもですよ!お嬢様…ロメオさんがあの時、両手の指の間全部に小刀を挟んで、ビューッと投げるんですよ。それがまた百発百中で!ロメオさんは執事を辞めても、大道芸人で食べて行けますよ」
「俺、辞めませんからね~」
おおっ?そんな技を!すっかり有耶無耶になってたけど、あの裏地は何だったのだろう…あんなところに武器を収納出来るだなんて!ロメオも元騎士ということしか知らないけど、なかなかハードな人生送って来てそう…
「それを言うならロッテもあの時、グーパンチで目潰ししようとしてましたよ?不発でしたけどね~」
「あれは相手が悪かっただけよ!決まれば効果抜群なんだからね?」
そんないつものように騒がしい我が家にどこか安心して、フフッと微笑んだ…今回の件では物凄く反省点も多いけど、得るものだって多かった筈。そう思っていると…
「旦那様、お嬢様のご友人の方々が…」
そんなメイドの声が聞こえて直ぐ、返事をする間もなく部屋になだれ込むように入って来る。
「ア、アリシア!目が覚めたの?」
寝ていたからどのくらいなのかは知らないけど、恐らく一週間くらい?ぶりの再会…なのに凄く前のような気がする。運が悪ければ、もう二度と会えないことだって…
「この、お馬鹿!」
「怖い物知らずなのにも程があるわよ!」
散々な言われよう…だけどいつも通りで嬉しい!そう思った瞬間、皆んなが私目掛けて飛びついてくるもんだから…揉みくちゃになる。ち、ちょっと!私…病み上がりなんですけど?
キャロライン、ブリジット、クリスティーヌは私を抱き締めながら、オイオイと泣く。そんな三人を見ていたら…泣けて来た。そんな私達を優しく見つめながら、フィリップとロブ、ルシードがベッド脇に立っている。良かった…皆んな無事だわ!それから視線を感じて真横を見ると…アンドリュー!
ルシード達と同じように、穏やかな笑みを浮かべながらこっちを見ていた。だけど…その顔には、クッキリとした傷が!右頬に縫ったような5センチほどの傷が、赤く残っている。それには凄く悲しくなって…
「暫くしたら、薄く目立たなくなるって!男の勲章でしょ?好きな子を守ったんだから」
ブリジットがそう言って笑う。きっとブリジットだって心配だった筈だ…私に気を使わせないように、ワザとそう明るく言っている。それにアンドリューは…
「その通りだ!僕はあの時、アリシアを助けようとして傷を負ったことを少しも後悔していない!守れてこの傷を誇りに思っているくらいだ…だから笑って?」
それには精一杯泣き笑いを浮かべ、アンドリューの手を握る。ありがとう…私を救ってくれて。躊躇なく飛び込んでくれて!と感謝しながら…
ああ、喉がカラッカラだわ…だけどフカフカだし温かい!いい匂いもするし…
「お嬢様が私を呼んでます!ロッテって…」
「いや…俺だろ?ロメオって言ったんだよ」
ロッテにロメオ!無事だったのね?本当に良かった…
「もうあれから、三日も目を醒さない!もう一度医者を呼ぼうか?」
この声は…お父様!私、家に帰って来たのね?嬉しい…
「旦那様、何度呼んだって同じですよ。それよりもゆっくり休ませてあげないと。頭の傷も縫わずに済みましたし、本当に良かったです!お嬢様の頭にコイン禿ができちゃったら…と気が気じゃなくてぇ!」
うん…頭?ハゲって…失礼ね。だけど縫ってないなら、治りが早くて有り難い。だけど…アンドリューはどうなったかな?縫うことになったんじゃないかな…。起きなきゃいけないんだけど、まだ目が開けられないわっ。
「旦那様、今日も皆さんがお見舞いに来てくださいますよね?ホント毎日来てくださって…」
「アリシアの親友達だろ?いつも悪いな…目覚めてもいないのに」
ええっ、毎日来てるですって…放課後見に来てくれているってこと?どんなに心配を掛けているんだろう…それに皆んなに会いたい!もう、起きなきゃ…
「お、お…とう…さ、ま」
そう掠れた声で呼び掛けると…
「アリシア!起きたのか!?」
それにワッ!と皆は私の周りに集まって…
「お嬢様…良かった!もーう、心配しました~」
「はぁーっ、お嬢様…あんまり心配させないで下さいよー!」
ああ、元気そうな顔を見ることが出来て本当に安心した…ロッテはもう頬の腫れは引いたようでいつも通りだし、ロメオは腕に一箇所だけ軽い傷が残っているだけ。あの時はどうなってしまうのかと思ったけど…
そしてお父様の顔を見ると、涙を流しながら私を見つめている。どれだけの心配を…と苦しげに見ていると…
「アリシア、よく聞きなさい。こうやって無事に帰って来れて良かったが、一歩間違えれば死んだって不思議ではなかった。おまけにお前は自分だけでなく、使用人達の命まで脅かしてしまったのだぞ?それは貴族としてあるまじき行為だ。我が家門の使用人として雇っている以上、貴族として皆を守る責任を負う!」
お父様は安堵の涙を浮かべながらも、私に貴族としての責任を説く。それにロッテやロメオは慌てて…
「旦那様!お嬢様は気付かれたばかりですから…」
「そうです!それは元気になった後にでも…」
そう言って私を庇う発言をする二人に、厳しい表情でフルフルと頭を振って…
