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最終章・幸せな日常
92・トラウマの克服
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私が目を覚ましてから一週間、もうそろそろ学園に通えるかな?って期待しているけど…どうだろうか。暗闇でじっとしていたことで、体力は温存出来ていたんだけど、思いのほか心の傷というものが治らない。これでケロッとしていた方が問題なんだけどね…
それを分かっている親友達は私の心に寄り添いながら、いつでも自分のタイミングで戻って来ていいんだよ?と見守ってくれている。そして今日も…
「今日のご機嫌はいかがかな?勇者が来たよ!」
「ブハッ!勇者って何よ?」
そんな私を元気付けるように、冗談を言いながら現れたのはアンドリュー。そして今日も私に花束を渡してくる。
「今日はヒマワリだ!もうすっかり夏だから外には沢山咲いてるぞ。また皆んなで見に行こう」
「わあ!綺麗~」とそれを受け取って、感謝を伝える。ここのところ毎日のように花束を持ってきてくれて…昨日は薔薇だったわね。部屋の中には沢山のお花が飾られていて、もうお花屋さんが開けそう!それにそう言われると外に出てみたくなる…それがアンドリューにとっては、目的の一つなんだろう。
私が目覚めた時、ブリジットが何気なく言ったあの言葉…
『好きな子を守ったんだから…』
──それってホント?私達が既に親友なのは疑うべきものではないけど、好きって…いつからなんだろう?
いつの間にかスッと心に入り込んでくるアンドリューのこと、私はどう思っているんだろうか…
「アリシア、もしも平気なら庭を散歩してみないか?」
突然そう言われてビクッと身体が揺れる。あれから一度も外に出ていない…トラウマっていうのかな?何故か外に出ようとすると、気分が悪くなって…でもこのままではいけないわね!
「うん…分かった!出てみるわ。悪いんだけどアンドリュー、手を繋いでいてくれる?」
「勿論!お姫様、お手をどうぞ」
冗談めかしてそう言って手を差し出すアンドリューに、フフッと笑ってその手を握った。深刻に捉えずこうやってくれるのが、本当に有り難い…
それから恐る恐る部屋を出て、リハビリ替わりに屋敷の中を歩く。そんな私の姿を見たロッテをはじめとする使用人達は、涙ぐみながらも…笑顔を向けてくれる。それに私も笑顔で返して、皆んなの為にも勇気を出さなきゃ!と自分を奮い立たせて…そして中庭に面したホールに出る。
「わあ!綺麗ね。いつの間にか咲いている花が移り変わって…もう夏だわ」
「そうだよ…夏だ。学園ではまた体力強化の授業が始まって、フラフラになるまで校庭を走ってるんだ。一緒に走りたいって思わないか?一歩ずつでいいんだ…始めてみよう」
それに力強く頷く私。そして庭に足を踏み入れてみる。約三週間ぶりかしら?前は庭の東屋で、皆んなでお茶を飲んだりしたんだけど…何故か遠い昔のように感じる。ふぅっと穏やかな風を受け、足の裏には柔らかな土の感触が伝わって…ぎゅっとアンドリューの手を握る!
──どうしたんだろう…怖いわ!何故こんなことに…
そんな私にアンドリューは、手をしっかりと握りながら無理はしなくてもいいと言う。だけど…皆んなの為にもあと少し!と、もう一歩進んでみて…
「はあぁ…怖いけど、大丈夫みたい。アンドリューのお陰だわ!」
そうホッとして隣を見ると、アンドリューの目からはポタポタと宝石のような涙が溢れて…胸がギュッとする。
「良かったな…アリシア。だけど僕が怪我なんかしたから、思い出して怖くなるんだろ?きっと傷をみる度にそれを感じて…。だから僕と会わない方がアリシアのためなんだと分かってる。だけど…ゴメン!それは出来そうにないんだ。赦してくれるか?」
ア、アンドリュー?そんなふうに感じてたの?自分が怪我をしたせいだって…
確かにショックだった。自分のせいで大好きな人が怪我をするなんて!いつの間にか誰よりも側にいて、嬉しい時も悲しい時も、辛い時だってずっと側に。だけど…だからこそ責任を感じて欲しくない。
「違うわ…自分の馬鹿さ加減に嫌になるからよ。あなたのせいなんかじゃないわよ?絶対に。それにあなたが来てくれなきゃ…」
淋しい?唐突にそんな自分の気持ちに気付いた。私ってアンドリューが側にいないとダメなのかしら…いつの間に?それに気付いて急にドキドキする…
最初存在を知ったのはいつだったかしら?実験室でルーシーとスティーブ殿下と言い合いになった時、文句を言われたのが最初かも?あの頃はこんなに仲良くなれるなんて、夢にも思わなかったよね。それがいつの間にか一緒にいるようになって、お互いのことをこんなにも思いやれるようになって…何て不思議なのかしら!人との巡り合いって偶然だけど、本当は定められているものなのかもね。
「ほら、もうあと一歩頑張ろう。僕が付いてるから!」
出されたその手を握って、いつのも自分を取り戻そうと心に誓う。私の取り柄なんて、元気しかなかったじゃない?アンドリューだけじゃなく、私を心配してくれる全ての人達にこの愛を返す為にも…
「待ってて!直ぐに学園に戻るから。私がいないとつまらないでしょ?」
「そうだ…その意気だよ。皆んな待ってるからな!」
それから二人で、庭を歩き回った。それから少しずつ外に出る練習をして、屋敷の外にも難なく出れるように回復する。その傍らにはいつも、アンドリューがいて…
いよいよ明日から、学園に戻る。少し緊張するけど、待っていてくれる人達がいるから…平気よ!
あれから事件がどうなったのかも聞かなきゃね?そう気合いを入れて、明日からまた始まる平凡だけど愛しい日常にワクワクとして…
それを分かっている親友達は私の心に寄り添いながら、いつでも自分のタイミングで戻って来ていいんだよ?と見守ってくれている。そして今日も…
「今日のご機嫌はいかがかな?勇者が来たよ!」
「ブハッ!勇者って何よ?」
そんな私を元気付けるように、冗談を言いながら現れたのはアンドリュー。そして今日も私に花束を渡してくる。
「今日はヒマワリだ!もうすっかり夏だから外には沢山咲いてるぞ。また皆んなで見に行こう」
「わあ!綺麗~」とそれを受け取って、感謝を伝える。ここのところ毎日のように花束を持ってきてくれて…昨日は薔薇だったわね。部屋の中には沢山のお花が飾られていて、もうお花屋さんが開けそう!それにそう言われると外に出てみたくなる…それがアンドリューにとっては、目的の一つなんだろう。
私が目覚めた時、ブリジットが何気なく言ったあの言葉…
『好きな子を守ったんだから…』
──それってホント?私達が既に親友なのは疑うべきものではないけど、好きって…いつからなんだろう?
いつの間にかスッと心に入り込んでくるアンドリューのこと、私はどう思っているんだろうか…
「アリシア、もしも平気なら庭を散歩してみないか?」
突然そう言われてビクッと身体が揺れる。あれから一度も外に出ていない…トラウマっていうのかな?何故か外に出ようとすると、気分が悪くなって…でもこのままではいけないわね!
「うん…分かった!出てみるわ。悪いんだけどアンドリュー、手を繋いでいてくれる?」
「勿論!お姫様、お手をどうぞ」
冗談めかしてそう言って手を差し出すアンドリューに、フフッと笑ってその手を握った。深刻に捉えずこうやってくれるのが、本当に有り難い…
それから恐る恐る部屋を出て、リハビリ替わりに屋敷の中を歩く。そんな私の姿を見たロッテをはじめとする使用人達は、涙ぐみながらも…笑顔を向けてくれる。それに私も笑顔で返して、皆んなの為にも勇気を出さなきゃ!と自分を奮い立たせて…そして中庭に面したホールに出る。
「わあ!綺麗ね。いつの間にか咲いている花が移り変わって…もう夏だわ」
「そうだよ…夏だ。学園ではまた体力強化の授業が始まって、フラフラになるまで校庭を走ってるんだ。一緒に走りたいって思わないか?一歩ずつでいいんだ…始めてみよう」
それに力強く頷く私。そして庭に足を踏み入れてみる。約三週間ぶりかしら?前は庭の東屋で、皆んなでお茶を飲んだりしたんだけど…何故か遠い昔のように感じる。ふぅっと穏やかな風を受け、足の裏には柔らかな土の感触が伝わって…ぎゅっとアンドリューの手を握る!
──どうしたんだろう…怖いわ!何故こんなことに…
そんな私にアンドリューは、手をしっかりと握りながら無理はしなくてもいいと言う。だけど…皆んなの為にもあと少し!と、もう一歩進んでみて…
「はあぁ…怖いけど、大丈夫みたい。アンドリューのお陰だわ!」
そうホッとして隣を見ると、アンドリューの目からはポタポタと宝石のような涙が溢れて…胸がギュッとする。
「良かったな…アリシア。だけど僕が怪我なんかしたから、思い出して怖くなるんだろ?きっと傷をみる度にそれを感じて…。だから僕と会わない方がアリシアのためなんだと分かってる。だけど…ゴメン!それは出来そうにないんだ。赦してくれるか?」
ア、アンドリュー?そんなふうに感じてたの?自分が怪我をしたせいだって…
確かにショックだった。自分のせいで大好きな人が怪我をするなんて!いつの間にか誰よりも側にいて、嬉しい時も悲しい時も、辛い時だってずっと側に。だけど…だからこそ責任を感じて欲しくない。
「違うわ…自分の馬鹿さ加減に嫌になるからよ。あなたのせいなんかじゃないわよ?絶対に。それにあなたが来てくれなきゃ…」
淋しい?唐突にそんな自分の気持ちに気付いた。私ってアンドリューが側にいないとダメなのかしら…いつの間に?それに気付いて急にドキドキする…
最初存在を知ったのはいつだったかしら?実験室でルーシーとスティーブ殿下と言い合いになった時、文句を言われたのが最初かも?あの頃はこんなに仲良くなれるなんて、夢にも思わなかったよね。それがいつの間にか一緒にいるようになって、お互いのことをこんなにも思いやれるようになって…何て不思議なのかしら!人との巡り合いって偶然だけど、本当は定められているものなのかもね。
「ほら、もうあと一歩頑張ろう。僕が付いてるから!」
出されたその手を握って、いつのも自分を取り戻そうと心に誓う。私の取り柄なんて、元気しかなかったじゃない?アンドリューだけじゃなく、私を心配してくれる全ての人達にこの愛を返す為にも…
「待ってて!直ぐに学園に戻るから。私がいないとつまらないでしょ?」
「そうだ…その意気だよ。皆んな待ってるからな!」
それから二人で、庭を歩き回った。それから少しずつ外に出る練習をして、屋敷の外にも難なく出れるように回復する。その傍らにはいつも、アンドリューがいて…
いよいよ明日から、学園に戻る。少し緊張するけど、待っていてくれる人達がいるから…平気よ!
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