「いや、今だから言うのだ。使用人達はお前の命令を断れると思うか?実際断れないだろうな。お前の間違った判断で迷惑を受けるのは誰だと思う?今回はこれで済んだが…この次はないぞ!それを肝に銘じなさい」
それをまだ呆っとしている頭で、それでもしっかりと聞いていた。それ程大事なことだからだ…私は心に刻んだ!もうこれからは間違いを犯すまいと。そして何とか身を起こしながら…
「はい。肝に銘じます!今回は本当に申し訳ありませんでした」
そんな私に三人は、わぁ~っと身体を支えて…
「結局は、お嬢様が無事ならイイってコトです!」
そして私達は、泣きながら笑い合う。お互いの無事を喜びながら…
「それにしてもですよ!お嬢様…ロメオさんがあの時、両手の指の間全部に小刀を挟んで、ビューッと投げるんですよ。それがまた百発百中で!ロメオさんは執事を辞めても、大道芸人で食べて行けますよ」
「俺、辞めませんからね~」
おおっ?そんな技を!すっかり有耶無耶になってたけど、あの裏地は何だったのだろう…あんなところに武器を収納出来るだなんて!ロメオも元騎士ということしか知らないけど、なかなかハードな人生送って来てそう…
「それを言うならロッテもあの時、グーパンチで目潰ししようとしてましたよ?不発でしたけどね~」
「あれは相手が悪かっただけよ!決まれば効果抜群なんだからね?」
そんないつものように騒がしい我が家にどこか安心して、フフッと微笑んだ…今回の件では物凄く反省点も多いけど、得るものだって多かった筈。そう思っていると…
「旦那様、お嬢様のご友人の方々が…」
そんなメイドの声が聞こえて直ぐ、返事をする間もなく部屋になだれ込むように入って来る。
「ア、アリシア!目が覚めたの?」
寝ていたからどのくらいなのかは知らないけど、恐らく一週間くらい?ぶりの再会…なのに凄く前のような気がする。運が悪ければ、もう二度と会えないことだって…
「この、お馬鹿!」
「怖い物知らずなのにも程があるわよ!」
散々な言われよう…だけどいつも通りで嬉しい!そう思った瞬間、皆んなが私目掛けて飛びついてくるもんだから…揉みくちゃになる。ち、ちょっと!私…病み上がりなんですけど?
キャロライン、ブリジット、クリスティーヌは私を抱き締めながら、オイオイと泣く。そんな三人を見ていたら…泣けて来た。そんな私達を優しく見つめながら、フィリップとロブ、ルシードがベッド脇に立っている。良かった…皆んな無事だわ!それから視線を感じて真横を見ると…アンドリュー!
ルシード達と同じように、穏やかな笑みを浮かべながらこっちを見ていた。だけど…その顔には、クッキリとした傷が!右頬に縫ったような5センチほどの傷が、赤く残っている。それには凄く悲しくなって…
「暫くしたら、薄く目立たなくなるって!男の勲章でしょ?好きな子を守ったんだから」
ブリジットがそう言って笑う。きっとブリジットだって心配だった筈だ…私に気を使わせないように、ワザとそう明るく言っている。それにアンドリューは…
「その通りだ!僕はあの時、アリシアを助けようとして傷を負ったことを少しも後悔していない!守れてこの傷を誇りに思っているくらいだ…だから笑って?」
それには精一杯泣き笑いを浮かべ、アンドリューの手を握る。ありがとう…私を救ってくれて。躊躇なく飛び込んでくれて!と感謝しながら…
465
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】悪役令嬢の断罪から始まるモブ令嬢の復讐劇
夜桜 舞
恋愛
「私がどんなに頑張っても……やっぱり駄目だった」
その日、乙女ゲームの悪役令嬢、「レイナ・ファリアム」は絶望した。転生者である彼女は、前世の記憶を駆使して、なんとか自身の断罪を回避しようとしたが、全て無駄だった。しょせんは悪役令嬢。ゲームの絶対的勝者であるはずのヒロインに勝てるはずがない。自身が断罪する運命は変えられず、婚約者……いや、”元”婚約者である「デイファン・テリアム」に婚約破棄と国外追放を命じられる。みんな、誰一人としてレイナを庇ってはくれず、レイナに冷たい視線を向けていた。そして、国外追放のための馬車に乗り込むと、馬車の中に隠れていた何者かによって……レイナは殺害されてしまった。
「なぜ、レイナが……あの子は何も悪くないのに!!」
彼女の死に唯一嘆いたものは、家族以上にレイナを知る存在……レイナの親友であり、幼馴染でもある、侯爵令嬢、「ヴィル・テイラン」であった。ヴィルは親友のレイナにすら教えていなかったが、自身も前世の記憶を所持しており、自身がゲームのモブであるということも知っていた。
「これまでは物語のモブで、でしゃばるのはよくないと思い、見て見ぬふりをしていましたが……こればかりは見過ごせません!!」
そして、彼女は決意した。レイナの死は、見て見ぬふりをしてきた自身もにも非がある。だからこそ、彼女の代わりに、彼女への罪滅ぼしのために、彼女を虐げてきた者たちに復讐するのだ、と。これは、悪役令嬢の断罪から始まる、モブ令嬢の復讐劇である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる